企業規模と適性検査のミスマッチが起こる背景
適性検査の失敗は、製品の良し悪しだけでなく、選び方の前提がずれていることから生じる場合があります。企業規模と製品があわなくなる主な背景を2つ紹介します。自社の検討の進め方に当てはまらないかを確認してみてください。
従業員数だけで受検人数を見積もっている
適性検査の費用や必要な機能は、従業員数よりも年間の受検人数によって左右されます。従業員50名の企業でも、アルバイトを通年で採用していれば受検人数は多くなり、反対に採用が年に数名なら受検はわずかです。
従業員数だけを基準に「中規模向け」のプランを選ぶと、実際の受検人数とあわない場合があります。導入前に、過去の応募者数や選考通過者数から受検人数を見積もることが大切です。社員の受検を予定している場合は、その人数も加えて考えましょう。
導入後の規模や用途の変化を見込んでいない
導入時点の規模だけで製品を選ぶと、数年後の事業拡大や採用方針の変更に対応できない場合があります。例えば、当初は中途採用だけで使う予定だったものの、新卒採用や社員の配置にも使いたくなるケースです。
反対に、将来の拡大を見込んで大規模向けの製品を選んだものの、採用計画が縮小して機能を持て余す場合もあります。プランの変更や上位プランへの切り替えが契約期間の途中でもできるかを確認しておくと、変化に対応しやすくなります。3年程度先までの採用計画を人事部門で共有しておきましょう。
小規模企業で費用対効果が下がる失敗ケース
小規模企業では、受検人数が少ないことから、契約の形によっては1名あたりの費用が割高になる場合があります。ここでは、費用対効果が下がる代表的なケースと、見直しの方法を紹介します。自社の状況と照らし合わせて確認してください。
50名規模で高機能な定額プランを選んだケース
従業員50名規模の企業が、マッチング分析や詳細なレポートを使いたいと考え、高機能な定額プランを契約したとします。ところが実際の受検者は年間十数名にとどまり、1名あたりの費用が従量課金型より大幅に高くなるといったケースです。
高機能なプランの機能を活用するには、分析の基準作りや結果の読み取りに時間をかける体制も必要です。担当者が兼務で時間を確保できない場合、機能を使いきれない可能性があります。機能の多さではなく、自社で実際に使う機能を基準にプランを比べましょう。
受検者が少ないのに年間契約を結んだケース
年間契約は月額料金が割安になる場合がある一方、採用が予定より少なかった年も費用が発生します。小規模企業では、景気や事業の状況によって採用人数が大きく変わることもあります。
受検者が少ない年が続くと、年間の費用に対して得られる成果が見合わなくなる可能性があります。契約前に、最低契約期間や途中解約の条件、未使用分の扱いを確認しましょう。採用が不定期な企業は、従量課金型や短期間の契約から始める方法も選択肢です。
費用対効果を回復させる見直しの方法
すでに費用対効果が下がっている場合は、次の更新時期に向けて見直しを進めましょう。まず、過去1年間の受検人数と費用を整理し、1名あたりの費用を計算します。
そのうえで、社員の受検や配置の検討にも活用して利用の幅を広げるか、料金体系の異なる製品へ切り替えるかを検討します。切り替える場合は、過去の検査結果を出力して保管できるかを確認しておくと、データを無駄にせずに済みます。更新の申し出期限も忘れずに確認しましょう。
100名規模で安さを優先して機能が不足するケース
従業員100名前後の企業では、採用人数や面接官が増え、複数のシステムと適性検査をつなぎたい場面が出てきます。料金の安さだけで製品を選ぶと、必要な連携に対応していないことが導入後にわかる場合があります。
既存の基幹システムと連携できず手作業が残るケース
料金が手頃な適性検査を導入したものの、採用管理システムや人事システムとの連携に対応しておらず、結果を手作業で転記しているというケースがあります。受検者が増えるほど転記の作業量も増え、入力ミスが起こる可能性も高まります。
このような事態は、導入前に連携の要件を整理していなかったことが原因の一つです。ただし、連携先のシステム側の仕様や、社内のデータ管理のルールも影響するため、原因は一つに限りません。自社で使っているシステムと、やり取りしたいデータの一覧を先に作ることが大切です。
手作業が残ったときの対処と再選定の進め方
すでに手作業が残っている場合は、まずCSV出力で代わりに対応できないかを確認しましょう。検査結果を表形式のファイルで書き出し、ほかのシステムに取り込めれば、転記の手間を減らせる可能性があります。
それでも負担が大きい場合は、契約の更新時期にあわせて再選定を検討します。再選定では、料金だけでなく、連携の方式や対象のデータ、追加費用の有無を比較表にまとめましょう。移行に伴う作業量や、面接官への再説明の手間も見積もっておくと判断しやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で適性検査の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
大企業で新卒採用のピークに運用が追いつかないケース
新卒採用を大規模に行う企業では、説明会やエントリー締め切りの前後に受検が集中する場合があります。準備が不十分だと、受検や結果の確認に遅れが出る可能性があります。起こりうる現象と、備えておきたい運用を解説します。
受検の集中で起こりうる現象
短期間に多くの応募者が受検すると、受検画面の表示が遅くなる、結果の反映に時間がかかるといった現象が起こる可能性があります。原因は、適性検査のシステム側の処理能力だけでなく、受検者の通信環境や、連携している採用管理システム側の処理も関係します。
