アラート対応フローの設計
WAFが攻撃を検知すると管理者にアラートが届きます。しかし対応フローが整っていないと、アラートを見ても誰が何をすべきか分からず、対応が遅れる事態が起きます。
アラートの優先度分類と担当者の役割定義
WAFのアラートには、即時対応が必要な高リスクの攻撃から、定期確認で十分な低リスクのものまで、重要度にばらつきがあります。すべてのアラートを同じ対応フローで処理しようとすると、担当者の負担が過大になり重要なアラートへの対応が遅れるリスクがあります。
アラートの重要度を「高・中・低」に分類し、高リスクは即時対応・中リスクは当日対応・低リスクは週次確認という基準を設けることが重要です。セキュリティ担当者がいない時間帯(夜間・休日)の対応手順と、エスカレーション(上位の担当者への引き継ぎ)フローもあわせて設計しておきましょう。WAFの管理コンソールでアラートの重要度を自動的に分類できる機能があるかどうかも選定基準に加えることをお勧めします。
誤検知(正常通信の遮断)への対処フロー
WAFは攻撃と判断した通信を遮断しますが、正規のユーザーのアクセスを誤って遮断してしまう「誤検知」が発生することがあります。EC決済ページや業務システムのAPIで誤検知が起きると、ユーザーへの影響が直接出るため、迅速な対応が必要です。
誤検知が発生した場合の報告先・確認手順・ホワイトリスト(許可リスト)への追加権限を持つ担当者を明確にしておくことが重要です。WAFの設定変更がビジネスに与える影響を評価するために、変更前の動作確認環境(ステージング環境)でテストしてから本番に適用する運用フローを設けることをお勧めします。
チューニングとルール更新の継続的な仕組み
WAFは導入直後よりも、運用しながら自社の環境に合わせてチューニングを重ねていくことで精度が高まります。ルール更新と誤検知低減のサイクルを継続的に回すことが重要です。
誤検知を減らすチューニングのアプローチ
WAFのルールが厳格すぎると誤検知が多発し、緩すぎると攻撃が通り抜けるリスクがあります。導入初期は検知のみのモード(監視モード)で稼働させて、正常な通信のパターンを把握してから遮断モードに切り替える段階的なアプローチが、誤検知を減らしながら保護を強化する方法として効果的です。
チューニングには自社のWebアプリケーションの通信パターンを理解した担当者が関わることが重要です。特にECサイトや業務システムでは、管理画面への正規アクセスやAPIコールが独自のリクエスト形式を持つことがあります。WAFのチューニング支援をベンダーまたはマネージドサービス事業者が提供しているかを確認することをお勧めします。
ルール更新の頻度と自動化の仕組み
新しい脆弱性や攻撃手法が日々発見されるなか、WAFのルールを最新状態に保つことが防御力の維持に不可欠です。ルール更新の頻度と、更新作業を誰が行うかは運用コストに直結します。自動でルールが更新されるクラウド型WAFでは、担当者がルール更新作業を行う必要がありません。
自動更新の場合、新しいルールが既存サイトの正常な通信に影響しないかを事前にテストする仕組みがあるかを確認することが重要です。ルール変更の履歴が管理コンソールで確認できるか、変更があった場合に管理者への通知が行われるかも運用上の確認ポイントです。ルール更新の判断をベンダーに委ねるマネージドサービスの活用も検討してみてください。
ログ管理と外部SOCの活用
WAFのログを蓄積・分析することで攻撃傾向の把握と証跡の保全ができます。セキュリティの専門性が不足する場合は、外部のSOCを活用することも有効な選択肢です。
WAFログの保管期間と分析活用
WAFのログには攻撃を試みたIPアドレス・リクエストの内容・検知ルールなど、セキュリティインシデント調査に必要な情報が含まれます。インシデント発生後に原因を調査するために、ログを一定期間保管しておくことが重要です。法令・業界ガイドラインによってはログの保管期間が定められている場合もあります。
WAFのログをSIEMツールやログ管理サービスに自動転送できるかどうかを確認しておきましょう。ログの分析には専門知識が必要なため、ログ分析レポートをベンダーが提供しているか、または外部のログ分析サービスと連携できるかを確認してみてください。月次や四半期ごとのセキュリティレポートがあると、上層部へのセキュリティ状況の報告に活用できます。
外部SOCサービスとのセット導入
