zipファイルにパスワードを設定する方法
zipファイルにパスワードを設定する方法は複数あります。それぞれの設定方法を紹介します。
パソコンに標準搭載されている機能の使用
Mac OS X Leopard以降は、zipファイルのパスワードを設定する機能が標準搭載されています。
Mac OS Xでパスワードを設定する手順は以下のとおりです。
- 1.パスワードなしのzipファイルの作成
- 2.「Launchpad」→「その他」を開き、「ターミナル」をクリック
- 3.ターミナルで「zipcloak <zipファイル名>」を入力、「return」キーを押す
※<zipファイル名>にはzipファイルのパスを書きます。Finderからzipファイルをドラッグ&ドロップすることもできます。
- 4.「Enter password:」表示後、任意のパスワードを入力
- 5.「Verify password:」にも同じパスワードを入力
- 6.1で作成したzipファイルのパスワード設定が完了
パスワードは、入力した文字や記号は表示されないので、注意しましょう。
圧縮・解凍ソフトの使用
Windows 7以降は、zipファイルにパスワードを設定する機能が搭載されていません。フリーのパスワード付きzip作成ソフトウェアをインストールし、初期設定画面では、zip形式を選択します。インストール後は、試しにWordやExcelのデータファイルを圧縮してみましょう。その後、任意のパスワードを入力すれば暗号化完了です。
なお、暗号化方式を選択できるソフトもあるため、代表的な2種類の方式を紹介します。
- ZipCrypt
- さまざまな環境で開ける一般的な方式ですが、暗号化の強度は低く専用ツールなどで破られてしまう場合もあるでしょう。
- AES-256
- 比較的新しい方式で暗号化の強度も高いため、機密情報をやりとりする際におすすめです。しかし、ファイルの解凍には、対応するソフトウェアを使用する必要があるため、データの送付先に確認してから利用しましょう。
パスワードが設定されたzipファイルの解凍方法
zipファイルを閲覧するためには、解凍(展開)する作業が必要です。解凍すると、中のファイルが元の形式で閲覧できます。
Windows OSでパスワードを設定したzipファイルを解凍する方法は、以下のとおりです。
- 1.解凍したいzipファイルをダブルクリック
- 2.「すべてを展開」をクリックすると新しいウインドウが開く
- 3.ファイルの保存先を指定して、「展開」をクリック
- 4.パスワードを求められるので入力して「OK」を選択
Mac OSでzipファイルを解凍する際は、エラーの発生や文字化けしてしまう場合があります。Mac用の解凍ソフトを利用するか、「unzip」コマンドを使用して解凍しましょう。
zipファイルのパスワードを忘れたときの対処法
zipファイルのパスワードを忘れてしまった場合は、解除が必要です。zip解析ソフトやオンラインサービスを活用して解除する方法があります。
zipパスワード解析ソフトは、さまざまなクラッキングモードを駆使してパスワードの解析が可能です。「総当たり式」「類推式」「辞書式」の3種類でデータを破壊せず、パスワードを解析できます。
- 総当たり式
- あらゆる文字列の組み合わせを総当たりで試し、パスワードを解析する手法
- 類推式
- パスワードとして利用されやすい文字列を一つひとつ試す解析手法
- 辞書式
- 辞書や人名録などに記載されている単語を試し、解析を試みる手法
パスワードの文字列が複雑なほど、解析に時間がかかります。
またオンラインで、該当ファイルをサーバにアップロードしてパスワードを解析するサービスもあります。解析に成功した場合のみ費用がかかるため、手軽に利用できる点が魅力です。しかし、安全性を確保できない場合があり、情報漏えいのリスクもあるのでおすすめできません。
ファイル暗号化は情報漏えい防止の手段の一つですが、それだけでは完全に防ぐことはできません。ウイルス対策や不正アクセス対策など、多岐にわたる対策機能をもつサイバー攻撃対策製品を導入できれば、より強固なセキュリティ対策を実現できます。以下のボタンではITトレンドで問い合わせの多いサイバー攻撃対策製品の最新ランキングをご覧いただけます。
ファイル暗号化ソフトとは
zipファイルのパスワードの設定・解除は、データの作成時や閲覧時に、毎回操作する必要があります。パスワードを忘れた場合は、解析にかかる時間や手間がさらに増えるでしょう。
そこで、zipファイルのパスワード設定の代わりに、ファイル暗号化ソフトを利用することもできます。ファイル暗号化ソフトとは、ExcelやWord、PDFといったデータを暗号化するツールです。zipファイルにパスワードを設定するよりも、より強固なセキュリティ対策を実現することができます。
ファイル暗号化ソフトのメリット
暗号化と解除が自動
多くのファイル暗号化ソフトは、暗号化・解除の操作も必要ありません。データは常時暗号化されており、アクセス権限をもつユーザーのみ閲覧・編集できます。
さらに、受信ファイルやコピーファイルなども、瞬時に自動暗号化できる製品もあるため、セキュリティレベルにあった運用が可能です。
情報漏えいのリスクが軽減
ファイル暗号化・解除の他に、情報漏えいリスクを軽減する機能が備わった製品が多くあります。暗号化ソフトでは、ファイル移動の際に画面キャプチャはもちろん、外部への持ち出しができません。そのため、人的ミスや内部犯行による情報漏えいのリスクが低下するでしょう。
さらに、コピーファイルを自動で暗号化したり、スマートフォンやUSBメモリなどのデバイスの接続を制限したりする製品もあります。
ファイル暗号化ソフトのデメリット
検討時にはデメリットも把握したうえがよいでしょう。ファイル暗号化ソフトを利用するには、当然ながら費用がかかります。無料のソフトもあるので、予算が限られている場合には複数製品の資料を見比べてコスト面でよく比較しましょう。
慣れているパスワード設定よりも最初は操作が複雑だと感じたり、処理を行いたいファイルの容量によって時間がかかる場合もあります。
以下のページでは、ITトレンド編集部おすすめの暗号化ソフトを紹介しています。自社の業務にあわせた製品の導入を検討しましょう。
zipファイルのパスワード設定でセキュリティ対策を強化しよう
zipファイルにパスワードを設定する方法は、パソコンに搭載されている機能か、圧縮・解凍ソフトで可能です。万が一zipファイルのパスワードを忘れた場合は、zipパスワード解析ソフトの利用を検討しましょう。
また、ファイル暗号化ソフトの利用で、データは常時暗号化され情報漏えいリスクが軽減します。巧妙化し続けるサイバー攻撃には、ファイル暗号化だけでは対処しきれないため、ファイル暗号化ソフトにくわえてサイバー攻撃対策製品の導入を検討しましょう。