上場企業向け予算管理システムとは
上場企業向け予算管理システムとは、全社や部門、子会社の予算編成、実績収集、予実差異分析、着地見込みの管理などを支援するシステムです。予算管理業務を効率化するだけでなく、経営判断に必要な情報の可視化や内部統制の強化にも役立ちます。
上場企業では、組織階層や管理項目、利用者数が多いため、複数部門・子会社のデータ統合や複雑な配賦への対応、権限・承認経路の詳細な設定が求められます。
また、PL・BS・CFなどの財務情報に加え、売上件数や顧客数、採用人数、生産量といった非財務情報を扱う製品もあります。予算管理を経営管理へ発展させたい企業は、KPI管理やシナリオ分析、将来予測への対応も確認しましょう。
上場企業に予算管理システムが必要な理由
上場企業では、予算作成の効率だけでなく、数値の正確性や管理プロセスの透明性も求められます。Excel中心の運用では、次のような課題が生じやすくなります。
部門や子会社からのデータ収集に時間がかかる
事業部門や拠点、子会社ごとにExcelファイルを作成し、メールや共有フォルダで回収していると、提出状況や最新版を把握しにくくなります。フォーマットの変更や入力漏れがあれば、管理部門による確認や修正も必要です。
予算管理システムを導入すれば、入力画面や収集ルールを統一し、データを一元管理できます。提出状況も確認しやすくなり、各部門への催促やファイルの統合作業を削減できます。
予実差異を迅速に分析しにくい
上場企業では、月次の予実差異だけでなく、部門別、商品別、地域別など、さまざまな切り口で分析する必要があります。Excelで集計表を作成している場合、分析軸を追加するたびに加工や再集計が発生し、経営会議までに資料作成が間に合わないこともあります。
予算管理システムのダッシュボードやドリルダウン機能を活用すれば、全社数値から部門や明細へ掘り下げて確認できます。差異の原因を把握しやすくなり、改善策の検討を早められるでしょう。
内部統制を意識した運用が求められる
予算管理においても、誰が数値を入力・変更・承認したのかを確認できる仕組みが重要です。共有されたExcelファイルだけでは、変更履歴や承認過程を十分に把握できない場合があります。
ワークフローや権限管理、操作ログを備えた予算管理システムであれば、入力・確認・承認の役割を分けられます。数値の変更経緯を追跡しやすくなり、属人的な運用や不正な変更の防止にもつながります。
予算と経営戦略を連動させる必要がある
売上や利益などの財務数値だけでは、予算差異が生じた原因まで把握できません。予算達成に影響する商談数や契約率、採用人数、生産量などのKPIもあわせて管理する必要があります。
財務情報とKPIを関連づければ、売上未達の原因や改善すべき指標を特定しやすくなります。中期経営計画や事業計画と予算を連動させたい企業にも、予算管理システムは有効です。
上場企業向け予算管理システムの4つのタイプ
上場企業向け予算管理システムは、導入目的や得意分野によって4つのタイプに分けられます。自社の課題を整理し、適したタイプから製品を比較しましょう。
KPIを軸に経営管理を高度化するタイプ
財務数値と事業KPIを関連づけ、予算達成に向けた進捗や差異の要因を管理するタイプです。売上や利益に加え、商談数、契約率、顧客単価、採用人数なども一元管理できます。
財務情報と非財務情報を横断して分析したい企業や、経営層と事業部門が共通のKPIをもとに業績を管理したい場合に向いています。KPIの設計や運用支援の有無も確認しましょう。
▶KPIを軸に経営管理を高度化する上場企業向け予算管理システムへジャンプ!
予実管理を効率化するタイプ
部門やシステムに分散した予算・実績データを集約し、予実差異の確認や着地見込みの更新を効率化するタイプです。Excelファイルの収集や転記、集計に時間がかかっている企業に適しています。
既存の会計システムやExcelデータを取り込めるか、部門別・商品別など必要な分析軸を設定できるかを確認しましょう。
▶予実管理を効率化する上場企業向け予算管理システムへジャンプ!
全社の計画・予測を統合するプランニングタイプ
財務予算だけでなく、営業計画、人員計画、設備投資計画などを統合し、全社的な計画策定を支援するタイプです。シナリオ分析や、定期的に見通しを更新するローリングフォーキャストにも活用できます。
部門ごとに計画が分断されている企業や、事業環境の変化に応じて業績予測を迅速に更新したい企業に向いています。海外拠点がある場合は、多言語・多通貨への対応も比較しましょう。
▶全社の計画・予測を統合する上場企業向け予算管理システムへジャンプ!
