そもそも文書管理とは
文書管理とは、会社や顧客情報など、社内で共有が必要な文書を編集・管理することです。例えば、見積書や契約書、財務諸表などのビジネスデータを含め、文書の作成・保管・活用・保存・破棄までが文書管理の業務となります。
文書管理の目的は、主に必要な書類がすぐに活用できるよう業務効率化を図ることと、情報漏えいを防ぐために企業コンプライアンスを強化することが、挙げられるでしょう。
ISOとは?
ISOとはInternational Organization for Standardizationの略で、国際間の取引をスムーズにするために必要となる標準の規格です。ISO審査機関の審査によって承認されることを、ISO認証取得といいます。現在ISOの取得に取り組んでいる、あるいはすでに取得し更新を続けている日本企業は増えてきています。
ISO規格の種類
ISO規格には多くの種類があり、それらは「9001」「14001」というように番号で整理されています。その主なものを紹介しましょう。
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○ISO9000シリーズ(品質マネジメントシステム)
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品質保証のための国際規格です。その中心となるのはISO9001で、これを取得していると高品質な製品を提供している、あるいはその取り組みをしていると評価されます。
※ISO9001:2000は、ISO9001の2000年度版を意味し、最新のものは2015年に発行されたISO9001:2015になります。
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○ISO14000シリーズ(環境マネジメントシステム)
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環境マネジメントシステムに関する国際規格です。原料調達・製造・リサイクルなど環境保全に配慮した企業活動を展開していると評価されます。その中心となる規格が、ISO14001です。
ISO取得によるメリットとは
ISOを取得すると、ISOを取引の要件としている海外企業との取引が可能になったり、品質に関する客観的な証明が得られるというメリットがあります。
さらに、ISO9001の要件を満たすレベルで文書管理を行うことで、作業効率をアップさせたり、情報を正確に記録できるため、迅速な顧客対応が実現します。
ISOと文書管理の関係
ISOと文書管理にはどのような関係があるのでしょうか。ここではISOと文書管理の関係性について解説します。
ISO取得には文書の作成が必要
2000年前後から日本企業ではISO取得がさかんに行われるようになり、多くの企業がコンサルタントを招き、品質管理や環境保全の取り組みを開始しました。ISO取得担当者の共通の感想は「ISOは文書作りが中心だ」「取得では文書作りに追われた」というものです。
正確には、ISOは文書作りではありません。文書作りが欠かせないため、その印象が日本企業に強く残っているのでしょう。ISOは、まずルール作りがスタートです。新規に作ることもありますし、既存のルールを継承することもあります。
そのルールを明文化し、手順をマニュアル化すること、これが文書作りです。ISOを取得するためには品質管理に関するルールを公表し徹底するためには文書化が求められるのです。
ISO取得要件となる「文書管理」
作成した文書を利用可能な状態に保つことが次の課題になります。これが文書管理です。日本工業規格による要求事項にも記載されているとおり、それらを原本管理し、利用可能な状態にしておくことが重要です。
次に、作成したルールに従って活動を実施します。これで終わることなく、ルールが守られているかを定期的に確認し、変更したり追加したりします。ここで文書の変更と追加作業が発生するのです。
またISO9001では、以下のようなポイントが重要事項として記載されています。
- ●文書化した情報が、必要なときに必要なところで入手しやすい状態になっている
- ●文書化した情報が、適切に保護された状態である
さらに文書化した情報の管理については、配布やアクセス、検索などが行いやすく、また読みやすさが保たれるよう保管するすることが求められています。
参考:
品質マネジメントシステムー要求事項| 日本工業規格
カテゴリー数・製品数業界最大級のITトレンドでは、ISOの取得・維持に最適な文書管理システムを多数取り扱っています。さっそく最新の人気製品から検討してみたい、という方はこちらのランキングも参考にしてください。
ISO取得・維持には文書管理システムが最適
ISOの活動を継続していくには、ISOに関連する文書の管理を避けられません。しかし、紙で文書を管理するとなると、印刷が必要となるだけでなくファイリングなどに多くの時間を要するでしょう。そこで有効なのが、文書管理システムです。紙を電子化し、ペーパーレスの状態で原本管理を実現できます。
そのほかにISOの取得後に文書管理システムが有効な理由として、以下のようなポイントが挙げられます。
- ■改定後のバージョンアップが必要になるため
- ISO関連の文書は作成後、ISOの改定に伴いバージョンアップしなければならないため、廃棄まで一括した管理が必要です。これを手作業で管理していては、混乱のもととなります。確実にバージョン管理し、変更履歴を残すには文書管理システムが欠かせません。
- ■改ざん防止(セキュリティ対策)が必須となるため
- ISO文書は、関係者以外の人物によって変更されてはなりません。参照や更新の権限を設定し、改ざん防止が必須となります。文書管理システムにはアクセス権限の設定機能がついているため関係者以外のアクセスを防止できます。
- ■検索と参照が頻繁に発生するため
- ISO文書は膨大な量に及ぶため、その検索に手間取ることがあります。この非効率性をなくすには文書管理システムの検索機能が適しています。
- ■効率的な業務管理が必要となるため
- ISO文書は作成や更新の際、承認申請が必要となります。そのため、承認手順の遂行にワークフロー管理機能を持っている文書管理システムが適しています。
ISO活動を維持するために、あると便利な文書管理システム。以下の記事では、最新の文書管理システムについて、価格や特徴を比較し紹介しています。版管理や定期的見直し、配布などISO9000/14000要求事項を網羅した製品もあります。製品はすべて無料で資料請求できるので、比較のうえ自社にあうものを検討してください。
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システムの活用でISO関連文書をスムーズに管理しよう!
ISO認証の取得と更新には大量の文書の作成・管理がともないます。文書管理システムの多彩な機能が、この管理の効率化を支援します。ISO取得を目指す、またISO文書の管理に困っているのであれば、この機会に文書管理システムの導入を検討しましょう。