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ローコード開発ツールでシステム構築を進めるには?手順と体制の作り方

ローコード開発ツールでシステム構築を進めるには?手順と体制の作り方

ローコード開発ツールでのシステム構築は、試作品を動かしながら要件を固め、段階的にリリースする進め方が効果的です。そのためには、業務部門が参加する体制と、開発ルールの整備が欠かせません。この記事では、ノーコード・ローコード開発ツールを用いた業務システムの構築手順や体制づくり、運用への引き継ぎについて解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■構築するシステム別
    ■構築体制別

    ローコード開発ツールでの構築が従来開発と違う点

    ローコード開発ツールでの構築は、プログラムを一から書くスクラッチ開発と比べて、作る工程が短くなる分、進め方そのものが変わります。従来と同じ進め方のままでは、ローコードの利点を生かしにくくなります。主な違いを2つ見ていきましょう。

    作りながら要件を固める

    従来の開発では、要件を文書で固めてから設計と開発に進む方法が広く用いられてきました。ローコード開発ツールでは画面をすぐに作れるため、動く試作品を利用部門に見せ、意見を受けて修正する流れを繰り返しながら要件を固められます。

    文書だけでは気づきにくい使い勝手の問題を、早い段階で見つけられるのが利点です。ただし、修正の繰り返しに終わりが見えなくなることもあるため、確認の回数や期限をあらかじめ決めておきましょう。

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    標準機能で作れる範囲を見極める

    ローコード開発ツールで効率よく構築できるのは、製品が用意する部品や機能の範囲で実現できる部分です。標準機能で表現しにくい要件を無理にコードで作り込むと、工数が増え、製品の更新時に動かなくなるおそれもあります。

    要件を整理する段階で、標準機能で作れるもの、少しのコードで補えるもの、別の方法を検討すべきものに分けておくと、構築の見通しが立てやすくなります。業務のやり方を標準機能にあわせて見直すことも、選択肢の一つです。

    ローコード開発ツールでの構築の進め方

    ローコード開発ツールでのシステム構築は、対象を絞って始め、試作で要件を固め、段階的に広げていく流れで進めます。各段階で何を決めるのかを整理しておくと、プロジェクトの迷走を防げます。ここでは3つの段階に分けて、順に確認しましょう。

    対象業務と範囲を決める

    最初に、どの業務をシステム化するのかと、今回の構築で対応する範囲を決めます。すべての業務を一度に扱おうとすると、関係者の調整に時間がかかり、構築が長引く可能性があります。

    効果が見えやすく、関係する部署が限られる業務から始めるのが進めやすい方法です。今回は対象外とする業務も明記しておくと、構築中に要望が広がり続けるのを防げます。目的と完了の基準も、この段階で関係者と合意しておきましょう。

    プロトタイプで要件を固める

    対象が決まったら、主要な画面と処理を備えたプロトタイプ(試作品)を作り、利用部門に操作してもらいます。実際に触ってもらうことで、項目の過不足や入力の手間など、文書では出てこない要望を引き出せます。

    要望はすべて取り入れるのではなく、今回のリリースに含めるものと、次の段階に回すものに分けて管理します。決まった内容は簡単な文書に残し、後から経緯を確認できるようにしておきましょう。

    段階的にリリースして広げる

    プロトタイプで要件が固まったら、業務に必要な機能をそろえて本番に公開し、利用状況を見ながら機能を追加していきます。対象部署や業務を段階的に広げることで、問題が起きた際の影響を抑えやすくなります。

    リリースごとに利用者の意見と利用状況を確認し、次に追加する機能の優先順位を見直します。旧来の方法から切り替える業務では、並行して運用する期間と、旧来の方法をやめる日を事前に決めておくことが大切です。

    構築を担う社内体制とベンダーの関わり方

    ローコード開発ツールでの構築では、開発者だけでなく、業務部門や情報システム部門も構築の当事者です。社内で担う役割と、ベンダーやパートナー企業に任せる範囲を整理しておくと、責任の所在を明確にできます。

    社内メンバーの役割

    構築の中心となるのは、業務を理解する業務部門の担当者、アプリを作る開発担当者、基盤やセキュリティを管理する情報システム部門の担当者です。業務部門の担当者には、要件の判断やテストに一定の時間を割いてもらう必要があります。

    プロジェクトの責任者は、要望の優先順位を決め、範囲が広がりすぎないよう調整する役割を担います。各メンバーが他の業務と兼任する場合は、構築に使える時間をあらかじめ上長と合意しておきましょう。

    ベンダーやパートナー企業への委託範囲

    社内に開発の経験者が少ない場合は、ローコード開発ツールの提供会社や、その製品の構築を手がけるパートナー企業に委託する方法があります。委託の範囲は、設計だけ、開発まで、運用の支援まで、と幅があります。

    すべてを委託すると、構築後の修正も外部に頼る形が続きます。将来は自社で修正したい場合は、構築の過程で社内メンバーが作業に参加し、設計の考え方や作り方を引き継げるよう契約に含めておきましょう。

