メールの本文を開くだけでウイルスに感染することはある?
メールに記載されている怪しいURLをクリックしたり、添付ファイルを開いたりするとウイルスに感染する可能性があります。では、それらにだけ警戒していれば良いのかと言えば、そうではありません。メールを開くだけでウイルスに感染するケースもあるからです。
たとえば、HTMLメールはWebページと同じ言語で書かれており、開くだけでウイルスに感染する危険性があります。また、メールソフトではなくブラウザでメールを開くと、メールソフトのセキュリティ機能が効果を発揮せず、被害に遭うリスクがあります。そのほか、メールソフトが古く、セキュリティ上の欠陥が残っている場合は脆弱性を突かれてしまうので危険です。

メール経由でウイルス感染が発生しやすい場面は?
メールを開くだけで感染するほかにも、メール経由でのウイルス感染はいくつかのパターンがあります。その中でも、被害が発生しやすい代表的な例を見ていきましょう。
- 添付ファイルやURLを開くことによる感染
- これは非常に多いパターンです。一度ファイルを開くとウイルスに感染し、情報を盗まれたり、PCを遠隔操作されてなりすましメールを勝手に送信されたり、第三者にも被害が拡大する恐れがあります。フィッシングメールの場合は本文中のURLを開くと偽のショッピングサイトなどにつながり、IDやパスワード、クレジットカードの情報などを入力してしまうとそれらを盗まれて悪用されるケースがあります。
- アップデートの放置
- OSやメールソフトなどのアップデートを怠ると脆弱性が残ります。これがウイルスの侵入口となり、感染の危険性が高まります。
- セキュリティ設定の確認不足
- 適切にセキュリティ設定をしておかなければ、被害に遭うリスクが高くなります。また、メールソフトのプレビュー機能が有効になったままだとメールを自動で開封してしまいます。
メール経由のウイルス感染を防ぐ方法は?
では、被害を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。
OSやメールの再設定
パソコンのOSやメールソフトに脆弱性が残っていると、そこを狙われる可能性があります。したがって、アップデートでOSやソフトを常に最新の状態に保ち、脆弱性を排除しましょう。
また、メールサーバのフィルタリング設定やメールソフトのセキュリティの設定を見直すことも大切です。HTMLメールを表示しない、スクリプトを実行しないようにしておくことを推奨します。これならウイルスを含む不正なプログラムが勝手に実行されないため、開くだけで被害に遭うリスクを回避できます。
セキュリティ教育の実施
OSやメールソフトで適切な設定を行っても、ユーザーに正しい知識が備わっていなければリスクは避けられません。なぜなら、生じうる被害の多くが、ユーザーの無知や不注意に起因するからです。
まずは、迷惑メールは開かずに削除することを徹底しなければなりません。もちろん、迷惑メールへの返信やURLへのアクセスもしないように注意します。
なお、単に注意を呼びかけるだけでは習慣として定着しない可能性があるため、定期的なセキュリティ研修やeラーニングを実施したり、実際にセキュリティ対策ができているのか確認する体制を構築したりしましょう。
メールセキュリティ製品の導入
先述したようにセキュリティ教育を実施し、社員に正しい態度を身につけさせることも大切ですが、どれほど徹底しても人間である以上、誤って開封してしまうなどのリスクは必ず残ります。その穴はメールセキュリティ製品で埋めましょう。
メールセキュリティ製品とは、アンチウイルスやアンチスパム機能によってメールに潜む危険を排除するITツールのことです。例としていくつかの機能を紹介します。
- フィルタリング
- 不審な添付ファイルを削除したりHTMLメールを排除したりします。
- ウイルス対策
- メールに潜在するウイルスを検知・駆除する機能です。
- なりすまし防御
- メールアドレスを確認して正規の送信元であるかを判断します。
システム側で迷惑メールやスパムメールの開封やウイルス感染を防いでくれます。具体的な製品は以下の比較記事での確認や資料請求がおすすめです。
メール経由のウイルス感染を防ぎ、安全に運用しよう
メールは本文を開くだけでウイルスに感染することがあります。ほかにも、添付ファイルやURLにウイルスが潜んでいるケースや、ソフトの設定に問題がある場合もあります。
こうした被害を防ぐには、OSやメールソフトを最新状態に保つことはもちろん、ユーザーへのセキュリティ教育の実施、メールセキュリティ製品の導入が有効です。
自社内のメール環境を見直し、安全な運用を目指しましょう。
