ストレスチェックの使いやすさを決める基準
使いやすさは、立場によって見る点が異なります。受検する従業員と、運用する担当者のそれぞれが困らない状態を、具体的な基準で考えることが大切です。ここでは、判断の前提となる考え方を整理します。
受検者と担当者で異なる使いやすさ
受検者にとっての使いやすさは、短時間で迷わず回答できることです。画面の見やすさや、途中で中断しても再開できるかどうかが基準です。業務の合間に回答する人もいるため、中断への対応は大切な観点といえます。
担当者にとっての使いやすさは、準備から結果の管理までの作業を少ない手間で進められることです。両方の立場を分けて確認すると、操作が簡単かどうかを客観的に判断できます。評価語だけでなく、確認できる事実で比べましょう。
担当者が行う作業の全体像
ストレスチェックの運用では、実施計画の作成、従業員への周知、調査票の配布、結果の通知、面接指導の案内、集団分析といった作業が発生します。衛生委員会での調査審議も必要です。これらを年間の予定表にすると、作業の抜けを防げます。
常時使用する労働者が50人以上の事業場では、実施後に労働基準監督署への報告も求められます。ツールがどの作業を支えてくれるかを確認すると、使いやすさの違いが見えてきます。担当者が1人の場合は、特に作業の少なさが重要です。
操作が簡単かを確かめる方法
操作が簡単かどうかは、カタログの説明だけでは判断しにくいものです。デモ画面や無料の体験環境があれば、担当者本人が実際に操作して確かめましょう。画面の分かりにくい点は、そのまま運用時の問い合わせにつながります。
確かめるときは、対象者の登録、受検案内の送信、結果の確認といった実際の作業の流れで試します。複数の担当者で操作して、迷った点を記録しておくと、製品間の比較に使えます。操作の所要時間をメモしておくのも一案です。
受検者にとって使いやすい回答画面と環境
受検者が回答に迷わなければ、途中での離脱や未回答を防ぎやすくなります。質問数、使う端末、ログインの手間の3点から、導入前に確認したい基準を整理します。受検者の負担を減らす工夫を確かめましょう。
質問数と画面の見やすさ
厚生労働省が示す標準的な調査票は、57項目の職業性ストレス簡易調査票です。簡略版を選べるツールもあり、回答にかかる時間は調査票によって変わります。短い調査票でも、制度上求められる項目を満たしているかの確認が必要です。
1画面に表示する質問の数や、文字の大きさ、進み具合の表示も操作のしやすさに影響します。調査票を自由に選べるか、独自の質問を追加できるかも、事前に確認しましょう。選んだ調査票は、衛生委員会で調査審議する内容です。
スマートフォンやパソコンでの回答
従業員の働き方によって、使う端末はさまざまです。パソコンを持たない現場の従業員は、スマートフォンで回答できるかが重要です。移動中や休憩時間に回答できると、受検の機会を広げられます。
画面が端末にあわせて見やすく表示されるか、通信が途切れても回答が保存されるかを確認しましょう。会社が貸与する端末を使う場合は、社内ネットワークの制限にも注意が必要です。紙の調査票を併用できるかも、判断の材料です。
ログインと本人確認の手間
受検者がツールにログインする方法は、IDとパスワードを個別に配る方式や、メールのリンクから入る方式などがあります。手順が多いと、受検をあきらめる人が出る可能性があります。特に、普段システムを使わない従業員には負担になりがちです。
一方で、本人以外が回答できてしまう設計では、結果の信頼性が下がります。簡単さと安全性のバランスを見ることが大切です。パスワードを忘れた場合に再設定を自分で行えるかも確認しましょう。
初心者でも迷いにくい初期設定の進め方
初めてストレスチェックを実施する担当者にとって、初期設定は最初の関門です。設定する項目と、迷いにくさを左右するポイントを表にまとめます。表の内容を手がかりに、各製品の画面や手順を比較してください。
| 設定の項目 | 内容 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 対象者の登録 | 従業員の氏名や所属を登録する | ファイルで一括登録できるか |
| 実施者の設定 | 医師や保健師などを設定する | 外部の実施者を設定できるか |
| 調査票の選択 | 使用する質問票を選ぶ | 標準の調査票があるか |
| 実施期間の設定 | 受検の開始日と終了日を決める | 期間の延長ができるか |
対象者の一括登録
対象者の登録は、初期設定で最も手間がかかる作業の一つです。従業員の名簿をファイルで取り込める製品なら、1人ずつ入力する手間と、入力ミスによる受検案内の誤送信を減らせます。名簿の取り込み前に、人事システムなどから最新の一覧を出力しておくと、登録の漏れも防げます。