Excelを活用して予算編成を効率化するタイプ
既存のExcel帳票や操作性を活かしながら、予算データの収集・統合・管理をシステム化するタイプです。現場部門の操作負担を抑えつつ、ファイル管理や集計作業を効率化できます。
現在の帳票を大きく変更したくない企業や、現場への定着を重視する企業に向いています。ただし、データベースによる一元管理や、権限・承認経路の設定に対応しているかも確認が必要です。
▶Excelを活用して予算編成を効率化する上場企業向け予算管理システムへジャンプ!
上場企業向け予算管理システムの選び方
上場企業向け予算管理システムは、予算や実績を集計できるだけでなく、複数部門・子会社を含む運用に対応できることが重要です。ここでは、製品を比較する際の主なポイントを解説します。
- ●自社の予算管理業務をどこまでシステム化できるか
- ●子会社や複数事業の管理に対応できるか
- ●会計システムやERPと連携できるか
- ●権限管理や承認ワークフローを細かく設定できるか
- ●配賦や組織変更に柔軟に対応できるか
- ●現場部門が無理なく利用できるか
- ●拡張性と総コストは適切か
自社の予算管理業務をどこまでシステム化できるか
まず、現在の予算管理業務を整理し、システム化する範囲を明確にしましょう。予算編成や実績集計だけを効率化したいのか、着地見込みやKPI、中期経営計画まで一元管理したいのかによって、適した製品は異なります。
Excelの収集・集計が主な課題であれば、予実管理に強い製品やExcel活用型が候補です。一方、経営戦略と事業KPIを連動させたい場合は、経営管理機能やシナリオ分析を備えた製品が適しています。
多機能な製品ほどよいとは限りません。現状の課題と将来実現したい管理体制を整理し、必要な機能に優先順位をつけましょう。
子会社や複数事業の管理に対応できるか
子会社や複数事業をもつ上場企業では、各社・各事業の数値を共通のルールで集計できることが重要です。会社・部門・事業・商品・地域など、自社に必要な管理軸を設定できるか確認しましょう。
子会社ごとに勘定科目や予算フォーマットが異なる場合は、データ変換やマッピング機能も必要です。グループ内取引や共通費の配賦、組織変更への対応方法も比較してください。
海外子会社を管理する場合は、多通貨や多言語、異なる会計年度への対応も選定条件です。将来のM&Aや事業拡大を見据え、会社や利用者を追加しやすいかも確認しましょう。
会計システムやERPと連携できるか
実績データを手入力していると、転記ミスや更新の遅れが生じます。現在使用している会計システムやERP、販売管理システム、人事システムなどと連携できるか確認しましょう。
標準連携の対象外でも、CSV取り込みやAPI連携に対応している場合があります。データの取り込み頻度や形式、マスター情報の同期方法まで確認することが大切です。
システム間で部門コードや科目コードが異なる場合は、変換ルールを設定できるかも確認してください。連携のたびに手作業で加工する必要があると、導入後も管理部門の負担が残ります。
権限管理や承認ワークフローを細かく設定できるか
上場企業では、担当者や部門責任者、経営企画、役員など、複数の関係者が予算管理に参加します。役職や部門に応じて、閲覧・入力・編集・承認の権限を設定できるか確認しましょう。
入力期間の制御や、承認後のデータを変更できないようにするロック機能も重要です。差し戻しや再申請、代理承認など、実際の社内フローに対応しているかも比較してください。
操作ログや変更履歴を保存できれば、誰がいつ、どの数値を変更したか追跡できます。内部統制や監査対応を重視する場合は、ログの保存期間や出力方法も確認しましょう。
配賦や組織変更に柔軟に対応できるか
上場企業の管理会計では、本社費や共通費を部門・事業へ配賦する作業が発生します。売上高や従業員数、面積など複数の配賦基準を設定できるか、段階的な配賦に対応しているかを確認してください。
また、組織再編や部門の新設・統合があった際に、管理者自身でマスターや集計ルールを変更できるかも重要です。設定変更のたびにベンダーへの依頼が必要な場合、運用コストや対応時間が増える可能性があります。
組織変更前後の数値を比較する場合は、過去と現在の組織体系をどのように保持・集計できるかも確認しましょう。
現場部門が無理なく利用できるか
予算管理システムは、経営企画や経理部門だけでなく、各事業部門の担当者も利用します。操作が難しいと、入力ミスや提出遅延が増え、管理部門への問い合わせが集中する可能性があります。
入力画面のわかりやすさやExcelとの操作性の近さ、入力チェック、コメント機能などを確認しましょう。デモやトライアルを利用し、実際に入力する担当者にも操作してもらうことが大切です。
あわせて、導入時の設定支援や操作研修、運用開始後のサポートも比較してください。予算管理ルールやKPIの設計から支援を受けたい場合は、コンサルティングの有無も確認しましょう。
拡張性と総コストは適切か
料金は、初期費用と月額費用だけでなく、導入支援やデータ連携、帳票作成、追加開発、保守などを含めた総コストで比較しましょう。利用人数や会社数、データ量の増加にともない、料金がどのように変わるかも重要です。
将来的に子会社や対象部門を追加する場合、ライセンス追加だけで対応できるのか、再構築が必要なのかを確認してください。海外展開や新規事業を予定している企業は、多言語・多通貨や新しい管理軸を追加できるかも比較しましょう。
一部門から導入し、効果を確認しながら全社展開する方法もあります。スモールスタートの可否や、全社展開時の移行方法、支援体制も確認しておくと安心です。
