多角的な分析に強い経営管理システムとは
多角的な分析に強い経営管理システムとは、企業内に蓄積された財務・非財務データを一元化し、複数の分析軸や指標を組み合わせて経営状況を把握できるシステムです。
売上高や営業利益などを全社単位で確認するだけでなく、事業・部門・商品・顧客・地域・チャネルなどの切り口に分けて分析できるのが特徴です。製品によっては、年度・四半期・月次といった時間軸や、予算・実績・見込などを組み合わせて比較し、数値の変化や差異が生じた要因の深掘りにも役立ちます。
経営企画部門では事業ポートフォリオやKPIの分析、財務部門では予実差異や収益性の分析などに活用されます。複数のグループ会社や事業を展開する企業では、会社別・事業別・拠点別のデータを横断して把握する用途にも有効です。
経営管理システムには、予実管理を中心とする製品のほか、多次元分析やKPI管理、グループ経営管理などに強みをもつ製品があります。基本機能や代表的な製品を幅広く比較したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
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多角的な分析に強い経営管理システムの3つのタイプ
多角的な分析に強い経営管理システムは、得意とする分析対象や手法によって大きく3つのタイプに分けられます。「どのデータを、どのような切り口で分析したいのか」を整理し、自社の目的に合うタイプを選びましょう。
多次元データをさまざまな切り口で分析するタイプ
部門・事業・商品・顧客・地域・期間など、複数の軸を組み合わせて経営データを分析したい企業に適したタイプです。多次元データベースやOLAPなどを活用し、財務・非財務データをさまざまな切り口から集計・分析できます。
例えば、事業別の売上を確認した後、地域別や商品別、顧客別へ視点を切り替えることで、業績を多面的に把握できます。事業構造や組織階層が複雑な企業、自社独自の管理会計や分析体系を構築したい企業に向いています。
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予実・KPIを複数の軸で分析するタイプ
予算・実績・見込やKPIなどの経営データを集約し、部門・事業・商品など複数の切り口から業績を分析したい企業に適したタイプです。ダッシュボードやドリルダウン、予実差異分析などを用いて、業績変化の要因を把握します。
月次の予実管理を効率化したい企業に加え、経営会議で「なぜ予算との差が生じたのか」「どの事業が業績に影響しているのか」まで素早く確認したい場合にも有効です。Excelなどに分散した予算・実績データを一元化したい企業にも向いています。
経営リスクを複数の観点から分析するタイプ
財務・業績だけでなく、事業リスクやITリスク、コンプライアンスリスクなどを横断的に把握したい企業に適したタイプです。部門・リスクカテゴリー・重要度・発生可能性などの情報を集約し、リスクの全体像や優先順位を可視化します。
複数事業や海外拠点をもつ企業、内部統制やERM・GRCを強化したい企業に向いています。売上や利益の分析を主目的とする一般的な経営管理システムとは用途が異なるため、リスク情報も含めて経営判断を行いたい場合に検討しましょう。
▶経営リスクを複数の観点から分析できる経営管理システムを見る
多角的な分析に強い経営管理システムの選び方
多角分析を目的に経営管理システムを選ぶ際は、分析機能の有無を見るのではなく、自社で必要な分析軸やデータの粒度、予実・KPI分析への対応、既存システムとの連携性まで確認することが重要です。ここでは、経営企画部門や財務部門が比較しておきたいポイントを解説します。
- ●自社に必要な分析軸を設定できるか
- ●分析軸や階層を柔軟に切り替えられるか
- ●ドリルダウンで差異の原因を深掘りできるか
- ●財務・非財務データを組み合わせて分析できるか
- ●予算・実績・見込や複数シナリオを比較できるか
- ●既存システムのデータを効率よく集約できるか