登録する項目は、氏名、所属、メールアドレスなどです。部署の階層をどこまで設定できるかは、のちの集団分析にも影響します。名簿の形式の用意や、登録後の修正の可否も確認しましょう。
実施者と実施事務従事者の設定
ストレスチェックでは、実施者を医師や保健師などから選ぶ必要があります。社内に産業医や保健師がいない場合は、外部の専門家に依頼する方法があります。依頼先によって対応の範囲や費用は異なるため、見積もりの段階で、実施者の手配が含まれるかも確かめましょう。
ツールによっては、実施者の手配も含むサービスがあります。実施事務従事者の権限をどう設定するかも、使いやすさにかかわる点です。担当者が人事権をもたない立場かどうか、社内で確認しておきましょう。
画面の案内とマニュアルの分かりやすさ
初心者が迷わないためには、次に何をすればよいかが画面で案内されることが大切です。手順に沿って進める設定の画面があると、抜けや漏れを防げます。
マニュアルや動画の解説が用意されているかも、確認したい基準です。制度の知識が十分でない担当者でも、用語の説明が付いていれば理解しやすくなります。体験環境では、初めて触れる想定で、説明なしに設定を最後まで進められるかを試すと、迷いやすい箇所が見つかります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でストレスチェックの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
ストレスチェックのサポートが手厚いかの見分け方
サポートが手厚いかどうかは、言葉だけでは判断できません。どの作業をどこまで支援してもらえるのかを、範囲ごとに区別して確認することが大切です。実施者の手配から問い合わせ対応まで、確認の仕方を順に紹介します。
サポートの範囲の区別
サポートには、マニュアルの提供、問い合わせ窓口での回答、設定方法の案内、初期設定の支援、設定作業の代行などがあります。同じ名称でも、含まれる範囲は製品ごとに異なります。契約前に、サポート内容の一覧を確認できると安心です。
初期設定の支援とあっても、作業を代行してくれるとは限りません。自社が支援を受けたい作業を書き出し、各社に同じ質問をして比較しましょう。有料のオプションかどうかも確認が必要です。
実施者の手配や面接指導の支援
社内に医師や保健師がいない場合、実施者の手配を支援するサービスは、選択肢の一つです。高ストレス者への面接指導を行う医師の紹介まで対応するかは、サービスによって異なります。
面接指導は、結果通知後に本人が申し出たとき、事業者が医師に依頼して行うものです。申出の案内や日程の調整をどこまで支援してもらえるかを、事前に確認しておきましょう。担当者の人数が少ない場合は、特に頼れる範囲を知っておくことが大切です。
問い合わせ方法と対応時間の確認
問い合わせの方法は、電話、メール、チャットなどがあります。受検期間中は問い合わせが集中する場合があるため、対応できる時間帯や回答までの目安も確認しておくと安心です。海外拠点がある場合は、時差への対応も確認しましょう。
受検の締め切り直前に使い方で困ったとき、すぐ相談できる体制があるかが重要です。受検者からの問い合わせを、担当者の代わりに受け付けるサービスもあります。窓口がどこに設けられるかも確認しましょう。
結果の確認と集団分析で迷わない画面
ストレスチェックは、回答後の結果の扱いまでが運用です。結果の通知、面接指導の案内、集団分析の3つの場面で、画面の分かりやすさを確かめましょう。結果の取り扱いには個人情報への配慮も必要です。
本人への結果通知の分かりやすさ
ストレスチェックの結果は、実施者から本人へ直接通知されます。レーダーチャートなどのグラフで、ストレスの状況が一目で分かる表示だと、受検者が結果を理解しやすくなります。専門用語に説明が付くかも見ておきましょう。
セルフケアのための助言が表示されるか、相談窓口が案内されるかも確認しましょう。結果に不安を感じた従業員が、すぐ相談できる導線は大切です。結果を保存して、あとから見直せる機能があると、継続的な健康管理に役立ちます。
高ストレス者の抽出と面接指導の案内
高ストレス者の選定は、事業者が決めた基準にもとづき、実施者が行います。ツールがこの基準にあわせて自動で該当者を抽出できると、実施者の作業が軽くなります。
該当者には、面接指導を希望できることを案内する必要があります。案内の文面を自社で調整できるか、申出の受付を画面上で行えるかも、使いやすさを見る基準です。
抽出の基準を変えたとき、該当者の一覧へ反映されるかも試しておくと安心です。なお、申出を理由とした不利益な扱いは禁止されています。
