年末調整の作業で負担が集中する場面
年末調整は、毎年11月から12月にかけて、他の業務と並行して進めることになります。どこに手間がかかっているかがわかると、システムに何を求めるべきかも見えてきます。
書類を配って回収するまでの作業
担当者は、社員ごとに必要な申告書を用意し、配って記入してもらいます。扶養している家族の情報や、生命保険料の控除証明書など、添付するものも人によって違います。拠点が分かれている場合は、郵送のやり取りも発生します。
提出が遅れる社員には、個別に催促することになります。誰が出していて誰が未提出かを一覧で管理する作業も必要です。締め切りが近づくほど、この確認と催促に時間を取られます。
記入内容の確認と差し戻し
集まった書類は、一枚ずつ内容を確かめます。記入もれ、押印のもれ、控除の対象にならない項目の記載、金額の書き間違いなどが見つかると、社員に返して直してもらいます。この往復が発生するたびに、担当者の作業も増えます。
制度は年によって変わることがあります。前年と同じつもりで記入すると、内容が合わなくなる場合もあります。担当者が制度の内容を理解したうえで確認する必要があり、経験の浅い担当者には負担の大きい業務です。
給与計算への反映と書類の保管
確認が終わった内容は、給与計算の仕組みに入力して精算額を計算します。手作業で入力すると、写し間違いが起こることもあります。件数が多いほど、この作業にかかる時間も増えます。
提出された書類は、法令で定められた期間、保管する必要があります。紙のまま保管すると、場所を確保し、後から探せるように整理しなければなりません。保管の期間や方法については、顧問の税理士や経理の責任者に確認しておきましょう。
年末調整支援システムを使うメリット
この仕組みの効果は、紙がなくなることだけではありません。確認する側の負担や、社員が記入するときの迷いにも関わります。3つの角度から整理します。
配布と回収の作業をなくせる
社員は、案内の通知を受け取って画面から入力します。担当者が書類を配る作業も、郵送のやり取りも必要ありません。誰が入力を終えていて誰がまだかは画面で確認でき、未入力の社員にまとめて通知を送ることもできます。
在宅勤務や離れた拠点で働く社員にとっても、提出しやすくなります。紙を受け取って書いて送り返すという流れがなくなるため、期限までに終えやすくなります。担当者が催促にかける時間も減らせます。提出状況を部署ごとに確認できれば、上長から声をかけてもらう依頼も出しやすくなります。
記入のもれや間違いを減らせる
入力の画面では、質問に順番に答える形で進められる製品があります。前の回答に応じて次に聞く項目が変わるため、自分に関係のない欄で迷うことがありません。必要な項目が空のままだと先に進めない設定にもできます。
前年の内容をあらかじめ表示できる製品なら、変更のあった部分だけを直せば済みます。金額の計算を自動で行える点も、書き間違いを減らします。差し戻しの往復が減れば、社員と担当者の双方の負担が軽くなります。
給与計算への受け渡しが楽になる
入力された内容を、給与計算の仕組みに取り込める形で出力できる製品があります。担当者が同じ内容をもう一度入力する作業を減らせます。同じ会社が提供する給与システムを使っている場合は、そのままつながる形もあります。
提出された控除証明書の画像も、データとして保管できます。紙を保管する場所が不要になり、後から探すときも短時間で見つけられます。ただし、電子で保管するための要件があるため、対応の範囲を資料や説明で確かめましょう。
導入前に確かめたい注意点
導入すれば自動的に楽になるわけではありません。初年度は準備の手間が生じる点も含めて、次の点を押さえておきましょう。
費用と対象人数の数え方を確かめる
料金は、対象になる社員の人数で決まる形が多くあります。年に1回しか使わない仕組みでも、契約の形によっては年間を通じて費用がかかります。パートやアルバイトも対象に含めるかで、総額は変わります。
費用を比べるときは、今かかっている時間を書き出して比べる方法があります。担当者が何時間使っているか、社員1人あたり何分かかっているかを見積もると、判断の目安になります。設定を手伝ってもらう費用が別かどうかも確認しましょう。
社員への説明と初年度の準備が必要になる
これまで紙で記入していた社員にとっては、やり方が変わります。操作に不慣れな人ほど、問い合わせが集まりやすくなります。案内の資料を用意し、いつまでに何をすればよいのかを明確に伝えましょう。
初年度は、社員の基本情報や扶養家族の情報を登録する作業も発生します。人事のシステムから取り込める場合でも、内容の確認は必要です。導入の時期は、年末調整の直前を避けて、余裕をもって決めることが重要です。
すべての手続きが画面で完結するとは限らない
控除証明書の中には、紙でしか受け取れないものもあります。その場合は、画像を撮って添付する形になります。原本の提出を求める運用にするかどうかは、社内で決めておく必要があります。
