そもそも予算管理とは?
予算管理とは、作成した予算を適切に使うことです。ヒト・モノ・カネの予算をどのように管理するかで経営も大きく変化します。基本的に四半期で管理が行われます。予算管理について、より詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
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予算管理システムとは?
予算管理システムとは、予算目標に向けた活動の進捗を比較するために行うシステムを指します。
企業は継続的に利益を出す必要があり、必要な売上、原価、経費などの予算を策定する必要があり、定期的に予算と実績を比較分析して管理しなければなりません。予算管理は事業成長していく上で、重要なものになります。
以前は多くの企業がエクセルで予算管理を行っていましたが、今の主流はエクセルの操作感をそのままに、機能を向上したシステムです。もちろんクラウドシステムもあり、中小企業でも安心して導入できます。
予算管理システムの3つの導入メリット
ここでは、予算管理システムの代表的な3つの活用メリットを紹介します。
1.予算計画~予算編成の効率化
予算管理システムを導入することで、予算編成時のエクセルでの情報収集にかかる手間を削減でき、手入力による人的ミスを減らせます。
また、予算編成を行う際はシステムを会計ソフトや原価管理システムなどと連携できます。必要なデータが予算管理システム内に統一化されたデータとして集約されるので、予算編成作業を効率化できます。
2.従業員のモチベーション向上
予算管理のプロセスを可視化することも、予算管理システムを導入すれば簡単です。この可視化された情報により経営戦略と部署の間の課題を明確にすることができ、従業員のモチベーションが向上します。
例えば経営戦略にミスがあるのに部署の社員の評価が下がったり、逆に部署側にミスがあるのに経営陣の評価が不当に下がったりするのを防げます。
3.予算編成の精度の向上
予算管理システムを導入すれば、日常的に予算と進捗実績を比較・分析でき、このサイクルを続けていくことで、予算管理・編成の質が高まります。
進捗管理で重要なのはPDCAサイクルを回してトライアンドエラーを繰り返していくことです。システムを活用すれば高速でPDCAを回して、しっかりとした分析・改善ができるでしょう。
予算管理システムの導入メリットに関しては、こちらの記事で更に詳しく解説していきます。予算管理システムの魅力は他にもたくさんありますから、ぜひ読んでみてください。
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予算管理システムの導入デメリット
基本的には、予算管理システムを活用する上でデメリットはありませんが、企業規模や状況によりデメリットに感じる場合があります。ここでは2つのデメリットに触れておきます。
多大なコストがかかる可能性
中小企業の場合、予算管理をエクセルを用いて無料で行っているでしょう。それに比べると予算管理システムは比較的多くのコストがかかります。
しかし、クラウド型のシステムを導入すれば初期投資を抑えることは十分可能です。コストを最小限に抑えたい方は、クラウド型システムの導入をおすすめします。
システムの選択肢が制限される可能性
先程も触れましたが、予算管理システムを活用する際は会計ソフトや原価管理システムとの連携が不可欠です。ただ、システムを連携した際の使いやすさにはシステム同士の互換性が大きく影響します。
自社のシステムとの互換性を考慮しないといけないので、会社によっては選べるシステムの数が制限されてしまいます。
予算管理システム5つの機能
次に、予算管理システムの代表的な5つの機能を紹介します。事前にまとめると以下のとおりです。
- 1.予算計画~予算編成の効率化
- 2.従業員のモチベーション向上
- 3.予算編成の精度の向上
- 4.評価・フィードバック機能
- 5.来期予算計画の提案機能
ではそれぞれについて見ていきましょう。
1.予算計画機能
予算は、最終的には全社の損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書の形で策定されます(総合予算)。しかし、そのプロセスにおいては、会社全体の業績だけではなく、部門別の詳細な情報が必要となります。
予算管理システムでは、最終的な数字の根拠となる各部門の多岐にわたるデータを収集し、予実管理表の作成、予算プランニングをサポートします。
具体的には、部門、またプロジェクトごとに、販売高、利益、原価、販管費、投資、資金など、財務会計の勘定科目とは異なる、細分化、あるいは集約化された入力項目を設定・カスタマイズできます。
実効性のある予算編成のための基盤を作ることで、部門担当者に経営計画に基づくKPI(重要業績評価指標)を周知させることもできます。
