ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■活用領域別
- 工事写真の記録と台帳づくり:蔵衛門
- 帳票や見積書の作成補助:eYACHO for Business、アーキLink
- 工程や原価の分析:PROACTIVE
- ■利用環境別
- スマートフォンやタブレット中心の現場運用:eYACHO for Business、蔵衛門
- 事務所での書類作成中心:アーキLink
工事管理システムのAIが支援する業務
工事管理システムに搭載されるAI機能は、現場で発生する写真や記録を整理し、書類にまとめる作業の補助が中心です。人の判断が必要な部分は残しつつ、繰り返し発生する手作業を減らす役割を担います。代表的な3つの業務を見ていきましょう。
工事写真の仕分けと台帳づくり
AIによる写真整理は、撮影した工事写真を工種や撮影箇所ごとに自動で分類する機能です。黒板の文字や写っている対象を読み取り、フォルダへの振り分けや写真台帳の作成を補助します。
工事写真は1つの現場でも大量に発生するため、手作業での整理には時間がかかります。AIが一次的に仕分けることで、担当者は分類の確認や不足している写真の洗い出しに時間を使えます。公共工事では発注者の定める写真管理の基準に沿った台帳が求められる場合があるため、対応範囲も確認しましょう。
日報や報告書の作成補助
生成AIを使った作成補助は、現場の入力内容から日報や週報、報告書の下書きを作る機能です。作業内容や人員、天候、使用した資機材といった記録をもとに、決まった書式の文章へまとめます。
協力会社から届く複数の日報を集約し、1日の報告書としてまとめる用途も考えられます。現場監督は帰社後に書類を一から作る負担が減り、内容の確認と修正に集中できます。ただし、入力された記録が不正確であれば下書きも不正確になるため、入力の段階での確認が欠かせません。
工程表のたたき台作成
工程表のたたき台作成は、工事の種類や規模、過去の工事データをもとに、工程の案をAIが提示する機能です。担当者は提示された案を出発点にして、現場の条件にあわせて工期や作業順序を調整します。
白紙から工程表を作る場合と比べ、抜け漏れのある工程に気づくきっかけにもなります。一方で、敷地の条件や近隣への配慮、資材の納期といった個別事情はAIが把握しきれない場合があります。工程の決定は経験のある担当者が行い、AIの案は参考として扱いましょう。
原価や工程の管理でのAI活用の場面
工事管理システムには、写真や書類の作成だけでなく、蓄積された数値データを分析するAI機能を備えた製品もあります。原価や工程の変化を早めに把握できれば、手遅れになる前に対策を検討できます。ここではデータ分析の活用場面を紹介します。
実行予算と原価の差異の把握
AIを使った分析機能は、実行予算と実際にかかった原価の差を監視し、通常と異なる動きを知らせる用途で使われます。資材費や外注費が予定より膨らみつつある工事を早めに見つけられれば、発注内容の見直しや工程の調整に着手できます。
ただし、分析の前提として、原価データが日々正しく入力されている必要があります。入力が月末にまとめて行われる運用では、変化の把握が遅れてしまいます。AI機能を活かすには、入力のタイミングと担当範囲を決めておくことが大切です。現場からスマートフォンで日々入力できる仕組みを整えると、分析の鮮度を保ちやすくなります。
過去工事データの見積もりへの活用
過去の工事データを分析し、類似する工事の原価や工期を参照できるようにする機能もあります。見積もりや実行予算を作る際に、似た条件の実績と比べられるため、担当者ごとの経験差を補う材料として役立ちます。若手の担当者が見積もりを作る際の確認材料にもなるでしょう。
注意したいのは、過去データの粒度や記録の仕方が工事ごとにばらついていると、比較の精度が下がる点です。工種や費目の分け方を社内で統一し、データを整えてから分析に使うと、参考値としての信頼性を高められます。最終的な金額は、現場の条件を踏まえて担当者が判断しましょう。
AI搭載の工事管理システムのAIを運用するコツ
AI機能は書類業務の負担を減らす一方で、使い方によっては確認漏れや情報管理の問題につながるおそれがあります。運用のコツとして、導入前にデータの整え方や確認の流れ、情報を共有する範囲を決めておくと、現場で安心して使えます。
