メールセキュリティの必要性
メールは業務にとって不可欠な存在ですが、セキュリティ上の危険が多く潜んでいます。不正なメールを送り付けてウイルス感染させたり機密情報を盗む、といったサイバー攻撃は巧妙化しています。
メールに添付されたファイルを開きウイルスに感染すると、知らぬ間に自社の重大な情報が外部に送信されるケースもあります。また、メールの内容を盗視されたり、アカウントを乗っ取られる被害も多いです。
メールは普段利用する機会が多い分、被害が拡大しやすいため、十分なセキュリティ対策を行わなければなりません。メールを悪用したサイバー攻撃の被害に遭うと、金銭的な被害だけでなく、企業の信用も失うため注意しましょう。
また、セキュリティレベルが高い対策を行っていれば、安全なだけでなく企業の信頼度も高めることができます。
3種類のメールに潜む脅威
つづいて、メールに潜む脅威の種類を見ていきましょう。
1:誤送信メール
メールセキュリティにおいて最も注意しなければならないことは、メールの誤送信です。メールによる情報漏えいの大半は、外部からの攻撃ではなく誤送信が原因です。
実際に送信先や内容を間違えてしまう人は少なくありません。例えば、自分がCcに含まれているメールを返信することで、関係ない人にメールを送信していることもよくあります。特に、重要事項が記載されているメールや添付ファイルを送る場合は注意が必要です。
2:フィッシングメール
フィッシングメールとは、不正サイトへの誘導を促す詐欺(フィッシング詐欺)メールのことです。メール攻撃の中でも特に悪質であり、メール本文中のURLにアクセスさせ、そこからパスワードやIDなどを盗みます。
近年では、フィッシングメールも巧妙になっており、金融機関や公式な組織からの連絡を装っていることも少なくありません。そのため、不正なメールであると気付きにくいのです。URLのリンク先は不正サイトとなっており、偽のログイン画面に誘導します。
安易にパスワードやID、クレジットカード番号などを入力すると、あっという間に情報漏洩してしまうでしょう。
3:標的型攻撃メール
特に防御しにくい脅威が「標的型攻撃」です。標的型攻撃メールは、特定のターゲットを狙い撃ちし、メールを使って重要なデータを盗み出します。メールの添付ファイルに情報を盗み出す不正プログラムを仕掛け、ターゲットに送信することが多いです。
一般的に標的型攻撃を仕掛ける際は、事前にターゲットの情報を調べています。実際にやり取りをしている企業・機関・担当者からの連絡を装っているため、防ぐことが難しいでしょう。
このように標的型攻撃は、通常のセキュリティ対策では効果がなく、注意していても被害に遭うことが多いです。
メールセキュリティの対策
つづいて、メールセキュリティの対策を見ていきましょう。
迷惑メールを防ぐ「スパムメールの設定」
基本的なメールセキュリティ対策として「スパムメールの設定」があります。スパムメールの設定を行うことで、フィッシングメールを含む迷惑メールを防ぐことが可能です。最近では、無料で利用できるメールサービスでも自動的に迷惑メールを排除できるものが増えています。
また、セキュリティ上の脅威がない場合でも、迷惑メールの量が多ければ重要なメールが埋もれてしまうこともあるでしょう。また、必要なメールを削除してしまう可能性も高くなります。スパムメールを設定することで、そのような問題も解決できるでしょう。
本文や添付ファイルを安全にする「メールの無害化」
メールのセキュリティ対策の中でも「メールの無害化」は効果が高いです。メールの無害化とは、メールを安全に閲覧できるような状態にすることです。
例えば、ウイルスが仕込まれている可能性があるHTMLメールをテキスト形式に自動変換できます。メール本文や添付ファイルの内容を画像ファイルにすることも可能です。本文のURLをクリックできないようにするなど、無害化する方法は多くあるため最適な方法を行いましょう。
しかし、メールを無害化する方法によっては、オリジナルと内容が異なってしまうケースもあります。このような場合、オリジナルの内容はサーバやシステムのストレージに保管されていることが多いです。
オリジナルの文面を見たい場合はシステム管理者に問い合わせしなければならず、手間が発生するので注意してください。
本文や添付ファイルを保護する「メール暗号化」
メールのセキュリティ対策の中でも、一般的になりつつあるのが「メールの暗号化」です。メール暗号化とは、通信やメール自体を第三者に見られないような形式に変換することです。
最近では、無料で利用できるメールサービスに暗号化機能が標準実装されています。メールの暗号化を行うことで、盗視・改ざん・なりすましを防げるでしょう。
