UI/UX設計の評価方法:使いやすいシステムの見分け方
使いやすいシステムかどうかを判断するには、UIとUXの設計品質を評価する基準を持つことが必要です。営業資料の言葉ではなく、具体的な画面構成や操作フローを確認してから判断しましょう。
操作フロー設計で評価する「認知負荷」の低さ
使いやすいシステムの共通点は、「次に何をすれば良いか」を利用者が考えなくて済む画面設計です。これを「認知負荷の低さ」と呼びます。具体的には、ボタンの配置が操作の流れに沿っているか、エラーメッセージが原因と対処法を明示しているか、入力フォームが必須項目と任意項目を視覚的に区別しているかを確認しましょう。
ITに不慣れな取引先の担当者でも直感的に使えるかどうかは、「はじめて使う人がマニュアルなしで発注を完了できるか」を基準に評価できます。この基準で既存のECサイト(Amazon・楽天など)と比べると、画面設計の差が見えやすくなります。初回操作時の画面遷移数が少なく、各画面に表示する情報を絞り込んでいるシステムは、取引先への展開がスムーズです。
事務担当者の処理効率を左右するUI設計のチェックポイント
受注側の事務担当者は1日に何十件・何百件もの注文を処理します。処理効率に直結するUI設計のポイントは、キーボード操作の充実度と画面遷移の少なさです。マウスのみで操作するシステムより、ショートカットキーで伝票確認から承認・出荷指示まで一気に進められるシステムの方が、1件あたりの処理時間を大幅に削減できます。
評価の際は「注文一覧から個別明細を開いて確認し、承認して戻るまでのクリック数」を実際に数えてみるのが有効です。クリック数が少なく、一覧画面に戻ったときに同じスクロール位置が維持されるシステムは、大量処理時の疲労を下げます。また、注文の条件別フィルタリングや一括承認機能がある場合、その操作が何ステップで完了するかも確認しましょう。導入前に事務担当者が試用し、評価シートに所感を記録しておくと、製品間の比較を客観的に行えます。
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デモ・トライアルで使いやすさを確かめる具体的な手順
カタログや営業担当者の説明だけでは使いやすさは分かりません。デモやトライアルで実際に操作することが、後悔しない製品選定の前提条件です。確認すべき場面と手順を事前に整理しておくと、短いデモ時間でも多くの情報を得られます。
デモで確認すべき3つのシナリオ
デモの場では、次の3つのシナリオを必ずリクエストしましょう。第一は「取引先目線の発注操作」で、商品を検索して数量を入力し、注文を確定するまでの一連の流れです。第二は「受注側の事務処理」で、注文一覧を確認し、問題のある注文に対してコメントを付けて差し戻すまでの操作です。第三は「管理者による取引先アカウントの追加と権限設定」で、新しい取引先を登録し、閲覧できる商品・単価を制限するまでの手順です。
この3シナリオを通じて、操作の難しさ・画面の見やすさ・エラー時の対応のしやすさを評価できます。担当者ごとに評価軸が異なるため、情報システム部門・事務担当者・営業担当者が同席する形でデモを受けると、多角的な評価ができます。
無料トライアルで自社データを使って検証する
無料トライアルは、デモよりも深い検証が可能な場です。トライアルでは、実際の自社データ(商品マスタ・取引先リスト)をインポートし、本番に近い環境で操作することを優先してください。ダミーデータだけで試用すると、実際のデータ件数・文字数・コードの桁数によって起きる問題を見落とす可能性があります。
トライアル期間中に確認しておきたい点として、CSVインポート時のエラー表示の分かりやすさ・複数アカウントでの同時ログインの動作・スマートフォンからの操作感が挙げられます。また、トライアル中にサポートへ問い合わせを1回以上行い、回答の速度と的確さを評価しておくと、導入後のサポート品質の予測に役立ちます。評価シートをあらかじめ作成し、複数製品を同じ基準で比較することで、主観に偏らない選定ができます。
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ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で受発注システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討してみましょう。
取引先へのオンボーディング設計:定着を前提にした選定基準
どれだけ使いやすいシステムでも、取引先がWeb発注に移行しなければ業務効率化は実現しません。オンボーディング(取引先をシステムに定着させるプロセス)を見据えた製品選定と移行計画が、導入成功の鍵です。
ベンダーの取引先支援サービスを選定軸に加える
受発注システムのベンダーによっては、取引先向けの操作説明動画・マニュアルテンプレート・電話サポートなどを提供しています。これらを活用すれば、自社側で操作説明資料を一から作る手間を省けます。取引先数が多い企業や、ITに不慣れな取引先が多い業種(飲食・農業・建設など)では、ベンダーの取引先支援の充実度が導入成否を左右します。