また、システム面に問題がなくても、未受検者への再案内や問い合わせへの対応が人事担当者に集中し、作業が追いつかない場合もあります。システムと人の両面から、ピーク時の負荷を見積もることが大切です。前年の受検の推移を確認しておきましょう。
ピーク時に備えた運用の設計
ピーク時の混乱を避けるには、受検期間を分散させる運用が有効です。例えば、説明会の開催日ごとに受検の締め切りを分けると、アクセスの集中を和らげられます。
あわせて、想定する受検人数と時期を事前にベンダーへ伝え、同時アクセスへの対応状況を確認しましょう。障害が起きた際の連絡方法や、受検期限を延長する手順も決めておくと安心です。受検者からの問い合わせに対応するよくある質問のページを用意し、担当者の負担を分散させましょう。
企業規模にあう適性検査を選ぶための事前チェック
ここまで紹介した失敗の多くは、契約前の確認である程度避けられる可能性があります。自社の規模や採用計画にあう適性検査を選ぶために、事前に確認しておきたい項目を整理します。社内の関係者と共有してから比較を進めましょう。
3年先までの受検人数と用途の試算
まずは、今後3年程度の採用計画をもとに、年間の受検人数を試算しましょう。新卒と中途、正社員とアルバイトなど、採用区分ごとに分けて考えると精度が上がります。過去の応募者数の推移も参考にしましょう。
あわせて、採用以外に社員の配置や育成にも使う予定があるかを整理します。用途が広がれば、必要な機能や受検人数も変わるためです。試算した人数をもとに、従量課金型と定額型の両方で3年間の費用を比べると、規模にあう料金体系が見えてきます。
契約前にベンダーへ確認したい項目
受検人数と用途が整理できたら、候補の製品のベンダーに具体的な条件を伝えて確認しましょう。条件があいまいなままだと、ベンダーからの回答も一般論にとどまり、比較の材料になりにくいためです。確認したい主な項目は、次の表のとおりです。
| 確認項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 料金体系とプラン変更の条件 | 受検人数の増減に対応できるかを判断するため |
| 連携できるシステムと方式 | 導入後に手作業が残らないかを判断するため |
| 同時アクセスへの対応状況 | 繁忙期に受検が集中した場合に備えるため |
| 最低契約期間と解約条件 | 採用計画が変わった場合の費用を把握するため |
回答は書面やメールで受け取り、複数の製品を同じ項目で比べられるようにしておくと安心です。回答の内容は、契約書や利用規約の記載と食い違いがないかもあわせて確認しましょう。確認の結果は、次回の更新時の見直しにも役立ちます。
採用人数や組織の広がりにあわせて選べる適性検査
受検人数や活用範囲が変わっても運用を続けられるかという観点で、採用から配置まで使える製品や、受検方式を選べる製品を紹介します。
カオナビ適性検査
- 人材データ×性格データで、根拠ある適材適所を実現
- 応募者だけでなく従業員も受検。相性まで見える
- 結果を“活かす”ところまで。AIに相談できる
株式会社カオナビが提供する「カオナビ適性検査」は、応募者だけでなく従業員にも性格検査を実施できる適性検査です。人材データと性格データを掛け合わせて見られるため、採用人数が少ない時期でも社員の配置やマネジメントに検査を活用できます。従業員の結果から上司や部署との相性も確認でき、組織の拡大にあわせたチーム編成の判断材料になるでしょう。結果の活かし方はAIに相談でき、職務適性診断や性格診断、モチベーション分析に対応しています。
Compass
- 厳選された評価項目と科学的裏付け
- スピーディーな運用と柔軟な仕様
- インターネットでも設問紙でもご利用頂け、即座にご覧頂けます
株式会社イングが提供する「Compass」は、採用選抜時に必要な評価項目を調査して開発された適性検査です。心理学と経営学の両方の視点から、ビジネスシーンでの利用に適した検査を目指して設計されています。スピーディーな運用と柔軟な仕様に対応し、インターネットでも設問紙でも利用できるため、選考の時期や会場にあわせて方式を使い分けられます。結果は即座に確認でき、職務適性診断や性格診断、能力テストに対応しています。
玉手箱Ⅲ (日本エス・エイチ・エル株式会社)
- 知的能力と個性を短時間で測定可能。
- 面接ガイド付き帳票で選考判断を支援
- 受検データ分析の結果を採用活動の改善に活用。
SPI3 (株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)
- 年間18,100社、257万人が受検。多くの企業で採用されています。
- 企業規模や業種を問わず採用から配属まで幅広く活用可能
- Webテストやテストセンターなど受検形式が豊富
MiKiWaMe (株式会社HRRT)
- 弁護士監修でコンプライアンス遵守、安心して利用可能
- 数万件の実績があり、上場企業も利用中。
- 初期費用0円、1件2万円(税抜)の料金設定
まとめ
企業規模にあわない適性検査を選ぶと、さまざまな失敗が起こる可能性があります。小規模企業では費用の割高化、100名規模では連携不足による手作業の残存、大企業では新卒採用のピーク時の混乱が代表例です。従業員数ではなく受検人数と用途を試算し、料金体系や連携方式、同時アクセスへの対応を契約前に確認しましょう。自社の規模にあう製品を、資料請求で比較してみてください。

