プロキシとは
プロキシ(proxy)とは、パソコンやスマートフォンなどの端末とインターネットの間に入り、利用者に代わって通信を中継するサーバや仕組みのことです。「proxy」には「代理」という意味があり、「プロキシサーバ」や「代理サーバ」とも呼ばれます。
通常、端末はWebサイトなどの接続先と直接通信しますが、プロキシを利用する場合は、端末からのリクエストをプロキシサーバが受け取り、接続先へ代理で送信します。接続先から返されたデータもプロキシサーバを経由して端末へ届けられます。
企業では、社内ネットワークとインターネットの間にプロキシを設置し、Webサイトへのアクセス制御やアクセスログの記録、接続元IPアドレスの露出抑制、キャッシュによる通信効率化などに活用します。
代表的な種類には、利用者側の通信を中継する「フォワードプロキシ」と、Webサーバ側で外部からのアクセスを中継する「リバースプロキシ」があります。なお、プロキシ自体がすべての通信を暗号化するわけではなく、通信の暗号化を主な目的とするVPNとは役割が異なります。
プロキシの仕組み
プロキシサーバは、インターネットへのリクエストを一度受け取り、利用者に代わってWebサーバへアクセスします。取得したデータをプロキシ経由で端末へ返すことで、直接Webサーバと通信することなくWebサイトを利用できます。
この仕組みにより、Webサーバには基本的にプロキシのIPアドレスが接続元として認識され、端末のIPアドレスが直接露出するのを抑えられます。さらに、製品によってはアクセスログの取得やキャッシュによる表示高速化、危険サイトのフィルタリングなどにも対応します。プロキシは、セキュリティ強化や業務効率化に欠かせない中継ポイントです。
プロキシの主な役割・機能
プロキシは、端末とインターネットの間で通信を中継するだけでなく、アクセス制御やログ管理など、企業のネットワーク管理にも活用されます。主な役割・機能は以下のとおりです。
Webサイトへのアクセスを制御する
プロキシを経由する通信を管理することで、特定のWebサイトへのアクセスを許可・制限できます。業務に不要なサイトや危険性のあるサイトへのアクセスを制限すれば、従業員の不適切な利用やセキュリティリスクの軽減につながります。
アクセスログを記録・管理する
プロキシでは、誰がいつ、どのWebサイトへアクセスしたかといった通信履歴を記録できます。アクセス状況を把握できるため、不正アクセスや情報漏えいなどの問題が発生した際の原因調査にも役立ちます。
接続元のIPアドレスの露出を抑える
プロキシを経由してWebサイトへアクセスすると、接続先には端末ではなくプロキシサーバのIPアドレスが通知される場合があります。そのため、端末や社内ネットワークのIPアドレスが外部へ直接露出するのを抑えられます。
キャッシュで通信を効率化する
プロキシには、一度取得したWebページや画像などのデータを一時的に保存する「キャッシュ」機能を備えたものがあります。同じデータへ再度アクセスする際にキャッシュを利用することで、通信量を減らしたり表示速度を向上させたりできます。
なお、製品によっては、URLフィルタリングやマルウェア検知などのセキュリティ機能を備えているものもあります。ただし、利用できる機能はプロキシの種類や製品によって異なるため、自社の利用目的にあわせて選ぶことが重要です。
プロキシの種類
プロキシは、利用目的により導入する種類が異なります。ここでは、4種類のプロキシサーバを紹介します。
- ■フォワードプロキシ
- Webプロキシサーバとも呼ばれ、利用者(クライアント)とWebの間に設置し、利用者側に位置しています。外部ネットワークへ安全に接続するために使われることが多く、ファイアウォール環境下でよく導入されます。
- ■リバースプロキシ
- 「逆プロキシ」とも呼ばれ、利用者のリクエストをWebサーバの手前で受け取り、代理で応答する仕組みです。主にWebサーバの負荷分散やセキュリティ強化を目的に設置されます。
- ■透過型プロキシ
- ネットワーク側の特定ポートに設置され、ユーザーが特別な設定をしなくても自動的に適用されるプロキシです。一括で通信を行えるため、従業員の多い企業でよく利用されます。
- ■キャッシュサーバ
- プロキシには、アクセスしたデータをキャッシュとして保管する機能がありますが、これを強化したものがキャッシュサーバです。2回目以降のアクセスが高速化し、同じネットワーク内のほかの利用者も恩恵を受けられます。
プロキシを利用するメリット
ここでは、プロキシの利用による主なメリットを紹介します。
匿名性の確保
端末からWebサイトへ直接アクセスすると、接続元のIPアドレスがWebサーバに記録されます。企業では固定IPアドレスを利用している場合もあり、接続元情報が外部に露出することがあります。
プロキシを経由すると、接続先には基本的にプロキシサーバのIPアドレスが接続元として認識されるため、端末や社内ネットワークのIPアドレスが直接露出するのを抑えられます。これにより、匿名性を高め、プライバシー保護やセキュリティ向上につながります。
キャッシュ機能で高速化
キャッシュ機能とは、アクセスしたWebサイトのデータを一時的に保存する仕組みです。これにより2回目以降の訪問では、再度データを取り寄せる必要がなくなるため、サイト表示が高速化します。
通常のキャッシュは端末に保存されるため、別のデバイスからは利用できません。プロキシにはこのキャッシュをサーバ側で保管する機能があり、一度プロキシ経由で訪問したサイトなら、ほかの端末からも高速にアクセスできます。
アクセスログの確認が可能
プロキシを利用すると、誰がどのサイトを閲覧したかを示す「アクセスログ」が残ります。これにより、業務に不要なサイトや危険なサイトへのアクセスを把握し、制限可能です。
また、セキュリティ機能を備えた製品では、不審な通信や危険なWebサイトへのアクセスを検知・制御できる場合があります。サイバー攻撃が発生した際も、プロキシのアクセスログを調査することで、インシデント発生時の原因調査や影響範囲の把握に役立ちます。
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プロキシを利用するデメリット
プロキシを使用すると匿名でインターネットにアクセスできますが、プロキシそのものに重要な機密情報などが渡るリスクもあります。そのため、利用するプロキシの信頼性を検討する必要があるでしょう。
無料で使用できる公開プロキシには、危険性の高いものもあります。提供元が不明なプロキシサーバは、安易に使用しないようにしましょう。
また、プロキシを経由することで、通信に手間を要します。キャッシュ機能が利用できない場面では、通信速度が低下する可能性があるでしょう。特に距離がある海外のプロキシサーバは、通信の遅延が多い傾向にあります。
プロキシ利用の注意点
次に、プロキシを利用する際の注意点を紹介します。
安全な非公開プロキシを使用
誰でも利用できるプロキシサーバを公開プロキシと呼びます。公開プロキシには、利用者の個人情報を抜き取る目的の「悪意のあるプロキシ」を設置している可能性があります。プロキシサーバを利用する際は、信頼できる提供元の非公開プロキシを利用しましょう。
必要な時のみ利用
プロキシサーバは、アクセス制御やログ管理など目的に応じて利用します。必要のない環境で安易に設定すると、通信速度の低下や接続トラブルにつながる場合があるため、利用目的を明確にしましょう。
適切なアクセス制御を設定
自社でプロキシを構築する場合は、第三者から不正利用されないよう、接続元の制限やユーザー認証などの適切なアクセス制御を設定しましょう。第三者から不正利用されないよう、アクセス元の制限やユーザー認証など適切なアクセス制御を行う必要があります。
適切な設定
プロキシの設定段階で誤ったサーバを指定すると、インターネットの接続に関するトラブルにつながる可能性があります。さらに、別のプロキシを経由してしまうケースもあるため、情報漏えいにつながるリスクもあるでしょう。正しいアドレスを入力しているかなど、注意して設定してください。
トラブルや情報漏えいを防ぐためにも、信頼できる対策製品を比較してから導入しましょう。以下の最新ランキングから無料で資料を取り寄せられます。
プロキシの設定・解除方法
Windowsでは、「設定」からプロキシの自動設定や手動設定、オン・オフの切り替えができます。基本的な設定手順は以下のとおりです。
- 1.スタートメニューから「設定」を開く
- 2.「ネットワークとインターネット」を選択する
- 3.「プロキシ」を選択する
プロキシの設定方法には、主に「自動検出」「セットアップスクリプト」「手動設定」の3つがあります。
- ■自動的に設定する場合
-
- 4.「自動プロキシセットアップ」の「設定を自動的に検出する」をオンにする
- ■セットアップスクリプトを使用する場合
-
- 4.「セットアップスクリプトを使用する」の「セットアップ」を選択する
- 5.「セットアップスクリプトを使用する」をオンにする
- 6.指定されたスクリプトのアドレスを入力し、「保存」を選択する
- ■手動で設定する場合
-
- 4.「手動プロキシセットアップ」の「プロキシサーバを使用する」から「セットアップ」を選択する
- 5.「プロキシサーバを使用する」をオンにする
- 6.プロキシサーバのIPアドレスまたはサーバ名とポート番号を入力する
- 7.「保存」を選択する
企業や学校などでは、プロキシの設定情報やセットアップスクリプトが管理者から指定されている場合があります。設定内容がわからない場合は、ネットワーク管理者や社内のIT担当者に確認しましょう。
プロキシをオフにする方法
プロキシを解除する場合は、「設定」から「ネットワークとインターネット」→「プロキシ」を開き、使用している設定方法に応じて「セットアップスクリプトを使用する」または「プロキシサーバを使用する」をオフにします。
ただし、企業や学校などプロキシ経由での通信が指定されている環境では、自己判断でオフにするとWebサイトや社内サービスへ接続できなくなる場合があります。変更する前にネットワーク管理者へ確認してください。
プロキシに関するよくある質問
ここでは、プロキシに関するよくある疑問をFAQ形式でまとめました。
プロキシをオンにするとどうなる?
プロキシをオンにすると、対象となるインターネット通信が端末からWebサイトへ直接送られず、設定したプロキシサーバを経由するようになります。企業では、アクセス制御やログ管理などを目的に利用されます。ただし、誤ったプロキシサーバを設定するとインターネットに接続できなくなる場合があるため、会社などから指定されている場合は指定された設定情報を使用しましょう。
Wi-Fiのプロキシサーバとは?
Wi-Fiのプロキシサーバとは、Wi-Fiに接続した端末とインターネットの間で通信を中継するサーバです。通常の家庭用Wi-Fiではプロキシを設定しなくてもインターネットを利用できますが、企業や学校などではアクセス管理やセキュリティ対策のために設定されている場合があります。
プロキシを設定しないとどうなる?
プロキシが必要ないネットワークでは、設定しなくても通常どおりインターネットへ直接接続できます。一方、企業や学校など、プロキシ経由での通信を必須としているネットワークでは、プロキシを正しく設定しないとWebサイトなどへアクセスできない場合があります。そのため、利用しているネットワークの管理者から指定がある場合は、指示された設定を使用してください。
プロキシのオン・オフはどうすればいい?
Windowsでは、「設定」から「ネットワークとインターネット」→「プロキシ」を開き、プロキシの自動設定や手動設定を変更できます。会社からプロキシの使用を指定されているPCでは、自己判断でオフにするとインターネットや社内サービスへ接続できなくなる可能性があります。変更前に社内のネットワーク管理者へ確認しましょう。
まとめ
プロキシは、ユーザーがインターネットを利用する際に代理でアクセスを行う仕組みです。匿名性の確保や表示の高速化、アクセスログの取得など多くの利点があります。ただし、設定や利用方法を誤るとリスクにつながる場合もあります。信頼できる環境で適切に運用し、必要な場面で効果的に活用しましょう。
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