VOC分析ツールに連携性が求められる理由
VOC分析ツールは、単体で顧客の声を集計するだけでなく、他システムと連携させることで真価を発揮します。ここでは、連携性が重視される背景と、連携が不十分な場合に起こりやすい課題を整理します。
顧客接点が分散する現状
近年は電話だけでなく、メールやチャット、SNS、アンケートなど顧客との接点が複数のチャネルに広がっています。それぞれのチャネルで得られる顧客の声を個別に管理すると、全体像を把握しにくくなります。
例えば、コールセンターに寄せられた不満とSNS上の投稿が別々に管理されていると、同じ問題への対応状況が部署ごとに食い違う場合があります。連携性の高いVOC分析ツールを選ぶことで、複数チャネルの情報を一つの画面で確認しやすくなり、担当部署をまたいだ状況共有もスムーズになります。
連携不足が招く機会損失
VOC分析ツールと既存システムの連携が不十分だと、担当者が手作業でデータを転記する手間が発生します。手作業が増えるほど、分析結果を業務に反映するまでの時間が長くなります。
また、部門間でデータ形式が統一されていないと、集計結果に差異が生じる場合があります。連携機能を活用してデータを自動的に集約できれば、こうした手間や差異を減らせる可能性があります。
コールセンターシステムとの連携で広がる活用範囲
コールセンターに蓄積される通話内容やオペレーターの入力履歴は、顧客の生の声が詰まった情報源です。VOC分析ツールとコールセンターシステムを連携させる方法と得られる効果を紹介します。
通話録音データとの連携
コールセンターシステムと連携できるVOC分析ツールでは、通話録音やテキスト化された通話履歴を取り込み、顧客の要望や不満を自動的に分類できる場合があります。
例えば、問い合わせ内容をキーワードごとに分類し、頻出するテーマを可視化する機能を持つ製品があります。オペレーターが個別に対応するだけでなく、傾向を全社で共有しやすくなり、商品企画や品質改善の部署にも情報を届けやすくなります。
対応履歴の一元管理
コールセンターの対応履歴とVOC分析ツールを連携させると、顧客ごとの問い合わせ経緯を時系列で確認しやすくなります。
履歴が分散していると、同じ顧客から再度問い合わせがあった際に過去の経緯を把握するまでに時間がかかる場合があります。連携によって情報を一元化できれば、対応品質のばらつきを抑えやすくなります。
CRMやアンケートツールとの連携でできること
CRMに蓄積された顧客属性やアンケートで得た定量的な回答は、VOCデータと組み合わせることでより具体的な分析につながります。ここでは代表的な連携パターンを紹介します。
CRMとの連携による属性別分析
CRMと連携できるVOC分析ツールでは、契約状況や利用期間などの顧客属性と、寄せられた意見や要望を組み合わせて分析できる場合があります。
例えば、契約更新前の顧客から寄せられる声を抽出し、解約につながりやすい傾向を確認するといった使い方が考えられます。属性情報と組み合わせることで、優先的に対応すべき顧客層を絞り込みやすくなり、営業部門やカスタマーサクセス部門との連携もとりやすくなります。
アンケートツールとの連携によるデータ統合
アンケートツールと連携できるVOC分析ツールを使うと、自由記述の回答とVOC分析ツールに蓄積された他チャネルの声を合わせて確認できます。
定量的な満足度スコアと自由記述のコメントを並べて確認することで、数値だけでは見えにくい理由を把握しやすくなります。連携機能の有無は、アンケート結果を業務改善につなげる上での確認点の一つです。実施頻度の異なる複数のアンケートを横断的に見比べられる点も、連携のメリットとして挙げられます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でVOC(顧客の声)の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
SNSやチャットツールとの連携で得られる効果
SNS上の投稿やSlack、Teamsといった社内チャットツールとの連携も、VOC分析ツールを選ぶ際に確認しておきたいポイントです。情報共有の速さに直結します。
SNS連携によるリアルタイムな声の収集
SNSと連携できるVOC分析ツールでは、自社製品やサービスに関する投稿を収集し、コールセンターやアンケートでは拾いきれない声を把握できる場合があります。
SNSの投稿は匿名性が高く、率直な意見が書き込まれる場合があります。一方で投稿内容には誤情報や個人の主観も含まれることがあるため、他チャネルの情報と突き合わせて確認する姿勢が必要です。
