シンクライアントのクラウド型が注目されている
現在では社内のリソースの活用方法や、さまざまな働き方に適応する必要があるといわれています。その中で、シンクライアントの検討を行う企業が増え、環境を構築する方法では「クラウド型」の導入が注目されています。
仮想化技術の進展とともにデスクトップ仮想化(VDI)の活用が再注目されており、クラウド型のサービスが増えたことで、検討される機会が増えています。
クラウド型シンクライアントサービスをご紹介
ここからはクラウド型のシンクライアントサービスを紹介していきます。
株式会社TOKAIコミュニケーションズが提供するAmazon WorkSpaces導入支援サービスは、その名の通りクラウドデスクトップサービスである「Amazon WorkSpaces」を、より個社のニーズにマッチする形で導入できるようサポートするサービスです。
高セキュリティ化やコストシミュレーションの相談、トラブル対応(24時間365日)も任せられるため、導入への不安や管理運用負荷の軽減につながるでしょう。
iDEA Desktop Cloud
iDEA Desktop Cloudはイデア・コンサルティング株式会社が提供しているクラウド型のシンクライアントサービスです。さまざまなデバイスに対応し、簡単にVDI環境を構築できます。VDIのメリットである運用管理負荷やコストを削減し、ワークスタイルの変革にも柔軟に対応可能です。サポートが充実しているため、IT管理者の専門知識は不要な仮想デスクトップサービスです。
STclient
STclient(エスティクライアント)はNECネッツエスアイ株式会社が提供しているクラウド型のシンクライアントサービスです。クライアント端末には一切データやアプリケーションを置かずに管理できるため、ワークスタイル改革、情報漏えい防止、事業継続性の確保、運用管理の負荷軽減といった経営課題の解決にも役立ちます。サーバなどIT資産を用意する必要がないため、部門や従業員数の増加に柔軟な対応ができます。
BizXaaS Office「BVDI」
BizXaaS Office「BVDI」は株式会社エヌ・ティ・ティ・データが提供している仮想デスクトップサービスです。利用者の自由なワークスタイルと、企業の堅牢なセキュリティの両立をコンセプトにした商品です。提供態はクラウド・オンプレミス・ハイブリッドの3種類ですが、クラウドモデルは監視・運用をNTTデータが行うため、自社の運用負荷を減らすことが可能です。
IIJ仮想デスクトップサービス
IIJ仮想デスクトップサービスは株式会社インターネットイニシアティブが提供しているクラウド型の仮想デスクトップソリューションです。VDIを始めとしたクラウドサービスによって、オフィス環境を身軽にすることが目的です。オフィス内のシンクライアント端末だけではなく、スマートデバイスや自宅PCを利用したテレワーク環境も構築できるため、多様なワークスタイルを実現可能です。
VMware Horizon Cloud
VMware Horizon Cloudはヴイエムウェア株式会社が提供しているクラウド型のシンクライアントサービスです。仮想化ソリューションの代表的な位置付けであるVMwareの、デスクトップ仮想化に特化したサービスであり、性能は良く、さまざまなワークスタイルに対応できます。VMwareがマネジメントを行うこともあり、安定した本番環境を構築できます。クラウド型になるため、オンプレミス型と比較すると低価格で構築・拡張できます。
NEC Cloud DaaS
NEC Cloud DaaSは日本電気株式会社が提供しているクラウド型のシンクライアントサービスです。こちらは100人以上の規模に適したVDIサービスで、仮想デスクトップ化を手軽な価格で導入できます。手間のかかる仮想デスクトップの運用はNECに任せることができ、管理者の負担を軽減できます。高いセキュリティ基準をクリアしたNECのデータセンターで運用を行うため、安全性が高いです。
他にもより多くのシンクライアント製品を比較検討したいという方は以下の記事をご覧ください。
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2020.10.30
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クラウド型の登場で再注目のVDI(仮想デスクトップ基盤)とは
VDI(Virtual Desktop Infrastructure)とはパソコン(デスクトップ)を仮想化し、各端末で別々に稼働させていたアプリケーションやデータをサーバ上の仮想化基盤で実行し、複数の端末の集中複合管理を行う方法です。シンクライアントの実現方式のうちの一つで、「画面転送型」の方式の一つの方法です。
その技術は2008年から存在しますが、近年のクラウド技術の発展により、クラウド型のVDIが再注目されています。
VDIを構築する方法は、自社にサーバを構える「オンプレミス型」と、インターネット上に構築されたサービスを利用する「クラウド型」があります。クラウド型のシステムはコストを削減できる点や、保守運営の手間がかからない点で導入しやすいとされています。
VDIの導入方法「DaaS」と「オンプレミス」を比較