「自社に合う予算管理システムを診断してみたい」、「どんな観点で選べばいいかわからない」という方向けの診断ページもあります。
ITトレンドで過去資料を請求した方の、リアルなお悩みや要望から作成した簡単な質問に答えるだけで、最適な製品をご案内します。
無料で今すぐ利用できますので、下のリンクから診断を開始してください。
KPIを軸に経営管理を高度化する上場企業向け予算管理システム
財務数値と事業KPIを連動させ、予算の進捗や差異の要因を把握したい企業向けの製品を紹介します。
Scale Cloud
- PLとKPIを関連づけて一元管理できる
- KPIの設計・運用のコンサルティングも行います
- 料金は10万円から
株式会社Scale Cloudが提供する「Scale Cloud」は、PL・BS・CFなどの財務数値と事業KPIを関連づけて一元管理する経営管理システムです。先行指標や結果指標を含むKPIを事業ごとに設計し、その数値をもとにPLのシミュレーションや複数パターンの予算作成、着地予測を行えます。ダッシュボードによる多軸分析や異常指標の通知にも対応し、KPIの設計・運用に関するコンサルティングも受けられます。
AVANT Cruise(アバントクルーズ)
- 1,200社超の支援実績から生み出された経営管理システム
- 最短3ヵ月で運用でき、すぐに業績管理が可能
- 制度・管理会計の両方をカバーする90種の経営管理レポートを搭載
株式会社アバントが提供する「AVANT Cruise(アバントクルーズ)」は、財務・非財務情報を統合し、グループ経営管理の効率化と高度化を支援するクラウドサービスです。予算管理や管理会計に加え、PSI、人事、営業などの情報を明細単位で集約できます。制度会計・管理会計をカバーする経営管理レポートやローリングフォーキャスト機能を標準搭載し、ノーコードで分析軸や設定を追加・変更できる点も特徴です。
予実管理を効率化する上場企業向け予算管理システム
部門や複数のシステムに分散した予算・実績データを集約し、予実差異の分析や着地見込みの更新を効率化したい企業向けの製品を紹介します。
Loglass 経営管理
- 散在する経営データを収集・統合し、予実管理を効率化
- ノーコードで配賦を自動化、複数パターンの比較も簡単に
- ダッシュボードで可視化、ドリルダウンで明細まで即確認
株式会社ログラスが提供する「Loglass 経営管理」は、財務数値やKPIの予算・見込・実績を収集し、一元管理するクラウド経営管理システムです。形式の異なる表計算ファイルや各システムのデータを取り込み、データベース化できます。ノーコードによる複雑な配賦の自動化に加え、ダッシュボード上で多様な切り口から数値を可視化し、ドリルダウンによって明細まで確認できます。
BzPLAN (アドワー株式会社)
- 予実管理をスムーズにする機能搭載!経営改善スピードUP
- 業務テンプレート豊富!Excelのような操作性と視認性で利用簡単
- マスタメンテナンスで組織・科目・製品等の変更にも柔軟対応
全社の計画・予測を統合する上場企業向け予算管理システム
財務計画に加え、人員、営業、設備投資などの計画を統合し、将来予測やシナリオ分析を高度化したい企業向けの製品を紹介します。
Workday Adaptive Planning
- ◆予算管理の時間を最大90%削減◆ 経営企画はExcel集計屋から脱却
- ◆リアルタイム見通し管理の実現◆ 経営者は常に最新業績が分かる
- ◆ビジネスのPDCA高速化◆ 意思決定を速め、成長を加速化させる
Shearwater Japan株式会社が提供する「Workday Adaptive Planning」は、予算編成や実績、業績見通しをクラウド上で一元管理する予算管理・プランニングシステムです。PL・BS・CFの管理や配賦、ローリングフォーキャストに加え、為替、多軸、多言語にも対応します。ERPや会計システム、SFAなどのデータを連携し、数値の集約から分析、レポート作成まで効率化できます。
NetSuite Planning and Budgeting
- Excel依存から脱却し、正確でスピーディな予算編成を実現
- システム連携により予算・実績・見通しを一元管理
- 直感的な可視化で、経営層にも現場にも使いやすい設計
日本オラクル株式会社が提供する「NetSuite Planning and Budgeting」は、予算・実績・見通しを一元管理するクラウド型予算管理システムです。人員計画や収益計画、シナリオ分析、ドライバーベース計画に対応し、前提条件を変更しながら複数の計画を比較できます。NetSuite ERPとのデータ連携やダッシュボード、入力制御、承認フローも備え、予算編成の標準化と迅速な意思決定を支援します。
Excelを活用して予算編成を効率化する上場企業向け予算管理システム
既存のExcel帳票や操作性を活かしながら、予算データの収集・集計・管理を効率化したい企業向けの製品を紹介します。
BizForecast
- ノウハウが詰まったExcelを有効活用してスピーディな導入・定着化
- 公認会計士・米国公認会計士が製品設計・導入メソッドを監修
- 大手コンサルファームの出身者が業種業界問わず導入サポート
プライマル株式会社が提供する「BizForecast」は、Excelの柔軟性と使い勝手を活かし、予算管理や管理会計を支援するソリューションです。既存のExcel帳票や業務ノウハウを活用しながら、予算・実績データを一元管理できます。予算編成や実績管理、レポート作成、ワークフロー、システム連携に対応し、現場の操作性を維持しながら集計作業の効率化や業務の標準化を支援します。
Sactona
- 費用対効果に優れ、短期間で導入可能!
