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検体を社外に出さない標的型攻撃対策|オンプレミス型ツールの設置方式

検体を社外に出さない標的型攻撃対策|オンプレミス型ツールの設置方式

標的型攻撃対策ツールをオンプレミスで導入する主な理由は、不審な添付ファイルや通信ログを社外のクラウドに送らずに、自社の管理下で解析・保管したいことにあります。ただし、メール経路に置くか、ネットワークを監視するか、端末を守るかで設置方式が異なり、脅威情報の更新や監視も自社で担います。この記事では、オンプレミス型の標的型攻撃対策ツールの方式と仕組み、運用の負担を解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■設置方式別
    ■提供形態別
    ■検知の仕組み別

    オンプレミス型の標的型攻撃対策ツールが求められる環境

    標的型攻撃対策ツールはクラウド型の製品も増えていますが、扱うデータやネットワークの条件によっては、社内に設置するオンプレミス型が選ばれます。代表的な3つの環境を見ていきましょう。

    添付ファイルや検体を社外に送れない

    クラウド型の解析サービスでは、不審なファイルを提供事業者の環境に送って調べる方式がよく用いられます。しかし、受信したファイルには取引先の契約書や設計図面など、社外秘の情報が含まれている可能性があります。

    社内規程や取引先との契約により、こうしたファイルを外部に出すことが制限されている場合、オンプレミス型なら解析を社内で完結できます。解析のために集めた不審なファイルは検体と呼ばれます。検体をどこで解析し、どこに保管するかを製品ごとに確認しておくことが大切です。

    関連記事 標的型攻撃とは?仕組みと手口、対策方法や被害事例を解説

    インターネットから分離した閉域網を守る

    工場の制御システムや研究開発のネットワーク、自治体の業務系ネットワークなど、インターネットと分離した閉域網を運用している組織もあります。閉域網でも、持ち込まれたUSBメモリや保守用の端末を経由して攻撃を受ける可能性はゼロではありません。

    こうした環境では、外部のクラウドと通信できないため、社内に設置して動作するオンプレミス型が選択肢です。ただし、脅威情報の更新方法が限られる点には注意が必要で、詳しくは後の章で解説します。

    通信ログを自社で長期間保管したい

    標的型攻撃は、侵入から発覚までに時間がかかる場合があります。後から侵入経路を調べるには、メールや通信のログを長期間保管しておくことが重要です。

    オンプレミス型なら、ログの保存期間や保管場所を自社のルールで決められます。一方で、保存期間を延ばすほどストレージの容量が必要です。何をどれだけの期間残すかを、調査や監査で求められる範囲から逆算して決めましょう。

    設置場所で異なる標的型攻撃対策ツールの方式

    オンプレミス型の標的型攻撃対策ツールは、どこに設置して何を検査するかで方式が分かれます。機器の形も、専用のハードウェアである物理アプライアンスと、自社の仮想基盤で動かす仮想アプライアンスがあります。

    メール経路に置くゲートウェイ型

    メールゲートウェイ型は、社外から届くメールがメールサーバに届く前に通る位置に設置し、添付ファイルや本文のURLを検査する方式です。標的型攻撃の入口として使われやすいメールを、受信者に届く前に止められる点が特徴です。

    設置の際は、既存のメールサーバや迷惑メール対策製品との経路の順番を設計する必要があります。メールを止めずに複製を検査する方式を選べる製品もあり、検知後に受信者のメールをどう扱うかとあわせて検討します。

    関連記事 標的型攻撃5つの手法とは?罠にかからないための対策方法も解説!

    社内の通信を監視するネットワーク型

    ネットワーク型は、社内とインターネットの境界や、社内の主要なスイッチに接続し、流れる通信を監視する方式です。感染した端末が外部の指令サーバと通信する動きや、社内の別の端末に広がろうとする動きを見つける役割を担います。

    通信の複製を受け取って監視する方式は、既存のネットワークに影響を与えにくい反面、自動で通信を遮断するにはファイアウォールなどとの連携が必要です。暗号化された通信をどこまで検査できるかも製品によって異なります。

    端末を守るエンドポイント型の管理サーバ

    エンドポイント型は、PCやサーバに専用のソフトを入れ、端末上の不審な動きを検知する方式です。EDR(端末での検知と対応)と呼ばれる製品では、検知した端末をネットワークから切り離すといった対応も行えます。

    オンプレミスで使う場合、各端末の情報を集める管理サーバを社内に置く構成です。管理サーバをクラウドで提供する製品もあるため、社内設置に対応しているかは事前に確かめましょう。端末の台数に応じたサーバの性能も見積もりが必要です。