VDIの導入方法には大きく分けて「DaaS型」と「オンプレミス型」の2種類があります。ここからはVDIの導入パターンの違いについて説明していきます。
DaaS(Desktop as a Service)(クラウド型)
DaaSとはクライアントにデスクトップの環境をクラウドサーバを通して提供するサービスです。クライアントにはモニターやキーボードなどの必要最低限の設備だけでデスクトップ環境を構築できます。
オンプレミス型は自社内にサーバを構築していますが、DaaSの場合はプロバイダーのデータセンターにサーバを委託する方法になります。自社でサーバを構築する必要がないため、導入コストを抑え、保守・運用も外部に委託できます。
オンプレミス型
オンプレミス型とは自社内、もしくは自社のデータセンターに仮想化サーバを構築して独自で運用する仕組みです。構築から保守・運用まで自社で完結させるため、システムの仕様や機能は自由に設定できますが、導入コストが大きく、運用には専門的な知識とスキルが必要になります。
クラウドサービスでの仮想デスクトップの特徴
クラウドサービスにおける仮想デスクトップの特徴を紹介していきます。
多様なスマートデバイスに対応
ノートPCのような端末以外にもスマートフォンやタブレットのようなスマートデバイスにも対応しています。対応できるデバイスが多いため、従業員の働き方に対応することも可能です。
既存PC・自宅PCをシンクライアント化
クラウド型のVDIのシステムを活用することで、新しくクライアントを用意することなく、既存のPCをシンクライアント化できます。通常、クライアントのシステムを変更する時は、クライアントを入れ替える手間や費用が大きくなります。
クラウド型のVDIであれば、クライアントを入れ替える必要なく、既存の環境にそのまま対応できますし、自宅PCもシンクライアント化が可能です。
情報漏えい対策
VDI環境を構築化することで、シンクライアント端末として活用できます。クライアントには業務で使用したデータは保存されないため、社外で端末を使い紛失した場合でも情報漏えいを防止できます。
サーバ・PCなどの運用コストの削減
従来の環境であれば、端末ごとに発生するアプリケーションをインストール・更新したり、トラブル対応を行う必要があります。VDIを実現することで、サーバで集中管理を行うことができ、管理者の負担が軽減するため、運用コストを削減できます。
VDI導入のポイント
VDIを導入する時にはいくつかのポイントに注意する必要があります。ここからはVDIの導入のポイントを紹介していきます。
サイジング設計は慎重に
VDIの導入後に発生する問題に仮想PCのレスポンスが遅いことがあります。レスポンスが遅くなる原因は、サーバにアクセスが集中し処理が追い付かないことで発生します。設計段階でサーバのサイジングを誤ると、始業時などのアクセスが集中するタイミングで、レスポンスが遅くなったり、サーバがダウンしてしまい仕事にならないことがあります。
業務を行う人数や規模を正確に把握してサーバのサイジングを行う必要があります。基本的にVDIを設計する時はサーバ・ストレージ・ネットワークを構築しますが、それぞれの要素が複雑なため、構築は難しくなります。
現状の環境の把握
サーバのサイジングを行う時に重要な要素になることは、現状の環境を把握することです。
コスト削減を重視するあまり、今よりもスペックが低いシステムを導入してしまえば、
パフォーマンスの低下は免れません。重要なことは導入する時だけでなく、環境を構築し運用した時にも、VDI環境を活用できるか検討することです。
柔軟な対応力をもつか
VDI環境は一度構築すれば、しばらく変更しない仕組みではありません。クライアントの業務環境は企業の作業環境そのものであるため、日々適切な環境を構築する必要があります。そのため、人員が増加したり、ワークスタイルが変化したときに柔軟に対応できるVDI環境を構築する必要があります。特にサーバは拡張性があるものでないと、人員の増加に対応することは難しくなります。
VDIは規模が大きなシステムのため、通常は一部でテスト導入し拡大していきます。システムの柔軟性も重要ですが、サーバのOSや仮想化ソフトウェアのバージョンが統一されておらず混在しているケースも多くあります。この場合、障害が発生したり、再設計の手間や機器やスペースの無駄が発生します。VDIを導入するときには運用面も考慮する必要があります。
最新機能の必要性を確認
VDIは今では注目されている分野になるため、VDIを提供している企業の数も多くあり競争が激化しています。そのため、新機能の新バージョンを搭載していることが多いですが、自社にとって必要な機能であることもあればそうでない場合もあります。特にクラウド型のVDIサービスの場合、機能によって月額利用料が変わるため、自社に必要な機能か見極める必要があります。
クラウド型シンクライアントの特徴を理解し最適な製品選びを!
近年ではVDI製品は数多くリリースされているため、自社に最適な製品を選択する必要があります。VDIの導入で失敗しないポイントは、自社の課題を明確にし、製品の特徴を把握することです。近年注目されているクラウド型のシンクライアントをしっかりと理解して導入しましょう。