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    伴走型の支援の活用

    自社のメンバーが構築を進め、専門家が助言やレビューで支える伴走型の支援を提供する事業者もあります。社内に作る力を残しながら、設計の誤りや、製品を使ううえでのつまずきを早めに修正できるのが特徴です。

    支援の内容は、定期的な打ち合わせでの助言、作ったアプリのレビュー、技術的な質問への回答などさまざまです。支援の回数や対応範囲、期間を契約前に確認し、自社のメンバーが何を身につけたいのかを伝えておきましょう。

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    構築前に決めておく開発ルール

    ローコード開発ツールは作る工程が短い分、ルールがないまま進めると、画面ごとに作り方がばらばらになり、後の修正に手間がかかります。複数人で構築する場合は特に、構築を始める前に共通のルールを決めておきましょう。

    画面と命名の共通ルール

    画面の配置や色、ボタンの位置、項目や部品の名前の付け方などを、共通のルールとしてまとめます。画面の作りが統一されていると、利用者が操作に迷いにくく、開発者も他の人が作った部分を修正しやすくなります。

    ルールは細かく決めすぎると守られにくくなるため、最初は最低限の項目から始め、構築を進めながら追加していくとよいでしょう。見本となる画面を1つ作り、それをもとに他の画面を作る方法も有効です。

    データ設計と連携の方針

    複数のアプリで同じデータを使う場合、取引先や商品などのマスタデータをどこで管理するかを先に決めます。アプリごとに別々に持つと、データの重複や不一致が起きやすくなります。

    基幹システムなど外部と連携する場合は、どのシステムのデータを正とするか、どの頻度でデータを受け渡すかも方針として決めておきます。連携が失敗したときの通知と再実行の方法も、設計の段階で検討しておきましょう。

    変更管理と文書化の範囲

    本番に公開した後の変更は、誰が依頼し、誰が承認して反映するのかを決めておきます。開発用と本番用の環境を分けられる製品では、開発環境で修正し、確認してから本番に反映する手順を定めましょう。

    ローコードでは、作った画面や設定が設計情報の役割を果たす部分もあるため、従来ほど多くの文書は必要ない場合があります。それでも、業務の流れや連携の仕様、書き足したコードの内容は、文書に残しておくことが重要です。

    構築後の運用への引き継ぎ

    ローコード開発ツールで構築したシステムは、公開した後も改善を続けやすいことが利点です。その利点を生かすには、構築チームから運用の担当へ円滑に引き継ぎ、改善を回す仕組みを用意する必要があります。

    運用と保守の体制

    公開後の問い合わせ窓口、障害時の連絡先、軽微な修正を担当する人を決めておきます。構築を外部に委託した場合は、保守契約で対応範囲と対応時間を明確にしておきましょう。

    運用を一人の担当者に任せると、不在時に対応が止まります。手順書や設計の文書を共有し、複数人で対応できる状態を整えておくことが、長く使い続けるための前提です。

    利用状況の確認と改善の進め方

    公開後は、利用者の数や入力件数、問い合わせの内容などを定期的に確認し、使われていない機能や改善が必要な画面を見つけます。利用部門からの要望は一覧で管理し、優先順位をつけて対応します。

    改善の結果を利用部門に共有すると、システムへの信頼が高まり、次の要望も集まりやすくなります。構築したシステムを育てていく前提で、改善の担当と見直しの周期を決めておきましょう。

    構築するシステムと体制で比べる製品一覧

    部門の業務アプリから基幹システムとの連携、社外向けのWebシステムまで、構築対象と支援体制に注目して製品・サービスを一覧にしました。構築プロジェクトの計画を立てる際に役立ててください。

    製品名特徴
    AppSuiteアプリライブラリを活用して部門業務からシステム化できる。導入支援パートナーも用意
    Platio Canvas社内業務から顧客向けまで、iOS・Android・Web向けアプリをノーコードで構築可能
    楽々Framework3開発部品の組み合わせにより開発を標準化。既存システムとの連携や開発から運用までを支援
    キントーンサンプルアプリから業務システムを試作可能。プラグインで機能を拡張し、構築をパートナーに相談できる
    Magic受託開発Magic xpaを用いたローコード受託開発。プロトタイプ先行のアジャイル開発で、移行や保守も支援
    SPIRAL WebToolsフォームやWebサイト、業務アプリを構築。作成時のサポートや構築・運用支援に対応
    kintone業務アプリ対面開発サービス開発者と対話しながらkintoneアプリを構築する支援サービス
    AgilePrototypingLab新規プロダクトの構想段階におけるプロトタイピングや仮説検証を支援するサービス

    構築プロジェクトを進めやすいローコード開発ツール

    試作品で要件を確認しながら段階的に構築を進められる製品と、開発や運用を委託できるサービスを紹介します。自社で担う作業と外部へ任せる範囲を整理したうえで比較してみてください。

    AppSuite

    株式会社ネオジャパン
    《AppSuite》のPOINT
    1. 多種多様なアプリライブラリから業務に合わせたアプリを選択可能
    2. 直感操作でデータ編集や検索、並べ替えなどが簡単に行えます
    3. 集計データをポータルで共有してスムーズに社内で情報共有可能

