シンクライアントの使い方や機能とは?
シンクライアントの機能は主に2つから成り立っています。
- ・キーボード操作などをサーバに送信する
- ・サーバから受信したイメージ画像をモニターに表示する
サーバや仮想化されたデスクトップから社内ファイルにアクセスできるため、社外での業務の手段として利用されています。
また、ユーザが使用するシンクライアント端末にはイメージ画像しか表示されず、端末内にデータは保管されないため、情報漏えいの手段の1つとして活用されています。
シンクライアントの起動方法
シンクライアントの起動方法は2種類あり、起動方法がそれぞれ異なります。
- ・サーバアクセス起動型
- サーバにアクセスして起動するシンクライアントです。シンクライアント端末にはハードディスクは内蔵されておらず、ネットワーク機能と入出力機能のみ搭載されています。
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- ・USB起動型
- 既存のPCにUSBを差し込み、使用する端末をシンクライアント化します。USBにOSがインストールされており、PC本体の役割をしています。シンクライアント端末は入出力機能のみ搭載する形です。
シンクライアントの管理機能を解説
シンクライアントは第三者による不正ログインを防ぐため、アカウントの管理機能を搭載しています。通常のアカウント設定にプラスして、指紋認証機能を搭載したシンクライアントもあり、適切なアカウント管理を行なっています。
シンクライアントが活躍する使い方
端末の一元管理やセキュリティ対策を図れるシンクライアントですが、どのような場面でどんな風に活用するのでしょうか。事例ごとにご紹介します。
学校や塾で働く人に
学校や塾で働く人にとって、シンクライアントは活躍します。
学校や塾での授業以外にもPCを使用した業務が多く、自宅で資料の作成や編集を行う方が多いでしょう。
シンクライアントを活用することで、学校や塾のサーバにアクセスするだけで自宅でも業務の続きを行えます。自宅のPCの画面に表示されているのは「イメージデータ」であり、PCが盗難にあっても紛失してしまっても情報漏えいのリスクが低くなります。
営業担当者に
社外での業務が主な営業担当者にとって、シンクライアントを導入することで場所に限定されずに業務を行えるため業務の効率化が期待できます。
商談先で見積書などの書類を作成する際も、シンクライアント端末を利用すれば迅速な対応が可能です。
シンクライアント未導入の場合、書類を作成するために会社に戻る必要がありますが、導入していればその必要はありません。
商談先で、クライアントと商談をしながら社内ファイルにアクセスして見積書の作成を行えます。正式な書類でも遠隔操作での決済ができるため書類作成時のプロセスの簡略化を図れます。
機密情報などの重要なデータはサーバで管理されているため、セキュリティ面も安心です。
リモートワークしたい人に
シンクライアントの導入でリモートワークも可能です。シンクライアント化した端末が1台あれば、社内のデスクトップ環境にアクセスして業務を行えます。使用する端末には一切のデータが残らず、端末の電源をOFFすることでデータがすべて消去されます。シンクライアントがあれば、セキュアな環境で社内と同じように業務に臨むことができるでしょう。
シンクライアントって何?基本のきをおさらい
サーバ側でOSやアプリケーションなどを一元管理し、ユーザの端末側には画面表示や入出力機能だけを搭載したシステムです。
シンクライアントを活用することでシステム管理を効率的に行うことができ、また、情報漏えいなどの情報セキュリティ対策を図れるため、複数拠点を展開している企業やテレワーク、外回り営業などの場面での活躍が期待できるでしょう。
シンクライアントの種類とは?
シンクライアントは実装方式は「ネットワークブート型」「画面転送型」の2種類あります。画面転送型はさらに「サーバベース方式」「ブレードPC方式」「デスクトップ仮想化(VDI)方式」に分かれます。それぞれを解説していきます。
- ・ネットワークブート型
- サーバ上のデスクトップイメージをクライアント端末にインターネット回線を利用してダウンロードを行い、OSやアプリケーションを実行する方法です。
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- ・画面転送型サーバベース方式
- サーバ上でアプリケーションを実行し、それを複数のユーザで共有する方法です。
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- ・画面転送型ブレードPC方式
- CPUやメモリー、ハードディスクなどを基盤に集積したブレードPCをマシンルームにまとめて設置し、ユーザ1人につきブレードPCを使用する方法です。ブレードPCごとにOSを実行し、実行した情報をクライアント端末に転送します。
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- ・画面転送型デスクトップ仮想化(VDI)方式
- サーバ上に仮想化技術を利用してデスクトップ環境を構築し、ユーザは仮想化デスクトップにアクセスし、クライアント端末に画面転送を行う方法です。
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シンクライアントの特徴はどんなものか
シンクライアントは、ユーザが使用する端末には必要最低限の機能のみ搭載し、サーバ側でデータの管理やアプリケーションの実行などの処理の全てを行うといった特徴があります。「Thin(薄い)+client」で、最小限の機能をもつ端末という語源からきています。
VDI(デスクトップ仮想化)って?シンクライアントとの違い
シンクライアントの実装方式の1つであるVDIですが、他の実装方式とはどのような違いがあるのでしょうか。詳しく解説していきます。
VDI(デスクトップ仮想化)は何かを解説
VDIとは、シンクライアントの実装方式の1つであり、仮想化デスクトップとも呼ばれています。
仮想化技術によりデスクトップ環境を構築し、ユーザはVDIにアクセスします。
ユーザ単位でVDIを利用でき、1台のサーバに複数のVDIを集約可能なため、ブレードPC方式と比較してハードウェアコストを抑えることができます。
また、サーバベース方式と比較してもアプリケーションの制限を受けることも、アプリケーションの不具合により他のユーザが影響を受けることもありません。
VDIに使う端末はどんなものがあるかを見てみよう
VDIは既存PCと専用PCのどちらも使用できます。それぞれの使い方を解説していきます。
- ・既存PCの場合
- 専用のOSやアプリケーションをインストールしてVDI端末として使用します。インストールする際には、VDIソリューション提供元に必要なスペックなどを確認する必要があります。また、専用PCを利用する際に比べるとセキュリティ面にリスクが残ります。PC上に機密情報が記録されたり業務とは無関係のアプリケーションをインストールされたりする可能性があります。
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- ・専用PCの場合
- 利用するVDIソリューションに対応したPCを使用します。専用PCにはハードディスクが搭載されていないものが多いため、機密情報などを記録できません。また、業務以外のアプリケーションはインストールされていないため、端末の管理コストの削減を期待できます。必要最低限の機能のみ搭載しているため、PCの起動や処理速度が早くなります。
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まとめ
シンクライアントを活用すれば、ネットワーク環境が整った場所であれば時間や場所に限定されずに社内と同様の業務に臨むことが可能です。
シンクライアントにはメリットやデメリットがあるため製品導入時の利用場面などを視野に入れ、自社に合った最善の方法で活用していくようにしましょう。