文書管理システムとは
文書管理システムとは、社内の大量書類を電子化し、文書の作成から廃棄までを一元管理するシステムです。文書管理システムを導入する主な目的として「電子化による業務効率化」があるため、紙文書を電子化する機能や保管・検索機能などを搭載するほか、アクセス権限機能やセキュリティ機能といったコンプライアンス強化に役立つ機能も備えています。
文書管理システムのユーザーは、管理された文書に対して専用ビューワーやWebブラウザでアクセスします。専用ビューワーをもつ文書管理システムは、登録された文書を高速表示可能です。一方、Webブラウザを利用するシステムはパソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットでも、ブラウザによる閲覧が可能です。
文書管理の目的や必要性については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
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文書管理システムの基本機能
文書管理システムの主な機能は6つです。文書の整理・分類・保管を手助けする「保管機能」、必要な文書を素早く見つけられる「検索機能」、情報漏えいや不正アクセスを防ぐ「アクセス権限機能」「セキュリティ機能」は最も一般的な機能といえるでしょう。この4機能に加え、文書管理以外の業務も効率化できる「外部システム連携機能」や、文書の編集・更新記録がわかる「バージョン管理機能」などがあります。
ここからは各機能の詳細を説明します。
1.保管機能
まず基本となるのが保管機能です。文書を種類・部署別に分類し保管します。従来は印刷して決まったファイルに保管する作業が必要であったり、個人のパソコン内に分散して保管されたりしました。文書管理システムの保管機能を使えば、大量の書類を整然と保管できるでしょう。保管スペースも必要ありません。
電子化するときは「OCR」機能により印刷された文字がデジタルのテキストデータとして登録されるため、他の電子文書と同じように保管できます。
2.検索機能
文書の検索では「全文検索」機能が多くの製品で利用できます。文書管理システムでは文書を登録するタイミングでインデックスを作成するため、検索をするときにいち早く結果を得られるでしょう。また、「完全一致検索」と「あいまい検索」を実行する機能もあり、目的の文書を効率的に探し出せます。ページ単位で検索する機能を備えた製品もあります。
文書の検索可能性をさらに高めるのが「タグ」機能です。文書やフォルダにタグを付与することで、文書の検索を容易にします。文書内容を書き換えることがないので、保全しておかなければならない文書の検索性を向上させるのに力を発揮する機能です。
3.アクセス権限機能
文書管理システムには、契約書や機密文書などの重要文書に特定の人しかアクセスできないように制限する機能があります。権限の設定範囲を関係部署のみにすることも可能です。
アクセス制限によりデータが引き抜かれる心配も少なくなるため、安全に管理できるでしょう。
4.セキュリティ機能
文書管理システムには、文書の保管期限を設定する機能や「いつ」「だれが」「どのような」操作をしたのかを記録する機能がついており、不正アクセスに対して厳しい監視が可能です。ファイルの暗号化機能、複製や印刷の不可を設定できる機能が搭載されている製品もあります。
システム外へファイルをもち出せないようにしても、パソコンのスクリーンショット機能を利用する抜け道があるため、プレビューに「透かし」を入れる機能を実装する製品も登場しています。
5.外部システム連携機能
他システムと連携可能な文書管理システムも少なくありません。
- ●会計システム
- ●生産管理システム
- ●販売管理システム
- ●ファイルサーバ
上記システムと連携し、会計や生産状況、顧客情報などの書類を登録して参照できる文書管理システムもあります。
6.バージョン管理機能
更新頻度の高い文書に欠かせないのが「バージョン管理」です。バージョン管理は、文書の編集によって派生する複数のファイルを保存しておく機能です。文書には更新がつきものですが、紙で保管していると旧版を廃棄していなかったためにどれが最新版なのか、わからなくなるケースも多いでしょう。
文書管理システムは最新版にすぐアクセス可能です。問題が発生した場合においても、関連する過去のバージョンのファイルを開けます。
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文書管理システムのメリット
文書管理システムの導入によって、業務効率の向上が期待できるでしょう。文書を探し検索する時間が短縮され、欲しいときに欲しい情報へアクセスできるため、時間を有効活用できます。また文書に応じたセキュリティ対策をとれるため、機密文書や重要文書も安全に管理・活用できる点もメリットでしょう。詳細については以下で説明します。
業務効率の向上
文書管理システム導入による最大のメリットは、業務効率の向上でしょう。文書をデータとして管理できるため、社内外を問わず必要なときに必要な文書を検索・活用可能です。テレワークなどにも有用でしょう。
検索性も高まるため、文書を探す時間を大幅に短縮でき、浮いた時間をコア業務にあてられます。また、「ワークフロー機能」を搭載した文書管理システムであれば、申請書を電子化して上長と共有することで、上長は場所を問わずに承認できます。承認待ちの時間短縮が見込め、文書の共有や承認がスムーズに進められるでしょう。
コンプライアンスの強化
前述のとおり、アクセス権限やセキュリティ機能により、情報漏えいや不正アクセスを防止します。文書に応じて、閲覧制限やダウンロード・印刷制限、更新制限などを細かく設定できるため、改ざんや誤操作防止にも効果的です。
なお、こちらの記事でも、文書管理システムのメリットについて解説しているのであわせてご覧ください。
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文書管理システムのデメリット
文書管理システム最大のデメリットはコスト(導入費用・運用費用・人的費用)がかかることでしょう。加えて、システムを導入したからといって必ずしも期待する効果が出るとは言いきれません。システムを導入して終わりではなく、管理・運用には手間と時間がかかることを覚えておきましょう。
コストがかかる
文書管理システムを導入するにあたり、導入費用はもちろん運用コストが発生します。システム費用だけではなく、月々のランニングコストや教育コストもかかるでしょう。
また、既存の紙文書は電子化する際にスキャン作業が必要となります。文書の量によっては、相当の時間と手間がかかります。ベンダーのスキャンサービスを利用する方法もありますが、費用は別途かかるため注意しましょう。
電子化しても管理の手間は残る
文書管理のルールや運用フローを明確にしておかないと、期待するようなシステム活用や効果が得られない可能性があります。事前にルールやマニュアルを策定した上で、システム導入を進めましょう。また、うまく活用された場合でも、運用が進む中でルールが形骸化しデータが散在する可能性もないとはいえません。運用状況を見て、都度ルールの見直しや改善などが求められるでしょう。
こちらの記事では、導入目的に適した文書管理システムを紹介しています。コストをかけずに製品を導入したい方向けに、フリープランがある製品などもおすすめしているので参考にしてください。
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文書管理システムとファイルサーバの違い
なお、文書管理システムと類似するシステムとして、ファイルサーバがあります。双方ともに電子文書を保存管理するもので混同されやすいですが、似て非なるものです。
文書管理システムは文書を電子化し、作成・分類・登録・管理・検索・更新・廃棄といった文書に関わる業務を「一元管理」する「システム」です。
一方ファイルサーバは、単に個人やグループのさまざまな電子ファイルを入れて「保存」する「入れ物(ストレージ)」にすぎません。
ファイルサーバはあくまで保存のためのツールであり、管理までを担うには機能が不十分ですが、文書管理システムは管理機能に加えセキュリティ機能を備えています。
文書管理システムの機能を有効活用してメリットを享受しよう
文書管理システムの機能を活用することで、業務効率の向上が期待できるでしょう。しかし、メリットを享受するためには、文書管理のルール策定やマニュアルを整備するなど事前準備も重要です。
文書管理システムによる文書管理の効率化を実現するためにも、まずは利用シーンや目的を明確にしたうえで、各製品の比較検討をしてみましょう。資料請求(無料)もぜひ活用してください。