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DDoS対策ツールの乗り換えは防御方式選びから|経路切替の流れも解説

DDoS対策ツールの乗り換えは防御方式選びから|経路切替の流れも解説

DDoS対策ツールの乗り換えは、まず移行後の防御方式を決め、次に現行の設定と保護対象を棚卸しし、最後にDNSやBGPで通信経路を段階的に切り替える順で進めます。DDoS対策は攻撃の通信をどこで受け止めるかによって、切替の作業や影響範囲が大きく変わるためです。この記事では、防御方式ごとの移行の違いや経路切替の手順、切替直後に確認したい誤遮断と運用体制の引き継ぎまでを解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

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    ■移行後の防御方式別
    ■移行時の支援別

    DDoS対策ツールの乗り換え前に決める防御方式

    乗り換えの最初の判断は、攻撃の通信をどこで受け止めるかです。防御方式によって、通信経路の切り替え方や自社で残す機器、必要な回線帯域が変わります。現行ツールと同じ方式を続けるのか、別の方式へ移るのかを先に決めると、その後の手順を具体化できます。

    クラウドプロキシ型の仕組みと向く対象

    クラウドプロキシ型は、Webサイトへの通信をいったん提供会社のネットワークで受け、攻撃と判断した通信を除いてから自社サーバへ届ける方式です。導入はDNSの向き先を変える形が中心で、自社の回線や機器を増やさずに始められる場合があります。

    WebサイトやWeb APIのように、ドメイン名でアクセスされるサービスを守りたい場合に検討しやすい方式です。一方で、ドメイン名を使わない独自の通信やIPアドレス単位の保護には対応範囲が限られることがあるため、守りたい通信の種類を確認しましょう。

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    スクラビング型の仕組みと向く対象

    スクラビング型は、攻撃を受けたときに通信を提供会社の浄化設備へ迂回させ、正常な通信だけを自社へ戻す方式です。経路の迂回にはBGPという、ネットワーク間で通信経路を伝える仕組みを用いるケースがあります。

    Web以外のサーバやネットワーク全体を守りたい場合に検討される方式です。ただし、自社で保有するIPアドレスの範囲や回線の契約形態によって利用条件が変わるため、導入できるかどうかは提供会社や回線事業者に確認する必要があります。

    アプライアンス型・回線事業者型を残す場合

    アプライアンス型は自社回線の入口に専用機器を置き、通信を検査して攻撃を遮断する方式です。回線事業者型は、契約している回線事業者のネットワーク側で攻撃を取り除くオプションサービスを指します。

    アプライアンス型は回線帯域を超える大量の通信には対処しきれない場合があるため、乗り換えを機にクラウド型や回線事業者型と組み合わせる構成も選択肢です。既存機器の保守期限や回線契約の更新時期とあわせて、残す範囲を決めましょう。

    乗り換えの準備は現行設定の棚卸しから

    防御方式が決まったら、現行のDDoS対策ツールで何を守り、どのような条件で遮断しているかを書き出します。設定画面にしか残っていない情報は、契約が終わると確認できなくなる可能性があります。移行先へ同じ水準の防御を引き継ぐための材料として、早めに整理しておきましょう。

    保護対象と通信量の洗い出し

    最初に、保護しているドメイン名やIPアドレス、サーバの所在地を一覧にします。あわせて、平常時と繁忙期の通信量のピークを監視ツールや回線の利用状況から確認しておきます。

    通信量は移行先のプランや防御容量を決める判断材料です。キャンペーンや年度末など、通信が一時的に増える時期も記録しておくと、正規の通信を攻撃と誤認しないしきい値を設定する際に役立ちます。保護対象の漏れは移行後の無防備な状態につながるため、関係部署にも確認しましょう。

    遮断ルールとしきい値の記録

    次に、現行ツールで設定している遮断ルールと、攻撃と判断する通信量のしきい値を記録します。特定の国や地域からの通信を制限するルール、許可リストに入れている取引先のIPアドレスも対象です。

    ルールごとに、設定した理由と追加した時期も残しておくと、移行先で同じ設定が必要かどうかを判断できます。製品によって設定項目の名前や単位が異なるため、そのまま移せない設定は、移行先の提供会社に置き換え方を相談するとよいでしょう。

