名刺管理におけるサーバーの役割
名刺管理システムを支えるサーバーの位置づけを確認したうえで、形態ごとの特徴を見ていきます。
データを保管し検索を支える基盤
名刺管理システムでは、読み取った名刺の画像やテキスト化した情報がサーバー上に蓄積されます。従業員が名刺を検索したり、他部署の担当者と共有したりする際には、このサーバーに都度アクセスする仕組みになっています。
そのため、サーバーの置き場所や管理方法は、日々の使い勝手だけでなく、情報漏えい対策にも関わる重要な要素です。導入前にどちらの形態が自社に合うかを検討しておく必要があります。
自社設置型とクラウド型の基本的な違い
自社設置型は、社内にサーバー機器を置いてシステムを稼働させる形態です。一方クラウド型は、提供会社が用意したサーバーをインターネット経由で利用します。
自社設置型は社外ネットワークを経由しない構成にしやすい一方、機器の購入や保守を自社で担う必要があります。クラウド型は初期費用を抑えやすく、更新作業も提供会社側で行われる点が異なります。
自社設置型サーバーを選ぶ場面
自社設置型が向いている状況を、具体的な観点から確認します。
社外ネットワークとの接続を制限したい場合
取引先情報を含む名刺データを、社外のネットワークを経由させたくない企業では、自社設置型が候補になります。社内ネットワークの範囲内でシステムを完結させられるため、外部からのアクセス経路を限定しやすくなります。
ただし、社内ネットワーク自体のセキュリティ対策が不十分だと、効果が薄れてしまいます。ファイアウォールの設定やアクセス権限の管理とあわせて検討することが欠かせません。
既存の社内システムと連携させたい場合
顧客管理システムなど、既に社内に構築済みのシステムと名刺情報を密接に連携させたい場合、自社設置型の方が柔軟な連携設定を組みやすいことがあります。社内のネットワーク構成に合わせた個別のカスタマイズがしやすいためです。
一方で、連携の設計や保守には専門知識を持つ担当者が必要になります。社内に情報システム部門がない場合は、負担が大きくなる可能性があります。
クラウド型サーバーを選ぶ場面
クラウド型が向いている状況を確認します。
拠点間や外出先からの利用を重視する場合
複数の拠点を持つ企業や、外回りの多い営業担当者が多い企業では、クラウド型の利点が生きやすくなります。インターネット環境があれば、社外からでも名刺情報にアクセスできる構成が一般的だからです。
スマートフォンで名刺を撮影し、その場でシステムに登録できる製品も多く、外出先での利用を前提とした運用に向いています。
情報システム部門の負担を抑えたい場合
サーバー機器の購入や日々の保守作業を提供会社に任せられる点も、クラウド型の特徴です。障害対応やセキュリティパッチの適用も提供会社側で行われるため、自社の情報システム部門の負担を抑えやすくなります。
ただし、提供会社のサーバーにデータを預ける形になるため、委託先のセキュリティ体制やデータの取り扱い方針を事前に確認しておく必要があります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で名刺管理ソフトの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
導入前に確認したい注意点
形態を問わず、導入前に確かめておきたい点を整理します。
データの保存場所と法令への対応
個人情報を含む名刺データをどこに保存するかは、個人情報保護に関する社内規程とも関わります。クラウド型を選ぶ場合は、データセンターの所在地や、提供会社の情報管理体制を確認しておくと安心です。
自社設置型の場合も、バックアップの取得方法や災害時の復旧手順を整えておかないと、データ消失のリスクが残ります。
将来的な利用者数の増減への対応
従業員数の増加や組織変更にあわせて、利用者数が変わることも想定しておく必要があります。クラウド型は契約プランの変更で比較的柔軟に対応できる製品が多い一方、自社設置型では機器の増設が必要になる場合があります。
導入時点だけでなく、数年先の運用規模も見据えて選ぶことが望ましいといえます。
名刺管理サーバーの選び方
自社設置型とクラウド型、どちらを選ぶ場合でも押さえておきたいポイントを整理します。
セキュリティ機能の確認
アクセス権限の細かな設定や、通信の暗号化に対応しているかを確認します。閲覧できる範囲を部署単位で制限できる機能があると、社外秘の取引先情報を限定的に共有しやすくなります。
