LCMサービスの機能とエラーが起こりうる工程
LCMサービスは、端末の調達から廃棄までの各工程を支援する複数の機能で構成されています。エラーの原因を考えるうえでは、どの工程で誰がどのシステムを使って作業しているかを把握することが出発点です。主な機能は次のとおりです。
- ■調達・レンタル
- 業務に必要なPCを購入やレンタル、リースで用意する機能
- ■キッティング
- OSやソフトウェア、ネットワークを設定し、すぐ使える状態にする作業
- ■資産台帳の管理
- 端末の型番や利用者、契約期間を記録し、変更を反映する機能
- ■ヘルプデスク
- 操作方法や故障について社員からの問い合わせを受け付ける窓口
人の作業とシステムが組み合わさる構造
LCMサービスでは、提供会社の作業員による手作業と、資産管理システムやチケット管理ツールによる自動処理が組み合わさって動いています。キッティングは手順書にもとづく人の作業が中心で、資産台帳は複数のシステムとのデータ連携で更新される場合があります。
そのため、エラーには人による入力や確認の漏れと、システム側の処理や連携の不具合の両方が考えられます。どちらに起因するかで対処法が異なる点を押さえておきましょう。
委託元と提供会社にまたがる責任範囲
LCMサービスのエラーは、提供会社の作業だけで起こるとは限りません。委託元が渡した設定情報が古かったり、社内システム側の仕様変更が共有されていなかったりすることも原因となりえます。原因を一方の作業だけに求めると、再発防止につながらないことがあります。
エラーが起きた際に原因の切り分けを円滑に進めるには、どの工程を誰が担当し、どの情報を誰が提供するかを契約時に明確にしておくことが重要です。責任の分担を文書にしておくと、対応の遅れを抑えられます。
LCMサービスのキッティングで起こる設定不備とエラー
キッティングとは、PCを業務ですぐ使えるように、OSの設定やソフトウェアのインストール、ネットワーク設定を行う作業です。調達やレンタルとあわせて委託されることがある工程ですが、設定内容や処理の過程で不備が生じる場合があります。
調達・レンタル端末で設定内容に不備が出る原因
調達やレンタルで用意した端末に、指定と異なるバージョンのソフトウェアが入っていたり、一部の設定が反映されていなかったりするケースがあります。原因としては、依頼時の設定指示書の記載漏れや、機種の変更に手順書が追いついていないことが考えられます。
また、レンタル端末では在庫状況によって型番が変わり、同じ手順でもドライバーの違いで設定が適用されない場合もあります。依頼内容と端末の仕様の両面から確認することが大切です。
代行処理でエラーが起きるケース
キッティングの代行では、複数台に同じ設定をまとめて適用する仕組みが使われる場合があります。この処理の途中でネットワークが切れたり、配布元のサーバに接続できなかったりすると、一部の端末だけ設定が完了しないことがあります。
さらに、MDM(端末を遠隔で一元管理する仕組み)への登録やライセンス認証では、認証情報の誤りや登録上限への到達でエラーになる可能性があります。処理ログを確認できるか、失敗した端末を再処理する流れがあるかを提供会社に確認しましょう。
設定不備を減らす検収と手順書の管理
設定不備を減らすには、受け取った端末を確認する検収の手順を決めておくことが有効です。例えば、ソフトウェアの一覧やネットワーク接続、ログインの可否を項目化したチェックリストを用意し、一部の端末で抜き取り確認を行う方法があります。
あわせて、設定指示書は版数を付けて管理し、変更点を提供会社と共有しましょう。社内のシステム更新の予定も事前に伝えておくと、手順書の更新漏れを抑えられます。検収で見つかった不備は記録に残し、手順書の改善につなげましょう。
LCMサービスの資産台帳で反映が遅れる原因
資産台帳とは、端末の型番や利用者、設置場所、契約期間を記録して管理する一覧です。LCMサービスでは台帳の更新を代行する場合がありますが、作業と記録のタイミングのずれによって反映が遅れることがあります。
更新のタイミングと連携方式による遅延
資産台帳の更新が、リアルタイムではなく日次や週次のまとめ処理で行われる場合、作業の完了から台帳への反映までに時間差が生じます。CSVファイルを定期的に取り込む連携方式では、取り込みの間隔がそのまま遅れの幅となります。
API(システム同士をつなぐ仕組み)で連携していても、リクエスト数の上限への到達や認証エラーで同期が止まると、データが反映されないまま残る可能性があります。更新の頻度と、同期失敗時の通知方法を確認しておきましょう。