撮影ルールと入力データの整備
AIによる写真の分類精度は、撮影の仕方にも左右されます。黒板の記載内容や撮影の角度、明るさがばらばらだと、AIが正しく読み取れない場合があります。
対策として、黒板の記入項目や撮影の手順を社内で統一し、協力会社にも共有しておきましょう。日報についても、入力する項目と書き方をそろえておくと、AIがまとめる下書きの質が安定します。ルールは一度決めて終わりではなく、現場の声を聞きながら見直していくことが重要です。
出力内容の確認責任
AIが分類した写真や作成した書類は、提出前に担当者が確認する流れを決めておく必要があります。分類の誤りや必要な写真の不足に気づかないまま提出すると、再撮影ができない工程では取り返しがつかない場合があるためです。
誰がどの段階で確認し、修正した記録をどのように残すかを明文化しておきましょう。確認作業を特定の担当者だけに任せると、その人が不在のときに業務が止まるおそれがあります。複数人で状況を把握できる体制にしておくと安心です。
発注者や協力会社との情報共有の範囲
工事管理システムには、図面や写真、取引先の情報など、外部に出せないデータが含まれます。AI機能が外部の生成AIサービスを利用している場合は、データの保存先や学習への利用の有無を提供会社に確認しましょう。
あわせて、協力会社や発注者にどこまで閲覧や編集を許可するか、権限の設定も整理が必要です。工事ごとに閲覧範囲を分けられるか、操作履歴が残るかも確認しておくと、意図しない情報共有を防ぎやすくなります。判断に迷う場合は情報システム部門に相談してください。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で工事管理の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
AI搭載の工事管理システムを比較して見極める方法
カタログ上でAI機能が同じように見えても、現場での使い勝手は製品によって異なります。実際の利用環境で試し、既存の書式や業務の流れにあうかを確認してから選ぶことが、導入後に使われなくなる事態を防ぐポイントです。
現場の利用環境で操作を試す
工事管理システムは、現場ではスマートフォンやタブレット、事務所ではパソコンと、利用する端末が分かれるケースがあります。AI機能がどの端末で使えるのか、電波が弱い場所での撮影や入力に対応しているかを確認しましょう。
無料トライアルがある場合は、実際の現場担当者に使ってもらうことが大切です。手袋をしたままの操作や屋外での画面の見やすさなど、事務所での確認では気づきにくい点が見えてきます。現場の評価と事務担当者の評価の両方を集めて判断しましょう。
既存の書式や他システムとの連携を確かめる
AIが作る写真台帳や日報が、自社や発注者の指定する書式に対応しているかを確かめましょう。出力した書類を毎回手で修正する必要があれば、AIによる時短の効果が薄れてしまいます。
また、会計システムや見積もりソフトなど、すでに使っているシステムとデータを連携できるかも確認項目です。連携方法がファイルの取り込みなのか、自動で同期されるのかによって、運用の手間は変わります。AI機能の提供範囲や追加費用とあわせて、資料請求で詳細を確認すると比較が進めやすくなります。
導入時の支援と問い合わせ窓口を確かめる
AI機能を現場に定着させるには、導入時の支援内容と、運用が始まってからの問い合わせ窓口を確認しておくことが大切です。支援の範囲は、操作マニュアルの提供、初期設定の案内、現場向けの説明会の実施など、製品によって異なります。
AIの分類結果や下書きの内容に疑問が生じたとき、どこに相談できるのかも確かめておきましょう。電話やメール、チャットといった窓口の種類と受付時間は、製品によって異なります。現場の稼働時間帯に連絡がつくかを、資料請求や商談の段階で確認しておくと安心です。
AI機能搭載の工事管理システム一覧
この記事で紹介する工事管理システムのうち、製品ページでAI機能を確認できる製品を一覧にまとめました。AIが担う範囲や機能の違いを比較してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| PROACTIVE | AIネイティブERPとして建設業の業務を一元化。AIダッシュボードやAI分析基盤で採算把握や経営判断を支援する |
