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年末調整で医療費控除はできない?会社員の確定申告手順・必要書類・期限を解説

年末調整で医療費控除はできない?会社員の確定申告手順・必要書類・期限を解説

怪我や病気などで年間の医療費が高くなってしまったため、医療費控除を受けたいという従業員もいるでしょう。では、年末調整で医療費控除は受けられるのでしょうか。
結論をいうと、医療費控除は年末調整では申請できません。年末調整後に、確定申告(還付申告)で手続きします。

年末調整の時期に「会社で医療費控除はできるのか」と迷う方は少なくありません。この記事では、対象・計算・期限・必要書類・e-Taxまで、実務で必要な要点を整理します。

この記事は2026年5月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    年末調整で医療費控除はできる?

    医療費控除は、年末調整では申請できません。会社員であっても、確定申告で手続きする必要があります。

    年末調整は、給与の支払いに関する情報をもとに会社が税額を精算する手続きです。一方、医療費控除は、家族分も含めた年間の医療費を集計し、補てんを差し引いて計算します。

    そのため、年末調整の枠組みでは完結しにくく、確定申告で申告するのが基本です。

    年末調整でできない理由(会社が対応できる控除との違い)

    年末調整で対応する控除は、扶養や保険料など、会社が確認しやすい項目が中心です。医療費は領収書の整理や、家族分の集計が必要になります。

    さらに、保険金や高額療養費などの補てんがある場合は、差し引き計算も必要です。年末時点で金額が確定しないケースもあるため、確定申告での申告に整理されています。

    年末調整後でも申告できる(還付申告)

    医療費控除は、確定申告の期間を過ぎても申告できる場合があります。一般に、還付申告として過去分をさかのぼって手続きできるためです。

    年末調整の時期に医療費の集計が間に合わない場合でも、落ち着いて準備しやすくなります。申告できる期間の詳細は、税務署や国税庁の案内に沿って確認してください。

    医療費控除とは

    医療費控除とは、一定の要件を満たす場合に支払った医療費の一部を所得控除できる制度です。医療費控除を申請することで、納めるべき所得税や住民税の額が小さくなります。医療費の負担が多い人を救済する制度であり、毎年多くの従業員が利用しています。

    対象となるのは、本人だけでなく、生計を一にする家族の分を含めて集計できる点が特徴です。医療機関の治療費だけでなく、通院に必要な費用が含まれる場合もあります。

    一方で、健康増進や美容目的の支出など、対象外となるものもあります。申請前に、対象と対象外の考え方を押さえることが大切です。次項で詳しく解説します。

    年末調整システム紹介ページ遷移画像

    医療費控除の対象要件

    医療費控除の要件について詳しく解説します。

    診療・治療にかかった費用などが対象となる

    医療費控除は、1年間で自分や自分と生計をともにする配偶者・親族のために支払った医療費に適用されます。具体的には以下のような費用が対象です。

    • ●病院で支払った診療報酬
    • ●病気の療養に必要な医薬品の購入費
    • ●病院で診療を受けるために発生した公的機関の交通費
    • ●入院中に必要な部屋代や食事代などの関連費
    • ●はり師やきゅう師などに支払った費用
    • ●身の回りの世話を依頼した保健師や看護師などへの雇用費用
    • ●松葉杖、義歯などの購入費用
    • ●重大な疾患が見つかるまでの健康診断費用
    • ●助産師に対する出産費用や分娩の介助代
    • ●自己負担した妊婦検診費用
    • ●レーシック手術費

    参考:医療費控除の対象となる医療費|国税庁
    参考:No.1122 医療費控除の対象となる医療費|国税庁

    医療費が年間10万円以上なら原則利用できる

    医療費控除は、1年間で支払った医療費が10万円以上の場合、原則200万円を上限に利用できます。ただし、入院給付金や高額療養費などの各種保険金で支払われた金額は10万円に加算されません。そのため、詳しくは「1年間で支払った医療費のうち、各種保険金で補填された金額を除いたものが10万円以上であること」が医療費控除の条件です。

    医療費控除額の計算式は、以下のとおりです。

    医療費控除額=(医療費の金額-保険金等で補填された金額)-10万円

    年間所得額が200万円未満の場合は、「総所得金額等×5%」を利用して医療費控除額を計算します。

    参考:医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁

    医療費控除の対象期間・申告期限

    医療費控除は、対象期間と申告できる期限を押さえると迷いにくくなります。年末調整の時期に「いつの医療費が対象か」が混同されやすいためです。

    対象期間は、原則としてその年の1月1日から12月31日までに支払った医療費です。支払日ベースで整理すると、集計が進めやすくなります。また、確定申告の期限に間に合わない場合でも、還付申告として申告できることがあります。手続きできる期間の目安を把握しておくと安心です。

    対象期間は1/1〜12/31

    対象になるのは、原則として1月1日から12月31日までに支払った医療費です。診療日ではなく、支払った日を基準に整理します。医療機関ごとに領収書を分けて保管し、年末にまとめて集計できる状態にしておくと効率的です。

    還付申告は5年さかのぼれる

    会社員が医療費控除を申告する場合、還付申告として過去分を申告できることがあります。一般に、5年さかのぼって手続きできる点がポイントです。医療費控除の申告漏れに気づいた場合は、期間内であれば修正の余地があります。詳細な条件は、申告対象年分の案内に沿って確認してください。

    確定申告(医療費控除)のやり方:必要書類と手順

    医療費控除は、確定申告期間に従業員本人が手続きする必要があります。ここでは、確定申告で医療費控除を行う場合の手順や準備する書類などについて解説します。

    必要な書類を一式揃える

    確定申告で医療費控除を受けるために必要な書類は、以下の6つです。

    • ●会社から発行される源泉徴収票
    • ●確定申告書
    • ●医療費控除の明細書
    • ●医療費の明細書・領収書
    • ●健康保険の医療通知書
    • ●還付金を受け取るための銀行口座