また、社員から個別の相談を受ける場面はなくなりません。扶養の範囲や控除の対象について判断が難しい相談もあります。誰が対応するのかを決め、判断に迷う場合は顧問の税理士に確認する流れをつくっておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で年末調整支援システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
製品を選ぶときの確認項目
効果が出るかどうかは、今使っている仕組みとのつながりと、使う人の環境で変わります。2つの点から確認しましょう。
給与システムとつなげられるかを確かめる
今使っている給与計算の仕組みに、入力された内容を取り込めるかを確認します。取り込める形式や項目は製品ごとに違うため、実際のデータで試せると確実です。つなぐ仕組みが動かない場合、製品の仕様、社内のネットワーク設定、つなぐ相手のサービスの制限など、複数の原因が考えられます。
あわせて、社員名簿の情報をどう登録するかも確かめましょう。入社や退職のたびに手作業で登録すると負担が増えます。取り込みが止まったときに管理者へ知らせが届くか、手動でやり直せるかも聞いておきましょう。
社員が使いやすい形かを確かめる
実際に入力するのは、パソコンの操作に慣れている人ばかりではありません。スマートフォンから入力できるか、専用アプリが必要かを確認しましょう。画面の説明がわかりやすいかは、試用や画面の資料で確かめられます。
問い合わせへの対応も確かめておきたい点です。担当者が答えられない内容を相談できるか、対応の時間帯はいつかを聞いておきましょう。年末調整の時期は問い合わせが集中するため、その期間の体制についても確認することが重要です。
申告書の回収と確認を支える年末調整支援システム
従業員本人による入力と、確認作業の効率化に対応したシステムを紹介します。
SmartHR
- 最短3分のアンケート形式で、従業員が迷わずカンタン回答
- スマホへのプッシュ通知で、期日通りの回答収集を強力にサポート
- 問い合わせ対応もシステム上で完結、やりとりを大幅に効率化!
株式会社SmartHRが提供する「SmartHR」は、労務手続きをクラウド上で扱う中で、年末調整の申告もオンラインで進められるシステムです。従業員が入力した内容を担当者が確認する流れになっており、紙の申告書を回収して転記する作業を省けます。控除証明書のデータを取り込む機能にも対応しており、入力の負担を抑えられます。
ジンジャー給与
- 給与計算の手間を大幅に削減!
- ウェブ明細発行までをスムーズに!
- 人事や勤怠とカンタン情報連携!
jinjer株式会社が提供する「ジンジャー給与」は、給与計算とあわせて年末調整の申告や集計を扱えるシステムです。従業員が画面から入力した情報をもとに、控除額の計算まで一連の流れで進められます。勤怠や人事の情報と連動させる構成にも対応しており、年末調整の時期にあわせて必要な情報を集める作業を抑えられます。
freeeペーパーレス年末調整 (フリー株式会社)
- 従業員スマホ入力、労務担当者の印刷・回収不要
- 一問一答形式で入力ミス・記入漏れを削減
- 進捗管理画面で督促・修正依頼をスムーズ化
年末調整支援システムに関するよくある質問
導入を考えるときによく寄せられる疑問をまとめました。社内で話し合う際の参考にしてください。
- Q1: 社員数が少なくても導入する価値はありますか?
- 人数が少なければ紙でも対応できる場合があります。ただし、拠点が分かれている、在宅勤務が多いといった条件があると効果が出やすくなります。まずは今かかっている時間を書き出して比べましょう。
- Q2: 紙の申告書は保管しなくてよくなりますか?
- 電子で保管するための要件を満たしていれば、紙を残さない運用も考えられます。ただし満たすべき条件があり、社内の手続きも必要です。自社の運用が要件にあうかを、顧問の税理士や経理の責任者に確認しましょう。
- Q3: 導入までにどのくらいの期間がかかりますか?
- 社員情報の登録や、給与システムとつなぐ設定にかかる時間で変わります。社員への説明を含めると、数か月を見込む例があります。年末調整の直前ではなく、余裕のある時期から準備を始めましょう。
- Q4: 制度が変わったときはどうなりますか?
- クラウド型の製品では、提供している会社が画面や計算の内容を更新する形が採られています。ただし、更新の時期や範囲は製品によって違います。制度改正への対応がどう行われるかを、契約前に確認しておきましょう。
まとめ
年末調整支援システムには、配布と回収の作業をなくせること、記入のもれや間違いを減らせること、給与計算への受け渡しが楽になることというメリットがあります。一方で、費用の見積もりや社員への説明、初年度の準備といった負担も伴います。まずは今かかっている時間と社員数を書き出し、給与システムとつなげられるかを確かめましょう。資料請求を活用して比べてみてください。