- ●経営会議で活用しやすい可視化・レポート機能があるか
自社に必要な分析軸を設定できるか
まず確認したいのは、自社の経営管理で必要な分析軸に対応しているかです。部門・事業だけでなく、商品・サービス、顧客、地域、店舗、チャネル、プロジェクトなど、実際の意思決定で利用する切り口を設定できるか確認しましょう。
例えば、複数の商品を扱う企業では「事業×商品×地域」、BtoB企業では「事業×顧客×案件」といった組み合わせで分析するケースがあります。現在の経営会議資料や管理会計用のExcelを確認し、どの軸を掛け合わせているか整理しておくと、必要な機能を判断しやすくなります。
分析軸や階層を柔軟に切り替えられるか
多角分析では、設定できる分析項目の数だけでなく、利用者自身が切り口や階層を変更できる柔軟性も重要です。
「全社→事業→部門→商品」のように階層を掘り下げたり、同じ売上データを商品別・顧客別・地域別へ切り替えたりできれば、経営会議で生じた疑問にも迅速に対応しやすくなります。分析パターンの変更に専門的な設定が必要か、経営企画や財務担当者だけで操作できるかも確認しましょう。
ドリルダウンで差異の原因を深掘りできるか
集計結果から詳細データへ段階的に掘り下げるドリルダウン機能も、多角分析では重要です。例えば営業利益が計画を下回った場合、事業別、部門別、商品別、顧客別と確認範囲を絞ることで、差異が生じた要因を特定しやすくなります。
会計数値だけでなく、販売実績や案件、原価などの明細まで確認できる製品であれば、原因分析のために複数のシステムを行き来する負担も抑えられます。どこまで詳細なデータへ掘り下げられるかを比較しましょう。
財務・非財務データを組み合わせて分析できるか
経営状況を多角的に把握するには、PL・BS・CFなどの財務データだけでなく、顧客数、販売数量、契約件数、商談数、人員数、生産性などの非財務データもあわせて確認することが重要です。
例えば売上が増加している場合でも、顧客数の増加によるものか、単価上昇によるものかによって取るべき施策は異なります。財務数値と非財務KPIを同じ画面やレポート上で確認できる製品であれば、業績の結果だけでなく、その背景にある要因まで把握しやすくなります。
自社で管理しているKPIや事業データを取り込めるか、財務データと紐づけて分析できるかを確認しましょう。
予算・実績・見込や複数シナリオを比較できるか
将来を見据えた意思決定には、実績の分析に加えて、予算・実績・最新見込を並べて比較することが重要です。さらに、売上増加や原価上昇など複数の前提条件を設定し、着地見込をシミュレーションできる製品もあります。
予実差異の発生後に見込をすぐ更新できるか、複数の予算・見込バージョンを保持できるか、シミュレーション結果をレポートへ反映しやすいかといった点も確認しましょう。
既存システムのデータを効率よく集約できるか
分析機能が充実していても、必要なデータをスムーズに取り込めなければ十分に活用できません。会計システムやERP、販売管理、SFA・CRM、人事システムなど、自社で利用しているシステムとの連携方法を確認しましょう。
API・CSV連携のほか、Excelやスプレッドシートのデータを取り込める製品もあります。また、部門や子会社によってコード体系やデータ形式が異なる場合は、データ変換・統合やマスタ管理の機能も重要です。
経営会議で活用しやすい可視化・レポート機能があるか
分析結果を意思決定につなげるには、経営層や事業責任者が理解しやすい形で情報を提示できることも欠かせません。ダッシュボードやグラフ、帳票などの表示方法に加え、必要なレポートを自動更新できるか確認しましょう。
経営会議中に分析軸を切り替えたり、数値の詳細へドリルダウンしたりできれば、追加資料を作成する手間も減らせます。現在使用している経営会議資料をベンダーに提示し、どこまでシステム上で再現できるか確認するのも有効です。
分析軸やドリルダウン、予実管理、データ連携などは製品ごとに対応範囲が異なります。気になる製品の資料をまとめて取り寄せ、自社の管理項目や既存システムに合うか比較してみましょう。
