電子カルテの選び方、選定ポイント
電子カルテの製品一覧

電子カルテは医療機関の中枢となるシステムであり、業務の効率性や働きやすさを大きく左右します。医療行為の充実やサービス向上も電子カルテにかかっており、病院の評判にも影響を与えます。では、どのような視点で電子カルテを選んだらいいのでしょうか。選び方や選定ポイントに悩んでいる医療施設が多くあり、導入の失敗事例も耳にします。そこでここでは、電子カルテの選び方と選定ポイントを紹介します。
プロジェクトチームで課題を整理
電子カルテの選び方として重要となるのは、選定を独断で進めないことです。ワンマンな経営者が好き嫌いや偏見で決めてしまうことはよくあります。「電子カルテを導入する」ということをワンマンで決めることは、間違っていません。しかし、その製品までを独断で決めることは、選び方として間違っています。大変危険です。
利用する現場の意見を集約するべきです。そのために必要なのが選定プロジェクトの発足です。各部門から代表者を選び、製品選定を協議しましょう。最初に必要となるのが、現状の課題の洗い出しと解決の優先順位です。これで、導入するべき製品のイメージがはっきりします。
操作性を重視するのであれば、デモンストレーションを実施します。実績を重視するのであれば、導入事例を確認します。以下、これら具体的な選定ポイントを説明していきます。
電子カルテの選定ポイント
選定ポイント1.操作性を重視する
電子カルテの導入にあたり、ある病院では操作性を重視することにしました。使いづらいシステムでは、患者様へのサービス低下にもなりかねないからです。しかし、操作性を製品仕様から判断することは困難です。
そこで、推奨するのがデモンストレーションです。候補となった製品を院内でデモンストレーションを行い、操作する全員が気に入った製品に投票します。多数決ですべて決まるわけではありませんが、現場に支持される製品を選ぶことができます。 デモンストレーションでタブレット端末を紹介し選ばれた例もあります。
選定ポイント2.標準を重視する
ある病院では地域の中核施設として、標準となるシステムを選択することにしました。地域の病院や診療所と患者様の医療情報を共有するのが目的です。
現状、日本国内に電子カルテの標準は存在しません。ただ、地域で最も多く利用されている製品を選ぶことが、標準に近づくことになります。地域で使用されている製品が完全にバラバラであれば、もう少し範囲を広げて、シェアの高い製品を選びます。それが近い将来標準となる可能性を持っています。
選定ポイント3.安定性を重視する
電子カルテに安定性は絶対の条件です。どの開発事業者も自社製品を不安定だと打ち明けることはありません。しかし、利用する側はより安定したシステムを求めます。
これも仕様から判断することは困難です。ではどうすればいいのでしょうか。おすすめしたい方法の1つが、導入施設を見学して、評価を聞くことです。不安な顔をしていたらランクは下がります。
もう1つは事業者の技術力やサポート体制を確認すること。どのようなシステムでも、予期しない障害は発生します。その時に確実な支援が得られるかどうかを見極めます。SEの技術力、コールセンターの体制などを確認して、信頼できる事業者を選定しましょう。
選定ポイント4.連携性を重視する
電子カルテは病院の基幹システムとなりますので、他システムとの連携が欠かせません。既存のシステムはもちろん、今後構築するシステムとの連携も考えなければなりません。さらには他施設とのシステム連携もあるかもしれません。
既存システムとの連携はもちろん、今後必要になるかもしれない他システムとの連携についても確認しておきましょう。
まとめ ~ 開発事業者のチェックは厳重に! ~
本文でも触れていますが、開発事業者は大きな選定ポイントとなります。ここで選び方を間違えると、失敗になりかねません。電子カルテは構築しておしまいではありません。開発事業者とは長い付き合いとなります。
導入先施設を見学するのも重要です。これも選び方としてぜひおすすめします。システムの安定性だけでなく、開発事業者のレベルや信頼性もわかります。既存導入施設を紹介したがらないのはマイナスポイントとなります。

4月16日(月) 更新 | |
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