サイバー攻撃対策における認証マークとは
まずは、サイバー攻撃における認証マークとはどのようなものか見ていきましょう。
"一定の安全基準を満たせば"付与される
サイバー攻撃における認証マークとは、一定の安全基準を満たしたIoT家電に与えられるマークのことです。近年では、IoT機器を狙ったサイバー攻撃が増えており、それを防ぐために存在します。
認証マークの基準は「最新規格の無線LANに対応」など、全部で11個です。この項目には他にも「初期パスワードを変更する」などがあり、消費者が安全に使えるように促すことを重視しています。
この認証マークは家庭で使われるスマート家電を対象としている制度です。しかし、この認証マークは2018年11月と比較的新しい取り組みであるため、今後見直される可能性は高いでしょう。項目数が増えることもあれば、基準を誰が確認するかなども、まだ検討段階です。
安全性を見える化して消費を促すことが目的
このIoT機器の認証マークは安全性を見える化して消費を促すことを目的としています。例えば冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器のような電化製品にはセキュリティを気に掛ける必要はほとんどありません。
しかし、IoT製品となると個人情報の登録が必要なものなども数多く存在するので、セキュリティ対策が必須です。
しかし、スマートスピーカーのような製品のセキュリティレベルは見た目からは分かりません。セキュリティ面が不安な製品を購入するのは、少し不安だという消費者も少なくないでしょう。
この認証マークがあれば、消費者は安心して家電を選ぶことができます。
認証マーク誕生の背景
つづいて、サイバー攻撃対策における認証マークが誕生した背景を見ていきましょう。
IoT製品への不正アクセス急増
IoT製品の認証マークが誕生した理由は、IoT機器を狙ったサイバー攻撃(不正アクセス)が急増したからです。
スマート家電は便利に使うことができますが、家庭内の個人情報を多く含んでいます。また、監視カメラなどもネットワークと接続しているため、不正アクセスされる可能性は高いでしょう。
このような機器が不正アクセスを受けると、情報が盗まれるだけでなく、犯罪に利用されることもあります。実際に監視カメラが不正アクセスされ、機能が止まっているうちに犯罪を行うケースも珍しくありません。
一般家庭だけでなく、一般企業でもIoT機器は使われているため、適切な対策をしなければなりません。
ユーザーのセキュリティ意識不足
サイバー攻撃対策における認証マークが生まれた大きな要因の1つは、ユーザーのセキュリティ意識が低いことです。重要な情報を持っていても、セキュリティ対策は行われていないことが多いため、攻撃者からしたら狙いやすいでしょう。
基本的にIoT機器のセキュリティ対策は自己責任となっています。IoT機器を導入・購入するときは認証マークがある製品を選ぶだけでなく、どのようなリスクがあるかも知りましょう。脅威の存在を知りIoT機器の必要性を認識し、セキュリティの意識を高めることが大切です。
認証マークを扱う際の注意点
最後に、IoT機器の認証マークを扱うときの注意点を見ていきましょう。
国際的な基準には準拠していない
このIoT機器の認証マークは国内のみに対応しており、海外製品にはありません。国際的な基準があるわけではないため、基準のあり方や設定に関しては今後の課題でもあります。
現在では認証マークが与えられるおおまかな基準しかなく、まだまだ未熟な制度といえるでしょう。実際に、国際的標準な能力をもとに基準を設定したり、第三者機関を設けて安全性を保証するように動いています。
ユーザーが何もしなくていいのではない
安全性が高いIoT機器には認証マークがありますが、ユーザーがセキュリティ対策をしなくてよいわけではありません。この認証マークは製品の安全性だけを示しており、それだけで完璧なセキュリティ対策が行われている、というわけではありません。
そのため、各ツールに合わせたセキュリティ対策を行わなければなりません。適切なセキュリティ対策はツールによって異なるため、導入時にはセキュリティ対策も同時に検討しましょう。
セキュリティを高めるために、認証マークを理解しよう!
サイバー攻撃における認証マークはIoT機器を対象とした安全性基準です。この基準を満たしている機器は、比較的セキュリティ強度が高いといえるでしょう。しかし、セキュリティ対策が実施されているわけではないため、対策は自分で行わなければなりません。
近年IoT機器を狙ったサイバー攻撃が増加しており、セキュリティの意識を持つことが大切です。IoT機器を導入する際は認証マークがある製品を選ぶようにしましょう。