文書管理システムのメリット
文書管理システムの導入メリットを4つ紹介します。
メリット1│書類のペーパーレス化
文書管理システムでは、WordやExcel、PowerPoint、PDFといったさまざまなアプリケーションで作成された文書を、ファイル形式に関わらず保存、管理できます。社外から紙の状態で来た文書も、OCR処理によりテキストデータを付与した状態で登録することが可能です。
書類中のテキストは文書を登録、更新するときにデータベースに登録されます。このデータベースを使う専用検索エンジンなら、全文書を対象とする全文検索でも素早く完了させられます。さらに、文書登録時に文書ごとに重要度などの属性情報を追加する機能があり、記入されているテキスト以外を使った検索も可能です。
メリット2│専用のユーザーインターフェースによる権限管理
文書管理システムはメンバーの管理機能を持っています。専用のユーザーインターフェースを搭載しており、人員の登録、削除、異動などを簡単に実行可能です。事業計画案は責任者のみアクセス可能にする、チーム作業の進捗状況を把握する管理表はチーム内でのみ読み書き可能にしておく、といった設定も容易に行えます。
メリット3│重要書類や機密情報のセキュリティ管理
契約書を文書管理システムでペーパーレス管理すれば、原本の紛失、劣化を心配する必要がなくなります。過去の契約書を参照したいときも、検索ですぐに探し出せるでしょう。
また、本社と支店などが物理的に離れていても、オンラインで一元管理できます。取引先とどのような契約がなされているか、随時確認しながら、効率的に営業を進めることが可能です。文書管理システムでは、情報漏洩に対する配慮もされています。ファイルを印刷、保存すると、作業者名とともに履歴が記録されるので、セキュリティ面で不安を抱えることはありません。
メリット4│効率的なサーバ管理
文書管理システムなら、パッケージを導入するだけで社外からも必要な人員のみが文書にアクセスできる環境を実現できます。複雑な管理業務も不要になるので、費用対効果では自社で一から構築するより安価になるケースも多いでしょう。
※文書管理システムのメリットについては、以下の記事にて詳しく解説しています。
ココが良い!文書管理システムの4つの導入メリット
文書管理システムの機能一覧
次にこのようなメリットをもたらすことができる文書管理システムの機能をご紹介いたします。
登録機能
- ○キーワード(インデックス)登録
- キーワード(インデックス)を付けて文書管理システムに登録
- ルールに沿った名前や属性を付けて文書を登録
- ○コンテンツファイル対応
- Webコンテンツや画像・動画を文書同様に保管できる製品もある
- HTML・PDF・XML等への自動変換も可能
- ○MS-Office連携
- Word、Excel、PowerPointなどのオフィス系文書をまとめて登録・管理
- PDFなど電子文書も対応可能
- ○複合機連携
- 複合機のスキャナから文書を登録
- ○自動OCR機能
- 紙文書を電子化する際、PDF化してOCRでテキストを抽出
- テキストは検索の際に利用可能
- ○タイムスタンプ
- 登録した年月日・時間を登録する機能
- e-文書法ではタイムスタンプを義務化
- ○ワークフロー
- 文書登録時の承認申請をするワークフロー機能
検索機能
- ○キーワード(インデックス)検索
- キーワードや登録しているインデックス検索
- 検索範囲をフォルダ、文書、ページに絞って検索できる製品もある
- ○AND、OR、NOT検索
- キーワードを組み合わせて検索可能
- ○あいまい検索
- 完全に一致する言葉ではなく似た言葉を自動検索
- ○全文検索
- システム全体から特定の言葉で検索可能
- テラバイト級の大容量をほとんど一瞬で検索できる製品もある
バージョン管理機能
変更履歴を残し、いつ誰がどこを変更したのかわかるようにする文書管理の機能です。最新の文書を探す手間が省けるというメリットがあります。版管理とも呼びます。
セキュリティ機能
システムへのログインや文書への参照権限を与え、セキュリティを維持する文書管理の機能です。マイナンバー制度の施行などにより、セキュリティ機能の充実が見られるようになっています。
- ○権限設定
- 表示、読み込み、書き込み、削除の権限設定
- フォルダごとファイルごと、ユーザおよびグループ単位で設定可能
- Active Directoryとの連携が可能な製品もある
- ○ログ管理(作業履歴)
- いつ、誰が、どんな操作をしたのか、すべての履歴を記録
- 情報漏えいの際の証跡として利用可能
- ログ管理を社内に公表することで、内部犯行の抑止を期待できる
- ○ダウンロード/印刷制御
- 個人のパソコンへのダウンロード禁止
- 印刷を禁止できる機能を搭載している製品もある
- ○透かし
- 「透かし」を入れる機能
- スクリーンショットを撮っても透かしが残る
- ○暗号化
- 極めて機密性の高い文書には暗号をかける
その他の機能
便利なあるいは個性的な文書管理の機能を紹介します。
- ○多言語対応
- 英語、フランス語、チェコ語、タイ語、韓国語、中国簡体字、中国繁体字などに対応
- 海外拠点との文書情報の共有が可能になる
- ○外部システム連携
- 会計、生産管理、販売管理、ファイルサーバなどから文書を登録・参照が可能
- ○特化型
- 特定の文書に特化:図面などのCADデータ管理、契約書保管
- ○モバイル対応
- 外出先のスマートフォンやタブレットPCから文書を参照可能
※文書管理システムの基本機能に関しては、以下の記事にて詳しく解説しています。
文書管理システムとは?基本機能からバージョン管理まで徹底解説!
