VPNとは?
VPNとは、インターネット上に特定の人だけが使える仮想の専用回線を構築する情報通信技術の1つです。
データの送受信間に仮想のトンネルを作り(トンネリング)、それを使って通信を行います。トンネルは盗聴・改ざんといった脅威から情報を守ることが可能です。さらに、送受信の「認証」を行い通信内容を「暗号化」します。
この、認証・暗号化により仮想専用回線のセキュリティの強化が行われ、安全な情報通信が実現できるのです。
企業でVPNが必要なシーン
企業でVPNが必要とされるのは次のようなケースです。
- ●社員が無料Wi-Fiを使って仕事をする時
- ●離れたオフィス間でLANを構築したい時
- ●中国など情報規制のある国で仕事をする時
- ●IP電話を安全に使いたい時
社員が無料Wi-Fiを使って仕事をする時
クラウドを導入する企業が増える中、無料Wi-Fiを利用して仕事をする社員は多くなっています。
無料Wi-Fiは公共施設やさまざまな店舗で利用できる利便性の高さが特徴です。しかし公衆のネットワークを利用しているため、盗聴や改ざんなどのリスクが高くなってしまいます。
VPNを活用すると仮想の専用回線を通じて無料Wi-Fiの通信内容を暗号化することが可能なため、無料Wi-Fiでも安心して仕事ができます。情報資産を守るためにもVPNの必要性は高くなるでしょう。
離れたオフィス間でLANを構築したい時
本社と支社(拠点)をつなぐLANを構築する場合、従来は専用回線の敷設が必要でした。専用回線は速度が安定しており可用性も高い一方で、距離が遠くなるほどコストが高くなるという特徴を持っています。
VPNは物理的に回線を敷設しないため、コストを抑えた利用が可能です。さらに、本社と支社だけでなく拠点同士の接続やリモートアクセスにも対応しているので、まさに現代の働き方に適したシステムといえます。
中国など情報規制のある国で仕事をする時
中国など情報規制のある国ではインターネットに自由にアクセスできません。インターネット検閲があり、さまざまな制限を受けてしまうためです。
規制のある国でインターネットにアクセスする必要性が生じた場合、VPNを活用できます。トンネリングやデータの暗号化によりネット検閲下でも日本のサーバにアクセスして仕事ができます。
しかし、近年、中国ではIT技術の向上によりVPNの暗号化を解読できるケースがあります。その場合、日本のサーバにアクセスできない、あるいは通信障害が生じる場合があるので注意が必要です。情報規制のある国でVPNを使用する際は、サービスが利用できるかあらかじめ確認をしましょう。
IP電話を安全に使いたい時
VPNはインターネット回線を利用したIP電話にも機能を応用できます。
LINEやSkypeなどのようなインターネット回線を利用したVoIP(ボイスオーバーアイピー電話)はセキュリティが低く、通話内容が盗聴・録音される可能性があります。
しかし、VPNを利用すると通話内容が暗号化されるため、安全にIP電話を使うことが可能です。業務上、安全な通信の構築の必要性がある場合など、VPNの技術によりセキュリティの高い通話を実現します。
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個人でVPNが必要なシーン
つぎに、個人利用でVPNの活用をおすすめしたい3つのケースをご紹介していきます。
- ●サーチエンジンに情報を渡したくない時
- ●旅行などの外出先で安全にネットを使いたい時
- ●海外のサービスを利用したい時
サーチエンジンに情報を渡したくない時
YahooやGoogleなどのサーチエンジンを利用してさまざまな事柄を検索する際、サーチエンジンはIPアドレス(※)や検索内容を記録します。
IPアドレスや検索内容を記録する目的は検索の性能を向上させるためです。しかし、見方を変えると個人の知りたい情報や行動の全てが自動的にサーチエンジンに記録されていることになります。
そこでVPNを利用してインターネットに接続すると、IPアドレスの匿名化が可能になります。この機能により、サーチエンジンに個人に関するさまざまな情報を渡すことなくインターネットが利用できます。
※IPアドレス:プロバイダと契約する際にユーザーに割り振られた識別番号のこと。
旅行などの外出先で安全にネットを使いたい時
旅行先でインターネットを利用する場合、ホテルやカフェなどの施設の無料Wi-Fiを使うことが多くなるでしょう。
無料Wi-Fiは利便性が高い一方で通信内容が暗号化されていません。そのため、データの盗聴や改ざんなどのリスクが高くなってしまいます。また、海外では国ごとにWebサイトのアクセス制限をしている場合もあり、閲覧したいサイトにアクセスできないこともあるでしょう。
旅行先でネットを安全に使いたい場合、また、アクセス制限を受けずにWebサイトを利用したい場合などは、データの送受信時に暗号化が行われるVPNの活用をおすすめします。
海外のサービスを利用したい時
VPNには、どこか違う場所からWebサイトにアクセスしているように見せられる機能もあります。別の国のサーバーに接続し、その国でしか利用できないローカルコンテンツにアクセスできるようになるのです。
この仕組みを利用すると、IPアドレスの送信元を匿名化して、海外の動画コンテンツサイトやニュース番組、地域規制のかかったオンラインゲームも利用できます。
VPNの利用方法は?
企業と個人の2つの利用場面からVPNの導入方法と必要なものについて解説していきます。
VPN製品を導入する
企業でVPNを利用するためにはルーターなどの専用機器が必要です。企業向けVPNの種類と使用するルーターは以下のとおりです。
- ■インターネットVPN
- インターネット環境があれば気軽に導入でき、拠点間を接続するほか、外出先から社内ネットワークにアクセスすることも可能です。インターネットVPNの利用には「VPNルーター」が必要です。家庭や企業にあるルーター自体にVPN機能を搭載しているものもありますので機器を導入する前に確認してみましょう。また、外出先からの利用を視野に入れている場合はVPN機器の他に専用ソフトも必要となります。
- ■IP-VPN
- 通信事業者が提供する専用回線を利用してVPNを構築する方法です。契約者だけが利用できるので、インターネットVPNに比べて安全性が高いのが特徴です。利用には、通信事業者と接続するための「CE(Customer Edge)ルーター」と呼ばれる機器が必要です。
導入方法や必要な機器について、詳しくはこちらからご覧いただけます。
VPNアプリを導入する
個人でVPNを導入する場合は、パソコンやスマートフォンなどのモバイル端末で使えるVPNアプリを導入しましょう。VPNアプリは、セキュアな環境を構築するソフトウェアとVPNサーバをユーザーに提供するサービスです。
iPhoneやAndroidのスマートフォン、タブレットにはVPN機能は標準搭載済みのため、設定アプリから導入準備が行えるでしょう。なお、VPNアプリを導入する際に気をつけるべき点は以下のとおりです。
サービスの中には通信内容を記録し、第三者へ販売する業者も少なからず存在します。VPNアプリを導入する際は、慎重にサービス選定を行うことが大切です。
VPNの必要性を踏まえて製品検討しよう!
これまで紹介したとおり、VPNの利用シーンはさまざまです。セキュアな環境でデータのやり取りを行うためにもVPNの導入は必須といえます。接続方法や提供サービス、アプリなども種類が多いため、しっかりと製品の比較をしてから自社にあったものを選ぶ必要があります。
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