VPN導入に必要な機器
VPN導入したいけれど、何を用意したらいいのかわからないという人もいるでしょう。VPN環境を構築するために必要なものは、以下の2種類のどちらかを用意します。
VPNルーター
VPNルーターは、社内LANとインターネットを接続するルーターにVPN機能も追加されているものです。VPNの基本機能であるトンネリングや暗号化機能が備わっています。通信したい拠点すべてに設置する必要があるでしょう。プロトコルは、PPTPやL2TP対応が最低限必要で、速度やセキュリティ強度もさまざまです。
VPNゲートウェイ
VPNゲートウェイは、VPN環境の構築では必ず設置しなくてはなりません。各拠点の社内LANとインターネットの間に設置し、暗号化された安全な通信を行います。VPNルーターの役割を兼ねた製品が一般的です。拠点の数により必要な機能が異なり、セキュリティ機能もさまざまなため、通信業者に相談しましょう。
VPNの導入方法・手順
では、実際に導入を進めるにあたり、どのように構築すればよいのでしょうか。今回は、VPNサービスのなかでも利用率の高い「インターネットVPN」「IP‐VPN」の導入方法や手順を解説していきます。
インターネットVPNを導入する場合
インターネットを経由してVPN環境を構築するインターネットVPNの構築方法をみていきましょう。
1.VPNルーターを準備する
VPNルーターは、購入またはレンタルで利用できます。ルーターを購入した場合は、ネットワークに詳しい人であれば構築することは可能でしょう。ランニングコストは抑えられますが、トラブル発生した際に解決するまでVPNが使えないなどのリスクがあります。
一方、レンタルの場合は契約内容によりますがサポートなどもあるため、トラブル時の復旧は早いでしょう。しかし、VPNを使用している間ランニングコストがかかります。
2.各拠点にVPNルーターを設置する
VPNルーターの準備ができたら、VPN通信を行いたい拠点に設置します。各拠点をVPNで接続するために設定の必要があります。設定方法は、製品により異なりますのでルーターのマニュアルやレンタル業者に確認しましょう。
3.端末でVPN設定する
VPNに接続するパソコンやタブレットやスマートフォンなどでVPN設定を行います。VPNの種類や端末によりソフトやアプリのインストールが必要となる場合があります。従業員の利用端末もあらかじめ確認しましょう。
IP-VPNを導入する場合
IP‐VPNの場合は通信業者が保有する回線を利用するため、通信会社のVPNサービスと契約します。
1.通信会社とVPNの契約
通信会社のVPNサービスは、利用人数や希望の通信速度などさまざまなプランがあります。また、VPN通信の運用やサポートなどのサービスもそれぞれ異なるため、自社にあった業者と契約をしましょう。
2.CEルータの設置
通信業者と接続するための拠点内には「CE(Customer Edge)ルーター」と呼ばれる機器が必要です。通信会社と契約するとCEルーターが送られてくるでしょう。複雑な設定の必要はなく企業のIPアドレスをCEルーターに設定すると、IP‐VPNを利用できます。
「インターネットVPN」「IP‐VPN」それぞれの導入方法を紹介してきました。自社にあったVPNの導入を相談したいという方は、下記のボタンより法人向けVPN製品の無料資料請求をしてください。
VPNの利用シーン
では、VPNにはどのような使い方があるのでしょうか。主な利用シーンを2つ、ご紹介します。
「リモートアクセス」で拠点と不特定多数の地点を繋ぐ
VPNによってセキュアな環境下での通信が可能になるため、外出先や自宅など、場所を問わず安心して社内システムやネットワークにアクセスできます。そのため、在宅勤務やリモートワーク推奨企業でも、オフィス以外の場所での仕事が安全に行えるでしょう。
また、PCだけでなくスマートフォンやタブレット端末にも対応しているので、インターネット環境さえあれば、いつ・どこからでも仕事ができます。
「拠点間接続」ではすべての拠点同士を繋ぐ
例えば「本社と拠点A」といった1:1での接続に限られた専用線と違い、VPNは「拠点Aと拠点B」「拠点Bと拠点C」など、すべての拠点同士でデータ通信が可能です。複数の拠点間でやりとりするデータには、特に機密情報や個人情報などの重要なデータが含まれることもあるため、メールよりも、安全に共有ができるでしょう。
このようにVPNは、「リモートアクセス」では拠点と不特定多数の地点を、「拠点間接続」ではすべての拠点同士を接続して利用できます。さらにリモートアクセスと拠点間接続を併用することで、さらなる業務の効率化や情報共有の強化が実現可能でしょう。
以下の記事ではVPNの活用方法について解説しています。VPNについてより理解を深めたい方は参考にしてください。
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VPNが安全にデータ通信できる仕組み
セキュアな通信環境を構築できるVPNですが、情報漏えいや第三者による盗み見などのリスクを防ぐために、「トンネリング」「暗号化」という2つの機能が備わっています。
VPNの機能1:トンネリング
送受信者の間に仮想のトンネルを作り、そのなかでデータ通信を行う仕組みです。
トンネリング機能を利用することで、外から中でどんなデータがやり取りされているか見えにくくできます。VPNの特徴でもある安全な通信環境の構築に欠かせない機能でしょう。
VPNの機能2:暗号化
トンネリングによって外からは通信データをみられないものの、トンネルの中は情報が無防備に流れている状態です。つまり、中に侵入されてしまうと通信内容を読み取られてしまう可能性も否定できません。この危険性を小さくする機能が、暗号化機能です。
暗号化機能を使うことで、データを暗号化し万が一侵入されても内容は解読できません。つまり、トンネリングと暗号化機能によってVPNの安全な通信環境が作られるのです。
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自社にあった方法でVPNを導入しよう!
VPN導入に必要なもの、具体的な利用シーンについて紹介しました。インターネットVPNとIP-VPNとでは、導入方法が異なるので、注意が必要です。また、VPN製品にはさまざまな種類やサービス、利用形態があるので自社にあった製品を検討しましょう。
気になるVPNがある場合は、資料請求をして比較検討していくことをおすすめします。
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