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    攻撃時の連絡経路の整理

    攻撃を受けたときに、誰がどの窓口へ連絡するかも棚卸しの対象です。現行ツールの通知先メールアドレスや、提供会社の緊急連絡窓口、社内の報告ルートを一覧にしておきます。

    移行期間中は新旧2つの窓口が並ぶため、どちらへ連絡するかが不明確になりやすい時期です。切替日を境にした連絡先を手順書に明記し、情報システム部門だけでなくWebサイトの運用担当や広報担当とも共有しておくと、対応の遅れを防ぎやすくなります。

    DNS・BGPで通信経路を切り替える手順

    DDoS対策ツールの乗り換えで、サービスへの影響が特に大きい作業が通信経路の切り替えです。クラウドプロキシ型ではDNS、スクラビング型ではBGPの設定変更が中心です。一度にすべてを切り替えず、影響の小さい対象から順に進めると、問題が起きた際に原因を特定しやすくなります。

    DNS切替の前にTTLを短くする

    クラウドプロキシ型へ移る場合は、切替の数日前にDNSのTTLを短くしておきます。TTLとは、DNSの情報を各地のサーバが保持する時間のことです。短くしておくと、向き先の変更が早く反映され、問題が起きたときに元へ戻す作業も早く済みます。

    切替は、検証用のサブドメインや利用者の少ないサイトから始めるとよいでしょう。証明書の発行や設定も移行先で必要になるため、HTTPS通信が正しく成立するかを切替前に確認しておきます。

    BGPの経路切替を段階的に進める

    スクラビング型へ移る場合は、BGPによる経路の切り替えを提供会社や回線事業者と調整して進めます。常時迂回させる構成か、攻撃時だけ迂回させる構成かによって、切替の手順と作業日数が変わります。

    浄化した通信を自社へ戻す方法として、GREトンネルなどの仮想的な専用経路を設定するケースもあります。設定に誤りがあると通信が止まる恐れがあるため、作業日時と切り戻し手順を関係者で事前に合意し、業務への影響が小さい時間帯に実施しましょう。

    オリジンサーバへの直接通信を絞る

    経路を切り替えた後は、自社サーバへの直接アクセスを制限します。攻撃者がサーバの本来のIPアドレスを知っている場合、DDoS対策ツールを経由せずに攻撃される可能性があるためです。

    具体的には、ファイアウォールで移行先の提供会社が公開している送信元IPアドレスからの通信だけを許可する設定が考えられます。送信元IPアドレスの一覧は変更される場合があるため、更新情報の確認方法も手順書に残しておきましょう。

    関連記事 DDoS攻撃への対策と最適ツールの選択方法とは?

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    切替直後に確認したい誤遮断と防御状況

    経路を切り替えた直後は、正常な利用者の通信が誤って止められていないか、防御が意図どおりに働いているかを確認します。「サイトが表示された」だけで完了とせず、ログや通知の動作まで見ておくことが大切です。

    正規利用者への影響の確認

    まず、社内外の利用者がこれまでどおりサービスを使えるかを確認します。ログインや決済、ファイルのアップロードといった主要な操作を一通り試し、エラーや表示の遅れがないかを見ておきます。

    取引先のシステムからのAPI連携や、監視サービスからの死活確認の通信は、移行先の遮断ルールで止められることがあります。移行後しばらくは問い合わせ窓口に寄せられた不具合の報告を集約し、遮断ログと照らし合わせて、必要に応じて許可設定を追加しましょう。

    管理画面のログと通知の確認

    次に、移行先の管理画面で通信量や遮断件数が記録されているかを確認します。あわせて、しきい値を超えたときの通知が想定した担当者へ届くかも試しておきます。

    通知メールが迷惑メールに振り分けられていないか、夜間や休日の連絡先が登録されているかも確認項目です。ログの保存期間や出力形式も製品によって異なるため、社内のログ管理ルールや監査対応で必要な期間を満たしているかを見ておきましょう。

