受注残とは
受注残の意味について具体例を用いてわかりやすく解説します。受注残の考え方や計算方法がわかるでしょう。また、なぜ受注残を管理する必要があるのかについても説明します。
受注した商品が未出荷の状態を指す
受注残(じゅちゅうざん)とは、英語ではバックログとも呼ばれ、受注したものの未だ納品していない商品を意味する言葉です。当然売上には計上されないため、注文を受けた金額は受注高として管理されます。
例えば、ある商品を5個受注したとしましょう。この段階では1つも納品していないため、受注残は5個です。続いて、まず3個納品したとします。この段階で受注残は2個。その2個も納品すると、受注残は0個です。
受注残は、納品の進捗状況を把握する際に利用できます。上述の例でいえば、受注残が5個から0個に近づくに連れて、納品が進んでいることを意味します。
トラブル回避のために受注残管理が必要
受注残は、これから納品しなければならない商品の数です。つまり、自社が抱える在庫は受注残を除いて考えなければなりません。受注残の管理を怠るとトラブルが発生します。
例えば、ある商品をAさんから5個発注されたとしましょう。ところが、在庫は4個しかありません。そのため、もう1個仕入れ、5個そろってからAさんに納品することにします。
このとき、別のBさんから同じ商品を2個発注され、在庫が4個あるからと、そのうち2個をすぐに納品してしまったらどうでしょうか。新たに1個仕入れても、在庫は合計3個となり、先に5個発注したAさんに納品できなくなります。
受注残管理をしていればこのようなトラブルを回避可能です。上述の例では、Aさんから5個発注を受けた時点で、自社の在庫を「4個(在庫)-5個(受注残)=-1個」と管理できていればよかったのです。

受注残の分析ポイント
受注残とは将来売上につながる商品です。つまり、受注残が多ければ多いほど、収益が上がる見込みが大きいことを意味します。受注残を積み上げることで、安定した経営の実現につながるでしょう。
反面、受注から売上が確定するまでに時間がかかるため、売上金額を回収できないリスクも存在します。受注を受けた金額(受注高)をグラフで可視化するなどして、受注残を分析しましょう。受注残の保持期間がどのくらいだったか、月次や年次での推移がわかるため、今後の経営状態を予測したり、問題点を発見したりしやすくなります。
受注残管理を効率化する「受発注システム」とは
受発注システムとは、受注業務と発注業務を効率化するITツールのことです。具体的には、受発注に関するデータ入力や伝票出力、在庫の確認などにかかる手間を削減できます。
従来はメールやファックスで取引先と受発注のやり取りをするのが一般的でしたが、受注内容を伝票に書き起こす手間がありました。受発注システムを導入すれば、双方がシステムにアクセスして必要な情報を入力するだけで済みます。
メールで受け取った受注内容の転記が不要になるだけでなく、受注した商品の数を漏れなく記録できるため、人為ミスによるトラブルの発生を回避可能です。受注残管理も楽になるでしょう。どのような受注残管理機能を備えているかは製品によって異なるため、よく吟味して導入してください。受発注システムの比較には以下の記事がおすすめです。
受発注システムを導入し、受注残管理を効率化しよう
受注残とは、取引先から注文を受けたものの、まだ納品あるいは出荷していない商品のことです。受注残は管理を怠ると、取引先との間にトラブルを引き起こしかねません。
また、受注残は経営分析に利用可能です。受注残が多い商品は将来売上につながるため、経営の安定性を把握する指標になります。
受注残を適切に管理するには受発注システムの導入がおすすめです。ぜひこの機会に、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
