ブレードPCとは
ブレードPCの概要を解説します。
各構成要素を、ブレードに集約したパソコンのこと
ブレードPCとは、CPUやメモリなどの構成要素を、基盤に集約したパソコンのことです。その基盤をブレードと呼びます。
通常のパソコンはすべての構成要素が一か所にまとまっています。それに対し、ブレードPCはCPUなどの構成要素をブレードとして一括管理し、ユーザーにはキーボードや画面など最低限の装置のみが与えられるのが特徴です。
企業や大学において、大量のパソコンを効率的に管理する方法として採用されています。ユーザーがメモリを所持しないため、セキュリティの観点からも有益です。
シンクライアントの実行方式で採用されている
シンクライアントとは、ユーザーが使用する機器を最低限にとどめ、処理をサーバで行う方式のことです。
そして、シンクライアントにはいくつかの種類があり、そのうちの1つがブレードPCです。ほかの方式も合わせて見ていきましょう。
- ブレードPC型
- クライアント端末とブレードPCを1対1で接続します。リソースを占有できますが、ブレードPC本体が高額です。
- ネットブート型
- サーバ側にあるイメージファイルを読み取り、ネットワーク経由で実行します。個々に適した環境の用意には不向きです。
- プレゼンテーション型
- サーバ上でアプリケーションを実行し、それをクライアント端末に転送する方式です。クライアント端末は入出力装置だけで済み、コスパに優れています。
- 仮想PC型
- 1つのサーバ上に複数の仮想PCを構築し、クライアント端末からアクセスして利用します。ユーザーは独立した環境を使えますが、高性能なサーバが必要です。

ブレードPCでシンクライアントを利用する利点・欠点
ブレードPC型のシンクライアントを利用することには、どのような利点・欠点があるのでしょうか。
クライアント端末の自由度が高い
クライアント端末とブレードPCは1対1で接続されます。つまり、ユーザーはブレードPC1台分のリソースを占有できるということです。通常のPCと比べても遜色のない能力を発揮します。したがって、ブレードPC型はCADのように高度なグラフィック性能が求められる業務に適した方式と言えるでしょう。
また、先述したネットブート型と異なり、クライアント端末ごとに環境が独立しているのも特徴です。ネットブート型ではユーザーごとに利用環境が異なる場合、その数だけイメージファイルを用意しなければならず大変です。しかし、ブレードPC型では最初から物理的に独立している機器に1対1で接続するため、そのような負担はありません。
以上のことから、ブレードPC型はユーザーの自由度が高い方式と言えます。
価格が高くなりやすい
ブレードPC型は自由度が高い反面、費用が高額になりがちなのが難点です。
まず、ブレードPCは1対1で利用するという特性上、ユーザーの数だけ用意しなければなりません。また、1つひとつのブレードPC自体が高額です。このことから、大規模で利用すると非常に多くのコストを要することになります。
一例として、あるベンダーが提供する40人利用時における導入費用は、約900万円です。もちろんベンダーによって差はありますが、そもそもブレードPCを提供するベンダーがあまり多くないため、選択肢は限られます。
さらに、コスパにも優れていません。1対1で接続する以上、1つのブレードPCが持つリソースを複数人で分け合えないからです。この点では、1つのリソースを分割して使えるプレゼンテーション型や仮想PC型に劣ります。1ユーザーが使うリソースが大きくないのなら、別の方式を検討したほうが良いでしょう。
ブレードPC型のシンクライアントを検討しよう!
ブレードPCとは、パソコンを構成する各要素をブレードという物理機器に集約し、クライアント端末からそこにアクセスして使う方式です。シンクライアント方式の1種という位置づけになります。
クライアント端末ごとにリソースや環境が独立しているため、自由度が高いのが魅力です。その反面、費用は高額になります。
以上を踏まえ、自社に最適なシンクライアント方式を選びましょう。
