スキャニングサービスとは
スキャニングサービスとは、紙の書類や図面などの文書をデジタルデータに変換し、パソコンやスマートフォンなどデジタルデバイス上で扱えるようにするサービスです。スキャン代行サービスとも呼ばれます。専門の機器と技術を用いて、高品質かつ効率的にドキュメントをデジタル化し、企業や個人の文書管理を支援します。
スキャニングサービスは、大量の書類を抱える企業や、貴重な資料を保存したい機関にとって、特に重要な役割を果たします。社内でスキャニングを行う場合、文書量によってはかなりの時間と人的リソースが必要になるでしょう。さらに、スキャン時のミスやセキュリティ上のリスクも懸念されます。こうした課題に対し、専門的な業者に依頼することで、効率化と品質が担保できるのです。
スキャニングの必要性
紙文書での管理には、保管スペースの確保が必要だったり、文書の検索性が低かったり、劣化や紛失のリスクがあったりするなど、多くの課題が挙げられます。スキャニングをして文書をデジタル化してしまえば、これらの課題はすべて解決可能です。また、テレワークの普及や、改正電子帳簿保存法による要件緩和といった背景もあり、スキャニングの必要性は年々増しています。
スキャニングするメリット
スキャニングすることで、企業や組織が得られる主なメリットは次のとおりです。
- ●コスト削減になる
- ●検索しやすくなる
- ●情報共有がしやすくなる
- ●災害対策にもなる
- ●セキュリティリスクが低下する
文書をスキャニングする大きなメリットとして、まずは長期的な視点でのコスト削減が挙げられます。紙文書の保管に必要なスペースや管理コスト、紙代、印刷代などが大幅に縮小されれば、経費の削減につながります。また、デジタル化することで瞬時に検索・共有できるようになり、より短時間で必要な情報にたどり着けるようになるでしょう。
加えて、災害対策の観点からも有効です。重要文書をデジタル化し適切にバックアップすることで、自然災害による損失リスクを大幅に軽減できます。これは事業継続性の確保に直結する重要なメリットといえます。また、セキュリティの向上も見逃せません。紙文書では誰がいつどの文書を使用したのかが明確になりづらく、紛失しても発覚しにくいのがデメリットでした。しかし、デジタル文書であればアクセス権限の設定やログ管理が容易になり、情報漏えいリスクを低減できます。
スキャニングサービスの選び方
スキャニングサービスを有効活用するためには、自社の利用用途に適したサービスの導入が重要です。サービスを検討する際のポイントは以下のとおりです。
- ●対応文書の種類と量
- ●スキャン品質と精度
- ●セキュリティ対策
スキャニングサービスの選定ポイントを詳しく解説します。
対応文書の種類と量
スキャニングサービスを選ぶ際、まず考慮すべきは対応可能な文書の種類と量です。企業によって扱う文書は多岐にわたります。A４サイズの標準的な書類から、大判の図面、古い帳簿、写真、本や雑誌までさまざまです。選定するサービスが、自社の需要にあわせて多様な文書タイプに対応できることを確認しましょう。
また、処理可能な文書量も重要です。小規模な文書のデジタル化から、大量の文書を定期的にスキャンする場合まで、企業のニーズ自体も多岐にわたります。選択するサービスが、自社の文書量を効率的に処理できる能力をもっているかを確認しましょう。
スキャン品質と精度
スキャン品質と精度は、デジタル化された文書の使用性と価値を大きく左右する重要なポイントです。しかし、サービスによってスキャンの品質が異なるのも事実で、場合によっては修正が必要になってくることもあります。
解像度は重要な指標の一つで、一般的に300dpi以上が推奨されますが、文書の種類や用途によってはさらに高い解像度が必要な場合もあります。また、カラースキャンと白黒スキャンの選択肢があるか、両面スキャンに対応しているかも確認しましょう。解像度によって１枚あたりの値段が変動するサービスもあるので、予算と照らし合わせ、バランスのよい落とし所を見つけてください。ほかにも、歪みや影の補正、ノイズ除去などの画像処理技術も確認できるとなおよいでしょう。
