EOS・EDIとは?
EOSとEDIの違いについて解説する前に、それぞれの意味やできることについて説明します。
EOS:電子発注システム
EOSとは「Electronic Ordering System」の略で、電子発注システムのことです。EOSは主に小売店の発注業務に使われ、仕入元に対してオンラインで発注情報を伝達するシステムです。紙の伝票を用いて行われていた発注業務を、コンピュータで再現できるようにしたもので、EOSの普及により人為的ミスや手間を削減できるようになりました。
商品の発注方式は以下の3つです。
- ■棚卸スキャン方式
- 商品棚に存在する在庫のバーコードをスキャナで読み取り、在庫数を確認することで発注数を決定。
- ■オーダーブックスキャン方式
- 注文票をスキャナで読み取り、数量入力することで発注データを作成。
- ■EOB方式
- 電子オーダーブックと呼ばれるタブレット状の機器に数量を入力し、過去の売り上げデータなどを参照したうえで、発注数を決定。
インターネットEDI:電子データ交換
EDIとは「Electronic Data Interchange」の略で、企業間電子データ交換を意味します。インターネットを通信手段としているため、「インターネットEDI」とも呼ばれます。受発注業務に関するデータをやり取りしますが、それ以外のデータも送受信可能です。
やり取りが可能なデータの一例です。
- ■発注書
- ■納品書
- ■請求書
これらの書類について、FAXや郵送を行う必要がないため、業務が効率化します。
EDIについては以下の記事で詳しく解説しています。

EOSとEDIの違いとは?

EOSとEDIの大きな違いは、その適用範囲です。具体的には、EOSが発注業務に特化しているのに対し、EDIは受発注だけでなく出荷や納品、請求、支払いまで一括で扱えます。つまり、「EOSはEDIの一部である」と言えるのです。
1970年代に大手小売店や量販店でEOSが導入されはじめましたが、当時は各企業がオリジナルのシステムを使用していたため、受注側は各システムに対応する必要があり、大きな負担でした。
しかし、電子データ交換の標準化が行われ、さらに適用範囲が拡大したEDIの登場により、1990年代以降はEDIがEOSに取って代わるように普及しました。
EDIとBMSとの違いは?
EDIに関連し、よく混同される語句として、BMSがあります。EDIは企業間における電子データのやり取りを指し、BMSはEDIの標準仕様を指します。BMSとはどのようなものか具体的に見てみましょう。
BMSはEDIの標準仕様
BMSは「Business Message Standards」の略で、EDIの標準仕様を指します。経済産業省の「流通システム標準化事業」によって、2007年4月に制定されました。EDIをPCのデバイスだとすると、BMSはWindowsのようなものです。
JCA手順に代わって誕生したのが流通BMS
BMSの前には、日本チェーンストア協会と通商産業省によって制定された、JCAと呼ばれる手順が標準仕様として使われていました。
しかし、JCA手順で利用される通信方式は2024年にサービスが終了します。また、通信速度が遅い、共有できる情報が限られているなど、不便な点も少なくありません。
そのため、新たな方法としてBMSが普及することになりました。まだJCA手順のシステムを利用している場合は、2024年までにBMSに移行する必要があります。
BMSはインターネット回線を利用した通信仕様として普及し続けており、JCAと比べ、漢字表記や画像データに対応している、通信速度が速いといったメリットがあります。
以下の記事では、受発注だけでなくさまざまな商取引業務を効率化できるEDI製品を紹介しています。
EOSとEDIの違いを把握して自社に適したシステムの活用を!
EOSとEDI、BMSの意味はそれぞれ以下のとおりです。
- ■EOS:電子発注システム
- ■EDI:電子データ交換システム
- ■BMS:EDIの仕様
各システムの違いや特徴を理解したうえで、自社の課題解決に役立つシステムを検討しましょう。
また、受発注に特化して効率化したいという方には受発注システムもおすすめです。興味のある方はぜひ以下の記事も参考にしてください。