    負荷試験の実施可否の確認

    防御が実際に働くかを試したい場合は、負荷試験の実施を検討します。ただし、疑似的な攻撃通信を自社で発生させる行為は、提供会社の規約や回線事業者の契約で制限されていることがあります。

    実施する場合は、提供会社が認める方法や試験サービスを利用し、事前に関係各所へ届け出るのが基本です。自社だけで判断せず、情報システム部門や提供会社に相談したうえで、本番環境への影響を抑えた計画を立てましょう。

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    新旧DDoS対策の契約期間と運用体制の重ね方

    乗り換えでは、旧サービスの契約終了と新サービスの利用開始を少し重ねておくと、切替に問題が起きた際に元の構成へ戻せます。あわせて、日常の運用や攻撃時の対応を誰が担うかも引き継いでおきます。

    旧サービスの解約時期の決め方

    旧サービスは、新しい経路での運用が安定したことを確認してから解約するのが安全です。切替直後に予期しない不具合が見つかった場合に、元の構成へ戻す手段を残しておくためです。

    ただし、重ねる期間が長いほど二重の費用が発生します。契約の最低利用期間や解約の申し出期限を確認し、どの時点まで切り戻しの可能性を残すかを決めておきましょう。解約後に旧サービス側のログを参照できなくなる場合もあるため、必要なログは事前に出力しておきます。

    運用ルールと担当範囲の引き継ぎ

    移行後の運用ルールは、特定の担当者だけが把握している状態を避け、手順書として共有します。遮断ルールの追加や解除の判断基準、攻撃時の連絡手順、月次の報告内容などを明文化しておくとよいでしょう。

    攻撃時の監視や対応を提供会社に任せる場合は、どこまでが提供会社の対応範囲で、どこからが自社の判断かを契約内容で確認します。担当者の異動に備えて複数人で管理画面の操作を確認しておくと、引き継ぎの負担を減らせます。

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    防御方式で見る移行先のDDoS対策ツール一覧

    移行先として検討しやすいDDoS対策ツールを、防御の方式と導入時の手間がわかるようにまとめました。現行ツールとの違いを比べる際の参考にしてください。

    製品名特徴
    Ray-SOC WAFDNS設定の変更で導入するクラウド型WAF。DDoS緩和と常時監視を標準で提供
    DDoS OWL150Tbps以上の大規模攻撃に対応。ネットワーク変更不要で日本人スタッフが導入を支援
    PrimeWAF標準の通信パターンを使い簡単な設定で始められるDDoS対策。無料トライアルあり
    攻撃遮断くんDNSを切り替えるだけで導入できる国産クラウド型WAF。DDoS対策にも対応
    DoS(DDoS)攻撃対策サービス24時間365日体制で通信を監視し、異常を自動で検知・緩和するクラウド型サービス
    NETSCOUTオンプレミスとクラウドを組み合わせた多層防御。DNS・BGPのオプションを選べる
    Thunder TPS攻撃の識別から緩和までを自動化。性能の異なる専用機器と仮想アプライアンスを用意
    DefensePro振る舞い検知で未知の攻撃に対応する専用機器。専門家がセットアップ・管理を担う

    防御方式と移行支援で選ぶDDoS対策ツール

    乗り換え後の防御方式と、切替作業を支えるサポートの有無に注目して製品を選びました。DNSで切り替えるクラウド型から、自社回線の入口に置く専用機器まで紹介します。

    Ray-SOC WAF

    株式会社レイ・イージス・ジャパン
    《Ray-SOC WAF》のPOINT
    1. 独自AIエンジンで未知の攻撃も検知・ブロック
    2. マネージドサービス付きなので、管理の手間はほとんど不要
    3. 月額3.5万円から。日本の技術チームがサポートします。

    株式会社レイ・イージス・ジャパンが提供する「Ray-SOC WAF」は、DNS設定の変更だけで切り替えられるクラウド型WAFです。ホワイトハッカーの知見を学習させた独自のAIエンジンで攻撃を検知・遮断し、DDoS緩和機能と月次レポートを標準で備えています。Ray-SOCサービスセンターによる常時監視や誤検知のチューニングまで任せられるため、移行後の運用を担う人員が限られる企業でも切り替えを進めやすいサービスです。最大2か月の無償トライアルでは、通信量の測定とプランの提案を受けられます。

