ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■AIの活用範囲別
- 攻撃の判定に機械学習を使いたい:Ray-SOC WAF、Cloudbric WAF+、国産クラウド型WAF「Scutum(スキュータム)」、Radware Products、Impervaアプリケーション・セキュリティ、F5 Advanced Web Application Firewall、secuWAF
- ボットによる不正アクセスを判別したい:Radware Products、Cloudbric WAF+、F5 Advanced Web Application Firewall、App&APIProtector
- 防御ルールの調整や更新を自動化したい:Radware Products、App&APIProtector、WafCharm
- ■運用体制別
- 自社で検知結果を確認し調整したい:BLUE Sphere、国産クラウド型WAF「Scutum(スキュータム)」、攻撃遮断くん(株式会社サイバーセキュリティクラウド)
- チューニングを含む運用を任せたい:Ray-SOC WAF、Cloudbric WAF+、国産クラウド型WAF「Scutum(スキュータム)」、攻撃遮断くん(株式会社サイバーセキュリティクラウド)
WAFのAIの活用方法|担う役割と使われる場面
WAF(Web Application Firewall)は、Webサイトへの通信を検査し、Webアプリケーションの弱点を狙う攻撃を防ぐ仕組みです。AIはその検査の精度を補う役割を担っており、主に次の3つの場面で使われています。どの場面でAIを使うかは製品ごとに異なるため、自社が防ぎたい攻撃と照らし合わせて確認しましょう。
シグネチャ型検知の補完
AIの役割の1つ目は、シグネチャ型検知の補完です。シグネチャとは、SQLインジェクションのような既知の攻撃に見られる文字列や形式を登録した定義のことです。登録済みの攻撃には有効ですが、文字列を少し変えた攻撃や新しい手口は見逃す場合があります。
機械学習を使うと、過去の攻撃データから特徴を学び、定義と完全に一致しない通信も攻撃の疑いがあると判定できます。シグネチャとAIを組み合わせて判定する製品もあり、両方の結果を踏まえて遮断するかを決める仕組みが用いられています。
正常な通信の学習による異常検知
2つ目は、自社サイトの正常な通信を学習し、そこから外れた通信を見つける使い方です。例えば、普段は数字しか入らない入力欄に長い文字列が送られた場合や、短時間に同じページへ大量のアクセスが集中した場合に、異常として検知します。
攻撃の手口を事前に知らなくても、通常と違う動きから異常を捉えられる点が特徴です。ただし、サイトの改修直後は通信の傾向が変わるため、学習し直す期間が必要な場合があります。
ボットや自動化された攻撃の判別
3つ目は、人によるアクセスとボットによるアクセスの判別です。ボットとは、プログラムで自動的にWebサイトへアクセスする仕組みのことです。検索エンジンの巡回のように必要なボットもあれば、盗んだIDとパスワードを大量に試す攻撃に使われるボットもあります。
AIはアクセスの間隔や操作の流れ、端末の情報を手がかりに、人の操作らしいかを判定します。パスワードリスト攻撃やWebサイト情報の不正な収集への対策として活用されています。
AI搭載のWAFで期待できる効果と限界
AIを活用したWAFには、未知の攻撃への備えや、誤検知の調整にかかる手間の軽減といった効果が期待できます。ただし、判定の根拠が見えにくいといった限界もあるため、両面を理解しておきましょう。
未知の攻撃パターンへの備え
AI搭載のWAFに期待できる効果の1つは、未知の攻撃パターンへの備えです。シグネチャ型のWAFは、新しい攻撃が見つかってから定義が追加されるまでの間、その攻撃を検知できない可能性があります。
機械学習による判定は、攻撃の特徴や通常との違いから判断するため、定義の更新を待たずに不審な通信を検知できる場合があります。ただし、未知の攻撃を確実に検知できると言い切れるものではなく、シグネチャの更新やWebアプリケーション側の修正とあわせて対策することが大切です。
誤検知の調整にかかる手間の軽減
2つ目の効果は、誤検知の調整にかかる手間の軽減です。誤検知とは、正常な通信を攻撃と判定してしまうことです。シグネチャ型だけで運用すると、自社サイト特有の入力形式が攻撃と判定され、除外設定を何度も追加する作業が発生する場合があります。
正常な通信を学習するAIを使うと、自社サイトにあった判定に近づけやすくなります。製品によっては、AIが誤検知の候補や除外設定を提案する機能もあるため、運用負担の軽減が期待できます。ただし、提案をそのまま適用すると防御が弱まる場合もあるため、適用前に内容を確認する手順を決めておきましょう。
判定の根拠が見えにくいという限界
AIの限界として、判定の根拠が見えにくい点が挙げられます。シグネチャ型であれば、どの定義に一致したかを確認できますが、機械学習の判定は複数の特徴を組み合わせて行うため、なぜ遮断したのかを説明しにくい場合があります。
根拠がわからないと、誤検知かどうかの判断や、取引先への説明に時間がかかるおそれがあります。導入前に、判定理由がログや管理画面でどこまで表示されるかを確認しておきましょう。
