IaaSの追加コストが発生する仕組み
個別の費用項目を見る前に、表示価格と実際の請求額にずれが生じる背景と、追加コストを見抜くための基本的な確認方法を整理しておきます。
表示価格と実際の請求額にずれが生じる要因
IaaSの料金表に表示されている金額は、基本的な利用条件を前提にした最小構成の価格であることが多く、実際の利用状況によって追加費用が発生する仕組みになっています。表示価格だけを見て安いと判断すると、想定外の請求につながる懸念があります。
そのため、表示価格がどのような利用条件を前提にしているのかを確認し、自社の想定利用量にあてはめた場合の概算費用を見積もることが重要です。特にセール等で公表されている料金は、最も安いプランや特定条件下の金額であることも多く、鵜呑みにしないよう注意が必要です。条件を満たさない場合に割引が適用されないケースもあるため、適用条件まで確認しておくことが望まれます。キャンペーン期間が終了した後の通常料金も、あわせて確認しておく必要があります。
追加コストを見抜くための基本の確認方法
追加コストを見抜くには、料金表だけでなく、利用規約や料金に関する詳細ページを確認し、従量課金の対象となる項目を洗い出すことが有効です。基本料金に含まれる範囲と、含まれない範囲を明確に区別する必要があります。
あわせて、契約前に自社の想定利用量を伝えたうえで、具体的な見積もりを依頼することが、実際の費用感を把握する確実な方法です。見積もりを依頼する際は、想定される利用のピーク時の水準も伝えておくと、実態に近い金額を確認しやすくなります。見積もり内容にわかりにくい項目があれば、契約前に遠慮せず質問することが望まれます。複数社から見積もりを取り、項目ごとに比較することで、各社の料金体系の違いも把握しやすくなります。
従量課金による追加コストの実態
通信量やストレージにかかる従量課金は、利用量によって費用が大きく変動する項目です。
通信量・ストレージの従量課金で高額になる仕組み
月額数千円からと案内されている場合でも、通信量やストレージの利用量が増えると、従量課金部分の費用が積み重なり、想定より高額な請求になる場合があります。基本料金は最小限のリソースを前提にしていることが多く、実際の利用規模にあわないケースがあります。
特にアクセス数が想定より多い場合や、データのやり取りが多い業務では、通信量が想定を上回りやすく、費用が膨らむ懸念があります。契約後にアクセス数が増加傾向にある場合は、費用の推移をこまめに確認することが望まれます。急激な増加があった月は、その要因を振り返り、一時的なものか継続するものかを見極めることも大切です。
従量課金の実態を確認する
従量課金の実態を確認するには、単価だけでなく、想定利用量にあてはめた場合の概算金額を提供会社に試算してもらうことが有効です。単価が安く見えても、利用量が多いと総額が高くなる場合があります。
あわせて、利用量に応じて通知を受け取れる機能があるか、上限を設定できるかも確認しておくと、想定外のコスト増加を防ぎやすくなります。利用状況を可視化するダッシュボードがあれば、費用の増減要因を把握しやすくなります。閾値を超えたら自動で通知される仕組みがあれば、確認の手間を減らしながら早期に気づきやすくなります。
隠れコストになりやすい費用項目
IaaS自体の利用料が安くても、データ転送費やサポート費用が別途発生し、総額が高くなる場合があります。
データ転送費用が発生する仕組み
IaaSでは、外部へのデータ転送量に応じて費用が発生する仕組みを採用している製品が多くあります。利用料自体は安くても、大量のデータを外部に転送する業務では、転送費用が積み重なり、総コストが高くなる懸念があります。
また、転送費用は入力よりも出力側で高くなる傾向がある製品も見られるため、自社のデータの流れを踏まえて確認することが望まれます。特にバックアップやデータ移行など、まとまったデータを転送する作業がある場合、想定外の転送費用が発生しないか事前に確認しておくと安心です。定期的なバックアップを外部に保管する運用では、転送費用が継続的に発生する点にも注意が必要です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でIaaSの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
サポート費用が別料金になるケース
基本料金にはマニュアルの提供のみが含まれ、電話サポートや設定支援は別料金というケースも見られます。想定していたサポート範囲と実際の契約内容が異なると、後から追加費用が発生する懸念があります。
そのため、契約前にサポートの範囲を明確にし、必要な支援が基本料金に含まれているか、追加料金が発生するかを個別に確認することが欠かせません。設定変更のたびに追加料金が発生する契約もあるため、想定される変更頻度もあわせて確認しておきたい点です。無料の範囲内で対応してもらえる回数に上限がある場合もあり、事前の確認が欠かせません。
アカウント・インスタンス追加時のコスト
利用人数やサーバの台数が増えると、追加費用が発生する場合があり、事前の確認が重要です。
追加時に別料金が発生する仕組み
IaaSでは、アカウント数やインスタンス(仮想サーバ)の台数を増やすと、その分の追加料金が発生する仕組みを採用している製品が多くあります。基本料金に含まれるアカウント数やインスタンス数には上限が設定されている場合があります。
事業拡大にあわせて利用人数やサーバ台数が増える見込みがある場合、その分の追加費用を見込んでおかないと、想定より総コストが高くなる懸念があります。組織の拡大速度によっては、想定より早く上限に達し、追加契約の手続きが必要になる場合もあります。追加契約の手続きに時間がかかる場合、必要なタイミングに間に合わない懸念もあるため、余裕を持った申請が望まれます。
