予算策定とは?
企業経営を適切に行うためには、期初に予算を決めて日々予算管理を行う必要があります。予算には売上予算・経費予算・利益予算などがあり、その年の目標に合わせて設定します。ここからは予算管理と予算策定について説明していきます。
目標利益から予算を設定すること
予算策定とは、年間の利益目標から、売上予算と経費予算を決めることです。この目標となる予算を決定するためには、毎年の売上と経費のバランスを見ながら、具体的な根拠が必要になります。企業では授業員がいますから、全社員が自社の目標を共有することが必要不可欠です。予算を設定すれば、目標を具体的な数字に落とし込んで明確化できます。
予算策定と予算管理との違い
予算管理とは、利益を出すために予算を管理することを指します。会社経営の利益は、売上から経費を引いたものになり、利益を管理するためには日々の売上と経費を記録することが重要です。
つまり、予算策定は予算管理をするために必要な最初のプロセスだということです。そもそも予算管理と比較できるものではありません。
予算管理に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。予算管理をしっかり理解できていない人は参照してください。
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2023.01.17
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予算管理・予算策定の必要性
予算管理を適切に行うためには、期初の予算策定や日々の予算管理の目的や必要性を知ることが大切です。ここからは予算管理・予算策定が必要な理由を説明していきます。
経営難を阻止することができる
適切な予算管理・予算策定を行うことで、企業経営が安定し経営難を阻止することが可能です。日々予算管理を行っていれば、目標となる売上を達成するまでの進捗状況を把握でき、使うことができる経費予算を意識することで使いすぎてしまうこともありません。
また、年によって発生する支払いを考慮して予算策定することで、大幅な損失を生むこともありません。利益が生まれない原因は目標とする売上を達成できないことだけではなく、経費の使い過ぎが原因であることも多いです。このように、損失を生むことなく安定した経営を行うためには、予算管理と予算策定が重要です。
正確かつ効率的に経営改善ができる
日々の売上と経費のバランスを管理することで、経営状況を確認し、目標達成するために必要なことが見えてきます。予算管理・予算策定により、正確でスピーディな経営方針の判断が可能です。
売上の進捗状況が未達であったとしても、経費を抑えたり売上を増やすための改善策を一早く行うことで、効率的に経営改善できます。
予算管理・予算策定の具体的な手順
予算管理や予算策定を適切に行うためには、順序に沿って行うことが重要です。この手順を網羅していることで、予算策定の失敗を防ぎ、日々の予算管理をしっかり行えます。ここからは予算管理・予算策定の具体的な進め方について説明していきます。
1.経営戦略、利益目標を決める
まず、予算管理と予算策定を適切に行うためには、その目的と役割を再確認することが重要です。
予算策定は会社の目標となる利益に対して、売上予算・経費予算を決定することであり、「目標設定」を意味します。予算管理は設定した目標を達成できるように、日々の進捗を管理することです。つまり、予算策定を行ってから予算管理を行う流れになり、まず始めに会社全体の方針や目標を決めることが重要です。
基本的には次年度が始まる前に、経営戦略・利益目標を決める必要があります。また、この予算策定には今までの予算管理データが必要になります。
2.部門ごとの予算を決める
会社全体の方針が固まったら、それを達成するために各部門ごとの予算を決定します。部門によっては売上がなく、経費のみ発生する部門もあるため、無駄を見つけ経費を削減できるかどうかを判断します。
3.全体の予算を決める
各部門ごとの予算が決まれば、1つに統合して全体の予算を決めます。この段階で大幅なズレがあると予算策定が破綻するため、統合する前に根拠がある戦略と目標を基に予算を決める必要があります。
4.全体予算と利益目標の比較・調整をする
全体予算が決定すれば、会社の利益目標と比較し、調整を行います。ここまでの方法のように、各部門の予算を積み上げて全体の予算を決める「ボトムアップ式」だと、当初の会社の目標利益から大幅にズレる可能性があります。
逆に経営陣が決めた予算を基に各部門の計画を考える「トップダウン式」であれば、計画を立てる時間を短縮できますが、実現可能でなかったり、現場からの反感を買う可能性もあります。
全体予算の決定と調整は予算策定の重要な部分になるため、会社に合った方法で策定・調整を行う必要があります。
5.予算・目標を全体で共有し、計画的に実行する
重要なことは目標を立てることではなく、実行し達成することです。全体の予算が決定すれば、各部門に予算と目標を共有して予算管理を行っていきます。各部門の予算管理のズレは全体のズレになるため、ミスがないように正確に管理することが求められます。
予算策定の時期はいつ?
