開発ツールの機能を確認する前の整理
開発ツールは、タスクや課題の管理、ソースコードの管理、テストやリリースの記録といった工程を支える仕組みです。機能の名称だけを並べても優劣は判断しにくいため、自社の課題との関係を先に整理しておきましょう。
開発の進め方による必要機能の違い
同じ開発ツールでも、短い期間で繰り返し改善を重ねる進め方と、工程を順に進める進め方では、重視する機能が変わってきます。前者では作業の並び替えや優先度の変更が頻繁に発生し、後者では工程ごとの成果物と承認の記録が中心になります。
自社の進め方があいまいなまま機能の多さだけで選ぶと、使わない機能に費用を払い続けることがあります。導入前に、誰がどの場面で何を確認するために使うのかを書き出しておきましょう。開発の現場と管理する側の双方から聞き取ると、想定漏れを減らせます。使いたい機能に優先順位を付けておくと、候補が絞れないときの判断にも使えます。
機能を比較するときの基本の考え方
機能の有無だけでなく、その機能が自社の運用で実際に使えるかまで確認しておくことが大切です。例えば進捗を可視化する機能があっても、課題を細かく登録する運用が定着しなければ、表示される内容は実態と離れていきます。
比較の際は、公開情報で確認できる項目と、ベンダーへ問い合わせないと分からない項目を分けておくと進めやすくなります。設定画面の操作感や管理者向けの機能は資料だけでは判断が難しいため、デモやトライアルで確かめる方法も検討しましょう。実際に運用する担当者に試してもらうと、判断がずれにくくなります。
作業の進捗を管理する機能
開発ツールの中心となるのが、誰が何をどこまで進めたかを把握する機能です。表示の方法や設定できる項目によって、日々の確認にかかる手間が変わります。ここでは3つに分けて整理します。
かんばん方式での表示と操作
かんばん方式は、作業を付箋のように並べ、状態ごとの列に分けて表示する方法です。未着手、進行中、確認待ち、完了といった列を作り、作業の札を動かして状態を変えます。全体の詰まりが視覚的に分かる点が特徴です。
確認しておきたいのは、列の名称や数を自社の工程にあわせて変えられるかという点です。あわせて、1つの列に置ける件数の上限を設定できるかも確かめておきましょう。上限を設けると仕掛かりが増えすぎる状況に気付きやすくなり、作業の滞りを早く見つけられます。表示する条件を保存して、担当者ごとの画面を用意できるかも確かめておきましょう。
担当と期限の設定
作業の札に担当者と期限を設定できると、誰の作業が滞っているかを把握できます。複数人で1つの作業を進める場合に、担当を複数登録できるかもあわせて確認しておきましょう。
期限については、超過した作業を色分けで示せるか、期限が近い作業をまとめて確認できるかが実務に関わります。担当者ごとの作業量を一覧で見られると、負荷の偏りに気付きやすくなります。自動で通知が届く条件を設定できるかも、確認の手間を減らす要素です。期限を変更した際に履歴が残るかは、計画の見直しを振り返るうえで役立ちます。
進捗の集計と表示
個々の作業だけでなく、プロジェクト全体の進み具合を数値で確認できると、計画との差を把握できます。完了した件数の推移や、残っている作業量の変化を表示する機能が用意されている製品があります。
確認したいのは、集計の対象や期間を自社の区切りにあわせて指定できるかという点です。報告に使う場合は、画面をそのまま資料に使えるか、データを出力して加工できるかも確かめておきましょう。集計の条件を保存して繰り返し使えると作業を減らせます。
不具合と品質に関わる機能
開発では、見つかった不具合をどう記録し、修正の経緯をどう残すかが品質に関わります。ここでは代表的な2つの機能を整理します。
バグトラッキングの記録と追跡
バグトラッキングは、見つかった不具合を登録し、修正されるまでの経過を追う仕組みです。発生した条件、影響の範囲、対応の状況を1か所にまとめられると、報告や再確認の際に情報を探す手間を減らせます。
確認しておきたいのは、登録する項目を自社の運用にあわせて追加できるか、重要度や再現の条件を選択式で入力できるかという点です。同じ内容の登録が重複した場合にまとめられる機能や、関連する作業と結び付けられる機能があるかもあわせて確かめておきましょう。不具合の傾向を集計できると、対策の優先順位を決める材料になります。
コードレビューの進め方の支援
コードレビューは、書いたプログラムを他の担当者が確認する工程です。開発ツールによっては、変更の内容を並べて表示し、行ごとに指摘を書き込める機能が用意されています。
確認したいのは、指摘とその対応が記録として残るか、確認が終わるまで反映できない設定にできるかという点です。レビューを依頼する担当者を自動で割り当てられる機能があると、特定の人に確認が偏る状況を避けやすくなります。実際の画面で操作感を確かめておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で開発ツールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
開発の流れを自動化する機能
手作業で行っていた確認や反映の一部は、仕組みに任せられる場合があります。自動化に関わる機能は、対応する範囲を具体的に確認しておくことが大切です。3つの観点で見ていきます。
CI/CDとの連携
