工程管理システムと会計・原価管理システムの連携で得られる効果
工程の進捗と原価の状況をあわせて把握したい場合、会計・原価管理システムとの連携が選択肢になります。連携で得られる効果と確認しておきたい点を整理します。
会計・原価管理システムと連携するメリット
工程管理システムと会計・原価管理システムを連携すると、工程ごとの実績を原価の集計に反映しやすくなります。担当者が同じ数値を複数のシステムへ入力し直す手間も、軽減できる場合があります。工程の遅延が原価にどう影響しているかを確認しやすくなる点も利点です。
例えば、資材の発注状況や作業実績を工程管理システム側で記録し、それを原価管理システムに連携する運用にすると、月次の原価集計にかかる時間を短縮しやすくなります。ただし、集計のタイミングや項目の定義が両システムで異なると、数値の突き合わせに手間がかかる場合もあるため、事前のすり合わせが必要です。
連携時に確認しておきたい項目
連携を検討する際は、どの項目が自動で連携され、どの項目が手動入力のままになるのかを確認しましょう。すべての項目が自動で反映されるとは限らないため、範囲を把握しておくことが重要です。
あわせて、連携の頻度がリアルタイムなのか、1日に数回のバッチ処理なのかも確認したい点です。反映のタイミングによっては、原価の状況把握に時間差が生じる場合があるため、自社の業務サイクルに合っているかを事前に確認しておくとよいでしょう。
CADデータと連携できる工程管理システムの選び方
設計図面をもとに工程を組む現場では、CADとの連携が業務効率に関わります。連携できる範囲と選定時の確認ポイントを整理します。
CAD連携で見込める業務上の変化
CADで作成した図面データや部材情報を工程管理システムに取り込めると、図面の情報をもとに工程表を作成する際の転記作業を減らせる場合があります。設計変更があった際の情報共有もあわせて行いやすくなります。
ただし、対応できるCADの種類やファイル形式は製品によって異なり、すべてのCADソフトと連携できるとは限りません。自社で使用しているCADソフトの名称やバージョンを伝えたうえで、連携の可否を個別に確認する必要があります。
CAD連携を選定する際の確認ポイント
CAD連携を検討する際は、対応ファイル形式や取り込める情報の範囲を確認しましょう。図面全体を取り込めるのか、部材リストなど一部のデータのみなのかによって、業務での使い方が変わります。
また、設計変更が発生した際に、工程管理システム側の情報がどのタイミングで更新されるのかも確認しておきたい点です。手動での再取り込みが必要な場合は、更新を忘れないための運用ルールをあわせて決めておくと安心です。
勤怠管理システムとの連携で工数把握を効率化する
作業員の勤怠情報と工程の進捗をあわせて確認したい場合、勤怠管理システムとの連携が役立つ場合があります。連携の内容と確認事項を整理します。
勤怠管理システムと連携する場合の確認事項
勤怠管理システムと連携すると、作業員の出勤状況や稼働時間を工程管理システム側で確認できる場合があり、人員配置の調整に活用しやすくなります。ただし、連携できる情報の範囲は製品によって異なります。
出退勤の時刻のみが連携される場合と、現場ごとの作業時間まで連携できる場合があるため、自社が確認したい情報の粒度に対応しているかを事前に確認しましょう。連携先の勤怠管理システムのバージョンによって対応状況が変わることもあります。
工数把握の精度を高めるための運用上の工夫
勤怠情報と工程の進捗をあわせて確認する運用にする場合、入力のタイミングにずれがあると数値の整合性が崩れやすくなります。現場での入力ルールをあらかじめ統一しておくことが重要です。
また、連携データにエラーが生じた場合に、管理者へ通知される仕組みがあるかを確認しておくと、数値のずれに早めに気づきやすくなります。定期的にデータの整合性を確認する運用をあわせて決めておくとよいでしょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で工程管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
チャットツールと連携した現場コミュニケーションの改善
現場と事務所のやり取りをチャットツールで行っている場合、工程管理システムとの連携で通知の見落としを減らせる場合があります。連携の内容と注意点を整理します。
チャットツール連携で期待できる変化
工程管理システムとチャットツールを連携すると、進捗の更新や遅延の発生をチャット上で通知できる場合があり、メールよりも気づきやすいという声もあります。関係者が使い慣れたツールで情報を受け取れる点も利点です。