作業報告の遅れや入力漏れ
台帳への登録が作業員の報告にもとづく場合、報告が遅れたり、一部の項目が入力されなかったりすると、台帳の情報が古いまま残ります。例えば、端末の交換作業は終わっているのに、利用者の欄が旧端末のままというケースが考えられます。
委託元側でも、異動や退職の情報を提供会社へ伝えるのが遅れると、反映の遅れにつながります。社内の人事情報をどの経路でいつ共有するかを決めておくことが大切です。退職者の端末回収が遅れると、台帳上は利用中のまま残る場合もあります。
反映状況を確認する運用
反映の遅れに早く気付くには、台帳の更新日時や変更履歴を確認できる仕組みがあると便利です。月に1回など定期的に、実際の端末と台帳の内容を照らし合わせる棚卸しを行う方法もあります。更新履歴に作業者や日時が残っていれば、どの段階で遅れたかを追いやすくなります。
差異が見つかった場合の修正依頼の窓口と、修正にかかる期間を提供会社と取り決めておきましょう。履歴が残っていれば、原因の特定や再発防止策の検討にも役立ちます。棚卸しの結果は委託元と提供会社の双方で確認し、修正の完了まで記録しましょう。
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LCMサービスのヘルプデスクで起こりうる不具合
ヘルプデスクは人が対応するサービスですが、受付に使うシステムの不具合や情報共有の不足によって、対応が滞ったり誤ったりする場合があります。いわゆるバグにあたるシステム側の問題と、運用側の行き違いに分けて確認しましょう。
問い合わせ管理システムの不具合
ヘルプデスクでは、問い合わせを記録して進捗を管理するチケット管理システムが使われる場合があります。このシステムに不具合が起きると、問い合わせの受付が漏れたり、担当者への割り当てが行われなかったりする可能性があります。
また、メールやチャットからの自動起票では、受信設定の変更や連携先サービスの仕様変更によって起票が止まることも考えられます。原因は提供会社側と連携先のどちらにもありうるため、切り分けの手順を確認しておきましょう。
情報共有の不足による対応の行き違い
システムの不具合とは別に、情報不足による誤った案内が起こる場合もあります。社内独自の設定や最新のシステム構成が共有されていないと、オペレーターが標準的な手順を案内し、問題が解決しないことがあります。
対応履歴が担当者ごとに分散していると、同じ問い合わせに異なる回答をしてしまうケースも考えられます。FAQや対応ノウハウを委託元と提供会社で共有し、定期的に更新する体制を整えることが重要です。解決しない問い合わせが繰り返される場合は、案内内容を見直すきっかけとして活用しましょう。
LCMサービスのエラーに備える契約と運用の工夫
エラーの発生をゼロにすることは難しいため、起きたときに早く気付き、復旧できる体制を整えることが重要です。契約内容と日々の運用の両面から、事前に確認しておきたい点を紹介します。
SLAで品質基準と対応時間を取り決める
SLA(サービス品質の合意)とは、提供会社が守るべきサービスの水準を数値で定めた取り決めです。例えば、キッティングの納期や問い合わせへの一次回答時間、台帳の反映期限を明記しておくと、遅れや不備を判断する基準として使えます。
SLAの項目や水準はサービスによって異なり、設けていない場合もあります。基準を満たさなかった場合の対応や、再作業の費用負担もあわせて確認しましょう。数値は、自社の業務で許容できる遅れの範囲と照らし合わせて検討することが大切です。
エラー時の通知と再作業の流れを決める
エラーが起きた際に、誰にどの方法で通知されるかを決めておくと、対応の遅れを抑えられます。システム連携の失敗が自動で通知されるか、作業ミスが見つかった場合にどの窓口へ連絡するかを整理しておきましょう。通知先を個人ではなく共有のアドレスやグループにしておくと、見落としを減らせます。
あわせて、失敗した処理を手動で再実行できるか、未処理のデータを一覧で確認できるかも大切な確認点です。復旧の手順を文書化し、複数の担当者が把握しておくと、担当者の不在時にも対応できます。
定例会で不具合の傾向を共有する
提供会社と定期的に打ち合わせを行い、発生したエラーや問い合わせの傾向を共有することも有効です。同じ種類の不備が繰り返されていれば、手順書や設定指示書の見直しにつなげられます。例えば、キッティングの再作業件数や台帳の修正件数を月ごとに集計する方法があります。
定例会では、対応件数やSLAの達成状況、改善策の進み具合を確認しましょう。記録を残しておけば、契約更新時にサービスを継続するかどうかを判断する材料にもなります。
