ストレスチェックで追加コストが発生する主な場面
ストレスチェックの費用は基本料金だけで決まるとは限らず、実施の規模や利用する機能に応じて追加コストが生じる場合があります。主な場面を、次の表で整理しましょう。どの場面で費用が動くかを知っておくと、見積もりの比較も進めやすくなります。
| 場面 | 確認したい点 |
|---|---|
| 受検者数の増減 | 人数に応じた料金の区分と、集計の方法 |
| 面接指導の実施 | 産業医や外部の医師への依頼にかかる費用 |
| 集団分析の追加 | 標準のレポートに含まれる範囲と、追加の費用 |
受検者数に応じた料金の考え方
ストレスチェックツールの料金は、受検者数に応じて決まる形式が選ばれる場合があります。人数の区分ごとに単価が変わる場合や、実際に受検した人数で計算する場合など、製品によって方式が異なります。同じ人数でも、方式によって総額に差が出る場合があります。
従業員数が増えた場合や、対象者の範囲を広げた場合に、料金がどう変わるかを確認しましょう。未受検者を含めて請求されるかも、見積もり段階で確かめておくと安心です。実施回数が年に複数回になる場合の扱いも、あわせて聞いておきましょう。
面接指導と産業医面談の費用
高ストレスと評価された労働者が申し出た場合、事業者は医師による面接指導を実施する必要があります。ストレスチェックや面接指導の費用は、事業者が負担するものとされています。そのため、ツールの料金とは別に、面接指導の予算も確保する必要があります。
ツールの料金に、面接指導の手配や費用が含まれているかは製品ごとに異なります。産業医が選任されていない事業場では、外部の医師への依頼費用も予算に入れておきましょう。面接指導の日程調整を、ツール上で管理できるかも確認すると運用が楽になります。
集団分析の追加レポートの費用
集団分析は、部署などの集団ごとに結果をまとめ、職場環境の改善に活かす取り組みです。実施は現状では努力義務ですが、活用を検討する企業もあります。職場ごとの傾向を把握できるため、環境の改善に役立つ場合があります。
標準で出力できる集計の範囲と、追加のレポートが有料になる条件を確認しましょう。10人未満の集団は個人が特定されるおそれがあるため、集計の扱いについても提供会社に尋ねておきます。分析の切り口を増やすと費用が変わる場合もあるため、必要な範囲を先に決めましょう。
隠れたコストを見落とさない見積もりの確認
見積書の総額だけを見ると、含まれない作業や、後から発生する費用を見落とす場合があります。確認の観点を、内訳、初期対応、サポートの3つに分けて整理します。それぞれの確認点を、次のリストにまとめました。
- ■見積書の内訳
- 基本料金と、追加になりうる項目を分けて確認する
- ■初期対応
- 設定やデータの移行にかかる費用を確かめる
- ■サポートの範囲
- 無料の範囲と、有料の対応の境目を聞く
見積書の内訳を項目ごとに確認する
見積書は、初期費用、月額や年額の利用料、オプションの料金に分けて確認しましょう。一式でまとめられている場合は、含まれる範囲の説明を依頼します。内訳が見えると、他の製品との比較もしやすくなり、不要なオプションの見直しにも役立ちます。
追加になりうる項目を、提供会社に一覧で示してもらう方法も有効です。例えば、帳票の出力、結果の再集計、実施期間の延長などが対象になる場合があります。回答は書面で残し、見積書の備考欄に条件が書かれていないかも確認しておきましょう。
初期設定やデータ移行の費用を確かめる
導入時には、対象者の名簿の登録や、過去の結果の移行、質問票の設定などの作業が生じる場合があります。作業を提供会社が行うのか、自社で行うのかで費用は変わります。自社で行う場合は、担当者の作業時間もかかります。
過去の受検結果を取り込む場合は、対応できる形式と費用を確認しましょう。社内の作業時間も、人件費としてコストに含めて見積もると、全体を把握しやすくなります。移行できないデータがある場合の保管方法も、あわせて決めておきます。
サポートの範囲と有料の対応を聞く
サポートは、マニュアルの提供、問い合わせ窓口、設定の案内、作業の代行など、内容が分かれます。どこまでが基本料金に含まれるのかを、具体的に確認しましょう。基本料金に含まれない対応は、費用の目安も尋ねておくと安心です。
受検期間中の臨時の対応や、操作研修の実施が有料かどうかも重要です。サポートの範囲が曖昧なままだと、運用中に想定外の費用が生じる場合があります。契約前に、サポートの範囲を文書で示してもらいましょう。
アカウントや拠点の追加で追加コストが生じるか
運用を始めてから、担当者や拠点が増える場合があります。アカウントや拠点の追加が別料金になるかは、製品によって異なるため、導入前に条件を確認しておきましょう。担当者の増員は、実施の体制を整えるうえでも起こりうる変更です。
アカウント数と管理者権限の料金
