
厚生労働省が発表した「退職者の離職理由」で多いもの
厚生労働省が発表した「令和5年雇用動向調査結果の概況」と「令和5年若年者雇用実態調査の概況」にもとづき、代表的な離職理由を紹介します。
定年・契約期間の満了、賃金の条件がよくなかった
「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、令和5年1年間の転職入職者が前職を辞めた理由として最も多いのが「定年・契約期間の満了」です。男性では全体の16.9%、女性では9.8%です。男性では微増傾向、女性では減少傾向にあります。
一方、「令和5年若年者雇用実態調査の概況」によると、「初めて勤務した会社をやめた理由」として最も多いのは「賃金の条件がよくなかった」で、 28.5%を占めています(3つまで複数回答可)。平成30年の調査と比較すると5.1%増加しており、賃金条件を重視する傾向が強くなっているといえるでしょう。
労働時間・休日などの条件が悪い
「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が離職理由として挙げられています。男性では8.1%、女性では11.1%です。令和3年の調査結果と比較して微増傾向にあります。
「令和5年若年者雇用実態調査の概況」でも「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が挙げられており、28.5%を占めています。近年はワークライフバランスが叫ばれ、特に若者はこの考え方を重視する傾向があります。たとえよい給与をもらえても、プライベートを犠牲にしたくないという考えは根強いでしょう。
職場の人間関係が好ましくない
「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、「職場の人間関係が好ましくなかった」が離職理由に挙げられています。男性では9.1%、女性では13.0%です。
「令和5年若年者雇用実態調査の概況」でも「人間関係がよくなかった」が挙げられており、26.4%を占めています。
職場は1日の大半を過ごす場所です。したがって、社内の人間関係が悪いと社員は非常に大きなストレスを抱えます。特にハラスメントなどが横行している場合、社員の離職を防ぐのは困難です。
参照:令和5年雇用動向調査結果の概況|厚生労働省
参照:令和5年若年者雇用実態調査の概況|厚生労働省
社員の離職を防ぐ対策方法
ここまでで紹介してきた理由による離職を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。代表的な対策方法を3つ紹介します。
- ■待遇の見直し
- これは「賃金の条件がよくなかった」に対する解決方法です。評価制度を見直し、社員の給与が適切な評価に基づいて上昇する仕組みを整えましょう。また、福利厚生の充実も社員の満足度を高めるのに有効です。
- ■柔軟な働き方の推進
- 「労働時間・休日などの条件が悪い」に対する解決方法として、柔軟な働き方の推進があります。フレックスタイムや在宅ワークなど、社員各々が自分の裁量で働けるように環境を整備しましょう。
- ■社内コミュニケーションの促進
- 「職場の人間関係が好ましくない」という離職理由に対する根本的な解決は、職場の風通しをよくすることです。上司と部下はもちろん、部署を跨いだ交流も促進し、居心地のよい環境を目指しましょう。
離職対策の効果的な実施にはツールの活用がおすすめ
離職対策を効果的に行うには、離職防止・定着向上ツールの活用がおすすめです。これは、社員の離職を防ぐ機能を備えたITツールのことです。
例えば、コメントやスタンプなど、社内でのコミュニケーションを推進する機能を備えた製品があります。コミュニケーションを活性化することで、人間関係を原因とする離職が防止できるでしょう。また、これまでの離職者における離職理由を分析し、自社で講じるべき対策を明確にしてくれるツールもあります。社員の不満を把握して適切な対処をとることで、離職を防げます。
離職防止・定着向上ツールを活用すれば、先述した離職防止対策の効率的な実施が可能です。すべての対策を人力で行うのは大変ですが、ツールを活用すれば的確な対策を実現できるでしょう。
以下の記事では、ITトレンドがおすすめする離職防止・定着率向上ツールを紹介しています。実際にどのようなツールがあるか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
まとめ
厚生労働省の調査では、定年・契約期間の満了のほかに、賃金や労働時間・休日、職場の人間関係が主な理由となっています。これらの原因による離職を防止するには、離職防止・定着率向上ツールの導入が有効です。
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