集団分析レポートの見方
集団分析は、部署ごとの結果を集計して職場環境の改善に生かす取り組みで、事業者の努力義務です。ツールがグラフで表示してくれると、結果を会議で共有しやすくなります。部署ごとの傾向を過去の結果と並べて比べられると、対策の検討にも役立ちます。
集計する集団が10人を下回る場合、個人が特定されるおそれがあるため、原則として全員の同意がなければ結果を事業者に提供できません。人数の少ない部署をまとめて集計できる設定があるかを、確認しましょう。
- ■受検者の画面
- スマートフォンで回答でき、途中で保存できるか
- ■初期設定
- 名簿を一括で登録でき、手順が画面で案内されるか
- ■サポート
- どの作業をどこまで支援するかが明示されているか
- ■結果の確認
- 本人通知と集団分析の画面が分かりやすいか
操作のしやすさを確かめたい製品
受検者と担当者の画面や操作を確かめる際の参考として、操作性や利用のしやすさに触れている製品を掲載します。
ファースト・ストレスチェック
- 厚労省準拠の57項目版と80項目版をWebと紙で受検可能
- 20言語での回答に対応
- 集団分析や高ストレス者への面談など、アフターケアも対応
株式会社マイシェルパが提供する「ファースト・ストレスチェック」は、シンプルな操作性を重視したストレスチェックサービスです。Web受検に加えて紙での受検にも対応し、現場の就業環境にあわせて受検方法を選べます。未受検者にはシステムから督促メールを送れるため、進捗管理や声かけの手間を抑えられます。PCとスマートフォンの両方で利用でき、ストレスチェック後の集団分析や医師面談、個別相談窓口にも対応しています。
Smart相談室
- どんな悩みも歓迎!相談されやすい外部相談窓口(EAP)
- 0次予防から3次予防までSmart相談室だけで完結
- 初めての人でも安心、利用しやすいサービス設計
株式会社Smart相談室が提供する「Smart相談室」は、従業員のメンタルヘルスケアをサポートする従業員支援サービスです。ストレスチェックやオンラインカウンセリングなどを、ワンストップで提供します。シンプルで直感的に操作できる画面で、スマートフォンとPCのどちらからでも利用でき、希望の条件からカウンセラーを探せる設計です。初めて利用する従業員も迷いにくい点が特徴で、医師面談や個別相談窓口にも対応しています。
WEMEXストレスチェック (ウィーメックス株式会社)
- Web/紙対応、メアド不要で10言語以上受検可能。
- 集団分析レポートやCSV出力等で職場環境の可視化と改善を促進。
- セルフケア動画等で、従業員の“あと一歩”のケアを支援。
Wity (ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社)
- 年1回と月次のWチェックで組織課題を継続的に把握。
- 心理学に基づくeラーニングと行動変容を促す管理職支援システム
- 匿名チャット・LINEで専門家に気軽に相談、相談率を大幅向上
ストレスチェックに関するよくある質問
ストレスチェックの使いやすさについてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:パソコンを使えない従業員には、どう回答してもらえばよいですか?
- A:スマートフォンで回答できる製品や、紙の調査票を併用できる製品があります。休憩室などの共用端末を使う方法もあるため、現場の働き方にあわせて確認しましょう。画面をのぞかれない配慮も大切です。
- ■Q2:操作が簡単であれば、サポートが少なくても問題ありませんか?
- A:担当者が慣れている場合は、問題が少ないこともあります。ただし、初回の設定や不具合が起きたときに相談できる窓口があると安心です。サポートの範囲を事前に確認しましょう。
- ■Q3:受検者から回答画面が分かりにくいと言われたら、どう対応しますか?
- A:まず、迷った画面と操作を具体的に聞き取りましょう。案内文や手順書の補足で解決する場合と、設定の変更が必要な場合があります。改善が難しいときは、ベンダーに相談してください。
- ■Q4:デモや体験の画面は、誰が確認するのがよいですか?
- A:実際に運用する担当者に加えて、受検者の立場として一般の従業員にも確認してもらうと、見落としを減らせます。評価項目を事前にそろえ、結果を記録しておきましょう。
まとめ
使いやすいストレスチェックツールは、受検者と担当者の立場に分けて、回答画面、初期設定、サポート、結果の確認画面で判断できます。デモや体験環境で担当者自身が操作し、サポートの範囲を各社に同じ質問で確認すると、違いが分かります。自社の運用にあうツールを選ぶため、複数の製品の資料を請求して比較してみてください。