セキュリティ対策
文書のデジタル化において、セキュリティは必ず考慮すべきポイントです。特に機密性の高い文書や個人情報が含まれる文書を扱う場合、厳重なセキュリティ対策が欠かせません。スキャニングサービスを利用するためには、一度書類をサービス提供側に預ける必要があります。そのため、サービス提供側の情報管理やセキュリティ対策、データの削除ポリシーについては、入念に確認しておきましょう。
セキュリティ対策の度合いを判断するためには、情報セキュリティ関連の資格を取得しているかどうかを確認するのがおすすめです。代表的なものには、「Pマーク（プライバシーマーク）」や「JAPHICマーク」などが挙げられます。
おすすめのスキャニングサービス比較
次に、おすすめのスキャニングサービスを紹介します。自社に適したサービスを見つけるための参考にしてください。
製品・サービスのPOINT
- 大手上場企業様を含む5,000社以上から30,000件以上のお取引実績
- 徳島県にスキャン専用センターを3拠点保有（最大席数350席）
- 持ち出し不可の書類でもスキャニング可能な出張スキャンサービス
大塚商会のスキャニングサービス
株式会社大塚商会が提供するスキャニングサービスは、企業が保管する書類を１枚５円から電子データに変換するサービスです。契約書やカタログ、図面、手書き帳票などさまざまな種類の書類に対応しており、大量の原稿でも短納期で処理できます。また、プライバシーマークを取得しており、セキュリティ面も安心です。オプションで文書管理システムへの登録データ作成にも対応し、電子化したファイルの迅速な共有・検索が可能です。
富士フイルムビジネスイノベーションのスキャニングサービス
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社が提供するスキャニングサービスは、スキャン後のデータ加工や、大量の文書の処理が可能です。複合機メーカーとしての知見と経験にもとづく、紙文書業務フローへの深い理解を強みとしています。
また、電子化作業中の緊急閲覧にも対応し。全国の幅広い業種におけるDX支援実績を活かし、紙文書のデジタル化だけでなく、その後の業務変革までスムーズにサポートします。
DigitalWork Accelerator スキャンサービス
キヤノンマーケティングジャパン株式会社が提供する「DigitalWork Accelerator スキャンサービス」は、電子帳簿保存法に対応した電子化代行サービスです。２種類のスキャンサービスがあります。
「取引書類スキャンサービス」は、関係書類をスキャンセンターに郵送して、スキャン・入力・データ登録を代行します。請求書に特化した「請求書受取スキャンサービス」は、請求書の受領から電子化、請求書受取サービスへの登録までを代行します。スキャンセンターに到着後、翌営業日までに登録されるため、迅速な処理が可能です。
ヤマトシステム開発の文書スキャニングソリューション
ヤマトシステム開発株式会社が提供する「文書スキャニングソリューション」は、冊子やドッチファイルなどさまざまな形式の書類へ対応したスキャニングサービスです。パートナー会社によって作業を分散処理するため、電子化までのリードタイム短縮を実現しています。また、書類の回収からスキャン、保管・管理、溶解廃棄まで、文書のライフサイクル全体をヤマトグループでサポートします。画像ファイル名リネームやフォルダ仕分け、OCR処理といったオプションも用意されています。
まとめ
スキャニングサービスは、単なる文書のデジタル化にとどまらず、企業の業務プロセス全体を革新する可能性を秘めています。適切なサービスを選択することで、コスト削減や業務効率化、情報セキュリティの向上など、多岐にわたるメリットを享受できるでしょう。
しかし、サービスの選択には慎重な検討が必要です。対応文書の種類と量、スキャン品質と精度、そしてセキュリティ対策など、各企業のニーズにあわせた最適なサービスの選定が欠かせません。まずは資料請求して気になるサービスを見つけることからはじめてみましょう。
