経営者のアポ取りが上手くいかない人が押さえておきたいポイント
経営者との商談を獲得し成果を上げている営業パーソンは、以下で解説する3つのポイントを押さえています。早速今日から実践してみましょう。
「ベネフィット」を簡潔に伝えるよう意識する
経営者はとにかく時間がありません。「ご挨拶させてほしい」「顔合わせがしたい」など、自社に利益があるか分からないアポイントには、なかなか応じてくれないでしょう。そこで意識したいのが、以下のような会社経営における利益(ベネフィット)を簡潔に伝えることです。
- ●経費を〇%削減できる
- ●□□業務の生産性が〇%向上する
具体的な数字を入れつつ簡潔にベネフィットを伝えることで、話を聞くことによるメリットを感じてもらえます。経営者は製品やサービスの機能そのものには興味がありません。「ベネフィット」となる部分だけを訴求して、効果的にアプローチしましょう。
日時を提示し選択してもらう
多くの営業パーソンは「ご都合のよい日時を教えていただければ、こちらであわせます」といったアプローチをしたことがあるのではないでしょうか。日程の決定権を相手に委ねるのは、一見相手を尊重しているように感じるかもしれません。しかし、実は余計な手間や心理的なストレスを与えている可能性があります。
そこで日程の決定権は相手に委ねず、こちらから提示しましょう。このとき「10日の15時と、11日の10時ならどちらがご都合よろしいでしょうか?」といったイメージで、2・3択の選択肢から選ばせるのがポイントです。
「どちらかを選ぶ」という意識を先行させ、断る選択肢を与えない「二者択一法」と呼ばれる心理学的なテクニックです。アポ取りだけでなく、商材のアプローチにも役立つので活用してみましょう。
ターゲットを中小企業に絞る
最初のターゲットは中小企業に絞ることをおすすめします。なぜなら大企業は窓口、担当部署、秘書など、コンタクトを取るまでに様々な部署を経由する必要があり、経営者のアポイントを直接獲得するのは難しいからです。商材のジャンルごとに決裁者が決まっている場合、経営者自らが意思決定をする場面も少ないでしょう。
一方で中小企業は、多くの商材における最終的な決裁権を経営者が握っています。決裁期間が短く商談もスピーディーに進みやすいため、まずは中小企業に絞ってアプローチしてみてください。
【アプローチ方法別】経営者アポ取りのコツ
経営者のアポイントを獲得するためのコツを、電話・メール・郵送DMの3つのアプローチ方法に分けて解説します。それぞれ見ていきましょう。
電話営業(テレアポ)
電話営業を成功させるコツは3つあります。
つながりやすい時間帯を狙って電話をかける
経営者は会議が終わった午前10時以降や、外出から戻ってくる夕方4時以降に在社している可能性が高くなります。このようなタイミングを狙って電話をかけることで、経営者に取り次いでもらえる確率が上がります。
反対に、始業直後や昼休み、終業直前のようなタイミングはあまりおすすめしません。朝礼やミーティングを行いがちな時間や、昼休み中の電話はかえって悪印象になる可能性があります。
迷惑になるリスクが低く、かつ在社率が高い午前中や夕方の時間を狙ってみましょう。
「相手目線」を徹底して話す
「自社のことや商品のこと」を一方的にアピールするトークは断られやすいでしょう。経営者はあくまで「自社の経営にもたらされるベネフィット」を気にしています。
例えば「同業他社ではこのような悩みをお聞きするのですが、御社でもお悩みではありませんか?」といったアプローチから入ります。具体的に経営者が抱えている経営上の悩みや課題を聞き出し、自社サービスによって課題を解決できることをアピールしましょう。これにより、詳しく話を聞きたいと思ってもらえる可能性が高まります。
製品やサービスを具体的に紹介するのは、アポイントが取れてからの段階で問題ありません。まずは相手目線に立って、相手が欲しい情報だけを伝えていきましょう。
「切り返しのトーク」を活用する
テレアポは断られるのが当たり前です。しかし以下のような「断られたときの切り返しトーク」を用意しておくことで、断られたとしてもアポイントにつなげられる可能性が上がります。
経営者の断り文句 |
切り返しのトーク例 |
検討します。 |
気になる箇所がございましたでしょうか?よろしければ一度、サンプルをお持ちしてお伺いいたします。 |
営業ですか? |
はい、営業の電話です。御社の業界では、○○でお困りの経営者が多いと聞きまして、それを当社で解決できる可能性があるためお電話しました。 |
今忙しいです。 |
お忙しいですよね、3分だけでいいのでお時間いただくのは難しいでしょうか? |
必要ありません。 |
よくいわれます。しかし○○な理由で、「必要ない」とおっしゃっていた方でも、最終的に導入されています。 |
「でも」「ですが」と経営者の意見を否定せず、まずは肯定から入るのが相手に不快感を与えないポイントです。断られることの多いパターンがあれば、それに対する切り返しのトークを考えて実践してみてください。
メール営業