「まだ比較する製品を絞り込めない」「自社に必要な機能がわからない」という方は、経営管理システムの診断ページも活用できます。
簡単な質問に答えるだけで、自社の課題や要望に合った製品をご案内します。
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多次元データをさまざまな切り口で分析できる経営管理システム
事業・部門・商品・顧客・地域・期間など、複数の軸を掛け合わせて経営データを分析したい企業には、多次元分析に強い経営管理システムが適しています。財務データだけでなく、販売・生産実績やKPIなどの詳細データも取り込み、自社の管理会計や事業特性に応じた分析体系を構築したい場合におすすめです。
fusion_place
- 独自開発の超高速、大容量多次元DBで経営管理情報を一元管理
- PL、BS、CS、非財務項目など多種多様な経営管理情報を入力・収集
- 経営管理領域に精通したコンサルタントによる短期間導入
株式会社フュージョンズが提供する「fusion_place」は、財務・経理部門だけでなく、事業部門や現場のマネージャーまで経営管理に参加できる基盤を構築する経営管理システムです。予算・実績に加えて、商品・担当者・在庫・案件など現場で管理する詳細データを取り込み、多次元分析やドリルダウンに活用できます。現場の細かな情報を全社で共有することで、「どの商品・部門で差異が生じているか」といった原因分析にも役立ちます。予算収集にとどまらず、全社のマネジメントを支えるEPM基盤として活用したい企業に適しています。
BizForecast
- ノウハウが詰まったExcelを有効活用してスピーディな導入・定着化
- 公認会計士・米国公認会計士が製品設計・導入メソッドを監修
- 大手コンサルファームの出身者が業種業界問わず導入サポート
プライマル株式会社が提供する「BizForecast」は、予算管理・管理会計の効率化と高度化を支援する経営管理ソリューションです。計画・予算・実績・見込などのデータを一元管理し、BI機能ではダッシュボードやピボット・OLAP、グラフを用いた多軸分析に対応しています。既存のExcel資産を活かしながら、経営データをさまざまな切り口で分析・可視化したい企業に適しています。
予実・KPIを複数の軸で分析できる経営管理システム
予算・実績・見込やKPIを一元化し、事業・部門・商品などの切り口から業績を分析したい企業向けの製品を紹介します。予実差異の把握だけでなく、その要因の深掘りや着地見込の更新、経営会議での迅速な意思決定につなげたい場合に適しています。
Loglass 経営管理
- 散在する経営データを収集・統合し、予実管理を効率化
- ノーコードで配賦を自動化、複数パターンの比較も簡単に
- ダッシュボードで可視化、ドリルダウンで明細まで即確認
株式会社ログラスが提供する「Loglass 経営管理」は、財務数値やKPIの予算・見込・実績など、企業内に散在する経営データを収集・統合するクラウド経営管理システムです。事業・地域・チャネル・顧客・SKU・案件など、見たい切り口や粒度でデータを可視化し、明細へのドリルダウンにも対応しています。予実差異だけでなく、利益構造や変動要因まで詳しく分析したい企業に適しています。
kpiee
- 経営に関するデータを自動で収集/集計し、工数を削減
- データの可視化とAI活用で、改善までのスピードを短縮
- 定型業務をまるっとアウトソーシング
株式会社データXが提供する「kpiee」は、社内に散在する経営データをDWHへ集約し、収集・加工・集計から分析までを効率化する経営管理システムです。全社・子会社・部門を横断してデータを可視化できるほか、事業部別・製品別・取引別などへの分析軸の切り替えや、ドリルダウンによる原因分析にも対応しています。配賦や指標計算などの集計業務を自動化し、データ収集よりも分析や改善施策の検討に時間を充てたい企業に適しています。
DIGGLE
- 着地予測の精度を向上させ、正確な意思決定を支援!
- 科目よりも細かい、予算の内容ごとの予実突合を可能に!
- 予算-見込-実績を一体管理し、新たな予実管理体験を提供!
DIGGLE株式会社が提供する「DIGGLE」は、予算・見込・実績を一元管理し、リアルタイムな予実分析を支援する予実管理クラウドです。勘定科目より細かな予算内容ごとの予実突合に対応し、見たい軸や粒度で経営データを可視化できます。予実差異の把握や見込更新を効率化し、差異を起点とした改善アクションや着地予測の精度向上につなげたい企業におすすめです。
AVANT Cruise
株式会社アバントが提供する「AVANT Cruise」は、財務・非財務データを統合し、経営状況の可視化や分析を支援する経営管理システムです。予算・実績・見込の管理に加えて、中期経営計画やROIC・ROEなどのKPI管理、シナリオ予測にも対応しています。複数の事業や管理指標を横断し、予実管理からより高度な経営分析へ広げたい企業に適しています。
経営リスクを複数の観点から分析できる経営管理システム
業績だけでなく、事業・IT・サードパーティ・コンプライアンスなどのリスク情報も経営判断に取り込みたい企業向けの製品を紹介します。組織内に分散するリスクを集約し、重要度や発生可能性、影響範囲などから横断的に把握することで、リスク対応の優先順位付けや経営層への報告に役立ちます。
Archer (Archer Technologies Japan 合同会社)
- 多様なリスクを単一基盤で統合管理できる柔軟な設計。
- リスクを定量化・可視化し、的確な意思決定を支援する。
- 取締役のESG意思決定と説明責任の評価状況。
LogicManager (LogicManager, Inc.)
- AIリスク分析で潜在的リスクを早期発見
- 部門横断的な協力によるリスク管理と連携の強化
- 直感的な操作でリスク管理を簡素化・効率化。
多角分析を活用するために導入前に整理すべきこと
多角分析に強い経営管理システムを導入しても、分析目的や指標、データの定義が曖昧では十分に活用できません。導入前に、経営企画部門や財務部門を中心として、何を分析し、どのように意思決定へつなげるのかを整理しておきましょう。
経営判断に必要なKPIを明確にする
まず、「どの意思決定のために、何を分析するのか」を明確にしましょう。売上や利益だけでなく、顧客数、単価、案件数、人員数、生産性など、業績変化の背景を把握するためのKPIも整理します。
ただし、管理指標を増やしすぎると、データ収集や更新の負担が大きくなります。経営会議や事業レビューで実際に活用する指標を優先し、必要に応じて段階的に追加するのがおすすめです。
データや指標の定義を統一する
同じ「売上」や「顧客数」でも、部門やグループ会社によって集計基準が異なる場合があります。多角分析の精度を高めるには、指標の定義や集計期間、組織・商品コードなどをあらかじめ統一しておくことが重要です。
特にグループ経営では、会社ごとに異なる勘定科目や管理体系をどのように統合するかも検討しましょう。製品によっては、データ変換やマスタ管理の機能を活用して統一を支援できます。
分析結果を意思決定につなげる運用を決める
経営管理システムは、データを可視化するだけでなく、分析結果を意思決定や具体的な施策へつなげてこそ効果を発揮します。
例えば、予実差異が一定以上発生した場合に誰が原因を分析するのか、どの会議で対応策を決めるのか、見込や次回予算へどう反映するのかまで事前に決めておくと、導入後の運用を定着させやすくなります。
まとめ
多角的な分析に強い経営管理システムを活用すれば、事業・部門・商品・顧客など複数の切り口から業績を把握し、予実差異や課題の原因を深掘りできます。
製品ごとに得意な分析方法は異なるため、必要な分析軸やドリルダウン、予実・KPI分析、データ連携への対応を比較しましょう。複数製品の資料を取り寄せ、自社の経営管理に適したシステムを選ぶことがおすすめです。