2.データの集約・予算編成機能
予算管理システムは、資金予算、収益予算等の編成プロセスを効率化します。
とくに業務削減効果が高いのが、部門別に過去の業績と予算案を、予算担当部署に上げる業務、編成担当者が承認・調整する業務です。
部門担当者は、あらかじめカスタマイズされたフォーマットに則り情報を上げるため、予算担当部署で編成作業に乗せるためのデータの転記・調整をする必要がなくなり、承認過程も透明化されます。
また、予算編成時は、想定される数値の変化により、総合予算にどのような影響が出るか、といったシミュレーションを簡単に行えます。
エクセルなどの表計算ソフトによる編成作業と比較すると編成作業の効率が向上し、シミュレーションを繰り返すことで、実現可能な目標が織り込まれた予算編成のために大きく寄与します。
3.モニタリング・予算再編成機能
企業は、予算を編成したのちに実際の企業活動を行うこととなります。予算管理システムでは、業績をタイムリーに把握できるので目標数値の達成に対するマイナス要因について迅速に分析できます。また、想定外の変化の発生がある場合に、期間中に新たな予算を策定する機能もあります。
予実管理表が作成され、予算と実績を「予算実績差異分析」により比較し、必要に応じて予算を組み直すことも容易です。実績が予算と乖離することで、予算が参照価値のない「絵に描いた餅」になる事態を防げます。
4.評価・フィードバック機能
年度など、予算を設定した期間が終了すると、目標達成度を評価することになります。予算管理システムには、各種の分析ツールとレポーティング機能が搭載され、最終的な実績と予算の差異を図表・グラフなど様々な形式で表示・出力できます。
予算が未達の場合も自動でその原因を分析してくれるので、ノウハウの蓄積を助けます。
5.来期予算計画の提案機能
未達成項目とその経営への影響を分析、改善のヒントを明確にすることで、今後のプランニングにスムーズに繋げられます。この繰り返しを行うことで、PDCAサイクルが機能し、毎回の予算、中長期的な見通しの精度がさらにアップすることになります。
予算管理システムの機能はこちらの記事で更に深堀りしています。システムを選定する上でどのような機能があるのかはとても重要なので、少しでも興味がある人は読んでおきましょう。
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予算管理システムの4つの選定ポイント
予算管理システムに興味を持ったとしても、実際に製品を検討してみるとどのシステムが自社にあっているのかわかりませんよね。そこで、予算管理システムの選定ポイントについて解説していきます。
1.エクセル運用からシステム移行がスムーズにできるか
予算管理をエクセルで行っており、業務効率に課題を抱え、システム導入の検討を行っている場合、スムーズにシステム移行できることが重要です。
エクセルファイルのデータを直接インポートできる機能があることは望ましいでしょう。
2.周辺システムとの連携性は良いか
予算管理・策定は、購買データ、会計データなどを組み合わせて行われます。
予算管理システムを選定する際は、タイムリーな会計情報の取り込み、共通費の配賦などを行うため、会計システムや原価計算システム、また販売管理システム、給与計算システムなど、企業にとって予算策定上重要である周辺システムとの連携は必要となります。
3.自社の導入目的に合った機能があるか
予算管理システムは、機能が多岐に渡るので、自社の導入目的にあった機能を備えたシステムを選定することが重要です。ですので、導入検討する際はこのシステムにはどんな機能があるのかといったシステムの把握は不可欠だと言えます。
4.複数のケースでのシミュレーションができるか
予算策定を行う際には、複数のパターンをシミュレーションするのが一般的です。予算編成業務では各部門から集まった予算計画をもとに予算財務諸表を作ります。
このときに、目標予算と比較し、差分がある場合はその対応策を講じる必要あります。対応策を講じる上で、予算シミュレーションを複数パターン行い比較検討することが重要になります。
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エクセルでは不十分!予算管理システムの導入を!
効果的な経営戦略を決め、計画を確実に実行することが、これまで以上に求められています。同時に予算管理の重要性も益々高まっているのです。もし、まだエクセルで予実管理表をつくっているのであれば、今すぐ予算管理システムの検討をされることをおすすめします。
予算管理システムに興味を持ってもらった方のために、こちらの記事で予算管理システム19製品を比較しています。他のサイトよりも多くの製品を紹介・比較しているので必見です。
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