文書管理における「保管」とは
文書管理における保管とは、使用頻度の高い文書を紛失や破損を防ぎながら、取り扱いやすい環境で管理することです。たとえば、使用頻度の高い文書をファイリングしたり、事務所内のキャビネットに整理・保管したり、利便性の高さを前提に管理します。
保管期限は原則1年としている企業が多いです。

文書管理における「保存」とは

文書管理における保存とは、使用頻度の低い文書を現状維持しながら管理することです。商法や会社法といった法令において、文書ごとの保存期間が定められているため、その期間内は文書を現状維持しなければなりません。
おのおの定められた保存期間ごとに文書を整理し、事務所外の文書庫や倉庫で管理します。
2022年1月に「改正電子帳簿保存法」が施行、国税関係の帳簿・書類のデータ保存について、見直されました。
電子取引に関するデータ保存が義務化され、2023年12月末まで2年間に行われた電子取引については、プリントアウトして保存しておくことが認められました。 電子帳簿保存法関係の詳しい情報は、下記の国税庁の資料をご覧ください。
文書を保存・保管するときのポイント
文書を保存・保管するときはどのような点に気をつけるべきでしょうか。3つの注意点を紹介します。
保存期間を設定する
法令で保存期間が定められていない文書は、社内で規定を設けましょう。規定を設けないと、同一文書なのに保存期間は部署ごとに異なるといった事態になりかねません。
保存期間は全社で統一することが大切です。一律に適用するのが難しい場合は、ひとまず部署ごとに保存期間を設定し、後に全社で保存期間を統一していきましょう。
保存期間を定める際は、経営上の観点や、訴訟といったリスクマネジメントの観点で基準を設けるとよいです。ただし、保存期間の設定が難しい文書もあります。そのような場合には、"短期保存"か"中長期保存"のどちらに当てはまるかだけでも決めましょう。
不要な文書は破棄する
日常業務で発生する文書の多くは、長期間保存する必要がないはずです。保存期間を過ぎた文書はすみやかに廃棄しましょう。定期的に廃棄すれば必要最低限の文書だけが残り、保管場所が省スペースになります。これにより、文書を整理しやすく、探しやすい環境を構築できます。
なお、機密性の高い文書の廃棄は専門業者に依頼しましょう。自社で行うよりセキュリティ性が高く、安全に文書を廃棄できます。
文書管理規程については、以下の記事で詳しく解説しています。
効率良く文書管理をする方法
文書ごとに正確な保存期間を把握して管理するには、手間や時間がかかります。特に紙文書の場合は、保存期間ごとに文書をファイリングしたり、保存期間が過ぎた文書をシュレッダーにかけたりと、さまざまな作業が発生します。
文書管理システムを活用すれば、文書を電子化し、データとして管理が可能です。文書を電子化する際、保存期間も登録できます。システム上で状況把握が可能となり、検索性も上がります。
文書管理システムでペーパーレスになった結果、これまでの手間は省かれ、業務効率が向上するでしょう。
保管と保存の違いを押さえて適切に文書管理しよう!
保管とは使用頻度が高い文書を取り出しやすいように管理することです。一方、保存とは使用頻度が低い文書の現状を維持しながら管理することを指します。文書を保存・保管する際のポイントは以下のとおりです。
- ■文書を保存・保管する際のポイント
文書管理は手間と時間がかかりますが、文書管理システムを活用すれば効率的です。保管と保存の違いを理解し、文書管理の最適化を図りましょう。