メール営業では、以下で解説する3つのポイントを押さえておきましょう。
「気になって開いてしまう件名」で送る
経営者への営業メールは大量に届くため、残念ながらほとんどは開封されません。しかし、件名にインパクトがあれば、気になって開かれる可能性が上がります。例えば以下のように数字を入れた具体性の高い件名は、経営者の期待値が上がり開封率が高くなりやすいでしょう。
- ●コスト〇%削減のご提案
- ●□□業務の生産性を〇%UP
- ●社員を増やさずに売上が〇%UP
- ●〇日間無料トライアル
メールはコストをかけず大量に遅れるのがメリットです。間隔を空けながら何度か送り、反応率がよい件名を採用するとよいでしょう。ただし件名や本文を誇張しすぎて、期待値と実際に会ったときの落差を生まないよう注意してください。
メールの冒頭に「有益な情報」を記載する
経営者は商品やサービスの機能や性能そのものには興味がありません。機能や性能をつらつらと本文に書かれても、押し売りのような印象が強くなるので、アポイントにはつながりづらいでしょう。
そこで、開封してすぐに見えるメールの冒頭部分に、課題の提起や解決策を盛り込む方法がおすすめです。「貴社ではこのような点を課題と感じていませんか」「その課題を当社のサービスで解決できる可能性があります」といった形で、メールの情報が経営者にとって有益であることをはっきりと伝えましょう。
返信先をはっきりと記載する
メール営業の意外とよくあるミスが「どこに返信すればよいか書いていない」ケースです。メールへの返信でも、それが具体的に明記されてなければ経営者はアクションをやめてメールを閉じてしまいます。メール返信や問い合わせフォームなどに誘導する文章を必ず入れましょう。
なお、URLを貼り付けるタイプの日程調整ツールを導入して、即アポイントにつなげる方法もおすすめです。以下の記事で日程調整ツールを紹介しているので、興味がある方は参考にしてみてください。
郵便DM(ダイレクトメール)営業
郵便DM(ダイレクトメール)での営業で押さえておきたいポイントは2つです。それぞれ解説します。
封筒・はがきのデザインを工夫する
一般的なデザインで社名や宛先だけが書かれた封筒やはがきは、「またよくある営業DMか」と思われて破棄されるリスクが高くなります。そこで、以下のようにデザインを工夫して、見た目のインパクトで興味を引きましょう。
- ●あまり見ないサイズの定形外封筒を使う
- ●ミシン目加工など開けやすさにこだわる
- ●透明窓から試供品やキャンペーン・クーポンが見えるようにする
- ●封筒に大きく「○○でお悩みの経営者様へ」とターゲットの悩みを書く
「これは読んでみたい」「開けるのが面倒ではない」と思えるDMのデザインにすれば開封率が上がります。封筒のサイズを変えるなどの方法は今すぐに取り組めるので、ぜひ試してみてください。
DM送付後はフォローコールを徹底する
「DMを送って、反応を待っているだけ」の状態になっていないでしょうか。ただでさえ開封される確率が低いのがDMです。開封後に反応がもらえるのは数十件から数百件に1件あればよいほうです。
こちらからフォローコールを行えば、開封してみてどうだったのか反応が得られます。DMの中身について話せるので、単なるテレアポよりも効率的にアポイントを獲得できます。
もし開封されていなくても、これから開けて読んでもらったり、改めて内容物を持って行ったりと新たなアプローチをするきっかけになります。DMを送ったらフォローコールを徹底して、経営者へのアポイントにつなげましょう。
営業活動の成約率を高めるポイント
業種や企業規模を絞らず、闇雲にアプローチを繰り返してもアポイントにはつながりづらいでしょう。人件費を無駄にするだけでなく、DM営業などの場合は経済的なコストもかかってしまいます。
そこで自社の商材のニーズに合致する企業をあらかじめターゲットに選定しましょう。営業リストを作成することで効率よくアプローチできます。数多くの企業情報を網羅した「企業データベース」から企業情報を収集すれば、リスク作成が容易です。まずは無料で使える企業データベースから試してみるのがおすすめです。
また「SFA」と呼ばれる営業支援ツールを使用し、社内でノウハウを蓄積したり、効率的に商談を管理する方法もおすすめです。効果のあったアプローチ方法を社内展開して、経営者へのアポイント成功率を上げられる可能性があります。人海戦術には限界があるので、さまざまなツールを活用して効率的にアプローチしてみましょう。
まとめ
経営者は多忙で時間がないので、経営におけるベネフィットを簡潔に伝えたうえで、日程調整の選択肢をこちらから提示するのがアポ取りのポイントです。また、大企業の経営者に直接アポイントを取るのは難しいため、最初はなるべく中小企業にターゲットを絞りましょう。
ITトレンドでは経営者のアポ取り効率化につながる企業データベースやSFAツールも紹介しています。以下の記事に詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてください。