秘密分散によるデータバックアップとは?
秘密分散とは、機密文書、個人情報、研究・開発データなど、企業の守らなければならない情報を保護するための新しい情報セキュリティ法です。
情報漏洩だけでなく、データの消失や耐災害対策としても今高い注目を集めています。また保護したいファイルをフォルダに移動させるだけで、ファイルは自動的に秘密分散処理され、複数のクラウドや物理的に離れたデータセンターへ分散保管され、データの流出を防ぐことができます。
秘密分散のメリット
ここまで秘密分散の概要について解説してきました。それでは次に、秘密分散を利用するメリットについてみていきましょう。
外部に漏れても解読できない
秘密分散処理をすることによってファイルは完全暗号化され「解読できない」ファイルに処理されます。これまでのファイルの保護方法としては、主にファイルの「暗号化」がありました。
しかし、これはある一定期間データを解読できなくし、かつパスワードを入力することで暗号化は解除され、閲覧できるものです。つまり、パスワードさえあればファイルを閲覧できる可能性をもっているのです。
一方、秘密分散は分散保管したファイルの1つが外部に流出したとしても、そのデータは、秘密分散処理によって元のファイルとは全く無関係なファイルに変換されています。そのため、そのファイルだけでは元のファイルに復元することはできず解読は不可能です。
データ消失時のリスク回避・耐災害対策ができる
大規模災害などにより元データが消失した場合は、分散された指定数(複数)のデータから復元することが可能です。秘密分散処理、復元処理は、極めて簡潔なアルゴリズムが使用されており高速です。災害時の事業継続力や復旧計画力が企業に求められる今、データの早期回復は欠かせません。
目的別で保管場所を指定できる
秘密分散処理をする際のデータの保管場所は、導入目的によって選ぶことが可能です。下記に2つの保管パターンをご紹介します。
- ●クラウドへの分散保管
-
- ・安価に導入を進めたい
- ・維持するためのランニングコストを抑えたい
- ・サーバーや記録媒体などハードウェアのコストを抑えたい
- ●データセンターへの分散保管
-
- ・大型災害時に備えたい
- ・クラウド保管が不安である
また分散保管先の1つに自社を指定することも可能です。
秘密分散はマイナンバー対策にも有効
ITの躍進とともに情報漏洩の発生件数の増加はしており、もはや完全に防げるとは言えない状況です。つまり、情報セキュリティ対策は、企業の信用力を担保するためのミッションとして、重要性を増しているのです。これはマイナンバー制度といった比較的新しい制度対策も同じでしょう。
これまでみてきたように、個人情報流出を防ぐためには、社員一人一人のモラルだけでは不十分です。しかしそのリスクを少しでも軽減するために、秘密分散処理によるデータ保護が注目を集めています。また、秘密分散処理を施すことで、万が一データが外部に流出したとしても、データは「解読できない」形式に変換されていますので、中身を閲覧されることはありません。
秘密分散処理を取り入れた、バックアップシステムの販売も展開され始めています。企業の大切な情報資産を防ぐためにも、これまでにない画期的な情報セキュリティ技術、秘密分散型バックアップシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。