請求書受領サービスとは
請求書受領サービスとは、請求書の受け取りや請求書データ化を代行したり、支援したりすることで、請求業務の効率化や処理のスピード化を後押しするサービスのことです。請求書受け取りサービスや請求書受領システムと呼ばれる場合もあります。
請求書受領サービスの業務範囲は、各システムやサービスの提供会社によって異なりますが、以下のような業務を代行・支援可能です。
- ■請求書受領サービスで対応できること
- ●請求書の受領代行
- ●請求書のスキャンや電子データ化代行
- ●PDFや画像のテキストデータ化
- ●請求書原本保管や請求書管理
- ●仕訳データや支払いデータの作成
請求書の受領だけでなく支払いまでカバーでき、サービスや製品によっては電帳法やインボイス制度に則った保管・管理が可能です。
請求書受領サービスのメリット
請求書受領業務には、請求書の形式やフォーマットが統一されていないことによる業務の煩雑化や、手入力による人的ミスが発生しやすいなどの課題があります。しかし、請求書受領サービスを利用すれば、請求書のデータ化を自動化し一元管理できるため、請求処理の業務工数やミスの削減が期待できるでしょう。具体的な導入メリットは以下のとおりです。
- ●業務負荷の削減
- ●税制改正にも迅速に対応可能
- ●承認フローの円滑化
- ●コスト削減
業務負荷の削減
請求書受領サービスや請求書受領システムは、請求書の受け取りや開封、スキャンなどを代行、またはサポートします。紙の請求書を受領している場合、内容の確認やデータ入力、スキャンやファイリングなど業務が多岐にわたります。しかし、請求書情報のデータ化を外部に依頼することで、担当者の業務負担は大幅に削減できるでしょう。
また、OCRやAI OCR機能を備えたシステムも多く、PDFの請求書や紙の請求書をテキスト化し会計システムへ自動転機することも可能です。会計システムと連携可能な請求書受領サービスであれば、経理業務の工数削減にも寄与します。
税制改正にも迅速に対応可能
電子帳簿保存法の改正やインボイス制度の開始など、税制改正はかなりの頻度で行われており、法改正の度に自社で対応するとなると相当の工数が必要です。クラウド型の請求書受領サービスであれば、法改正にあわせてシステムがアップデートされるため、最新法令にも迅速に対応できます。
以下の記事では、2023年10月から開始されたインボイス(適格請求書)制度について詳しく解説しています。興味のある方はあわせて一読ください。
承認フローの円滑化
紙の請求書の場合、承認者の不在などにより承認までに多くの時間を要することもありますが、請求書の電子化により承認フローは円滑化できます。また、請求書受領システムの代表的な機能として、承認ワークフロー機能があります。申請から承認までのフローを可視化でき、進捗もリアルタイムで確認できるため、承認の遅延防止などにも有効です。
コスト削減
請求書受領サービスやシステム導入により、紙ベースの請求書をデジタル化できます。ペーパーレス化が進むことで、保管コストを削減できるでしょう。
会計システムと連携できる請求書受領サービスの場合、請求書データの入力や、仕訳データ・振込データの作成を自動化できるため、経理処理の工数が減り人件費の削減も可能です。
請求書受領サービスのメリットだけでなく、デメリットについても知っておきたい方には、以下の記事がおすすめです。
請求書受領サービスの種類
請求書受領サービス・システムは、業務範囲によって大きく3つのタイプに分けられます。ここからは、各タイプの特徴や違いについて解説します。
受領やデータ化を代行するタイプ
取引先から送付された請求書の代理受領や、スキャン・電子化なども業務代行できるタイプです。サービスによっては、請求書原本のファイリングや保管、廃棄まで対応できます。人的リソースが不足している企業や、請求書業務に多くの時間を要している企業におすすめです。
自社での請求書受領やデータ化を支援するタイプ
請求書の受領やスキャンは従来どおり自社で実施し、それらの画像やPDFをサービスのシステム上でアップロードするタイプです。システム内のOCRやAI OCRが請求情報を読み取り文字をデータ化するため、入力工数を削減できます。請求書の電子化を効率よく行いたい企業や、大幅な業務フローの変更は避けたい企業などにおすすめです。
取引先に利用(入力)してもらうタイプ
自社で導入した請求書受領サービス・システムを通じ、取引先に請求書データを入力してもらうタイプです。取引先の協力が不可欠なため、関係性の深い取引先が多い企業や、取引先が同じサービスを導入している場合などに検討するとよいでしょう。