委託後の不具合対応まで確かめたいLCMサービス
キッティングや資産台帳、ヘルプデスクなど、この記事で取り上げた工程に関わる製品を紹介します。エラー時の連絡方法や対応範囲を契約前に確認しながら比較してください。
<JCS>LCMセンター
- 延べ10 万台以上の対応実績。ノウハウも豊富で安心
- 技術支援やヘルプデスクチームなど手厚いサポート体制
- モバイルデバイスの導入支援サービス
株式会社ジャパンコンピューターサービスが提供する「<JCS>LCMセンター」は、PCなどの情報機器の導入から廃棄までを一元管理するサービスです。マスター作成やキッティングといった作業はLCMセンターで行い、キッティング後は利用企業の環境でのオンサイト作業にも対応しています。技術支援やヘルプデスクのチームによるサポート体制が用意されており、モバイルデバイスの導入支援サービスもあります。設定不備が見つかった場合の再作業の範囲や連絡手順は、依頼前に確認しておくとよいでしょう。
LCMサービス
- PC・モバイルの調達から回収まで一括管理
- 大規模な初期設定と現地設置を安全に実施
- データ消去や磁気破壊で確実な情報漏洩対策
PCテクノロジー株式会社が提供する「LCMサービス」は、PCやスマートフォンの調達から設定、運用、回収までを一括で支援するアウトソーシングサービスです。運用中の問い合わせ対応や、回収後のデータ消去、磁気破壊による情報漏えい対策も任せられます。大規模な初期設定と現地での設置を行う体制を備えています。ヘルプデスクとキッティングを同じ委託先に任せる場合は、問い合わせ内容が設定作業の担当にどう共有されるかを確認しましょう。行き違いの防止につながります。
Assetment Neo for 情シス
- ラベル貼付と定期的な棚卸で、IT資産の台帳管理の正確性を向上
- IT機器やソフトウェアの保守契約を資産と結びつけて管理
- 資産管理と社内の作業依頼申請・履歴を、ワークフローで一元化
株式会社アセットメントが提供する「Assetment Neo for 情シス」は、セキュリティ強化につながる物品管理を実現する資産管理システムです。ラベル貼付と定期的な棚卸で、IT資産の台帳管理の正確性を高められます。IT機器やソフトウェアの保守契約を資産と結びつけて管理でき、資産管理と社内の作業依頼申請・履歴をワークフローで一元化できる点が特徴です。LCMサービスの作業結果を自社の台帳に反映する際、申請や履歴を残しながら照合する仕組みとして検討できます。
Convi.BASE(コンビベース)
- IT資産のライフサイクル管理を実現
- ICタグやQRコードを活用した棚卸しや貸出しを効率化
- 保証期間や保守期限のアラートで通知!期限管理が可能
株式会社コンビベースが提供する「Convi.BASE (コンビベース)」は、あらゆる物品を適正に管理・運用するクラウド型の物品管理システムです。IT資産のライフサイクル管理に対応しており、ICタグやQRコードを活用して棚卸しや貸出しの作業を効率化できます。保証期間や保守期限をアラートで通知する機能も備えています。委託先の作業と自社の資産台帳で反映のずれが生じた場合に、現物と台帳を照合する手段を持っておきたい企業の比較候補です。
テクバンのLCMサービス (テクバン株式会社)
- デバイスのライフサイクルを一元管理。
- キッティング代行、レンタル、資産管理などを提供。
- ヘルプデスク併用で窓口を一本化、運用負担を軽減。
LCMサービス (ソフトバンク株式会社)
- 機器の選定・購買から導入まで一括支援。
- 運用中の問合せ対応、保守、交換手配を代行します。
- 回収からデータ消去、廃棄/リユースまで一括管理。
ワークプレイス-LCMサービス (富士通株式会社)
- PC・周辺機器の調達から廃棄までを一元管理。
- セキュリティ対策や環境対応機能を統合。
- 運用負荷の軽減とコスト最適化を実現。
UTORITO (株式会社Too)
- 残価設定リースで初期投資を抑え、購入負担を軽減。
- 情シス業務を一元アウトソース可能。
- 専用ポータルで在庫・発注・申請・権限管理などを一括管理。
まとめ
LCMサービスでも、キッティングの設定不備や代行処理のエラー、資産台帳の反映遅れ、ヘルプデスクの対応の行き違いが起こる場合があります。原因は提供会社の作業だけでなく、依頼内容や社内システムとの連携にも及ぶため、責任範囲を明確にしておくことが大切です。
SLAや通知、再作業の流れを契約前に確認しましょう。資料請求で各サービスの対応範囲を比べ、自社にあうLCMサービスを検討してください。

