受発注システムの連携性とは何か
受発注システムの連携性とは、受注・発注データを他のシステムやサービスと自動的にやり取りできる能力のことです。連携が整っていると、人が手作業でデータを転記する必要がなくなり、ミスの削減と業務スピードの向上につながります。
なぜ連携性が重要なのか
受発注システムで蓄積したデータは、販売管理・会計・在庫管理・物流など多くの部門で活用されます。これらのシステム間でデータが自動的に流れる仕組みがあれば、部門をまたいだ情報共有が円滑になり、経営判断のスピードも上がります。
一方で連携が不十分なシステムを導入すると、担当者がCSVを手動でダウンロード・アップロードするような作業が毎日発生します。この手作業は入力ミスや更新タイミングのずれを招きやすく、トラブルの原因となります。連携性はシステム選定における重要な評価軸の一つです。
連携の方法にはどんな種類があるか
受発注システムの連携方式には主に、APIによるリアルタイム連携、ファイル(CSV・Excel)を介したバッチ連携、EDI(電子データ交換)を使った連携の3種類があります。それぞれ対応できる連携先や処理の即時性が異なります。
API連携はプログラム同士が直接通信するため、データのやり取りがリアルタイムで行われます。ファイル連携は汎用性が高く、古いシステムとも組み合わせやすい反面、更新にタイムラグが生じます。EDI連携は取引先との受発注に特化した方式で、大手流通業や製造業との取引に用いられるケースがあります。用途に応じた使い分けがポイントです。
販売管理システム・ERPとの連携を確認する
受発注システムを導入する際に最初に確認したいのが、すでに社内で使っている販売管理システムやERPとデータ連携できるかどうかです。連携が実現すると、受注情報が自動的に販売管理側に反映され、売上計上や在庫引き当てがスムーズです。
主要な販売管理システムとの対応状況
弥生販売や商蔵奉行、アラジンオフィスなど、国内で広く使われている販売管理システムに対応した連携機能を持つ受発注システムが増えています。これらとのデータ連携が可能なシステムを選ぶと、受注データを販売管理ツールへ再入力する手間を省けます。
ただし、「連携対応」と記載されていても、連携できるデータ項目が限定されていたり、専用のオプション費用がかかったりするケースがあります。導入前に、自社が必要とするデータ項目(受注日・得意先コード・商品コード・数量・単価など)がすべて連携対象かどうかを確認することが大切です。
ERPとのデータ連携で注意すべき点
ERPは販売・在庫・購買・会計を一元管理するシステムであり、受発注システムとのデータ連携は特に複雑になりがちです。ERP側のマスタデータ(得意先マスタ・商品マスタ)と受発注システムのマスタが一致していないと、連携時にエラーが発生します。
連携の方式がAPIかファイル取込かによっても、運用上の負荷が変わります。APIでリアルタイムに連携できる場合は業務負荷を軽減しやすい一方、API仕様の変更やシステムのアップデート時には連携に影響が生じる場合があります。ERP連携を検討する際は、動作検証の範囲や保守サポートの体制についてもベンダーに確認しておくことをお勧めします。
会計ソフトへの自動連携を活用する
受発注データを会計ソフトへ自動で連携できると、経理担当者の仕訳入力作業が大幅に減ります。売上データや入金データをリアルタイムに会計側へ渡せれば、月次決算の締め作業が早まり、経営の見える化も進みます。
クラウド会計ソフトとの連携ポイント
マネーフォワードクラウド会計やfreeeなど、クラウド型の会計ソフトはAPI公開が進んでおり、受発注システムと自動連携できる製品が増えています。売上伝票や請求データを自動で仕訳に変換する機能を持つシステムを選ぶと、経理部門の負担を大きく下げられます。
連携時に確認すべき点は、どの会計コードへどのデータを紐づけるか(勘定科目・税区分・部門コードなど)の設定が柔軟にできるかどうかです。設定の自由度が低いと、自社の勘定科目体系に合わせられず、手修正が残ってしまいます。会計ソフトとの連携機能については、無料トライアルや設定デモで事前に動作を確かめておくと確実です。
入金データ連携で売掛管理を効率化する
売上だけでなく、入金データを会計ソフトへ連携できるシステムもあります。銀行口座の入金情報を自動取込し、受注データと照合することで、売掛残高の管理が格段に楽になります。未入金の請求を見落とすリスクを下げる効果が期待できます。
入金連携を実現するには、銀行APIや入金消込機能を持つ受発注システムを選ぶ必要があります。ただし金融機関によっては対応していない場合もあるため、自社のメインバンクが対象かどうかを事前に確認してください。また、消込ルールの設定が複雑な場合は、導入後の設定サポートが充実しているベンダーを選ぶようにしましょう。
ITトレンドでは、最新の受発注システムを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で受発注システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
WMS・物流システムとの出荷データ連携