生成AIの普及でWAFに求められる対策
生成AIの普及は、WAFにとって守り方の見直しを求める変化でもあります。攻撃する側が生成AIで手口を自動化する可能性がある一方、自社で生成AIを組み込んだWebアプリやAPIを公開する企業もあるためです。
攻撃の自動化や巧妙化への備え
攻撃者が生成AIを使うと、攻撃用の文字列を大量に作り替えたり、脆弱性を探す作業を自動化したりできる可能性があります。脆弱性とは、プログラムの不具合や設計上の問題によって生じるセキュリティの弱点のことです。
こうした変化に備えるには、シグネチャの更新頻度の確認に加え、アクセス数の上限設定やボット対策、AIによる異常検知を組み合わせることが有効です。1つの検知方式だけに頼らず、複数の対策を重ねる考え方が求められます。
生成AIを組み込んだWebアプリやAPIの保護
自社のWebサービスにチャット形式の生成AIを組み込む場合、プロンプトインジェクションと呼ばれる攻撃への備えも検討が必要です。これは、AIへの指示文に細工をして、本来は答えない情報を引き出したり、想定外の動作をさせたりする手口です。
WAFで対応できる範囲は製品によって異なり、アプリ側の入力制限や出力の確認とあわせた対策が前提です。APIの通信を検査できるか、生成AI向けの防御ルールがあるかも、ベンダーに確認しましょう。
既存の防御ルールの点検
生成AIによる攻撃の変化に備えるうえでは、新しい機能を足す前に、今ある防御ルールを点検することも大切です。例えば、管理画面へのアクセス元が限定されているか、ログイン画面に試行回数の上限があるかといった基本的な設定を確認します。
公開しているAPIに認証がかかっているか、使っていないページやテスト用の画面が残っていないかもあわせて見直しましょう。攻撃の入口を減らしておくと、AIによる検知が必要な範囲も絞り込めます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でWAFの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
AI搭載WAFにおけるAI運用のコツ
AI機能付きのWAFは、導入するだけで効果が出るとは限りません。学習期間の扱いやログの確認方法、運用をどこまで任せるかを事前に決めておくと、導入後の調整がスムーズに進みます。資料請求や問い合わせの段階で、次の点を質問しておくとよいでしょう。
学習期間と検知モードの運用方法
正常な通信を学習するタイプのAIは、導入直後から十分な判定ができるとは限りません。学習期間中は遮断せずに記録だけを行う検知モードで動かし、判定の傾向を確認してから遮断を始める運用が考えられます。
学習に必要な期間や、検知モードと遮断モードを切り替えられるかは製品によって異なります。キャンペーン時のようにアクセスの傾向が大きく変わる時期の扱いも、ベンダーに確認しておきましょう。
ログと判定理由の確認方法
AIの判定を運用で生かすには、ログで何を確認できるかが重要です。遮断した通信の送信元や対象のページ、判定の理由、危険度の目安が表示されると、誤検知かどうかの判断材料が得られます。
あわせて、異常を検知した際の通知方法や、ログの保存期間、ほかのセキュリティ製品へのログ転送に対応しているかも確認しましょう。インシデントが起きた際に、原因の調査や再発防止の検討に使えるかどうかがポイントです。
運用を任せる範囲の切り分け
AI機能があっても、誤検知への対応や防御ルールの見直しを判断する担当者は必要です。社内にセキュリティの専門知識を持つ人材が少ない場合は、チューニングや監視を代行する運用サービスの利用も選択肢です。
ただし、サービスによって対応範囲は異なり、ログを報告するだけの場合もあれば、設定変更まで行う場合もあります。自社で判断する範囲とベンダーに任せる範囲を決め、担当者が1人に偏らないよう複数人で状況を共有する体制を整えましょう。
AI搭載のWAFを比較するポイント
AI機能を搭載したWAFは、製品ごとにAIが担う範囲や提供形態が異なります。ここでは、比較する際に確認したい3つの点を整理します。
AIが対象とする検知機能の範囲
AIの役割は、異常な通信の検知、ボットの判別、誤検知の抑制など、製品によって異なります。AI機能の有無だけで比べると、自社が求める検知を満たしているか判断できません。
そこで、自社が守りたいWebサイトで想定する攻撃や、現状の運用で負担になっている作業を書き出しておきます。そのうえで、各製品の資料でAIが対象とする範囲を照らし合わせます。
提供形態と運用体制との相性
WAFには、クラウド型、アプライアンス型、ソフトウェア型などの提供形態があります。AIによる学習のデータをどこで処理するか、設定や監視を誰が担うかは、形態によって異なります。
自社に専任のセキュリティ担当者がいない場合は、運用の支援や監視サービスが付くかも比較の対象です。保守体制や対応時間もあわせて確認しておきましょう。
判定理由の確認と調整の可否
AIが通信を遮断した理由を確認できなければ、正常な通信を止めたときの原因調査が難しくなります。判定理由をログや管理画面で確認できるかは、運用の負担に直結します。