- エクセルだから誰でも自由にデータ分析ができる!
- 既存の報告書をそのままの形で活用可能!
株式会社マネーフォワードが提供する「Sactona」は、Excelをインターフェースとして活用できるクラウド対応型経営管理システムです。既存の報告書や帳票を活かしながら、予算編成やデータ収集、予実管理、分析などの管理会計業務を効率化します。複数部門や子会社のデータを一元管理したい企業にも適しています。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で「予算管理システム」の一括資料請求が可能です。ぜひ、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。
上場企業向け予算管理システムに関するよくある質問
上場企業や上場準備企業が予算管理システムを比較する際によくある疑問を解説します。
上場企業と上場準備企業では選び方が異なりますか?
基本的な選定ポイントは共通していますが、重視すべき点は異なります。上場準備企業では、今後の組織拡大や内部統制の整備を見据え、承認ワークフロー、権限管理、操作ログ、部門・子会社の追加に対応できる製品が適しています。
上場企業では、会計システムやERPとの連携、複雑な配賦、グループ会社管理、経営会議向けレポートへの対応など、既存の管理体制に適合するかを具体的に確認しましょう。
Excelを完全に廃止する必要はありますか?
Excelを完全に廃止する必要はありません。Excelを入力画面やレポート作成に活用しながら、データをシステム上で一元管理する製品もあります。
現場がExcelに慣れている場合は、操作性を維持したほうが定着しやすいでしょう。ただし、ファイルを個別に保存・管理する運用が残ると、最新版の特定や変更履歴の管理といった課題は解消されません。Excelの使い勝手とデータベースによる一元管理を両立できるか確認してください。
予算管理システムと連結会計システムの違いは何ですか?
予算管理システムは、予算策定や予実分析、着地見込みの管理を主な目的とします。一方、連結会計システムは、グループ各社の実績を集計し、連結財務諸表を作成するためのシステムです。
予算管理システムのなかには、グループ各社の予算収集や連結ベースの管理に対応する製品もありますが、法定連結決算や開示業務まで扱えるとは限りません。両方の業務を効率化したい場合は、各システムの対応範囲と連携方法を確認しましょう。
導入前にPoCを行うべきですか?
複数部門や子会社へ展開する場合は、PoCや一部門での試験導入が有効です。実際の予算フォーマットや会計データを使い、データ取り込み、配賦、承認、レポート出力まで確認しましょう。
管理部門だけでなく、数値を入力する現場担当者にも操作してもらうことが重要です。事前に操作上の課題や必要な設定を洗い出すことで、全社展開後の混乱を抑えられます。
この記事をご覧の方には、以下の記事もおすすめです。あわせて参考にしてください。
まとめ
上場企業や上場準備企業では、部門・子会社からの予算収集や予実差異の分析に加え、権限管理や承認履歴、操作ログなど、内部統制を意識した予算管理が求められます。Excel中心の運用に課題がある場合は、予算管理システムの導入によって、データの一元化や集計・分析の効率化が期待できます。
製品を選ぶ際は、KPI管理や予実管理、統合プランニング、Excel活用のうち、自社の目的に適したタイプを見極めることが重要です。あわせて、子会社管理や会計システム連携、配賦、権限設定、操作性、拡張性などを比較しましょう。まずは自社の予算管理業務と課題を整理し、各製品の資料を取り寄せて、機能や運用方法、導入支援、総コストを確認することをおすすめします。