管理者や実施事務従事者として使うアカウントの数に、上限や追加の料金が設けられている場合があります。属人化を避けるため、複数の担当者で運用できるかも確認しましょう。上限を超えた場合の追加料金も、あわせて質問します。
権限の種類によって料金が変わるかも、質問項目です。閲覧のみの権限や、部署ごとの管理者を設定できる場合に、追加の費用が必要かを尋ねておくと安心です。権限の設計は、個人情報を守る観点からも重要です。
拠点やグループ会社を追加する場合
拠点やグループ会社を追加するときは、受検者数の増加に加えて、組織の登録や設定の変更が必要になる場合があります。拠点ごとの契約が必要か、まとめて管理できるかを確認しましょう。組織の構成が複雑な場合は、登録の作業量も確かめておきます。
ストレスチェックの義務は事業場ごとに判断されるため、人数の少ない拠点の扱いも整理が必要です。法人が異なる場合は、結果の取扱いについても整理が必要なため、提供会社に相談しながら進めましょう。
契約更新時の料金改定の確認
契約を更新する際に、料金が改定される場合があります。改定の条件や、事前に通知される時期を、契約書で確認しておきましょう。値上げの上限が定められているか、改定の何か月前に通知されるかも、あわせて見ておくと安心です。
法令の改定や、機能の追加を理由に、料金体系が変わる可能性もあります。複数年の契約で料金を固定できるかも、確認したい項目です。更新時の判断に備えて、受検率や問い合わせ件数などの利用状況も記録しておきます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でストレスチェックの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
解約時の違約金と契約条件の確認ポイント
ツールを見直す場面では、解約の条件が追加コストにつながる場合があります。契約期間、データの扱い、更新の条件を、契約前に確認しておきましょう。契約書の細かな条項まで読むと、想定外の費用を避けやすくなります。
契約期間と中途解約の条件を読む
契約には最低利用期間が設けられている場合があります。期間内に解約すると、残りの期間の料金や、違約金が発生する契約もあります。条件は契約の形態により大きく異なるため、年額契約か月額契約かも確認が必要です。
違約金の有無と算出方法、月の途中で解約した場合の日割りの扱いを、契約書で確認しましょう。解約の申し出の期限や、方法も重要です。条項が不明確な場合は、提供会社に書面での説明を依頼し、回答を契約書とあわせて保管します。
データの返却と削除の手順を確かめる
解約後も、過去の結果の記録を一定期間保存する必要があるため、データの取り出し方法を確認しましょう。出力できる形式や、出力の費用が別に必要かも質問項目です。取り出したデータを、次のツールへ移せる形式かも確認します。
提供会社側で削除する時期と、削除の証明を受けられるかも確認します。個人情報や健康に関する情報を扱うため、手順を明確にしておくと安心です。解約後の問い合わせ先も、あわせて確認しておきましょう。
自動更新の条件を把握する
契約が自動更新となる場合は、解約の申し出の期限を過ぎると、次の期間の料金が発生します。更新の通知が届くかどうかも、契約前に確認しましょう。更新日と申し出の期限を、社内の予定表に登録し、期限の1か月前に確認する日も設定しておきましょう。
担当者が代わっても期限を見落とさないよう、契約の情報を共有しておくことが大切です。更新前に、利用状況と費用を見直す習慣をつけると、不要な費用を抑えやすくなります。例えば、使っていないオプションや、過剰なアカウント数が見つかる場合があります。
3年間の総コストを追加コストまで含めて試算する
総コストを見積もるには、初期費用と利用料だけでなく、追加コストや社内の作業時間も含める必要があります。試算の方法を、項目、変動、比較の順に整理します。元になる数値は、複数の見積もりで確認しましょう。
| 試算の項目 | 含める内容 |
|---|---|
| 基本の費用 | 初期費用と、期間ごとの利用料 |
| 追加の費用 | オプション、面接指導の手配、追加レポートなど |
| 社内の作業 | 運用や問い合わせ対応にかかる担当者の時間 |
試算に入れる費用項目の洗い出し
3年間の総コストは、初期費用、利用料、オプション、面接指導の費用、サポートの費用を合算して求めます。ここまでの章で確認した項目を、一覧にして漏れを防ぎましょう。見落としやすい費用ほど、後から負担が大きくなる場合があります。
社内の作業時間も、人件費に換算して加えると、全体の負担を把握しやすくなります。数値は提供会社の見積もりをもとに、自社で計算して確認してください。この記事では、金額の目安は示していません。
人数や実施回数の変動の見込み