    オンプレミスで動かすサンドボックスの仕組みと制約

    サンドボックスは、標的型攻撃対策ツールの代表的な技術の一つです。オンプレミス型では解析用の環境を社内の機器で動かすため、仕組みと制約を理解しておきましょう。

    社内の仮想環境で添付ファイルを動かす仕組み

    サンドボックスとは、外部から切り離した仮想的な環境で不審なファイルを実際に開き、その振る舞いを観察する仕組みです。ファイルを開いた後に不審な通信を始めたり、システムの設定を書き換えたりすれば、悪意のあるファイルと判定します。

    既知のウイルスのパターンと照合する方式では見つけにくい、新しいマルウェアにも対応できる可能性がある点が利点です。オンプレミス型では、自社で使っているOSやアプリケーションに近い環境で解析できるかも確認項目です。

    解析にかかる時間とメール配送の遅れ

    サンドボックスでの解析は、ファイルを実際に動かして観察するため、一定の時間がかかります。メールの配送を解析が終わるまで止める設定にすると、安全性は高まりますが、受信者にメールが届くまで待ち時間が生じます。

    業務への影響を抑えるため、本文だけ先に届けて添付ファイルは解析後に渡す方式を選べる製品もあります。解析の処理能力は機器の性能に左右されるため、1日に受信するメールや添付ファイルの量をもとに機種を選ぶ必要があります。

    サンドボックスを回避するマルウェアへの備え

    マルウェアのなかには、仮想環境で動いていることを察知して不審な動きを止めたり、一定時間たってから活動を始めたりするものがあります。こうした回避の手口に対し、サンドボックスだけで対応するには限界があります。

    そのため、メールでの検査に加えて、端末やネットワークでの監視を組み合わせる多層的な対策が有効です。製品ごとに回避への対策の考え方が異なるため、提供元に説明を求めて比べるとよいでしょう。

    関連記事 【2026年版】標的型攻撃対策ツール21選を比較!選び方やメリットも解説

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    脅威情報の更新とオンプレミス運用の負担

    標的型攻撃対策ツールは、導入後も検知のための情報を更新し、検知結果を確認し続けることで効果を保てます。オンプレミス型では、こうした運用の多くを自社で担います。

    シグネチャや脅威情報の更新経路

    標的型攻撃対策ツールでは、既知の攻撃の特徴をまとめたシグネチャや、不正なサイトのアドレスといった脅威情報を定期的に更新します。インターネットに接続できる環境なら、提供元のサーバから自動で取得する設定にできます。

    閉域網では、更新ファイルを別の端末でダウンロードし、媒体を経由して取り込む方法をとる場合があります。手作業が入るぶん更新が遅れやすいため、更新の頻度と担当者を決め、適用の記録を残しましょう。

    誤検知への対応とログ監視の体制

    標的型攻撃対策ツールは、正常な業務のファイルや通信を誤って不審と判定する誤検知を起こす場合があります。誤検知のたびにメールが止まると業務に影響するため、確認して解除する手順と担当を決めておきます。

    検知のアラートやログを誰がいつ確認するかも重要です。夜間や休日を含めた監視を自社だけで行うのが難しい場合は、監視を専門事業者に委託するサービスの活用も検討しましょう。

    関連記事 標的型攻撃対策ツールで解決できる3つの企業課題とは

    守る対象ごとにクラウド型と使い分ける構成

    標的型攻撃対策ツールは、すべてをオンプレミスにするか、すべてをクラウドにするかの二択ではありません。守る対象ごとに置き場所を分ける構成もあります。

    メールはクラウド、社内ネットワークはオンプレミス

    メールサービス自体をクラウドで利用している企業では、メールの検査もクラウド型で行い、社内ネットワークの監視はオンプレミス型で行う構成が考えられます。守る対象のある場所に検査の仕組みを置くという考え方です。

    この場合、複数の製品からのアラートを一か所で確認できるよう、ログを集約する仕組みも検討します。製品ごとに管理画面が分かれると、関連する検知を見落とすおそれがあるためです。

    組み合わせる際に決めたい検体の扱い

    クラウド型とオンプレミス型を併用する場合、どのファイルを社外に送ってよいかのルールを明確にします。例えば、社外から届いたファイルはクラウドで解析し、社内で作成したファイルは社内で解析するといった線引きが考えられます。

    クラウド型の製品でも、ファイルそのものではなく、ファイルの特徴を表す値だけを照会する方式を選べる場合があります。検体の扱いを製品の資料で確認し、社内規程と照らし合わせて構成を決めましょう。

    関連記事 標的型攻撃の代表的な被害事例とは?効果的な対策5選も徹底解説!