あわせて、誤検知が出た場合に除外設定や検知の感度を調整できるかも確かめます。調整の手順が自社で対応できる内容か、事業者の支援が必要かも、導入前に聞いておくと安心です。
AI機能の記載があるWAF製品の特徴一覧
機械学習やAIエンジンを備えたWAFと、運用の自動化やマネージド運用に強みを持つWAFを、特徴の違いがわかるように一覧で整理しました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| Ray-SOC WAF | 独自AIエンジンを搭載し、運用代行と月次レポートが付く |
| Cloudbric WAF+ | 論理演算検知エンジンとAIエンジンを搭載したクラウド型 |
| 国産クラウド型WAF「Scutum(スキュータム)」 | AI型WAFエンジンとアノマリ検知を備えるクラウド型 |
| Radware Products | AI・機械学習で自動防御するWAAPで、Bot管理にも対応 |
| BLUE Sphere | WAFとDDoS防御、サイバー保険をまとめて利用できる |
| 攻撃遮断くん(株式会社サイバーセキュリティクラウド) | 攻撃をリアルタイムで確認でき、保守運用を任せられる |
| Impervaアプリケーション・セキュリティ | 機械学習による分析を備え、Cloud WAFとゲートウェイ型を選べる |
| F5 Advanced Web Application Firewall | 行動分析とマシンラーニングを活用し、ボット対策も備える |
| secuWAF | 機械学習で未知の攻撃にも対応するクラウド型WAF |
| App&APIProtector | WAFにボット緩和やAPI保護を統合し、自動チューニングを備える |
| WafCharm | AWSなどのWAFルールを自動で作成・更新する運用サービス |
AIによる検知と運用の負担軽減を支えるWAF
AIの使われ方は製品ごとに異なるため、検知の仕組みと運用の任せ方に分けて、導入候補になる製品を紹介します。
Ray-SOC WAF
- 独自AIエンジンで未知の攻撃も検知・ブロック
- マネージドサービス付きなので、管理の手間はほとんど不要
- 月額3.5万円から。日本の技術チームがサポートします。
株式会社レイ・イージス・ジャパンが提供する「Ray-SOC WAF」は、ホワイトハッカーの知見を学習させた独自開発のAIエンジンを搭載したクラウド型WAFです。シグネチャでは防ぎにくいゼロデイ攻撃や、複数の攻撃パターンを組み合わせた脅威の検知・遮断を対象としています。導入はDNS設定の変更で行え、誤検知のチューニングや月次レポート、DDoS対策までサービスに含まれます。AIの判定に加えて、運用担当者の目でも確認する体制を重視する企業の選択肢です。
Cloudbric WAF+
- 特許取得のロジック&AIエンジンを搭載、高い攻撃検知力
- WAF/DDoS攻撃遮断/API保護/ボット対策/Malicious IP遮断
- 24時間365日監視体制と専門家にお任せのマネージドサービス付帯
ペンタセキュリティ株式会社が提供する「Cloudbric WAF+」は、自社開発の論理演算検知エンジンとAIエンジンを搭載したクラウド型WAFです。シグネチャの追加や更新に頼らずに新種の攻撃パターンを検出する点を特徴とし、DDoS攻撃の遮断、API保護、ボット対策、悪性IPの遮断もあわせて利用できます。導入時と運用時にセキュリティエキスパートによるマネージドサービスが付き、専用コンソールで検知の履歴も確認できます。AIとロジックベースの検知を併用したい場合に向きます。
国産クラウド型WAF「Scutum(スキュータム)」
- 2009年から進化を続ける、Scutum独自の検知・防御性能
- 重大な脆弱性に24時間以内で対応してきた豊富な実績
- 導入後のWAF運用も、専門チームが継続してサポート
株式会社セキュアスカイ・テクノロジーが提供する国産クラウド型WAF「Scutum(スキュータム)」は、独自開発のAI型WAFエンジンを備えたクラウド型WAFです。確率的グラフィカルモデルの一種であるベイジアンネットワークに加え、サイトごとの特性を機械学習で捉えるアノマリ検知機能を導入しており、シグネチャだけに依存しない検知を行います。ルール更新やチューニング、誤検知への対応は、国内の専門チームが24時間365日の体制で支援します。
Radware Products
- 未知の脅威や巧妙化するWeb攻撃に対応できる高い防御性能
- AI活用による分析や運用の自動化で運用負荷を軽減
- 大規模攻撃にも対応するグローバル防御基盤
株式会社日立ソリューションズが提供する「Radware Products」は、AI・機械学習による自動防御を特徴とするクラウド型のWAAPソリューションです。WAFにDDoS対策、Bot管理、API保護を統合し、正規の通信を学習したうえで、シグネチャと振る舞いの検知を組み合わせて未知の攻撃やゼロデイ攻撃への対応を図ります。Bot管理では、アクセスの挙動から人間と良性Bot、悪性Botを自動で判別します。自動学習と自動防御により、手動でのチューニングの負荷を軽減できる点も特徴です。
BLUE Sphere
- WAF/DDoS防御/DNS監視/サイバー保険がオールインワン
- ドメイン無制限で複数サイトを1つの契約で守る!
