2000年に誕生した新生銀行は、銀行業務だけでなく多様な事業を各グループ企業で展開しています。
2017年4月にグループ融合を進める一環として同社は、持ち株会社を持たず銀行内に「疑似カンパニー(以下、グループ本社)」を作り、そこでグループ企業の総務、財務、経理、人事といった間接部門の統合戦略を打ち出しました。しかし、グループ間接機能の統合を実現するには多くの課題が存在しました。
グループ各社は独自の人事・報酬制度を運用しており、各社人事部で管理している従業員情報の項目や様式は統一されていませんでした。グループ全体としての「適材適所」を考えるには、グループ全体の人材情報を一元管理することが必須と考え、タレントマネジメントシステム(CYDAS)の導入に踏みきったといいます。
株式会社新生銀行にて、シニアオフィサーグループ人事 兼 グループ人事部GMを務める、執行役員(相当)の林貴子氏(以下、林氏)、
「CYDAS」の導入にて重要な役割を果たした、グループ人事部セクションヘッドの矢野宇生氏(以下、矢野氏)は次のように語ります。
「人材情報の統合の際に心がけたのは、それまで属していた企業(原籍)を問わず人材情報を一元管理し、どこに、どのようなタレントがいるのかを可視化できる環境の構築です。さらに、定性的な情報や動的な情報も1つのプラットフォームで管理したいと考えました。」(林氏)
「人材情報には、学歴や入行(社)年度など、履歴書に書かれているデータだけでなく、その人がどのような才能とバックグランドを持ち、どのようなスキルを有しているのかといったことも含まれます。こうした情報が共有可能なプラットフォームが必要だと考えました。」(矢野氏)
また、グループ内での「適材適所」の実現にはもう1つ必要なことがありました。それは「評価軸を統一する」ことです。グループ内6,000名強(インタビュー当時)の社員を同一軸で評価するためにも、システムは不可欠でした。
左:同社 シニアオフィサー グループ人事 兼 グループ人事部GM 林氏
右:同社 グループ人事部セクションヘッド 矢野氏