    社内に設置できる標的型攻撃対策の比較表

    アプライアンスやオンプレミスで提供されている標的型攻撃対策ツールを、設置の形と検知の仕組みが比べられるよう一覧にしました。

    製品名提供形態特徴
    SG-ONEハードウェア/アプライアンスルーターとスイッチの間に設置するUTM。ファイアウォールやIPSを1台に集約
    クライアント運用管理ソフト SKYSEA Client Viewオンプレミス/クラウド/パッケージソフト/SaaSITセキュリティ対策強化機能を搭載。FFRI yaraiとの連携でマルウェアの隔離や端末調査に対応
    AppGuardオンプレミス/クラウド定義ファイル不要のOSプロテクト型。不正な動作を止めて攻撃を無害化
    FireEyeアプライアンス仮想環境の挙動解析により脅威を発見。標的型メールやWeb経由の攻撃を検知
    FFRI yaraiオンプレミス/クラウド/SaaS/ASP/サービスパターンに依存しない先読み防御。サンドボックスなど5つのエンジンを搭載
    Cortex XDRオンプレミス/クラウドAIと機械学習で異常な動作を検出し、アラートの調査を自動化

    社内環境に置いて使える標的型攻撃対策ツール

    ネットワークの境界に置く機器と、端末を守るエンドポイント型の製品を紹介します。検体や脅威情報をクラウドとやり取りする仕組みの有無は製品ごとに異なるため、閉域網で使う場合は資料で確認してください。

    SG-ONE

    株式会社 USEN ICT Solutions
    《SG-ONE》のPOINT
    1. 複数の強力なセキュリティ機能!サイバー攻撃対策を1台でカバー
    2. 簡単設置!既存ルーターとスイッチの間へ差し込むだけ
    3. セキュリティ機能が有効状態でも高速なスキャンが可能

    株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「SG-ONE」は、既存のルーターとスイッチの間に差し込んで設置する、ハードウェア型の統合セキュリティ(UTM)サービスです。アンチウイルスやファイアウォール、IPS、Web脅威対策、ログ管理などの機能を1台にまとめ、社内を流れるネットワーク通信を検査します。脅威の照合では、本体内の脅威データに加えてクラウド上の過去の脅威データも参照する仕組みです。外部と通信できない閉域網で使う場合は、照合の方式を事前に確認しておきましょう。機種は2種類から選べます。

    クライアント運用管理ソフト SKYSEA Client View

    Sky株式会社
    製品・サービスのPOINT
    1. 「日経コンピュータ 顧客満足度調査 2026-2027」で1位を獲得!
    2. ふるまい検知で未知のマルウェアを素早く発見、隔離して調査
    3. 脆弱性対策の基本・IT資産の全数把握を支援

    Sky株式会社が提供する「クライアント運用管理ソフト SKYSEA Client View」は、クラウドとオンプレミスから運用形態を選べるクライアント運用管理ソフトです。ITセキュリティ対策強化機能を備え、未知のマルウェアへの対策を支援します(エディションによってはオプション)。FFRI yaraiとの連携により、検知されたマルウェアの隔離や、ほかの端末への感染調査にも対応します。社内のサーバで端末の情報を管理したい企業の選択肢です。

    AppGuard

    DAIKO XTECH株式会社
    《AppGuard》のPOINT
    1. 定義ファイル不要の「OSプロテクト型」
    2. 未知・既知を問わず、高度なサイバー攻撃による侵害を未然に防止
    3. 端末に対して悪いコトをさせず、「攻撃の無効化」を実現

    DAIKO XTECH株式会社が提供する「AppGuard」は、定義ファイルを持たないOSプロテクト型のエンドポイントセキュリティで、提供形態はオンプレミスとクラウドです。マルウェアかどうかを判定するのではなく、Windowsのシステムに害を与える不正な動作をブロックし、侵入した脅威を発症させずに無害化します。アプリケーションの起動制御や保護ポリシーの自動継承といった機能で構成され、クライアント版とサーバ版があります。管理コンソールへのアクセスには固定グローバルIPが必要とされているため、閉域網に置く場合の構成は資料を確認しましょう。

    FireEye (富士通株式会社)

    《FireEye》のPOINT
    1. 仮想環境での挙動解析で、従来では検知できなかった脅威を発見
    2. 標的型メールやWeb経由の攻撃を正確に検知
    3. NECが24時間365日の監視・運用を実現

    FFRI yarai (株式会社FFRIセキュリティ)

    《FFRI yarai》のPOINT
    1. マルウェアの調査から駆除、運用効率化までサポート
    2. 一般的なセキュリティソフトと併用可能
    3. クラウド連携で攻撃検出精度が向上

    Cortex XDR (パロアルトネットワークス株式会社)

    《Cortex XDR》のPOINT
    1. 優れた防御:実行を阻止、検出ではなく止める
    2. AIと機械学習:高度かつ複雑な攻撃を検出
    3. 自動化された調査:レスポンス時間の短縮

    まとめ

    標的型攻撃対策ツールをオンプレミスで導入すると、添付ファイルやログを社外に出さずに解析・保管できます。設置方式はメールゲートウェイ型やネットワーク型、エンドポイント型に分かれ、サンドボックスの処理能力や脅威情報の更新、誤検知対応は自社の担当です。クラウド型との組み合わせも含めて、自社の環境にあう標的型攻撃対策の製品を資料請求して比べてみてください。

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