SlackやTeamsへの通知連携
SlackやTeamsに通知できるVOC分析ツールを使うと、緊急性の高い顧客の声が寄せられた際に、担当部署へ速やかに共有できる場合があります。
通知条件をキーワードやスコアで設定できる製品では、必要な情報だけを担当者に届けやすくなります。通知が多すぎると見落としにつながる場合があるため、条件設定の柔軟さも確認しておくとよいでしょう。緊急度に応じて通知先チャンネルを分けられる製品であれば、部署間の情報共有をさらに整理しやすくなります。
API連携のしやすさを見極めるポイント
既製の連携機能だけでなく、API連携に対応しているかどうかも、自社独自のシステムと組み合わせる上で重要な確認点です。API連携の確認観点を紹介します。
APIドキュメントの充実度
API連携がしやすいVOC分析ツールを見極めるには、公開されているAPIドキュメントの分かりやすさを確認することが有効です。
取得できるデータの種類や更新頻度、認証方式などが明記されているかを事前に確認しておくと、開発時の手戻りを減らしやすくなります。ドキュメントが不十分な場合は、導入前に問い合わせて確認するとよいでしょう。サンプルコードや検証用の環境が用意されているかも、開発負荷を見積もる上での判断材料です。
連携時に起こりやすいトラブルへの備え
API連携では、仕様変更やデータ形式の不一致など、複数の要因によって不具合が発生する場合があります。
原因は製品側の仕様変更だけでなく、利用者側の設定ミスや連携先システムの変更など、さまざまな要因が考えられます。導入前にサポート体制やエラー発生時の対応方針を確認しておくと、いざという時に対応しやすくなります。障害発生時の連絡フローや復旧までの目安時間を事前に確認しておくことも、業務への影響を抑える上で役立ちます。
連携機能に対応したVOC分析ツールの例
ここまで紹介したコールセンター、CRM、SNS、アンケート、チャットツールとの連携やAPI活用という観点をふまえ、複数チャネルとの連携や情報の一元管理に対応したVOC分析ツールを紹介します。自社が重視する連携先に対応しているかどうかを比較検討する参考にしてください。
クアルトリクス カスタマーエクスペリエンス(CX)
- アンケートで収集したデータから次なるアクションを割り出す
- 顧客の声を多角的かつリアルタイムで取得し、素早く分析できる
- 各種ツールと連携して適切な担当者にアクションを割り当てる
クアルトリクス合同会社が提供する「クアルトリクス カスタマーエクスペリエンス(CX)」は、顧客からのアンケート回答やコールセンターの音声データ、CRMに蓄積された顧客情報など、複数のチャネルから収集した情報を統合的に分析できるプラットフォームです。外部システムとの連携機能を備えており、収集したデータをダッシュボード上で一元的に可視化できます。部門をまたいだ情報共有をしやすくし、顧客の声を業務改善につなげる用途に活用できます。
見える化エンジン
- SNS/アンケート/コールログなどあらゆる顧客の声 (VoC)を一元化!
- 15年連続シェアNo.1のテキスト解析×AIで不満の原因・感情を可視化
- 40種超の分析機能×1,900社の導入実績・専任コンサルの伴走支援
株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供する「見える化エンジン」は、コールセンターの応対記録やアンケートの自由記述、SNS上の投稿など、多様な形式のテキストデータを取り込んで分析できるVOC分析ツールです。テキストマイニング機能により、寄せられた声を自動で分類し、頻出するキーワードや傾向を可視化します。複数チャネルの情報をまとめて確認できるため、部署をまたいだ顧客の声の共有に役立ちます。
MiiTel Call Center
- リアルタイムトークアシストとFAQ表示で自己解決率を向上
- AIコーチングと自動フィードバックで応対品質を平準化し育成
- 全通話の要約とVoC抽出を自動化!多角的な音声解析を実現
株式会社RevCommが提供する「MiiTel Call Center」は、通話内容を録音・自動でテキスト化できるコールセンター向けシステムです。蓄積された通話履歴やテキストデータをCRMなど他システムと連携させることで、顧客ごとの対応履歴を一元的に管理しやすくなります。通話内容の分析結果を可視化する機能もあり、オペレーターの対応品質の把握や、顧客からの声の社内共有に活用できます。