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請求書受領サービスの選び方
ここからは自社にマッチする請求書受領サービス選定のポイントを解説します。
データ化の範囲・スピード・正確さは希望どおりか
発行者名や請求日・支払い先口座など、データ化が可能な範囲を確認しましょう。源泉徴収税や軽減税率にも対応している請求書受領サービスがおすすめです。
業務効率やスピード感を重視する場合は、データ化に強みをもつサービスの利用を検討するとよいでしょう。請求書受領サービスのデータ化は、機械によるものとオペレーターが担当するパターンに分けられます。機械によるデータ化の代表例がOCRやAI-OCRで、スキャンされた請求書情報を読み取り、電子化を自動で行います。処理スピードや業務効率の向上が期待できる一方、精度が完璧とはいえないため、人の目による最終チェックが不可欠です。
オペレーターによるデータ化は、人力で請求書を電子化するため高精度である一方、時間がかかります。いずれもメリット・デメリットがあるため、自社の目的にあわせて最適な方を選びましょう。
データの連携は可能か
請求書受領サービスと自社の会計システムが相互に連携できるか確認しましょう。請求書受領サービスのデータ連携は、APIを活用する方法と、CSVファイルをインポートする方法があります。
API連携できるサービスは連携作業が自動化されるため、担当者が直接データに触れる必要がありません。会計システム以外と連携できる可能性もあります。CSVファイルでのデータ連携は対応できる範囲が幅広いため、さまざまなサービスに導入されています。
請求書の原本を7年以上保管してもらえるか
請求書は最低でも7年間保管し、 必要に応じていつでも閲覧できるようにしなければなりません。これは法律で規定されています。請求書受領サービスにおける請求書の保管期間は、ベンダーによってさまざまです。最低でも7年以上データを保管してくれるか確認しましょう。
手厚いサポートが期待できるか
請求書受領サービスを運用する前に、関係各社へ業務連絡をしたり、勘定科目などの初期設定をしたりしなければなりません。そのため、自社だけで実施するのが困難な業務に対し、サポートが受けられるベンダーを選択しましょう。電話やチャット・メールなど、どのような連絡手段が使えるかも確認してください。
トライアルを利用できるか
請求書受領サービスは、実際に運用してみないと、操作性や自社システムとの相性などがわかりません。無料トライアルを活用し、連携性や機能性を事前に確かめられる製品を選びましょう。実際の業務を想定しながら運用し、コストパフォーマンスを確認してください。
無理なく利用できるプランがあるか
システム導入には、社内で稟議にかけたり運用体制を構築したりと多大な工数がかかります。途中で機能性や連携性に不満を感じても簡単にはリプレイスできません。まずは無料トライアルを利用のうえ、安易に「割引価格になっている」という理由で年間プランを最初から選択せず、自社にあう請求書受領サービスとして問題ないと確信できてから検討しましょう。請求書受領サービスの利用がはじめての場合は、年間契約よりも1か月ごとに契約更新できる請求書受領サービスのほうが安心かもしれません。
まずは、人気の高い請求書受領サービスを押さえておきたいという方には、最新ランキング情報の確認がおすすめです。
【受領やデータ化代行】請求書受領サービスのおすすめ比較
請求書の受け取りやスキャン、データ化など、請求書関連業務の代行が可能なおすすめ請求書受領サービス(請求書受け取りサービス)を紹介します。請求書関連業務を広い範囲で効率化したい方に最適です。
《TOKIUMインボイス》のPOINT
- 請求書のぺーパーレス化で支払業務を1/5に!
- どんな請求書も受け取り可能!
- 請求書処理はオンラインで完結!
株式会社TOKIUMが提供している「TOKIUMインボイス」は、クラウド型の請求書受領サービスです。請求書の受け取り代行から、承認・支払い・保管まですべて代行します。請求書が自社に届かなくなるため、担当者の負担軽減につながるでしょう。また、受領した請求書は10年間保存し、必要があれば1枚単位で返送も可能です。会計システムへの連携サポートも対応。
《freee支出管理 Fullプラン》のPOINT
- ルールに基づき、会社の支出を自動で制御
- 高精度OCRによる自動明細取得で入力ミスや計算ミスを大幅削減!