暗号化の技術には大きく分けて「TLS/SSL」と「S/MIME」があります。
「TLS/SSL」は一度設定すれば全てのメールを暗号化できますが、なりすまし対策はできません。「S/MIME」は電子証明書を利用した暗号化方法で、なりすまし対策が可能です。しかし、ライセンス費用が高額で、証明書の管理も煩雑になりやすいので注意してください。
人為ミスを防ぐ「メールの誤送信対策」
「誤送信対策」はメールセキュリティ対策の基本です。誤送信を防ぐために、まずは送信前の確認を行ってください。
メール送信ボタンを押したときに注意喚起のポップアップを表示するソフトウェアもあります。また、メールの内容をチェックしないと送信できないようにするサービスもあります。セキュリティ対策の仕組みはシンプルでも効果が高いでしょう。
メールに含まれるウイルスを防ぐ「アンチウイルス」
メールセキュリティの中でも代表的なものが「アンチウイルス」です。アンチウイルスソフトは受信したメールをスキャンしてウイルスの有無を確認する仕組みです。
アンチウイルスソフトをインストールすれば、ウイルスによる被害を最小限に抑えられるでしょう。社内で使用する端末すべてに、アンチウイルスソフトを導入することをおすすめします。
製品比較表を使って比較
ここでは、この記事で紹介している一部製品の比較表を紹介しています。
各製品の詳細情報については、後ほど紹介していますので、気になる製品をチェックしてみてください。また、ITトレンドでは実際の資料請求数を元に人気製品をランキング形式で紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。
※"-"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
編集部厳選!メールセキュリティ製品比較
最後に、ITトレンド編集部おすすめのメールセキュリティ製品を見ていきましょう。
FortiMailは柔軟性が高いメールセキュリティの専用機器です。処理の負荷が低いにも関わらずセキュリティ強度は高いので高速かつ正確なメールを利用できます。特にアンチスパムフィルタやアンチウイルスの精度は高く、多層なセキュリティを実現可能。
また、添付ファイルの不審な振る舞いを迅速に特定してブロックすることもできます。
製品・サービスのPOINT
- 最新の脅威から会社を守る!アンチスパム・ウイルス対策
- 選べる機能でメールセキュリティを万全に
- お使いのメールサーバはそのままにゲートウェイ型でも利用可能!
OneOfficeメールソリューションは、標的型攻撃やランサムウェアを的確に防御できます。AI機能や、安全に添付ファイルを開けるサンドボックス機能があるため、未知の脅威にも対応可能です。
通常のメールセキュリティよりも精度が高いため、安全にメールの活用が可能。添付ファイルに自動でパスワードを設定する機能もがあるため、ユーザーが意識しなくてもセキュリティ対策ができるでしょう。
《SecurityGateway》のPOINT
- ユーザー毎の管理ページや自動学習機能を搭載
- 誤検知を心配する事なく検出精度を向上
- 社内から送信するメールの情報漏えい対策にも
SecurityGatewayは、運用のストレスがなく安全性を高められるメールセキュリティソフトです。SSLやTLSを使ったメール暗号化や、検出率99%のスパムメール対策機能も搭載。また、複数のアンチウイルスエンジンにより、さまざまな種類のウイルスにも対応できます。
自動で迷惑メールを判別するだけでなく、ユーザーが個別でスパムの判定をすることも可能です。
《Microsoft 365 with IIJ》のPOINT
- うっかりミスによる誤送信はメール取り消し機能で対策
- それぞれのセキュリティ機能でメール受信リスクを極小化
- 添付ファイル自動暗号化機能でメール誤送信時の情報漏えいを防止
Office 365 with IIJは、独自のメールセキュリティが適用されたサービスです。受信者には添付ファイルにパスワードがかかったメールが届くため、安全性を高めることができるでしょう。
また、ユーザーごとにセキュリティポリシーを柔軟に設定できるため、最適なメールセキュリティ対策が実現するでしょう。
メールセキュリティのシステムを導入して対策を行おう!
メールは現代のビジネスではなくてはならない存在です。そのため、メールのセキュリティ対策は万全に行わなければなりません。
メールを使ったサイバー攻撃が増えているだけでなく、誤送信による情報漏えいも多いです。そのため、攻撃の種類に合ったセキュリティ対策が必要です。メールセキュリティシステムはさまざまな攻撃に対して有効なので、システムを導入して安全性を高めましょう。