比較時には「取引先向け説明会の開催支援」「FAQ付きマニュアルの提供」が標準サービスに含まれているか、追加費用が発生するかを確認してください。オプション扱いの場合は費用対効果を試算し、自社でサポートを内製する場合のコストと比較しましょう。
取引先の規模・ITリテラシーに合わせた移行ロードマップ
取引先全社を一斉にWeb発注へ切り替えようとすると、混乱が集中して対応が間に合わなくなります。発注頻度が高い主要取引先からパイロット移行し、問題点を洗い出してから他の取引先に展開する段階的なアプローチが有効です。移行初期にFAXと並行運用できるシステムを選ぶと、取引先が慣れるまでの猶予を設けながら移行を進められます。
移行ロードマップには「移行完了の定義」を明確に設定しましょう。「対象取引先の8割がWeb発注を3カ月継続した時点で移行完了」のように定義すると、進捗を数値で追いやすくなります。取引先への案内文を自社で作成する際は、「Web発注に変えることで取引先側にどんなメリットがあるか」を前面に出した内容にすると、協力を得やすくなります。
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スマートフォン対応の品質を評価する実践的な確認方法
飲食業・建設業・農業など、PC操作が難しい現場担当者がスマートフォンで発注するケースでは、モバイル対応の品質が取引先の定着率に直結します。「スマートフォン対応」と表記されているシステムでも、操作性には大きな差があります。
実機での確認でしか分からない操作感の差
スマートフォンでの操作品質を正確に評価するには、トライアル時に手持ちの端末(iOSとAndroid双方)で実際にアクセスして操作することが不可欠です。具体的には、商品を10件以上選択した状態で注文数量を入力し、確定まで操作してみましょう。明細行が増えると横スクロールが発生するシステムでは、数量の入れ違いや行の混同が起きやすくなります。
確認すべき観点は、ボタンのタップ領域の大きさ・数量入力フォームの使いやすさ・画面遷移の速度の3点です。スマートフォン専用アプリを提供しているシステムでは操作性が最適化されている場合がありますが、レスポンシブデザインでも高い操作性を実現しているシステムがあります。営業担当者によるデモは実機操作を省略されることがあるため、トライアルで自分が操作するまで評価を確定しないようにしましょう。
再発注・通知機能で取引先の継続利用を促す
現場担当者にとって使いやすいシステムは、毎回同じ操作を繰り返さなくて済む設計になっています。過去の注文履歴から同じ商品を1タップで再発注できる「再発注機能」は、発注ミスを減らしながら操作の手間を大幅に削減します。発注後にメールやプッシュ通知で注文ステータスが届くと、取引先からの「注文は届きましたか」という問い合わせも減らせます。
これらの機能がある場合でも、「実際に再発注ボタンから注文完了まで何ステップかかるか」をトライアルで確認しましょう。機能があっても操作が煩雑であれば、現場での利用率は上がりません。スマートフォンでの通知受信テストも実施し、アプリのバックグラウンド動作やiOS・Androidの通知設定との相性も確かめておくと安心です。
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受発注システムの使いやすさに関するよくある疑問
受発注システムの選定にあたり、使いやすさの評価方法や確認手順についてよく寄せられる疑問をまとめました。選定前の確認事項として参考にしてください。
- ■Q1:デモと無料トライアルの使い分け方を教えてください。
- デモは「製品の全体像と主要機能を短時間で把握する場」として活用し、候補を3~5製品に絞り込む際に利用します。無料トライアルは「自社の実データや業務シナリオで操作性を深く検証する場」として位置づけ、最終候補2製品に絞ってから実施するのが効率的です。デモでは確認しきれない「大量データ投入時の動作」「権限設定の細かさ」「サポートの応答速度」はトライアルで必ず確かめてください。
- ■Q2:取引先のITリテラシーが低い場合、選定で特に重視すべき点は?
- 「マニュアルなしで初回発注を完了できるか」を最重要基準にしてください。具体的には、ログイン手順の簡便さ(メールアドレスのみで登録できるか)・商品検索の使いやすさ・注文確定までの画面遷移数を評価します。ベンダーが取引先向け操作マニュアルや説明動画を提供しているかも、選定時に確認すべき重要な要素です。
- ■Q3:スマートフォン対応を比較する際の客観的な評価方法は?
- 複数の担当者が同じ評価シートを使い、各自のスマートフォンで操作した所感を記録する方法が客観的です。評価項目は「商品10件注文の所要時間」「操作ミスの発生有無」「ページ読み込み速度の体感」の3点を共通化しましょう。iOSとAndroidの両方で試用し、動作差がないかも確認してください。
まとめ
受発注システムの「使いやすさ」を正しく評価するには、UI/UX設計の具体的な確認基準・デモとトライアルを段階的に活用する手順・取引先のオンボーディングを見据えた選定軸の3点が必要です。カタログや営業トークではなく、実際の操作と複数担当者の評価をもとに製品を選ぶことで、導入後の定着率向上と業務効率化につながる可能性があります。選定プロセスを体系化し、自社と取引先の双方にとって使いやすいシステムを見つけてください。