3年の間には、従業員数や拠点の数が変わる場合があります。採用や組織の再編の計画をふまえて、人数が増えた場合と減った場合の両方を試算しましょう。人数の変動が料金に反映される時期や、減員の場合に料金が下がるかも、確認しておきます。
制度の改定で、実施の対象が広がる可能性もあります。実施回数が増えると、利用料や面接指導の手配にも影響する場合があります。50人未満の事業場にも義務が広がる予定のため、対象となる人数の見通しを、厚生労働省の最新の情報もあわせて確認しておきます。
複数製品を同じ条件で比べる表の作り方
製品ごとに料金の体系が異なるため、同じ条件で見積もりを依頼することが比較の前提です。人数、実施回数、利用する機能、サポートの範囲をそろえて依頼しましょう。条件が異なると総額を単純に比べられないため、依頼書をひな形にして、製品が増えても同じ条件で依頼できるようにします。
回答を表にまとめると、含まれる項目の違いが見えます。総額だけでなく、追加になる条件や契約の縛りも並べて比較しましょう。不明点は、契約前に提供会社へ確認し、回答の日付も記録してください。
提供範囲から追加コストを見極める製品
追加の費用が生じるかは提供範囲によって変わるため、含まれる機能や支援内容を確認しやすい製品を紹介します。料金は個別に問い合わせて確認しましょう。
ファースト・ストレスチェック
- 厚労省準拠の57項目版と80項目版をWebと紙で受検可能
- 20言語での回答に対応
- 集団分析や高ストレス者への面談など、アフターケアも対応
株式会社マイシェルパが提供する「ファースト・ストレスチェック」は、労働安全衛生法への対応を想定したストレスチェックツールです。評価レポートの作成や集団分析、高ストレス者への医師面談といったアフターケアの機能に対応しています。実施者の手配や労働基準監督署への報告のサポートも用意されているため、これらが基本の提供範囲に含まれるのか、別の契約が必要なのかを確認する際の参考になります。研修動画の配信やAI個別相談機能など、付帯するコンテンツの範囲もあわせて確認しましょう。
Smart相談室
- どんな悩みも歓迎!相談されやすい外部相談窓口(EAP)
- 0次予防から3次予防までSmart相談室だけで完結
- 初めての人でも安心、利用しやすいサービス設計
株式会社Smart相談室が提供する「Smart相談室」は、従業員のメンタルヘルスを支える外部相談窓口(EAP)のサービスです。ストレスチェックをWebで実施でき、評価レポートの作成や医師面談、個別の相談窓口にも対応します。ライフコーチングやハラスメント相談など、ストレスチェック以外の機能も用意されているため、必要な機能の範囲を絞って見積もりを依頼する際に比較しやすくなります。スマートフォンとパソコンのどちらからも利用できます。
ストレスチェッカー (株式会社HRデータラボ)
- 東洋大学との共同研究でストレスレベルを可視化
- 日本産業衛生学会への協賛実績あり
- 「ヒューマンキャピタル2018」に出展
CAPSストレスチェック (CAPS株式会社)
- 簡単な質問でストレスレベルを測定
- 結果をもとにメンタルヘルス対策を支援
- 従業員の健康管理に役立つ情報提供
ストレスチェックに関するよくある質問
ストレスチェックの追加コストについてよくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:見積もりの段階で、追加コストを抑える方法はありますか?
- A:必要な機能と人数、実施回数を絞ったうえで、同じ条件で複数の製品に見積もりを依頼しましょう。含まれる範囲と有料になる範囲を書面で確認すると、後からの想定外の費用を避けやすくなります。
- ■Q2:集団分析のレポートは、契約が必要ですか?
- A:集団分析は現状では努力義務で、実施するかは事業場の判断です。活用したい場合は、標準で出力できる範囲と追加費用の有無を確認しましょう。必要な範囲に絞って契約する方法もあります。
- ■Q3:無料のツールや無料の範囲で、追加コストを避けられますか?
- A:無料の範囲では、受検者数や機能、サポートに制限がある場合があります。制限を超えたときの条件や、有料に切り替えた場合の費用を確認しましょう。自社の規模と必要な機能にあうかを見極めることが大切です。
- ■Q4:予算が決まっている場合、どのように見積もりを依頼すればよいですか?
- A:予算の上限と、必要な人数や機能の条件を提供会社に伝えましょう。その範囲に含まれる内容を、見積書で明確にしてもらうと比較しやすくなります。追加が生じる条件も、あわせて確認してください。
まとめ
ストレスチェックの追加コストは、受検者数、面接指導、集団分析、アカウントや拠点の追加、解約時の条件などで生じる場合があります。見積書の内訳を確認し、3年間の総コストを同じ条件で試算すると、隠れた費用を見落としにくくなります。気になるストレスチェックツールは資料請求して、料金の体系を比較検討しましょう。