CI/CDとは、プログラムの変更を自動で組み立てて試験し、反映まで進める仕組みのことです。開発ツールと連携すると、試験の結果を課題の画面から確認できたり、失敗した際に担当者へ知らせたりできる場合があります。
確認しておきたいのは、連携できる相手の種類と、受け渡せる情報の範囲です。結果の合否だけを受け取るのか、詳細な記録まで参照できるのかで使い勝手が変わります。連携が止まった際に管理者へ通知されるかも、あわせて確かめておくことをおすすめします。連携の設定を担当できる人が社内にいるかも、事前に確認しておきましょう。
リリース管理の機能
リリース管理は、どの変更をいつ反映したかをまとめて記録する機能です。反映の単位で作業をまとめられると、問題が起きた際にどの変更が関係するかを絞り込みやすくなります。
確認したいのは、反映した内容の一覧を自動で作れるか、予定日をもとに作業を並べられるかという点です。承認を経ないと反映できない設定にできるかは、記録が求められる業種では重要になります。過去の反映内容をさかのぼって確認できる期間も聞いておきましょう。
通知と自動処理の設定
状態が変わった際に担当者へ知らせる通知の機能は、確認の手間を減らします。ただし通知が多すぎると読み飛ばされるため、条件を絞れるかが実務では重要です。
確認しておきたいのは、通知を受け取る条件を個人ごとに設定できるか、まとめて1日1回受け取る形にできるかという点です。あわせて、決められた条件で状態を自動的に変える設定ができるかも確かめておくと、手作業の更新漏れを減らせる場合があります。
情報を蓄積する機能
開発の過程で決めたことや調べたことを残しておくと、後から参加した担当者が経緯を追えます。蓄積に関わる機能を2つの観点で整理します。
ドキュメント管理の機能
仕様や設計の内容、運用の手順を文書として残せる機能が用意されている製品があります。課題管理と同じ場所で扱えると、作業と文書を行き来する手間を減らせます。
確認しておきたいのは、文書の編集履歴が残るか、以前の内容へ戻せるかという点です。複数人が同時に編集した際の扱いや、公開範囲を分けられるかもあわせて確かめておきましょう。外部の文書管理サービスと連携できる構成かどうかも判断の材料になります。すでに使っている文書の置き場がある場合は、移行の必要性もあわせて検討しましょう。
検索と引き継ぎのしやすさ
蓄積した情報は、必要なときに見つけられなければ活用できません。課題の本文、添付ファイルの中身、文書の内容を横断して検索できるかを確認しておきましょう。
あわせて、終了したプロジェクトの情報を検索の対象に含められるかも確かめます。担当者の異動があった際に、過去の経緯をたどれる状態にしておくと引き継ぎの負担を減らせます。データを出力して別に保管する運用ができるかも、長期の管理を考えるうえで役立ちます。
目的別に機能を確かめたい開発ツール
進捗の管理、品質の確認、開発の流れの自動化など、重視する機能によって選ぶ製品は変わります。用途の異なる製品を並べました。
Magic xpa Application Platform
- 【クロスプラットフォーム】ワンソース・マルチデバイス
- 基幹業務システムの運用基盤としてグローバルで40年の実績
- 【超高速開発!】CやJavaの10倍の開発生産性
マジックソフトウェア・ジャパン株式会社が提供する「Magic xpa Application Platform」は、業務アプリケーションを開発するためのローコード開発基盤です。画面や処理を用意された部品の組み合わせで定義でき、作成したアプリケーションをパソコンやモバイル端末など複数の環境へ展開できます。開発の流れを基盤側に持たせたい場合の選択肢です。
JUST.DB
- 【完全ノーコード×生成AI】マウス操作と"ことば"でシステム開発
- 【多彩な標準機能】高い拡張性により、全社DXをJUST.DB1つで実現
- 【同時ログインライセンス】全社展開してもコストを抑制
株式会社ジャストシステムが提供する「JUST.DB」は、業務アプリケーションをノーコードで作成できるクラウド型のサービスです。入力画面や一覧、集計を画面上の操作で構築でき、業務データの蓄積と活用を一つのサービスの中で進められます。情報を集約して扱いたい場合に検討できるサービスです。
GitHub (ギットハブ・ジャパン合同会社)
- 自由にデータを改変できるフォーク機能
- プルリクエストで上質なプログラムへカスタマイズ
- マージ機能で迅速なバージョンアップ
Visual Studio (日本マイクロソフト株式会社)
- あらゆるソフト開発の基盤を担う万能ツール
- 高性能な診断能力で不具合を瞬時に解明
- 分散型コード管理システムと併用して機能性を向上
Eclipse IDE (Eclipse Foundation AISBL)
- 多言語対応のオープンソース統合開発環境
- プラグインで機能拡張が可能な柔軟な設計
- 開発からデバッグまでの一貫した環境を提供
まとめ
開発ツールの機能は、進捗の管理、不具合と品質の管理、流れの自動化、情報の蓄積という順で整理すると比較しやすくなります。機能の多さではなく、自社の開発の進め方に合っているか、運用を続けられる負担かという基準で確認することが大切です。気になる製品が見つかったら、資料請求で詳細を確かめ、複数の製品を並べて比較検討してみてください。