ただし、通知の量が多くなりすぎると、重要な連絡が埋もれてしまうおそれがあります。通知する項目を絞り込めるか、チャンネルやグループを分けて配信できるかを確認しておくと、運用開始後の混乱を防ぎやすくなります。
連携時に検討したい通知ルール
チャットツールと連携する際は、どの更新をチャットへ通知するかのルールを事前に決めておくことが重要です。すべての更新を通知する設定にすると、確認すべき情報が埋もれやすくなります。
遅延や手配変更など優先度の高い項目に絞って通知する設定にできるかを確認しておきましょう。通知内容から工程管理システムの画面へ直接遷移できるかも、あわせて確認しておくと安心です。
労務安全書類の管理と連携する仕組みづくり
建設現場などでは労務安全書類の管理が求められます。工程管理システムとの連携でどのような対応ができるのかを整理します。
労務安全書類の管理と連携する際にできること
労務安全書類を管理するシステムと工程管理システムを連携すると、作業員ごとの資格情報や安全教育の受講状況を工程の予定と照らし合わせやすくなる場合があります。必要な資格を持つ作業員の配置状況を確認する際の参考になります。
ただし、連携できる書類の種類や項目は製品によって異なるため、自社が管理したい書類の種類が対応範囲に含まれているかを事前に確認する必要があります。対応していない書類については、従来どおり別途管理する運用も想定しておきましょう。
安全管理の体制づくりで意識したい点
労務安全書類の管理を連携させる場合も、確認や更新の作業を1人の担当者に集中させると、担当者が不在のときに対応が滞るおそれがあります。複数人で状況を確認できる体制を整えることが望ましいです。
書類の有効期限が近づいた際に通知される機能があるかどうかも、確認しておきたいポイントです。更新漏れに早めに気づける仕組みがあると、現場に必要な資格者を配置できているかの確認がしやすくなります。
API連携のしやすさを見極めるポイント
自社独自のシステムと組み合わせて使いたい場合は、API連携への対応状況を確認する必要があります。見極めるための具体的な確認項目を整理します。
API連携の対応状況を確認する方法
API連携のしやすさは、感覚的な評価ではなく、公開されているAPI仕様書の有無や、連携できるデータの範囲、認証方式といった具体的な項目で確認することが重要です。ベンダーに直接問い合わせて、対応状況を確認しましょう。
あわせて、APIのリクエスト回数に上限があるか、エラー発生時にどのような応答が返るかも確認しておきたい点です。自社の情報システム部門やシステム開発を担当する事業者と相談しながら、実現したい連携内容が技術的に可能かを検証するとよいでしょう。
API連携を進める際の注意点
API連携を進める際は、本番環境に影響を与えないよう、検証環境やベンダーが許可する方法で事前にテストすることが重要です。連携の設定変更が業務に影響する可能性があるため、慎重な手順が求められます。
また、連携先のシステムがバージョンアップされた際に、既存の連携設定が引き続き動作するかどうかも確認しておく必要があります。連携がうまく機能しない場合は、工程管理システム側・連携先システム側・ネットワーク環境側など、複数の要因を切り分けて確認することが有効です。設定変更の履歴を残しておくと、不具合が起きた際に原因を特定しやすくなります。
他システムとの連携を意識した工程管理システム
会計・原価管理システムや既存の業務システムとの連携を意識して選びたい場合は、以下のような工程管理システムも検討の参考になります。
freee工数管理 (フリー株式会社)
- サービス名称変更
- 外部APIでSalesforce等と連携可能
- freee販売と連携し、売上・原価を自動集計
ものレボ工程管理 (ものレボ株式会社)
- ワンタッチ操作で誰でも簡単に利用可能
- 登録された進捗状況はリアルタイムにシステム上へ反映
- 現場を熟知した製造業出身者による手厚いサポート
現場作業支援 ソリューション (NECソリューションイノベータ株式会社)
- NEC独自の音声認識技術により騒音下でも高い認識精度を実現
- エクセルにより現場部門が検査・点検内容を簡単にメンテナンス
- 基本的な業務フローをすべて音声で操作可能
まとめ
工程管理システムは、会計・原価管理システムやCAD、勤怠管理システム、チャットツール、労務安全書類の管理システムなど、さまざまなシステムと連携できる場合があります。連携できる範囲や条件は製品によって異なるため、自社が実現したい連携内容を整理したうえで、複数の製品を比較しながら確認していきましょう。