- 作業量69%削減!データやマスタの連携で経理担当者の業務効率化
freee株式会社が提供する「freee債務・支払管理」は、請求書受領から仕訳までを自動化する請求書管理サービスです。ワークフローや支払管理など幅広い業務の一元管理がかなうのが特徴です。オプションのfreee経理アウトソースを利用すれば、請求書スキャン代行から電子保存、債務管理までを一任でき、さらなる業務効率化が期待できるでしょう。
《Concur Invoice》のPOINT
- 圧倒的に使い易いユーザー体験
- AIOCRや、電子請求書などデジタル化を推進する豊富な外部連携
- 業界最高水準かつ安心のサポート体制
「Concur Invoice」は株式会社コンカーが提供している請求書管理のクラウドサービスです。AI‐OCRによる請求書の自動読み取りや受け取り入力業務代行に対応しています。請求書金額や取引先の分析により、経費の見える化が実現するため、コスト削減につながるでしょう。また、分析レポート作成の代行も行っています。
製品・サービスのPOINT
- 98.5%の高精度AI-OCRがデータ化
- 学習機能で仕訳・支払データを自動作成
- 請求書を効率的に回収
freee株式会社が提供している「sweeep Invoice」は、請求書の回収から支払い、保管までオンライン上で完結できます。オプションで紙の請求書の受け取り代行(開封・スキャン)も対応可能です。受領から承認までスムーズに進むため、請求書の支払い漏れが発生しません。OCRとAI技術により、受領した請求書の自動データ化も可能で、必要なタグ付けができるため、特定の請求書の検索がしやすいでしょう。
DigitalWork Accelerator 請求書受取サービス
製品・サービスのPOINT
- 請求書受け取り業務の効率化
- 取引関係書類の一元保管と電帳法に準拠した長期保存
- スキャン代行サービスと組み合わせ請求書受け取り業務を大幅削減
「DigitalWork Accelerator 請求書受取サービス」は、キヤノンマーケティングジャパン株式会社が提供している請求書受領サービスです。受領した請求書のスキャンや発行日付、請求金額などのデータ入力を翌営業日までに代行します。自社所有の電子化センターがあるため、セキュリティ面も安全といえるでしょう。
《バクラク請求書受取》のPOINT
- AI-OCRが請求書を数秒で自動で読み取り!手入力をゼロに
- レポートで受取状況や支払い状況を可視化して支払い漏れをゼロに
- 稟議から支払いまで一気通貫、内部統制を強化!
株式会社LayerXが提供している「バクラク請求書」は、請求書の回収やデータ化、処理を自動化するクラウド型経理DX支援システムです。紙の請求書処理を支援するスキャン代行オプションがあります。動作が軽く、請求書の受領や支払いをスムーズに進行します。OCR機能の精度が高く、データ項目の入力に手間がかかりません。
《invox受取請求書》のPOINT
- 請求書受取サービス 導入社数実績No.1(※)
- 業界最安水準の料金プランで、はじめやすくやめやすい月契約
- AI OCRとオペレータの確認を組み合わせデータ化精度99.9%を保証
株式会社invoxが提供している「invox受取請求書」は、請求書の受領や承認、データ項目の入力業務などを自動化できる請求書受領サービスです。データ化の精度が高く、取引先から複雑な仕訳の要求にも対応しやすいでしょう。また、請求書スキャンサービスを利用すれば、請求書受領からデータ化、原本の郵送までを任せられます。
Bill One powered by Sansan
製品・サービスのPOINT
- あらゆる請求書をオンラインで受け取れる
- 法改正に対応した業務フローを構築できる
- 経理部門に限らず組織全体の生産性が上がる
「Bill One powered by Sansan」は、Sansan株式会社が提供しているインボイス管理サービスです。さまざまな形式の請求書をオンラインで一括受領し、管理します。取引先への初期設定や請求書の発行方法などのレクチャーにも対応し、自社から連絡する必要がありません。受領した請求書はオペレーターによる自動読み取りでデータ化されます。紙の請求書については代理受領、スキャン代行も可能です。
製品・サービスのPOINT
- 請求書データの保存・入力・適格請求書判定の自動化
- 申請 / 承認のハンコリレーを電子化してテレワークに対応
- 請求書の受取と開封 / 保管 / 入力をBPOで
「マネーフォワード クラウド債務支払」は、株式会社マネーフォワードが提供しており、請求書の代行受領や申請・承認、自動仕訳などに対応しています。銀行とのAPI連携により全銀データが不要なため、支払い業務の効率化につながるでしょう。また、一定金額以上になると上位者に承認をもらうといった設定も自由にできます。
《RICOH受領請求書サービス》のPOINT
- 「伴走」サポート!運用準備から定着まで安心