受発注システムから倉庫管理システム(WMS)や物流委託先(3PL)への出荷指示データを自動送信できると、出荷業務の効率が大きく上がります。手作業でのFAX・メール送信をなくし、ピッキングミスや出荷遅延を防ぐ仕組みを整えられます。
自社倉庫のWMSと連携する方法
自社の倉庫でWMSを運用している場合、受発注システムから出荷指示データをAPI経由またはファイルで送信する方式が一般的です。注文が確定した時点で自動的に出荷指示が倉庫に届く仕組みを構築できると、出荷リードタイムの短縮につながります。
WMSとの連携では、商品コードや数量、出荷先住所などのデータ項目の形式を双方で合わせることが前提となります。コードの体系が異なる場合は変換テーブルを用意する必要があります。WMS側のベンダーとも連携仕様について事前に打ち合わせを行い、連携テストの工程を計画に組み込んでおくと安心です。
3PLへの出荷指示データ自動送信のポイント
外部の物流委託先(3PL)を利用している場合、3PLが使っているシステムのフォーマットに合わせたデータ出力が必要です。3PLによってはEDIや専用ポータルを経由したデータ送信が求められるケースもあります。
3PLとの連携をスムーズに進めるには、受発注システムがデータ出力フォーマットをカスタマイズできる柔軟性が求められます。出力項目や並び順を3PLの要件に合わせて設定できるシステムを選ぶと、開発コストを抑えながら連携を実現できます。なお、複数の3PLを使い分けている場合は、複数フォーマットに対応できるかどうかも確認してください。
掛け払い・APIカスタム連携を活用する
BtoB取引では後払いの請求代行サービスを利用するケースが増えており、受発注システムとの連携によって与信確認から請求代行まで一貫して自動化できます。また、独自システムとのAPI連携によって、自社特有の業務フローをシステムで支援することも可能です。
BtoB掛け払いサービスとのAPI連携
PaidやマネーフォワードケッサイなどのBtoB向け掛け払い(請求代行)サービスは、API連携に対応した受発注システムと組み合わせることで、与信審査の依頼や請求書の発行を自動化できます。受注と同時に与信確認を行い、承認が下りたら自動で請求を起票する流れを構築できます。
連携の際は、与信審査の結果をどのタイミングで受発注システムに反映するか(リアルタイムか非同期か)を確認してください。審査に時間がかかるサービスの場合、受注確定のタイミングと与信結果のタイミングがずれることがあります。業務フローに合った連携方式を選ぶことが、スムーズな運用への近道です。
独自システム・在庫連携ツールとのAPI活用
自社独自の基幹システムや外部の在庫連携ツールとリアルタイムにデータをやり取りするには、受発注システムがAPIを公開しているかどうかを最初に確認してください。API仕様が公開されていれば、自社の開発チームや外部のシステムインテグレーターが柔軟に連携を構築できます。
APIを活用した連携を検討する際は、APIの認証方式(OAuth・APIキーなど)やレートリミット(1秒あたりのリクエスト上限)、エラー時のリトライ設計なども確認してください。また、APIのバージョンアップ時のサポート方針についても事前に把握しておくと、後のトラブルを防げます。
受発注システムの連携性に関するよくある質問(FAQ)
受発注システムの連携性について、導入検討者からよく寄せられる質問をまとめました。システム選定の際の参考にしてください。
- ■Q1:既存の古いシステムとの連携は可能ですか?
- APIに対応していない古いシステムとの連携には、CSV出力・取込を活用する方法が現実的です。受発注システム側でCSVの出力項目や並び順をカスタマイズできる機能があれば、既存システムが受け入れられるフォーマットに合わせた出力が可能です。ただし手作業でのファイル取込が必要な場合はタイムラグが生じるため、業務への影響を事前に確認してください。
- ■Q2:複数の連携先を同時に使うことはできますか?
- 複数の連携先(会計ソフト・WMS・掛け払いサービスなど)を同時に利用できるシステムも存在します。ただし、連携先が増えるほどマスタデータの整合性管理が複雑になりがちです。連携設定の管理画面が整っているか、設定変更時のサポートが受けられるかを確認した上で選定することが大切です。
- ■Q3:連携設定は自社で行えますか?それとも専門業者に依頼が必要ですか?
- クラウド型の受発注システムでは、ノーコードで連携設定ができる製品も増えています。API連携や複雑なデータ変換が必要な場合は、システムインテグレーターや開発会社への依頼が必要になることがあります。導入前にベンダーへ、設定の難易度と初期構築のサポート範囲をあらかじめ確認しておくと安心です。
まとめ
受発注システムの連携性は、販売管理システム・会計ソフト・WMS・掛け払いサービス・独自システムとのデータ連動を通じて、業務全体の効率を左右します。連携方式(API・CSV・EDI)や対応する連携先の範囲、カスタマイズの柔軟性を事前に確認することが、導入後のトラブルを防ぐポイントです。自社の業務フローに合った連携機能を持つシステムを選び、スムーズなデータ流通を実現してください。