| eYACHO for Business | 手書き・写真・音声に対応するデジタル野帳。画像認識AIで帳票を半自動作成、生成AIの災害リスク予測にも対応 |
| アーキLink | 見積から工程・写真・原価まで一元管理。AIが仕入先の見積を読み取って反映するAI見積もりやAIパース作成を搭載 |
| 蔵衛門 | 工事写真を軸にした施工管理サービス。特許を取得した建設AI技術を搭載し、電子黒板撮影アプリや台帳ソフトを使える |
AI機能搭載の工事管理システムの紹介
ここでは、AI機能を備えた工事管理システムを紹介します。AIが担う範囲と、対応する業務や機能を確認し、自社の課題にあう製品を選びましょう。
PROACTIVE
- 「PImacs」から「PROACTIVE Construction」へ。
- 30年以上、7,500社を超える導入実績
- PROACTIVE AIによる、高度な経営判断と業務の効率化・自動化
SCSK株式会社が提供する「PROACTIVE」は、AIネイティブERPとして建設業の業務を一元化するシステムです。分断されがちな業務をまとめ、JV管理を含む現場情報をリアルタイムで可視化できます。生成AIモデルを活用したAIダッシュボードやAI分析基盤、業務サポートAIを備えており、工事ごとの採算把握や経営判断の材料づくりを支援します。入力や突合作業の自動化にも対応しているため、事務部門の負担軽減と原価・工程データの分析をあわせて進めたい企業に向いています。
eYACHO for Business
- 手書き可能な、写真・動画・音声も使える『デジタル野帳』
- リアルタイム画面共有+ビデオ通話機能で離れた場所でも伝達可能
- アプリを利用して現場で資料を作成!持ち帰りの事務作業を軽減
株式会社MetaMoJiが提供する「eYACHO for Business」は、図面や資料をペーパーレスで集約できる施工管理支援アプリです。手書きに加えて写真・動画・音声も使えるデジタル野帳として、現場でタブレットから書類を作成できます。画像認識AIを活用して帳票を半自動で作成できるほか、生成AIが労災事例や安全法令をもとに災害リスクを予測する安全AIの機能も、プランによって利用できます。現場で報告書類を仕上げ、持ち帰りの事務作業を減らしたい企業に適した製品です。
アーキLink
- 業務を一元管理することで、あらゆる情報を共有し属人化を防止
- 誰でも直感的に操作できる画面で、確認・検索の手間を大幅に削減
- 専任担当による手厚い導入支援で、社内への定着まで伴走
株式会社Archi villageが提供する「アーキLink」は、顧客・案件・見積・発注・請求・写真・工程を一元管理できる建設業向けの業務管理システムです。代理店やメーカーからの見積をAIが読み取って自社の見積に反映するAI見積もり機能や、施主への提案資料をつくるAIパース作成機能を搭載しています。蓄積したデータは原価管理や経営分析に反映されるため、見積書づくりと収支の把握を同じシステムで進めたい建設会社に向いています。
蔵衛門
- 工事写真を軸に建設DXを実現できる施工管理システム
- 電子黒板撮影アプリ・台帳ソフト・現場共有機能がすべて使える
- 初期費用・追加料金なし!2ヵ月無料トライアルで導入前に試せる
株式会社ルクレが提供する「蔵衛門」は、工事写真のDX化を軸にしたクラウド型の施工管理サービスです。特許を取得した建設AI技術を搭載しており、パソコンソフトとモバイルアプリ、データストレージの3つのツールをまとめて利用できます。電子黒板での撮影から台帳づくり、図面や写真の共有までを一連の流れで行えるため、スマートフォンで撮影した工事写真を事務所の台帳作成につなげたい企業に適しています。
まとめ
工事管理システムのAI機能は、工事写真の仕分けや台帳づくり、日報や報告書の作成補助、工程や原価の分析など、現場と事務所の書類業務を減らす場面で活用できます。一方で、精度は撮影ルールや入力データの整え方に左右され、最終確認は人が担う必要があります。現場の端末で試し、既存の書式や他システムとの連携も確かめたうえで比較しましょう。まずは資料請求して、自社の工事にあう工事管理システムを探してみてください。