追加コストを事前に見積もる観点
追加コストを見積もるには、現在の利用規模だけでなく、半年から1年程度先の事業計画を踏まえて、必要になりそうなアカウント数やインスタンス数を想定しておくことが有効です。
あわせて、追加時の料金体系や、契約プランによって上限が変わるかどうかも確認しておくと、将来的な費用の見通しを立てやすくなります。あわせて、退職者や異動者が出た際にアカウントを削除すれば、費用を抑えられる仕組みかどうかも確認しておくと安心です。不要なアカウントを放置すると、気づかないまま費用が発生し続ける懸念があるため、定期的な棚卸しが望まれます。
乗り換え時・長期利用時のコスト
他社への乗り換えや長期利用を検討する際は、契約期間や総コストのポイントも欠かせません。
最低契約期間と違約金の確認視点
他社へ乗り換えようとした際、最低契約期間が設定されており、期間内に解約すると違約金が発生する場合があります。契約時に見落としがちな項目のため、契約前に解約条件を確認しておく必要があります。
あわせて、契約更新のタイミングや、自動更新の有無も確認しておくと、意図しないタイミングでの契約継続を防ぎやすくなります。解約の申し出には一定の期限が設けられている場合もあるため、余裕を持って手続きを進めることが望まれます。契約書の解約条件を担当者が変わっても確認できるよう、社内で共有しておくことも大切です。
長期利用時の総コストを把握する観点
数年単位で利用する場合の総コストは、月額費用だけでなく、従量課金分やサポート費用、将来的な増員にともなう追加費用まで含めて試算する必要があります。単純に月額費用を年数分掛け算しただけでは、実態と異なる金額になる場合があります。
正確な総コストを把握したい場合は、想定する利用規模の変化を提供会社に伝えたうえで、複数年分の見積もりを依頼することが確実な方法です。定期的に費用を見直す機会を設けておけば、契約後の状況変化にもあわせやすくなります。総コストを事前に把握しておくことで、他の選択肢との比較もしやすくなります。
費用の内訳を確認しながら比較したいIaaS製品の選択肢
ここでは、利用量にあわせてリソースを調整でき、費用の内訳を見積もりで確認しやすいIaaS製品を紹介します。追加コストの見落としを防ぎたい企業の比較検討にお役立てください。
Nutanix基盤のIaaS miteneCloud
- バックボーン回線に直接接続し、冗長を備えた高速で安定した通信
- 転送量に応じた課金は発生しないので、コストを気にせず利用可能
- 最適な地域でバックアップ用途として、DR/BCP対策にも活用可能
ミテネインターネット株式会社が提供する「Nutanix基盤のIaaS miteneCloud」は、Nutanixのハイパーコンバージド基盤を採用したIaaSです。仮想サーバやストレージを必要な分だけ組み合わせて利用できるため、利用量の増加にあわせてリソースを調整し、費用の内訳を確認しながら運用したい企業の選択肢になります。
ベアメタルクラウド
- 用途に合わせてパブリック/プライベート、仮想/物理を選択可能
- データ転送料無料・10GbpsバックボーンNWで通信量が多くても安心
- 専門的なエンジニアによる「24時間365日」のサポート体制
株式会社リンクが提供する「ベアメタルクラウド」は、物理サーバをクラウドの操作感で利用できるIaaSです。管理画面からサーバ台数やリソースを選んで構成できるため、事業拡大にともなうアカウントやインスタンスの追加費用を見積もりながら比較したい企業の選択肢になります。
株式会社USEN ICT Solutionsのクラウドプラットフォーム
- ライセンスの発行から環境構築及び運用監視まで提案可能
- SaaS型のファイルサーバやバックアップとのサービス比較ができる
- 貴社に最適なクラウドサービスをご提案いたします
株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「株式会社USEN ICT Solutionsのクラウドプラットフォーム」は、企業のシステム基盤をクラウド上に構築できるIaaSです。利用規模の変化にあわせてリソースを調整できるため、初期費用と月額費用の内訳を確認しながら比較したい企業の選択肢になります。
Z.com Cloud (GMOインターネット株式会社)
- 多彩なサーバー・ネット機能で多様なシステム構成に対応します。
- Googleの無料タスク管理。カレンダー等と連携。
- 法人向け高度セキュリティと年中無休のサポートを提供
GMOクラウドALTUS (GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)
- vCPUとメモリのリソース組み合わせを122プランで提供
- あらゆる運用フェーズに対応するメニューを約60種類以上用意
- 24時間365日の技術電話サポート
まとめ
IaaSの追加コストは、従量課金、データ転送費、サポート費用、アカウント追加費用、違約金など多岐にわたります。表示価格だけで判断せず、想定利用量にあわせた見積もりを依頼し、契約内容を確認したうえで比較検討を進めてみてください。契約後も定期的に費用を振り返る習慣が、追加コストへの気づきにつながります。想定外の請求に気づいた際は、早めに提供会社へ問い合わせ、内訳を確認することが望まれます。請求内容が把握しづらい場合は、担当者だけで判断せず、経理部門とも情報を共有しておくことが望まれます。


