シンクライアントの主な機能の全体像
シンクライアントには複数の機能があり、製品によって対応している範囲が異なります。自社の利用環境や求めるセキュリティ水準にあわせて、必要な機能を見極めることが重要です。
機能の有無を事前によく確認せずに導入してしまうと、運用開始後に想定外の不便を感じる懸念もあります。まずは全体像を整理し、次章以降で代表的な機能ごとの特徴を具体的に見ていきます。
| 機能 | 特徴 |
|---|---|
| 画面転送方式(VDI) | サーバー側で処理し、画面情報のみを転送する仕組み |
| データ非保持 | 端末側にデータを残さない構成 |
| マスタイメージ一括更新 | 全端末の環境を一括で最新化する機能 |
| ネットワーク分離 | 業務系とインターネット系の通信を分離する仕組み |
機能ごとに向く利用シーンが異なる理由
画面転送方式は情報漏えい対策を重視する企業に向く一方、GPU対応は設計・映像編集など負荷の高い作業を行う部署に向いています。それぞれの機能には長所と注意点があり、自社の環境にあわせて選ぶことが重要です。
導入目的を明確にしたうえで、必要な機能だけを絞り込んで選ぶことが、失敗を防ぐ重要なポイントとなります。
機能を比較する際の基本的な視点
機能を比較する際は、セキュリティの強さだけでなく、利用者にとっての操作性や、運用側の管理のしやすさもあわせて確認することが有効です。多機能であるほど良いとは限らず、自社に必要な機能を見極めることが重要です。
必要以上に高機能な製品を選んでしまうと、実際には使わない機能にコストを払い続けることになる懸念もあります。
画面転送方式・データ非保持機能
画面転送方式は、サーバー側で処理をすべて行い、画面情報のみを端末に転送する仕組みで、多くの企業で採用されています。端末に業務データを残さず利用できる点が普及の背景にあります。確認したい観点を整理します。
- 通信環境が不安定な場合でも動作するかを確認する
- 端末側にデータが一切残らない構成かを確認する
- 操作の応答速度を確認する
画面転送方式という特徴
画面転送方式は、実際の処理をすべてサーバー側で行い、端末には画面の情報だけが送られる仕組みです。端末が万が一紛失・盗難にあっても、データそのものは端末に残らないため、情報漏えいのリスクを抑えやすくなります。
契約前に、通信が不安定な環境での動作を確認しておきましょう。従来のノートPC運用と比べて、セキュリティ面での安心感が大きく高まる点が評価されています。
データ非保持という観点
端末側にデータを一切保存しない構成であれば、たとえ端末を紛失した場合でも情報漏えいのリスクを大きく抑えられます。製品によってデータ非保持の徹底度が異なるため、具体的な仕組みを確認しておくことが重要です。
監査対応の観点からも、この機能は特に重要な確認項目となります。一時ファイルやキャッシュが端末に残らない設計になっているかも、あわせて確認しておきましょう。
マスタイメージ一括更新・ネットワーク分離
マスタイメージの一括更新機能と、ネットワーク分離機能も、多くの企業で重視される機能です。運用効率とセキュリティの両立を目指すうえで、欠かせない観点となります。確認したい観点を整理します。
| 機能 | 確認したい内容 |
|---|---|
| マスタイメージ一括更新 | 更新にかかる時間と復旧手順 |
| ネットワーク分離 | 物理的分離か仮想的分離かの実現方式 |
- ■Q:マスタイメージの更新にはどのくらい時間がかかりますか?
- 更新にかかる時間は端末数や更新内容によって異なるため、契約前に自社の端末数を伝えて具体的な目安を確認することをおすすめします。
- ■Q:ネットワーク分離はどのように実現されますか?