- 「ぴったり」スタート!月額3,000円~ 低価格なのに高精度
- 「最新」法改正対応!インボイス制度、電子帳簿保存法にも対応
「RICOH受領請求書サービス」は、リコージャパン株式会社が提供しているクラウド型の請求書受領サービスです。AIとOCR技術により、受領した請求書を自動でデータ化できます。BPOサービス(人の目によるデータ修正代行)を利用できるプランが用意されるほか、クラウド上で請求書業務が完結するため、リモートワークの推進にも効果的です。CSVファイルでエクスポートでき、会計システムなどとのデータ連携も簡単です。
【受領やデータ化支援】請求書受領サービスのおすすめ比較
自社での請求書受領やスキャン、データ化を少しでも効率化させたい企業におすすめの請求書受領サービスを紹介します。受領した請求書を適切に保管したい、検索性を高めたいといったニーズをもつ企業に最適なサービスも紹介しているので、参考にしてください。
Collect-Book
株式会社東計電算 / Toukei (Thailand) Co., Ltd. 《Collect-Book》のPOINT
- 全ての取引先請求書を一つにまとめて画面で一括管理
- インボイス制度対応!2023年10月制度実装時にもご利用可能
- 電子データの保存にも対応し、経理業務も効率化
株式会社東計電算が提供している「Collect-Book」は、請求書の送受信を一つのシステムで実現します。タイムスタンプ付与機能により、受領した請求書をそのまま法的な書類として活用できます。請求書はクラウド上で一括管理するため、データ保存の手間がかかりません。最長10年まで保存でき、バックアップやデータ検索なども可能です。CSVやAPIを利用したデータ連携にも対応しています。
《ペイトナー請求書》のPOINT
- シンプルで使いやすい!税理士が仕訳している企業にピッタリ!!
- 請求書管理だけでなく振込まで一気通貫!
- 月額0円でも充実の機能を提供!小規模な会社に特におすすめ!
ペイトナー株式会社が提供する「ペイトナー請求書」は、従業員50名以下の規模や、経理担当が一人で振込業務をしている企業に特におすすめのサービスです。シンプルで操作しやすく、請求書の回収やデータ化、管理から振込実行まで一気通貫で対応しています。また、AI‐OCRと専属オペレーターによる99.9%を超える高精度な請求書のデータ化も強みの一つです。
製品・サービスのPOINT
- デジタル化で請求書支払の業務時間を約72%削減可能
- 受領した請求書をもとに、システムが自動で支払予定表を作成
- 請求書ごとの受領・支払状況が瞬時に分かり対応漏れをなくせる
株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供する「奉行Edge 支払管理電子化クラウド」は、請求書の受け取りから支払い処理まで自動化するサービスです。紙や電子データなどあらゆる形式の請求書をAI‐OCRが読み取り、データ化します。さらに、取引先ごとの受領状況や自社の支払い状況を一目で確認できるため、支払い漏れの防止につながるでしょう。
【取引先と利用】請求書受領サービスの比較
自社だけでなく取引先にもシステムを利用してもらい、請求書データの受領や送付を行うおすすめの請求書受領サービスを紹介します。
《invoiceAgent》のPOINT
- 取引書類の発行・受取にかかる作業時間や郵送のコストを大幅削減
- 保管もクラウド上で。電子帳簿保存法・インボイス制度に対応
- 5つのAI OCRで受領書類をデータ化しシステム入力を効率化
「invoiceAgent」は、ウイングアーク1st株式会社が提供しているクラウド型の電子取引ソリューションです。取引先は同じプラットフォームから請求書をアップロードでき、請求書の受領や送付、管理を一気通貫で行えます。シンプルな承認フロー機能が用意されており、請求書の送付ミス防止に効果的です。現在のシステムに手を加えなくても導入できます。
BtoBプラットフォーム 請求書
株式会社インフォマートが提供している「BtoBプラットフォーム 請求書」は、請求書の受け取りや発行に対応した電子請求書システムです。プラットフォーム上で請求書を受領できるため、請求書発行から受領までのタイムラグを短縮できます。取引先は無料で利用できるため、取引先にとってもメリットを感じてもらえるシステムです。
請求書受領サービスを導入して経理業務の負担を軽減しよう
請求書受領サービスは、サービス提供会社によって機能性や業務範囲、料金が異なります。また、請求書受領サービスのタイプによって、得られる効果に大きく差が出るため、自社の導入目的を明確にしたうえでサービス選定を進めましょう。
請求書受領サービスの利用には、業務負担の削減や法改正への迅速な対応、処理のスピード化などさまざまなメリットがあるため、この機会にぜひ導入を検討してはいかがでしょうか。各社サービスの情報をまとめて入手できる資料請求もお役立てください。