予算策定の時期は、いつ行われるのが一般的なのでしょうか。基本的には、決算の時期によって異なりますが企業規模によって、おおよその傾向があります。大企業では、決算月から約5~6ヶ月前から予算策定が始まり、決算月の前月中には予算が決定するケースが一般的です。また、中堅・中小企業は決算月の3ヶ月前後から、来期の予算準備が始まります。
予算策定時期は決算月によって異なりますが、国内企業の多くは3月決算なので、前年の秋頃から予算策定を行い、遅くても2月中には来年度の予算が決まります。
外資系企業の場合は12月決算が多いため、次年度の予算策定は夏過ぎから開始します。したがって、予算決定は遅くとも11月には決まっています。
予算管理・予算策定をする際のポイント
この予算管理と予算策定はただ行うだけではなく、常に課題を改善していくことが求められます。日々の予算管理も企業の目的を達成できているかが重要です。ここからは予算管理・予算策定をするときのポイントを説明していきます。
予算策定に具体性・正確性があるか
予算策定では、企業の目標利益から決まる予算にするため、具的的で正確な判断材料が必要になります。過去数年分の予算管理データから達成できる目標利益を設定しなければなりません。
また、社内の設備を増強したり機材を買い替える場合はその分経費がかかるため、次年度以降に投資を行えるだけの利益を生む必要があります。利益目標を立てるときは過去のデータも必要になりますが、将来的な計画も重要になります。
正確なデータが不足している場合は、企業方針やKPIの設定を行い企業の年間目標を決める必要があります。
※KPIとは「Key Performance Indicator」の略であり、「重要業績評価指標」を意味します。目標を達成するための具体的な日程と数値や指標のことです。
予算策定が実現可能なものであるか
予算策定を行うときのポイントは実現可能であるかどうかです。目標を高く設定すれば、達成したときの利益は大きくなりますが、無理な計画を立てると従業員のモチベーション低下を招く恐れがあります。また、目標が低すぎれば達成しても利益は出ません。売上だけでなく経費目標についても、同様のことが言えます。
予算策定・管理を当該者が行っているか
予算管理や予算策定のよくある失敗例は、数字の管理を経営陣が行い、現場の担当者が把握していないことです。予算管理で重要になることは、現場責任者や現場で実際に業務を行っている社員がしっかりと予算を把握していることです。
適切な予算管理・予算策定を行うためには現場の意見を取り入れ、共有する環境を構築することが不可欠です。
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予算管理・予算策定を効率化する方法
予算管理を行う方法は大きく分けて「エクセル」と「予算管理システム」の2種類があります。
エクセルで予算管理をする
エクセルを活用すれば、無料で予算管理をすることができます。操作感も多くの社員が慣れているので、扱いやすいです。
ただ、予算管理に特化した機能がなく、手入力でのミスが起きてしまいます。一回入力ミスが起こると、それを迅速に発見するのは困難でしょう。
予算管理システムを導入する
エクセルで予算管理を行う場合は、日々の売上や経費を入力する必要があるため、担当者の業務負担が大きくなり入力ミスなども多くなります。
予算管理を効果的に行うためには予算管理システムを使うことが有効です。自社で会計システムや販売管理システムを導入していれば、社内システムと連携できる予算管理システムを導入するだけで日々の売上と経費を入力する必要がなくなり、正確な数字を管理することが可能になります。
目標を適切に立てるためには、毎年のデータが根拠として必要になります。このように、予算管理システムを活用することで日々の予算管理と、新しい年度の目標を立てるときに役に立ちます。
予算管理を効率化する方法に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。予算管理に困っている方は、ぜひ参照してください。
正しい予算管理・予算策定で会社経営を成功させよう
会社経営を成功させるためには、適切な予算管理と予算策定を行う必要があります。この2つの業務は企業にとって重要度が高く、各担当者の負担が大きいため、効率化を図ることが求められます。
企業規模が大きく、従業員数や部門数が多い場合は既存のシステムと連携できる予算管理システムの導入がおすすめです。予算管理システムを活用することで日々の入力業務を省き、予算策定に必要なデータを分析することが可能です。
予算管理システムの導入を検討している方は、ぜひこちらの記事を読んでみてください。自社に合った製品を選べますよ。
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