- 物理的に分離する方式と、仮想的に分離する方式があり、それぞれ導入コストや日々の運用性が大きく異なります。
マスタイメージ一括更新の利便性
全端末の環境をそれぞれ個別に更新するのではなく、マスタイメージを一括で更新できる機能があれば、運用の手間を大きく削減できます。更新作業にどの程度の時間がかかるか、業務時間外に実施できるかどうかも確認しておきたい観点です。
従業員数が多い企業ほど、一括更新の効果は大きくなり、担当者の作業負担を大幅に削減できます。
ネットワーク分離という機能
インターネット接続系と業務系のネットワークを分離することで、外部からの不正アクセスのリスクを抑えられます。分離の実現方式によって、導入コストや運用の手間が異なるため、自社の要件にあった方式を選ぶことが重要です。
物理的な分離は堅牢である一方、コストや運用にかかる日常的な手間が高くなる傾向があります。仮想的な分離は導入しやすい反面、設定の複雑さが増す場合もあります。
GPU対応・マルチデバイス対応
CADや動画編集など負荷の高い作業に対応するGPU機能や、スマートフォン・タブレットからの利用に対応するマルチデバイス機能も、注目される機能の一つです。利用シーンが多様化する中、対応範囲の広さが重要な選定基準となります。確認したい観点を整理します。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| GPU性能 | CAD・動画編集に必要な処理性能 |
| 対応デバイス | スマホ・タブレットでの操作性 |
- GPUの処理性能が自社の作業に見合うかを確認する
- 対応しているデバイスの種類を確認する
- デバイスごとの操作性の違いを確認する
GPU対応という機能
CADや動画編集など、グラフィック処理の負荷が特に高い作業では、GPUに対応したシンクライアントが必要になる場合があります。GPUの処理性能は製品によって大きな差があるため、自社が行う作業の負荷に見合った性能を確認することが重要です。
必要な性能が不足すると、作業がスムーズに進まず、作業効率の大きな低下につながる懸念があります。
マルチデバイス対応という観点
スマートフォンやタブレットからも利用できる製品であれば、外出先での業務対応がしやすくなります。デバイスごとに操作性が異なる場合があるため、実際に利用予定の端末で事前に動作を確認しておくことが重要です。
営業職など外出の多い従業員にとって、この機能は業務の効率化に特に有用です。
機能面を比較したいシンクライアント製品
画面転送方式やマスタイメージ管理など、機能面を比較する際に候補となるシンクライアント製品をご紹介します。
Amazon WorkSpaces導入支援サービス
- お客様ニーズに沿う導入支援
- セキュリティ強化策のご提案
- サポートデスクで運用負荷軽減
株式会社TOKAIコミュニケーションズが提供する「Amazon WorkSpaces導入支援サービス」は、クラウド型の仮想デスクトップ基盤であるAmazon WorkSpacesの導入を支援するサービスです。端末側にデータを保持しない構成に対応しており、画面転送方式やマルチデバイス対応の詳細な仕様は、自社の利用環境にあわせて個別に確認することが重要です。GPUを活用する業務がある場合は、対応プランの有無もあわせて確認するとよいでしょう。
Omnissa Horizon Cloud (Omnissa Japan合同会社)
- 仮想デスクトップとアプリをクラウドから提供
- クラウド型仮想デスクトップで運用負担を軽減
- 単一コンソールでデスクトップやアプリを一元管理
機能に関するFAQ
シンクライアントの機能について、よくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:データ非保持機能はどの製品にも備わっていますか?
- 製品によって対応状況が異なります。画面転送方式やデータの保存範囲は契約前に個別に確認することが重要です。
- ■Q2:GPUを活用する業務にも対応できますか?
- GPU対応プランを用意している製品もありますが、対応の有無は製品ごとに差があるため事前確認が必要です。
- ■Q3:マスタイメージの一括更新はどのように役立ちますか?
- 端末ごとの個別設定作業を減らせるため、運用の負担を軽減しやすくなります。
- ■Q4:マルチデバイス対応はどこまで確認すべきですか?
- 対応しているOSや端末の種類は製品ごとに異なるため、自社が利用する端末に対応しているかを確認することが重要です。
まとめ
シンクライアントには、画面転送方式によるデータ非保持、マスタイメージの一括更新、ネットワーク分離、GPU対応、マルチデバイス対応など、さまざまな機能があります。自社の利用目的やセキュリティ要件にあわせて、必要な機能を見極めることが大切です。社内の関係部署とも相談しながら、まずは資料請求で具体的な機能を確認してみてください。