SOC(Security Operations Center)は、24時間365日でセキュリティイベントを監視・分析する専門組織です。社内にセキュリティ専任担当者を置く余裕がない組織では、WAFとSOCサービスをセットで導入することで、インシデント発生時の対応能力を外部から補うことができます。
WAFの検知ログをSOCへリアルタイムで連携できるかどうかを確認することが重要です。WAFとSOCを同じベンダーから調達するワンストップのサービスと、WAFとSOCを別々のベンダーから調達する方式のメリットとデメリットを比較してから選択することをお勧めします。SOCサービスの対応範囲(監視のみか、インシデント対応支援まで含むか)と費用をあわせて確認してください。
運用体制を支えるWAFを比較する
運用管理のしやすさやサポート範囲は製品によって異なります。長期運用を見据え、導入後の設定変更やチューニング、問い合わせ対応の範囲などを資料で確認しながら比較しましょう。
攻撃遮断くん(株式会社サイバーセキュリティクラウド)
- あらゆる規模のWebシステムへ導入できる最適なWAFを提供。
- DDoS対策プランや定額制プランなど多数のサービスプランを提供。
- 自社開発だからできる手厚いサポート体制。
攻撃遮断くん(株式会社サイバーセキュリティクラウド)は、Webサイトへの不正アクセスや攻撃を検知・遮断するクラウド型サービスです。Webアプリケーション層へのサイバー攻撃をリアルタイムに可視化・遮断できる国産WAFです。
SiteGuard
- システム環境に応じて3種類から選べて様々なWebサイトに適応
- 低価格から始められ、安心とコストパフォーマンスの両方を実現
- 国産メーカーならではの自社対応で、迅速かつ高品質なサポート
SiteGuardは、Webサーバーに設置して不正アクセスや攻撃を防ぐWAFソフトウェアです。純国産でカスタマイズ性に優れており、高度なサイバー攻撃からWebサイトを保護します。
Cloudbric WAF+
- 特許取得のロジック&AIエンジンを搭載、高い攻撃検知力
- WAF/DDoS攻撃遮断/API保護/ボット対策/Malicious IP遮断
- 24時間365日監視体制と専門家にお任せのマネージドサービス付帯
Cloudbric WAF+は、AIを活用した攻撃検知機能を持つクラウド型WAFです。DDoS攻撃遮断やAPI保護、ボット対策、Malicious IP遮断までを備えています。
Ray-SOC WAF
- 独自AIエンジンで未知の攻撃も検知・ブロック
- マネージドサービス付きなので、管理の手間はほとんど不要
- 月額3.5万円から。日本の技術チームがサポートします。
Ray-SOC WAFは、独自開発のAIエンジンを搭載したクラウド型WAFです。ホワイトハッカーの知見を学習させたAIにより、Webサイトへの攻撃対策を支援します。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でWAFの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
WAFの運用体制に関するFAQ
運用体制についてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:WAFの運用に専任の担当者が必要ですか?
- マネージドWAFサービスや自動チューニング機能を持つ製品であれば、専任担当者がいなくても運用できる場合があります。自社のセキュリティ体制に合わせて、どの運用作業を内製するかを決めてから製品を選ぶことをお勧めします。
- ■Q2:誤検知が多発している場合にすぐできる対処法はありますか?
- 特定のURLや送信元IPをホワイトリストに追加する方法が即効性があります。根本的な解決にはWAFのチューニングが必要なため、ベンダーのサポートに相談しながら誤検知の原因を特定して対応することをお勧めします。
- ■Q3:SOCサービスはどのくらいの規模から必要ですか?
- 社内にセキュリティ専任担当者がいない、または夜間・休日の監視体制が取れない組織であれば、規模にかかわらずSOCサービスの導入を検討する価値があります。費用と提供範囲を複数社で比較してから選定してください。
まとめ
WAFの運用体制を整えるには、アラート対応フローの設計、誤検知チューニングの仕組み、ルール更新の自動化、ログの保管と分析、外部SOCの活用が重要な要素です。導入時から運用計画を立て、自社のセキュリティ体制に合った運用方式を選ぶことで、WAFの効果を最大化できます。まずは資料請求で各製品の運用支援サービスを確認してみてください。


