Excel依存の予実管理から脱却するための選択肢
多くの中堅・中小企業では、予算と実績の管理をExcelで行っています。Excelは柔軟で手軽ですが、組織が成長するにつれて管理の限界が見えてきます。
ファイルのバケツリレーによる集計の非効率
各部署がそれぞれのExcelファイルに実績を入力し、それを集計担当者が順番に回収して手作業で合算する「バケツリレー」式の管理は、作業ミスや更新漏れが起きやすく、集計に数日かかることもあります。経営管理システムを導入することで、各部署が直接システムに入力した数値がリアルタイムで集約され、集計作業を大幅に短縮できます。Excelに限界を感じているなら、クラウド型の経営管理システムへの移行が有効な選択肢です。
スクラッチ開発とパッケージ製品の選び方
経営管理システムを「自社開発(スクラッチ開発)」するか「既存パッケージを導入する」かで迷うケースがあります。スクラッチ開発は自社の業務に完全に合わせられる反面、開発期間・コスト・保守負担が大きくなります。一方、パッケージ製品は既にベストプラクティスが組み込まれており、短期間で稼働開始できます。特にIPO準備や急成長フェーズでは、スピードが重視されるためパッケージ製品が選ばれるケースが多いです。
属人化の解消と業務の標準化
「この作業は〇〇さんしかわからない」という状態は、担当者の退職・異動で業務が止まるリスクを生みます。経営管理システムはこの属人化を解消する手段としても有効です。
マクロ・配賦ルールの属人化からの脱却
Excelで長年運用されてきた集計マクロや、間接費の各部署への配賦(割り振り)ルールが特定の担当者の頭の中にしかない状態では、その担当者が不在になるだけで業務が滞ります。経営管理システムでは配賦ルールや集計ロジックをシステム上に定義・保存できるため、担当者が変わってもルールが引き継がれます。マニュアル不要でシステムが業務ルールを担保してくれる環境が実現します。
各部署の実績データ集計工数を削減する
月次の実績集計において、各部署から届くExcelファイルを統合・チェック・修正する作業は、経理担当者にとって大きな負担です。経営管理システムを使えば、各部署が直接システムへデータ入力するか、会計システムから自動で実績データが取り込まれるため、集計担当者の手作業が大幅に減ります。月次決算の締めを数日単位で短縮できる企業も多くあります。
IPO・成長フェーズの経営管理課題に対応する
新規上場(IPO)を目指す企業や急成長フェーズの企業では、管理会計の精度向上と情報開示の準備が経営管理システム導入の重要な動機となります。
IPO準備に必要な予算統制と月次決算の早期化
IPO審査では、予算と実績の比較・差異分析が適切に行われているかが問われます。「予算を立てているが実績との乖離が把握できていない」「月次決算が翌月20日を過ぎないと出せない」という状態では、上場準備が進みません。経営管理システムを導入することで、予算設定から実績取り込み・差異分析までを一元化し、月次決算の早期化(翌月5~10日以内の提出)を実現しやすくなります。
経営会議用レポートの自動作成・ダッシュボード化
月次の経営会議に向けて、Excelやプレゼンテーションで資料を手作りしている場合、毎月の作成工数が数時間から数十時間に及ぶこともあります。経営管理システムには、リアルタイムで更新されるダッシュボードや、テンプレートに基づいた自動レポート生成機能を持つものがあります。経営陣が会議前に数値を確認できる環境が整い、会議の質も向上します。
課題解決に役立つ主要な経営管理システムを比較
予実管理・属人化解消・IPO対応・レポート自動化など、様々な課題解決に対応した主要システムをまとめました。
Loglass 経営管理
- 散在する経営データを収集・統合し、予実管理を効率化
- ノーコードで配賦を自動化、複数パターンの比較も簡単に
- ダッシュボードで可視化、ドリルダウンで明細まで即確認
Loglass 経営管理は、予算編成・実績管理・予実分析を一元化できるクラウド型の経営管理システムです。Excelからの脱却やIPO準備に取り組む企業での導入実績があり、各部署のデータ入力から経営ダッシュボードの表示まで対応しています。
DIGGLE
- 着地予測の精度を向上させ、正確な意思決定を支援!
- 科目よりも細かい、予算の内容ごとの予実突合を可能に!
- 予算-見込-実績を一体管理し、新たな予実管理体験を提供!
DIGGLEは、予実管理と月次レポートの自動化に特化したクラウドサービスです。会計ソフトとのデータ連携に対応しており、実績データの自動取り込みと予算との差異分析をスムーズに行えます。経営会議向けのダッシュボード機能も充実しています。
AVANT Cruise(アバントクルーズ)
- 1,200社超の支援実績から生み出された経営管理システム
- 最短3ヵ月で運用でき、すぐに業績管理が可能
- 制度・管理会計の両方をカバーする90種の経営管理レポートを搭載
AVANT Cruise(アバントクルーズ)は、大企業から中堅企業まで幅広く利用される経営管理プラットフォームです。連結財務・セグメント管理・配賦設定などの高度な管理会計機能を備え、複雑な組織の経営管理業務を支援します。
kpiee
- 経営に関するデータを自動で収集/集計し、工数を削減
- データの可視化とAI活用で、改善までのスピードを短縮
- 定型業務をまるっとアウトソーシング
kpieeは、KPI管理と経営ダッシュボードに特化したシステムです。各部署のKPIデータをリアルタイムで可視化し、経営会議でのレポート作成工数を削減できます。Excelのデータをそのまま取り込める設計で、導入ハードルが低いのが特徴です。
fusion_place
- 独自開発の超高速、大容量多次元DBで経営管理情報を一元管理
- PL、BS、CS、非財務項目など多種多様な経営管理情報を入力・収集
- 経営管理領域に精通したコンサルタントによる短期間導入
fusion_placeは、予算計画・実績連携・多次元分析を備えた経営管理システムです。配賦ルールの設定やシミュレーション機能が充実しており、属人化しやすい複雑な管理会計業務の標準化を支援します。
BizHawkEye (株式会社NTTデータ)
- 単一ログインで複数振込可能
- テレワーク対応のWebブラウザベース
- NTTデータVALUXの高速セキュア回線
KaKing (GMOインターネットグループ株式会社)
- GMOのノウハウを凝縮した自社開発・自社運営
- サブスクリプション型ビジネスが可能
- ユーザー数や売上による追加課金なし
まとめ
経営管理システムは、Excelのバケツリレー集計・属人化・IPO準備の整備不足・集計工数・レポート作成の手間といった課題をまとめて解決できるツールです。スクラッチ開発よりもパッケージ製品の方が短期間で効果が出やすく、IPO準備や成長フェーズには特に有効です。自社の課題を整理したうえで、予実管理・配賦設定・ダッシュボード機能などの観点から製品を比較検討してください。