あわせて、操作ログを記録できるかどうかも確認しておくと、不審なアクセスがあった際の追跡がしやすくなります。
他システムとの連携範囲
営業支援システムやメール配信システムなど、既に使っている他のシステムと連携できるかどうかも比較の軸になります。連携範囲が広い製品ほど、名刺情報を起点とした営業活動につなげやすくなります。
連携方法が自社の運用に合っているか、導入前に確認しておくと後々の手戻りを防げます。
名刺管理システムの主要製品を紹介
名刺管理システムは、名刺のデータ化方式や連携機能によって特徴が異なります。自社の名刺量や活用目的に合わせて、以下の製品を比較検討してみてください。
Sansan
- 名刺管理市場シェア84%。業種・規模を問わず1万1000社が導入
- 精度99.9%でデータ化。名刺情報を正確にデータ化し、全社で共有
- 企業情報や営業履歴を一元管理し、商談準備を効率化
Sansan株式会社が提供する「Sansan」は、営業DXサービスとして名刺のデータ化から顧客情報の一元管理までを支援するクラウド型名刺管理システムです。オペレーターとAI-OCRを組み合わせたデータ化により、手書き文字や複雑なレイアウトの名刺も高精度にテキスト化できます。取り込んだ人脈情報は組織全体で共有でき、名刺交換の履歴や取引先の異動情報も可視化されるため、営業活動や関係構築に役立てられます。
ホットプロファイル
- 毎日、「購買意欲の高い見込み客情報」が営業に届きます。
- 営業の組織力を強化し営業の効率的な活動を支援
- BtoBビジネスで求められるサービスを容易に拡張
株式会社ハンモックが提供する「ホットプロファイル」は、名刺管理・SFA・マーケティングの機能が連動する営業支援ツールです。スマートフォンやスキャナで読み込んだ名刺情報をクラウド上に取り込み、場所や端末を問わず顧客データベースとして活用できます。蓄積した営業データをもとに次のアクションを可視化する機能や、Salesforceとの連携などのオプションも用意されています。
SKYPCE
- 法人向け・営業・セキュリティに強い名刺管理サービス
- スマホ撮影ですぐに登録でき、精度99.9%で名刺をデータ化
- 164万社超の企業情報データベースを活用。CRM/SFAとも連携可能
Sky株式会社が提供する「SKYPCE」は、AI-OCRとオペレーターによる確認を組み合わせて名刺情報を高精度にデータ化する法人向け名刺管理サービスです。運用環境はオンプレミスとクラウドから選択でき、連携用APIによりSalesforceなどのCRM・SFAやグループウェアと自動連携できます。データ化した名刺情報は商談履歴と紐づけて管理でき、ダッシュボードでの可視化にも対応しています。
名刺ファイリングCLOUD (株式会社NTTデータNJK)
- OCR機能で名刺情報を自動データ化し、検索や管理に活用可能。
- クラウド上で名刺情報を一元管理・共有
- 無料と有料の併用で、信頼を築き継続的な収益化を実現する。
TantCardGulliver (株式会社下田OAシステム)
- 名刺情報を社内共有し資産化する。
- 名刺情報へブラウザ・スマホからアクセス可能
- 高セキュリティで社外持ち出し制限にも対応。
名刺管理のサーバー形態に関するよくある質問
よくある質問と回答をまとめました。疑問点の解消や理解を深める際の参考にしてください。
自社設置型からクラウド型への移行は可能ですか?
多くの製品でデータの書き出し・取り込み機能が用意されており、移行自体は可能な場合が多いです。ただし、データ形式の互換性や移行にかかる期間は製品ごとに異なるため、事前に提供会社へ確認することをおすすめします。
クラウド型は自社設置型よりセキュリティが劣りますか?
一概にどちらが優れているとはいえません。クラウド型でも高度な暗号化やアクセス制御を備えた製品は多く、提供会社の体制次第で安全性は変わります。自社設置型も社内の運用体制が整っていなければ、リスクは残ります。
まとめ
名刺管理システムのサーバー形態には、自社設置型とクラウド型があり、それぞれ向いている場面が異なります。社外ネットワークとの接続を制限したいか、外出先からの利用を重視するかなど、自社の運用方針にあわせて選ぶことが大切です。セキュリティ機能や他システムとの連携範囲も比較しながら、自社に合った形態を検討しましょう。