文書管理システムを導入の際、考えるべき4つのポイント
ここまで、文書管理機能が持つ豊富な機能とその機能によってもたらされるメリットについてご紹介してきました。最後に、文書管理システムを導入する上で重要な4つのポイントを紹介します。
ポイント1│利用目的に対して優先順位を考えて導入する
文書管理システム導入にあたって重要なポイントの1つは、何を優先して文書を管理するのかということです。閲覧のしやすさや、バージョン管理など様々な管理方法がある中で、自社にとって何が一番重要なのかを最優先に考え、その特性を考慮した管理の仕方が望ましいでしょう。
閲覧のしやすさと管理のしやすさはトレードオフの関係だと言われていますが、どちらを重視するかも運用時に決定しておく必要があります。全ての部門で使いやすい運用方法を採用することは難しいので、なるべく多くの部署が困らないような文書管理システムを選定することが重要です。文書管理システムは、社内の共有財産として利用されてこそ、価値を高めていくものです。
ポイント2│文書管理をする上で何が不便なのかを考えて導入する
導入を検討する際に考えなければならないのが、文書を管理する上でどんな課題があるのかということです。
文書管理システムを導入しても、導入前に不便だと感じていた点を解決するように設定しなければ、かえって煩雑さを増してしまうことになってしまいます。ファイリングの方法はどのようにするのか、索引をどのように付けるのかなど、文書管理システムに登録する作業の前にこれらを解決しておかないと、後で登録変更となった時に、多くの労力を割かなければなりません。
導入に際しては、どのように管理対象のファイルを管理すれば課題解決できるかを事前に相談し、きちんと対応していくことが重要です。
ポイント3│導入前にユーザーと管理者間で調整を図ってから導入する
文書管理システムの管理者とユーザー(従業員)では、システムの運用に対しての利用意識の違いが出てきます。先にも述べたように、管理のしやすさと閲覧のしやすさは、トレードオフの関係にあります。導入に際して管理者側で一方的な管理設定を行ってしまうと、意に反して不便なものになってしまうこともあるのです。
そこで、どのような管理設定の仕方にするのかを管理者とユーザーで話し合い、運用や活用方法についての議論を交わし、双方の納得の行く方法を探る必要があります。文書管理システムの運用に際し、上手に活用するためのポイントは「ユーザー」と「管理者」の間で事前に意見の擦り合わせ調整を行います。
ポイント4│運用に当たっての社員への情報リテラシー教育を徹底する
文書管理システムの運用に当たっては、社内の利用者に対して、情報リテラシー教育をすることが非常に重要となります。
管理されている文書は、会社の重要な財産です。しかし、いくら外部からの不正アクセスを警戒していても、社内の人間に悪用されては元も子もありません。当人にはその気がなかったとしても、情報漏えいが起こってしまえば大きな問題となります。
これらを防ぐために、リスク管理研修などを設け、社員教育を徹底していくことが必要です。また、細かい利用規定を設けたり、閲覧に際しては不要なアクセスを行わないなど、様々な対策を考える必要があります。利用対象である従業員のニーズに合わせ、適切な規定を設けていきましょう。
まとめ
文書管理システムは特定の文書を管理するためのシステムです。今回は文書管理システムが持つさまざまな機能、その機能がもたらすメリット、導入にあたって考えるべきポイントをまとめてご紹介いたしました。
文書管理システムには、さまざまな種類があり、その種類によって享受できるメリットも解決できる課題も異なります。そのため、自社における解決したい課題をしっかりと見極めて、どの製品が自社に合っているのかを比較検討してみてください。