Flyle(フライル)
- 生成AIによる高精度の文脈理解、分析工数の大幅削減
- 部門別に最適化できるワークフロー機能
- 分析支援AIエージェントで誰もが手軽にインサイトを抽出
株式会社フライルが提供する「Flyle(フライル)」は、Slackなどのチャットツールやチケット管理ツール、CRMなど複数の情報源に散らばった顧客の要望やフィードバックを一箇所に集約して管理できるツールです。寄せられた声をタグ付けして整理できるため、部門をまたいだ情報共有がしやすくなります。社内で使われているコミュニケーションツールとの連携にも対応しており、顧客の声を製品開発や改善に反映する用途に活用できます。
QiQUMO
- 直感的な操作で簡単・スピーディーにアンケートを実施
- 目的に応じて対象者を絞り込んで配信・海外への配信も可能
- リーズナブルでわかりやすい料金体系で安心して利用可能
株式会社クロス・マーケティングが提供する「QiQUMO」は、アンケート調査の企画から実査、集計までを支援するツールです。自由記述を含むアンケート結果を集計・可視化できるほか、回答データをエクセル形式で出力できるため、社内の他データと合わせて確認する用途にも活用できます。定量的な満足度スコアと自由記述のコメントを合わせて確認できるため、アンケートを通じて得た顧客の声を業務改善に活用しやすくなります。
EmotionTechCX (株式会社EmotionTech)
- 体験感情を分析・可視化する独自技術を搭載(特許取得)。
- CX専門コンサルタントによる伴走支援
- 大手企業を中心に300社以上のCX改善を支援
ReviCo (株式会社ReviCo)
- 数クリックで投稿できる設計と特典施策でレビュー量・質を向上
- レビュー・NPS・VOC分析でEC改善や商品開発・接客強化に活用
- タグ設置で表示可能なレビュー機能や連携機能を豊富に搭載
コンタクトログマネジメント (Vectra AI Inc.)
- AIタグでVOCを分類し全量データを構造化・可視化
- ログ解析を自動化し継続的なVOC分析を容易化
- 改善提案から実行支援までPDCAを伴走提供
YOMEL (株式会社PKSHA Infinity)
- PCを通じて行った会話のすべてが対応履歴として可視化可能
- 対話は自動的にテキスト化され、要約まで自動で作成
- お客様からの質問集も自動で生成!ニーズ等を簡単に抽出
YOSHINA (株式会社レトリバ)
- 音声データだけで分析が可能
- 導入から運用・分析まで手厚くサポート
- 多彩な分析手法で顧客ニーズを正確に把握
VOC分析ツールの連携性に関するFAQ
VOC分析ツールの連携性について、よくある質問をまとめました。導入検討の参考にしてください。
- Q1:コールセンターシステムと連携できるVOC分析ツールはどう選べばよいですか?
- 通話録音やテキスト化データを取り込めるか、対応履歴と紐づけて管理できるかを確認するとよいでしょう。無料トライアルやデモで実際の連携動作を確認する方法も有効です。
- Q2:API連携には別途費用がかかりますか?
- 費用は製品や契約プランによって異なります。API連携が標準機能に含まれる製品もあれば、オプション料金が発生する製品もあるため、見積もり時に確認することをおすすめします。
- Q3:連携がうまくいかない場合、どのような原因が考えられますか?
- データ形式の不一致や認証設定の誤り、連携先システムの仕様変更など、複数の要因が考えられます。特定の原因に限定せず、サポート窓口に状況を伝えて切り分けを進めるとよいでしょう。
- Q4:情報漏えいのリスクはどう確認すればよいですか?
- アクセス権限の設定範囲や通信の暗号化方式、ログの管理体制を事前に確認することが有効です。連携先システムごとにデータの取り扱い範囲を整理しておくと、リスクを把握しやすくなります。
- Q5:使いやすさはどのように比較すればよいですか?
- 画面の操作性だけでなく、連携設定にかかる工数や、通知条件の設定のしやすさも比較の観点です。実際の管理画面をデモで確認しておくと、導入後のイメージを持ちやすくなります。
まとめ
VOC分析ツールの連携性は、コールセンターシステムやCRM、SNS、アンケートツール、SlackやTeamsなど、既存の業務環境とどれだけスムーズにつながるかで評価できます。API連携の柔軟性も含めて確認することで、収集した顧客の声を部門横断で活用しやすくなります。自社の業務フローに合わせて、連携範囲を具体的に比較検討することが大切です。