    株式会社ネオジャパンが提供する「AppSuite」は、部門の台帳管理から全社横断的な社内システムまで、段階的に構築を広げられるノーコード業務アプリ作成ツールです。アプリライブラリを起点に試作し、自社の業務にあわせてカスタマイズできます。データベース構築やリレーション、クロス集計、アクセス制御などの機能を備え、集計結果はポータルで共有可能です。導入支援パートナーも用意されており、社内メンバーと外部の専門家で役割を分担して構築を進めたい場合にも適しています。

    楽々Framework3

    住友電工情報システム株式会社
    《楽々Framework3》のPOINT
    1. EOL(サポート終了)を気にせず長く使える開発基盤
    2. 部品活用で高品質・標準化されたシステム開発
    3. 開発から運用保守まで支え、継続改善と内製化を実現

    住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Framework3」は、基幹システムや既存システムとの連携を伴う開発に適した、部品組み立て型のローコード開発基盤です。画面や処理の流れを部品として組み合わせるため、複数人で開発する場合も作り方を標準化しやすい点が特徴です。テストやリリース、運用・監視まで開発サイクル全体を支援し、継続的な改善や内製化にも対応。カスタマイズは提供会社やパートナー企業に依頼でき、構築後の保守まで見据えたシステム開発に向いています。

    キントーン

    サイボウズ株式会社
    《キントーン》のPOINT
    1. AIとノーコードで業務アプリをシュシュッとつくれる
    2. 部署・業種別ですぐに使えるサンプルアプリ
    3. プラグイン・連携サービスを組み合わせて業務がより効率的に

    サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、部門単位の業務アプリを小さく作り、段階的に利用範囲を広げられるクラウド型の業務改善プラットフォームです。ドラッグ&ドロップでアプリを作成でき、100以上のサンプルアプリをひな型にして試作を進められます。プラグインや連携サービスによる機能の追加、APIによる外部システムとの連携にも対応。構築を外部に依頼したい場合は、サイボウズのパートナーネットワークを通じて相談先を探せます。参考価格は10,000円~です。

    Magic受託開発

    株式会社フォリウム
    《Magic受託開発》のPOINT
    1. プロトタイプ先行のアジャイル開発
    2. Magic xpaで短納期ローコード開発
    3. システム移行や保守まで一括支援

    株式会社フォリウムが提供する「Magic受託開発」は、ローコード開発ツールMagic xpaとアジャイル開発を組み合わせたシステム受託開発サービスです。プロトタイプを確認しながら要件を整理するため、仕様が固まりきっていない段階から構築を進められます。既存システムとの連携やデータ移行、稼働後の保守・運用、小規模改修にも対応。製造・テスト工程のみの委託も可能です。社内で担う工程と外部へ委託する工程を分けながら、システム構築を進めたい企業に適しています。参考価格は150,000円~です。

    SPIRAL WebTools

    スパイラル株式会社
    《SPIRAL WebTools》のPOINT
    1. 現場の担当者自身がサイトやフォーム、業務アプリを簡単に作成
    2. 金融機関や官公庁にも採用されるセキュリティ基盤で安心
    3. 柔軟な権限設定で、誰がどのデータを閲覧・編集できるか設定可能

    スパイラル株式会社が提供する「SPIRAL WebTools」は、フォームやWebサイト、業務アプリをノーコードで構築できるクラウドサービスです。問い合わせ受付や会員向けの情報管理など、社外とのデータのやり取りを伴う業務にも活用できます。ドラッグ&ドロップでフォームを作成でき、利用者ごとの閲覧・編集権限も設定可能です。サポートデスクによる作成・活用支援に加え、構築や運用を委託できるサービスも用意されています。自社で作成する部分と、専門家に支援を依頼する部分を分けたい場合に向いています。参考価格は50,000円~です。

    kintone業務アプリ対面開発サービス (株式会社国際協力データサービス)

    製品・サービスのPOINT
    1. お客様と開発者が直接対話。アイデア創出と決定がスピーディ。
    2. プロの助言で課題解決し、期待通りのアプリが作れる。
    3. プロトで概念共有、共同作業で問題解決を早期化。

    AgilePrototypingLab (株式会社Relic)

    《AgilePrototypingLab》のPOINT
    1. 検証結果に基づく確かな示唆と進捗
    2. ノーコード・ローコード開発も可能
    3. 新規プロダクト開発の仮説検証を支援

    まとめ

    ローコード開発ツールでのシステム構築は、対象を絞り、プロトタイプで要件を固め、段階的にリリースする進め方が基本です。業務部門を含めた社内体制と、ベンダーへの委託範囲を整理し、構築前に画面やデータ、変更管理のルールを決めておきましょう。公開後の運用体制まで計画しておくことで、システムを改善し続けられます。ノーコード・ローコード開発ツールの資料請求をして、構築支援の内容や対応できるシステムの範囲を比べてみてください。

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