- 三井住友海上火災保険「サイバープロテクター」が無償で付帯!
株式会社アイロバが提供する「BLUE Sphere」は、検知結果を管理画面で確認しながら調整できるクラウド型のセキュリティサービスです。WAFにDDoS防御、DNSハイジャック監視、サイバー保険の付帯を組み合わせ、論理基盤型の検知エンジンでゼロデイ攻撃にも対応します。管理画面では、ログや攻撃状況の分析、レポートの表示とファイル出力、特定URLの除外、IPアドレスや国別の許可・拒否を設定できます。ログを見ながら、自社の判断で設定を変えたい場合の選択肢です。
攻撃遮断くん(株式会社サイバーセキュリティクラウド)
- あらゆる規模のWebシステムへ導入できる最適なWAFを提供。
- DDoS対策プランや定額制プランなど多数のサービスプランを提供。
- 自社開発だからできる手厚いサポート体制。
株式会社サイバーセキュリティクラウドが提供する「攻撃遮断くん(株式会社サイバーセキュリティクラウド)」は、攻撃の可視化と保守運用の代行を特徴とする国産のクラウド型WAFです。攻撃の時間や攻撃元IP、攻撃の種類を管理画面でリアルタイムに確認でき、検知のたびに防御証明メールで通知されます。シグネチャは最新の状態に更新され、ホワイトリストの登録で検知の対象外にするIPアドレスも指定できます。保守や運用は提供元に任せる形で、月次のコンサルティングレポートも提供されます(DNS切り替え型は別途費用)。
Impervaアプリケーション・セキュリティ (株式会社Imperva Japan)
- フル機能のセキュリティであらゆるサイバー攻撃から防御!
- さまざまなサイバー攻撃を高度に分析し、セキュリティに反映!
- クラウド型/ゲートウェイ型からWAFの形式を選択可能!
F5 Advanced Web Application Firewall (エフファイブ・ネットワークス・ジャパン合同会社)
- 米大手企業など豊富な導入実績を持つグローバル企業が提供!
- 独自の技術を活かして最新のサイバー攻撃からも防御!
- 導入オプションが豊富!組織のニーズに合わせて利用できる
secuWAF (株式会社セキュアイノベーション)
- 専用プラットフォームによって、安定性と信頼性を確保できる
- セキュリティ管理によって脅威性の高い、WEBサイトを検知
- 定期的にマルウェアが仕込まれていないか、診断を行う
App&APIProtector (Akamai Technologies, Inc.)
- 自動チューニングとワンクリック更新で防御力を維持。
- ボット、DDoS、OWASP Top 10の脅威をリアルタイムで検知・緩和。
- DevOps環境へCI/CDやAPI統合で導入容易。
WafCharm (株式会社サイバーセキュリティクラウド)
- AWS WAF連携の専門性と認定。
- 24時間365日日本語サポートで対応
- 世界で1,000ユーザー以上の導入実績あり
まとめ
WAFでのAI活用は、シグネチャ型検知を補い、未知の攻撃やボット、普段と異なる通信を機械学習で見つける役割を担います。誤検知の調整負担の軽減も期待できますが、判定根拠の見えにくさや学習期間の扱いといった限界もあります。生成AIの普及による攻撃の変化も踏まえ、ログの確認方法や運用を任せる範囲をあわせて検討しましょう。自社にあうAI機能付きのWAFを比較したい方は、資料請求を活用してください。