    DDoS OWL

    株式会社アイロバ
    《DDoS OWL》のPOINT
    1. 150Tbps以上の大規模攻撃に対応可能
    2. 日本人のヘルプデスクが導入からサポート
    3. 低コストでの運用可能

    株式会社アイロバが提供する「DDoS OWL」は、150Tbps以上の大規模攻撃に対応できるクラウド型のDDoS対策サービスです。ネットワークの変更などを必要とせず、日本人のヘルプデスクが導入からサポートします。TCP・UDPの全プロトコルに対応し、レイヤー4とレイヤー7を狙った攻撃を大規模な処理基盤で分散して破棄します。契約はネイキッドドメイン単位で、サブドメインは無制限です。複数のサブドメインを運用している場合でも、保護対象を移しやすい契約形態といえます。

    PrimeWAF

    バルテス株式会社
    《PrimeWAF》のPOINT
    1. 低コストで導入できるDDoS対策
    2. カンタン設定ですぐに対策を開始
    3. 大量アクセスによる負荷を軽減し安定運用を支援

    バルテス株式会社が提供する「PrimeWAF」は、脆弱性診断のノウハウを生かしたDDoS対策サービスです。同社の知見にもとづく通信パターンを標準で利用できるため、専門知識がなくても簡単な設定で防御を始められます。検知した不正な通信の履歴はダッシュボードで確認でき、期間ごとの比較に使えるレポート機能も搭載しています。設定や運用の不安に応えるサポートに加え、無料トライアルも用意されているため、切替前に動作を確かめたい場合に役立ちます。

    攻撃遮断くん

    株式会社サイバーセキュリティクラウド
    《攻撃遮断くん》のPOINT
    1. 大規模DDoS攻撃も防ぐ国産クラウド型WAF
    2. DNSを切り替えるだけの簡単導入
    3. 24時間365日、技術者による手厚いサポート

    株式会社サイバーセキュリティクラウドが提供する「攻撃遮断くん」は、DDoS対策も可能な国産のクラウド型WAFです。DNSを切り替えるだけで導入でき、サーバの停止やネットワーク構成の変更は不要です。大規模DDoS攻撃に備える「DDoSセキュリティタイプ」では、サーバの手前で不正な通信を選択的に遮断します。攻撃状況をリアルタイムで確認できる管理画面があり、導入支援から万が一のトラブルまで技術者が24時間365日サポートするため、切替直後の確認でも相談しやすい体制です。

    DoS(DDoS)攻撃対策サービス (セコムトラストシステムズ株式会社)

    製品・サービスのPOINT
    1. 24時間365日体制でDoS/DDoS攻撃を監視。
    2. 異常トラフィックを自動で検知・緩和。
    3. Webサイトやネットワークの安定稼働を支援。

    Thunder TPS (A10ネットワークス株式会社)

    《Thunder TPS》のPOINT
    1. 機械学習を活かした高度な自動防御!スピーディーに攻撃を検知
    2. ユーザーへの被害を最小限に抑えながら攻撃を検知!
    3. 専用ハードウェアで最大500Gbpsのハイパフォーマンスな性能!

    DefensePro (日本ラドウェア株式会社)

    《DefensePro》のPOINT
    1. 高精度な振る舞い検知で未知の攻撃にもすばやく対応可能!
    2. 高性能な専用ハードウェアで大規模な組織もサポート!
    3. 専門家によるオンプレミスデバイス管理!安心して利用できる!

    まとめ

    DDoS対策ツールの乗り換えは、防御方式の選び直しから始めます。現行設定の棚卸し、DNSやBGPによる段階的な経路切替、切替後の誤遮断の確認という順で進めると、防御の空白を生みにくくなります。旧契約との重ね方や運用体制の引き継ぎも、移行計画に含めておきましょう。自社の通信量や守りたいサービスにあうDDoS対策を比べたい方は、資料請求で各社の防御方式や支援内容を確認してください。

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