仮想デスクトップの市場規模
仮想デスクトップの国内市場は年々拡大しており、今後も伸びていく傾向とみられています。
2017年の市場規模は約5,900億円
IDC Japanの調査によると、2017年の仮想デスクトップソリューションの市場売上額は5,895億円でした。前年比14.1%の増加であり、国内市場は拡大傾向にあります。背景には以下のような要因が関係していると言われています。
- ・自治体のインターネット分離の推進
- ・マイナンバー対策の需要増
- ・金融業界や製造業界での導入が加速
- ・働き方改革の影響によるデジタルワークスペースへの関心の高まり
参照:
国内クライアント仮想化市場シェアを発表|IDC Japan株式会社
地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(平成 30 年 9 月版) |総務省
2022年には約9,400億円まで拡大する見込み
同社の調査によると、仮想デスクトップの国内市場規模は2022年までに9,415億円になると予測されています。また、2017年~2022年までは年間の平均成長率が7.0%になるという予想です。
働き方改革の推進以外にも、VDI技術が発展し高速化することなどが成長する要因とされています。仮想デスクトップの需要は従業員数が多い製造業を中心に拡大していくでしょう。建設・土木関連の業界がもっとも成長率が高い結果になっています。
参照:国内クライアント仮想化関連市場予測を発表|IDC Japan株式会社
仮想デスクトップの市場拡大の要因
つづいて、仮想デスクトップの市場が拡大している要因を、導入のメリットに注目して見ていきましょう。
セキュリティを強化できる
仮想デスクトップを利用すれば、端末側にデータを残さないようにできます。そのため、端末を紛失してしまったり、盗難に遭ったりしても重要なデータの漏えいを防げるでしょう。
近年では事務所以外で仕事をすることも増えており、端末を持ち出す機会も多いです。金融機関など特に重要なデータを取り扱う業種と相性が良いといえるでしょう。
仮想デスクトップ環境を利用すると、重要なデータを使った仕事でも社外で行いやすくなります。情報漏えい対策をより確実に行いたい企業を中心に導入が拡大していることが、市場成長の一因です。
端末の運用費用を削減できる
デスクトップ仮想化を活用することによって、端末の管理・運用を集中して行うので運用負担や費用を削減できます。
マスターPCを用意すれば、個別に行っていたソフトのインストール・更新、トラブルの対応を一度に実施できるでしょう。業務を効率化し生産性が上がるだけでなく、運用に携わる人員をカット可能なため、人件費を削減できます。
デスクトップ仮想化環境を構築する際の導入負荷は大きいです。しかし、シンクライアント端末であれば最低限の機能だけで良いため端末購入費用を抑えられます。また、リプレイスやメンテナンスに必要な費用も削減できるでしょう。
初期投資が発生しても、3年から5年ほどで運用コスト削減効果が大きくなり、メリットを感じられるようになります。
ワークスタイルの多様化に対応できる
近年では、働き方改革の推進により在宅ワークや社外で業務をする方が増えています。そこで、デスクトップ仮想化を使えば、セキュリティレベルを維持したままワークスタイルの多様化に対応可能です。
また、地震や台風などにより出勤できないような場合でも、業務を継続しやすくなるでしょう。仮想デスクトップによって社内インフラを整えることで、有事の際にも対応しやすくなります。
仮想デスクトップの市場を把握し導入の参考にしよう
国内の仮想デスクトップは以下のようなメリットによって導入企業が増えており、今後も拡大していく見込みです。
- ■セキュリティを強化できる
- ■端末の運用費用を削減できる
- ■ワークスタイルの多様化に対応できる
今までは導入コストが大きいため大企業を中心に導入が進んでいました。しかし、技術革新により導入コストを抑えることができるようになり中小企業の導入は今後も拡大していくでしょう。仮想デスクトップの市場規模や成長している背景を参考にして、導入を検討してください。