    確定申告書や医療費の明細書は、税務署・国税庁の公式サイトから入手できます。 医療費の領収書は、税務署への提出義務がない代わりに、自宅などで5年間保存するよう決められています。

    参考:医療費控除を受けられる方へ|国税庁

    医療費控除の明細書・確定申告書を作成する

    令和5年1月から申告書Aは廃止され、申告書Bに一本化されました。そのため、医療費控除を申請する場合は申告書Bに一本化された「令和◯年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書」を利用します。確定申告書には、会社から発行される源泉徴収票をもとに所得金額などの必要事項を記入します。申告書の書き方がわからないときは、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用しましょう。

    医療費控除の明細書には、人ごと・医院ごとに支払った医療費の合計額と、保険金などで補填した金額を記載し、控除額を計算します。計算した控除額は、確定申告の医療費控除の欄に転記しましょう。

    医療費控除の明細書と確定申告書は、確定申告の期間(通常は2月16日〜3月15日)に提出しますが、還付申告の場合は1月から手続き可能です。

    還付金の入金をチェックする

    医療費控除の還付金は、確定申告後1〜1.5か月程度で指定の口座に入金されます。最寄りのゆうちょ銀行や郵便局で直接受け取ることも可能です。

    確定申告の後半時期は、多くの申請書類が届き担当者の負担も大きくなるため、還付金の入金も遅れる可能性があります。特に締め切りギリギリで申告した場合は、還付金の入金に2か月ほどかかることも珍しくありません。還付金を早く受け取りたい場合は、できるだけ早めに確定申告しましょう。

    「還付金を早く受け取りたいけど申告時期に左右されたくない」という場合は、インターネットを利用して電子的に国税の各種手続きが行えるe-Taxを利用するのがおすすめです。e-Taxを利用すれば、確定申告後2~3週間前後で還付金が指定口座に振り込まれます。

    e-Tax・スマホ申告をラクにする方法(マイナポータル連携/集計フォーム)

    確定申告は、e-Taxやスマホ申告を使うと手続きを進めやすくなります。入力の負担を減らせる場合があるためです。また、マイナポータル連携や医療費の集計に役立つ仕組みを使うと、転記ミスを防ぎやすくなります。利用可否や対象範囲は、手続き方法によって異なります。

    どの方法が合うかは、普段の利用環境と、医療費の件数で変わります。まずは、医療費の集計方法を決めてから申告方法を選ぶとスムーズです。

    セルフメディケーション税制との違い(どちらを選ぶ?)

    医療費控除と、セルフメディケーション税制は別制度です。適用条件や、控除の考え方が異なります。医療費が一定額を超える場合は医療費控除を検討し、対象となる医薬品の購入が中心の場合はセルフメディケーション税制を検討します。

    どちらを選ぶか迷う場合は、年間の医療費と医薬品購入費をそれぞれ集計し、条件を満たすか確認してください。併用はできないため、いずれか一方を選びます。

    比較観点医療費控除セルフメディケーション税制
    主な対象診療・治療に関する医療費対象医薬品の購入費
    選び方の目安医療費が高額になった年に検討医薬品購入が中心の年に検討

    参考:セルフメディケーション税制とは|国税庁

    医療費控除を申請する際のポイント

    医療費控除は、対象外の支出を混ぜないことが重要です。対象外が含まれると、申告内容の修正が必要になる場合があります。

    また、家族分を合算する場合は「生計を一にする」範囲で整理します。誰の負担か、誰が支払ったかが混同しやすいため、支払者と対象者をメモしておくと安心です。

    最後に、医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できません。いずれが条件に合うかを比較して選んでください。

    医療費控除対象外のものを必ず確認しておく

    判断に迷いやすい支出は、治療に直接関係するかで整理します。健康維持や任意のサービスは、対象外になりやすい傾向があります。

    集計段階で対象外を除外しておくと、明細書作成がスムーズです。領収書に目的が書かれていない場合は、メモを残してください。

    「セルフメディケーション」の利用を検討する

    医療費が10万円に届かない場合でも、条件を満たせばセルフメディケーション税制を選べる場合があります。対象医薬品の購入が多い年は、レシートや購入記録の整理が役立ちます。医療費控除と同様に、申告に備えて記録を保管してください。

    労務担当者向け:従業員への案内テンプレ

    医療費控除は、年末調整の時期に問い合わせが増えやすい項目です。案内文を定型化すると、対応のばらつきを減らしやすくなります。次のテンプレは、社内掲示やメールで使いやすい形にまとめたものです。自社の運用に合わせて調整してください。

    用途案内テンプレ
    社内掲示・一斉メール医療費控除は年末調整では申請できません。医療費控除を希望する場合は、年末調整後に確定申告(還付申告)で手続きしてください。
    問い合わせ返信医療費控除は会社の年末調整では対応できません。源泉徴収票をご確認のうえ、確定申告で医療費控除の明細書を作成して申告してください。

    年末調整の問い合わせが増えやすい場合は、案内テンプレの整備や、年末調整業務の仕組み化も検討してください。年末調整システムを比較し、資料をまとめて確認することで、業務負担の見直しにつながります。

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    医療費控除は確定申告で手続きしよう

    医療費控除自体は年末調整では対応できませんが、従業員からの問い合わせ対応や申告書の記入サポートは年末調整業務の中で発生します。こうした業務を効率化したい場合は、年末調整支援システムの活用も選択肢の一つです。

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