社員の離職防止に役立つコミュニケーションとは
社員が離職を決断する際、そこに至るまでにじっくりと考えを深めていることが多いです。つまり、一見唐突な離職でも、充分にコミュニケーションを取っていれば早い段階で気づける可能性が高いということです。では、離職を防ぐには具体的にどのようなコミュニケーションを取れば良いのでしょうか。
1.ルールや結論がない「会話」
社員の離職防止には、日常的な会話が役立ちます。日常的な会話とは、ルールや結論がない話のことです。
一見役に立たなさそうなコミュニケーションですが、特に新入社員と上司においては重要な役割を果たします。新入社員が上司との間に信頼関係を構築できれば、それだけで離職率は低下するからです。できれば上司だけでなく、他の社員とも積極的に会話をすると良いでしょう。
2.一つの結論を導き出す「討議」
会話とは対照的に、討議は結論を導くためのコミュニケーションです。新入社員に仕事を教えるうえで必要になるため、業務において非常に重要な役割を果たします。
しかし、討議は一方的な意見の押し付けにならないように注意しなくてはいけません。納得できないまま意見を押し付けるようではコミュニケーションとは言えず、信頼関係の構築は難しいです。
3.相互理解を深め合う「対話」
対話は、相手のことを知ったり共感したりし、相互理解を深めるためのコミュニケーションです。お互いの立場や意見に敬意を払い、どのように付き合っていけば良いのかを明らかにできます。
会話と同様に、一見すると不必要なコミュニケーションと思われるかもしれません。しかし、こうした相互理解を通じて信頼関係を深めることは、離職防止に大きく貢献します。
社員の離職防止につながるコミュニケーション改善方法
離職防止に役立つコミュニケーションが分かっても、それを実行に移すのは容易ではありません。そこで、次は職場のコミュニケーションを改善する方法を紹介します。
部下との「対話」を実施する
日本の企業では「仕事は見て覚えてほしい」という風潮があります。しかし、これでは部下の意見は放置されることになります。部下は自分が理解されているという実感を持てず、上司に信頼感を抱けません。この不安は、離職の大きな原因になります。
そこで、上司は部下と積極的に対話を実施するように努めましょう。一方的に仕事のやり方を押し付けるのではなく、部下の意見にも耳を傾けるようにします。相手がどのような考え方の持ち主なのか、どのように接していくと良いのか考えながら対話します。こうすることで、もし部下が離職を検討し始めていても、早い段階で気づけます。
「会話」を増やす取り組みを実施する
すぐに対話をしようと思っても、新入社員は自らの意見を発してくれないことがあります。これは信頼関係を築けていないのが原因です。
したがって、まずは日常会話を増やすことから始めましょう。始業前や休憩時間などを活用し、とりとめのない会話を行います。その中で、部下に「この人になら話しやすい」と思わせることができれば理想的です。対話や討議を行う際にも積極的に意見を発してくれるでしょう。
ちなみに、会話を増やす取り組みとしてフリーアドレスがあります。IT系や外資系の企業でよく取り入れられていて、座る席を定めないという方法です。座るたびに席が変わるため、必然的に幅広い交流が実現します。気軽に会話できる相手が増えれば不安感は和らぎ、離職のリスクが軽減します。
社員の離職防止に向けた取り組みを効果的に行う方法
コミュニケーションを積極的に取ることが、社員の離職防止につながります。しかし、コミュニケーションだけで離職を防ぐのは難しいこともあります。
そこで活用したいのが離職防止ツールです。これは離職防止を支援する機能をそなえたITツールです。
たとえば、普段社員が使う言葉などから、その人の離職リスクを分析する機能が備わっています。これなら、人が考えるだけではわかりづらい離職の兆候も発見できるでしょう。他にも、コメントをやり取りする機能や社内ポイントを付与する機能など、社員の帰属意識を高める機能が豊富です。隙の無い離職防止対策が実現するでしょう。
コミュニケーション施策を実施し、離職防止につなげよう!
社員が離職する大きな原因にコミュニケーション不足があります。特に昨今の若者にとって、社内コミュニケーションが円滑かどうかは重要な関心事です。以下のコミュニケーションを意識して離職防止に努めましょう。
- ■ルールや結論がない「会話」
- ■1つの結論を導き出す「討議」
- ■相互理解を深め合う「対話」
また、離職防止ツールを併用すれば、より効果的な対策もできます。ツールの導入検討のために、まずは資料請求をして情報収集してはいかがでしょうか。